中島京子のレビュー一覧
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夜逃げ おどろおどろしい出だしの街並みにLNNと書かれた表札のムーンライト いやあ引き込まれた。どんな方向に向かって終わりを迎えるか、そして塔子さんの息子に対する愛情以外に今後の身の振り方も書いてないし しょーもない息子にしょーもない嫁に登場するタイミングが酷くて金の管理迄していて自分の都合で帰るのに同居を偉そうに言うとか、3人で帰る場面も驚きました。栗田の告白する遅さと焦ったさ、マリーの父親と同じ事をしている栗田、その後が書かれていない意味はあるんだろうね、色々想像してしまう。途中のそれぞれの不安な気持ちとか一年にもならないシェアハウスとか、決して全員上手く行かない方向幕で、ずーっとローテー
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直木賞作家の中島京子さんが書く児童書入門のエッセイ。素晴らしくてするする読めて、ここから児童書を読む日々が始まったくらい。
プーさんも読んだことがなかった。どこがおもしろいのか、どんな部分がステキなのか、中島さんはどう感じたのか、そこがすごく伝わってきてワクワクしながら読んだ。
ナルニア国物語も不思議の国のアリスも読み直してみると素晴らしい。(中島さんが紹介してくれた鏡の国のアリスはなかなか難しいが)
それは子どもの時とは違い、人生経験がふえて、頭の中の映像を鮮明にすることができるようになったからだと思う。
ぜひ入門書として、ここから児童書沼にお入りください。僕はもうどっぷりつかっています。 -
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中島京子さんという方は、小説を書かれる上で、おそらくかなりの量の資料を読み込まれたり、調べられたりする方なのだろうと思う。
しかしそれを小説というフィクションのなかで感じさせることなく、虚構の中にリアリティを与えている。
小説なのに、本当にそういったことがあったような…誰かの話に耳を傾けるように、気が付くと心を掴まれている。
そんな中島京子さんのエッセイである。
面白くないわけがない。
そしてタイトルの小日向。最初に住む予定だった社宅が小日向にあった(取り壊しで住めなかったけど)。
住みたかった小日向のエッセイ…必読であろう。
読み終えての感想は…
中島京子さんという方は、おいしいものに目 -
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中島京子さんは子ども時代に幸せな読書体験をしている。
お姉さんとともに毎月の一冊づつ好きな本を買ってもらい、その本を繰り返し読み、お互い交換して、声に出して朗読し、すっかり頭に入れて、覚えたフレーズを日常会話で使って生きてきたそうだ。大人になった姉妹は、二人に共通する言葉を使い合う。なんて素敵な姉妹だろう。
子どもの頃好きだった児童文学18冊を再読し紹介している。
それらの本の想い出と溢れる愛が伝わる。さらに大人になってから読み返すからこその気付きも語る。
『トムは真夜中の庭で』をトムではなハティ目線で読み返してみたくなる。読みたい本がいっぱい。
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成人式、結婚、葬式、お盆に関連する4つの連作小説。平成の時代を背景にしてはいるけれど、なんとなく昭和の残り香のする人情味がじわじわ感じられる物語ばかりで、ノスタルジーとともになんとも言えないユーモアと暖かさが感じられてとても良かったです。かつてたくさんの男女の縁をとりもってきたお見合いおばさんが主人公の「この方と、この方」は、お見合いという今ではほとんど無くなった古き風習を描いていながらも、恋愛小説は星の数ほどある中で、お見合いを書いた小説はそういえばあまりないかも…?という点でむしろ新しさを感じました。「最後のお盆」は登場人物がこの世の人なのかあの世の人なのか微妙に曖昧になっていくあたりが主