あらすじ
廃墟化して取り残された高層マンションを管理することになったレナ。その上層階に住む老人たちは、なぜ忽然と消えていくのか?(「ふたたび自然に戻るとき」)。工場で“日本人”を作るじいちゃんと、管理人兼警備員の“俺”のもとに若い女が現れ、ある探し物をする(「キッドの運命」)。もう二度と自分の子供を奪われたくない――勝手に中絶した元妻に怒った「ぼく」は、人工子宮を移植して妊娠するが……(「赤ちゃん泥棒」)。われわれの未来は明るいのか暗いのか? 素晴らしいものなのか、恐ろしいものなのか? さまざまに考えさせられる著者初の近未来小説!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
中島京子さん「キッドの運命」中島さん初の近未来小説、凄かった!流石です。6つのストーリー全てが、「確かに、こうなるかもね」と感じられ、ギョッとする結末も、「以外と、この選択肢もいいかもね」と納得。ぶっちぎりの星五つ。大好き!
Posted by ブクログ
あるかもしれない未来は すぐ側にありそうな気がする。というか、今は 子供の頃からみたら 完全な未来で、ここに描かれる世界は まんざら嘘じゃないような気もしてしまう。「ふたたび自然に戻るとき」は 案外 アリじゃないかな、と思ったし。「赤ちゃん泥棒」だって どこかで研究が進んでいても異論はなかったし。最後の「チョイス」の世界も 同じ。あるかもしれない未来は、あったかもしれない未来だった、とわかったとき 人は大人になるんだろうな。奇妙でも不思議でも 結局 未来は誰にもわからない。それがいいところなんだろうな。