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「図書館を愛した」喜和子さんと、「図書館が愛した」人々の物語
上野公園のベンチで偶然、出会った喜和子さんは、
作家のわたしに「図書館が主人公の小説」を書いてほしいと持ち掛けてきた。
ふたりの穏やかな交流が始まり、
やがて喜和子さんは
終戦直後の幼かった日々を上野で過ごした記憶が語るのだが……。
日本で初めての国立図書館の物語と、戦後を生きた女性の物語が
共鳴しながら紡がれる、紫式部文学賞受賞作。
解説・京極夏彦
個性的でキュートな喜和子さんの物語と、
波乱万丈な国立図書館の物語が共鳴しながら紡がれる、
唯一無二の小説です。
軽妙洒脱に語られる図書館の物語パートと、
戦後を生きた喜和子さんの切なくも愛おしい記憶。
そのなんともいえないハーモニー……。
京極夏彦さんが解説で「小説でしか為しえない技法で、
小説という装置を用いる以外に行きつけない場所に連れて行ってくれる、
そうした小説なのである」とお書きになったのを読んで、
「まさに!」と膝を打ちました。
読書の喜びを存分に味わっていただける作品です!
※この電子書籍は2019年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
Posted by ブクログ 2022年11月20日
とっつきにくい題材なのかな、、
現代と過去を行ったり来たりで読みにくいかな、、と思いながら読み始めたが、戦前戦後の様子をリアルに感じられて、興味深かった。
戦争そのものの悲惨な描写は少なく、コミカルでくすっと笑ってしまう文章も垣間見られてホッとした。
最後の最後、散骨のシーンは非常に美しく、亡くな...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月11日
心温まる、やさしいお話。
ところどころ、劇中劇ならぬ、小説中小説が入る形式で物語が進んでいく。
自由に生きているように見えた喜和子さんには、実は不自由に縛られた過去があった、とか。まぁ時代的にあの時代の女性は多かれ少なかれそうだった、とは思うけど。そう思うと私は随分自由で恵まれた時代に生きているんだ...続きを読む
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