【感想・ネタバレ】さようなら、コタツのレビュー

あらすじ

15年ぶりに、しかも誕生日に、部屋に恋人未満の男を招くことになった36歳の由紀子。有休を取り、ベッドの到着を待ち、料理を作って待つが、肝心の山田伸夫が…来ない! 表題作ほか、新入りが脱走した相撲部屋の一夜を描く「八十畳」。やもめ暮らしの大叔父が住む、木造平屋に残る家族の記憶をひもとく「私は彼らのやさしい声を聞く」など、〈7つのへやのなか〉を、卓越したユーモアで描く傑作短篇集。

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Posted by ブクログ

タイトルが凄い気になって本屋にないけど注文した。思っていたのと違うかも、長いお別れからずっと好きで読んでます。それぞれ起こった出来事が生々しいとかで、こんな一面もあるんだな。アパートが取り壊しになって小学生のマナがお母さんの男の運転で居なくなってで終わるとか物凄い心配だよ。いたずらされてどうにかなるしか思わんて。なんとかしてよ中島京子さん

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2024年02月14日

Posted by ブクログ

部屋とそこの住人にまつわる短編集。短編集は読みやすいからやっぱり好き。表題『さようなら、コタツ』の主人公女性の心の動き。自分を励ましてみたりつっこんでみたり。よく表現できている。恋をしてるとさ、どんなに強い人間でもフラフラ動いてしまうんだよね。周りの意見も妙に耳に入ってくるし。でも結局は自分で決めて、自分で行動していかないと変わらないしさ。この女性、ほんとよくがんばった。そして温かみのある結末でほっとした。よかった。ハッピーエンドは嬉しい。たとえ虚構の世界でも。絵に描いたような幸福、味わってみたい!

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2017年05月24日

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ちょっとが永遠になりませんように、
一人でいるときに嫌なことが起こりませんようにと、

自分の人生をまだ
自分の手では切り開けない
年頃の女の子は、
いつもいつも胸の中に抱えている不安を、
小さくぽつんと口に出して、
それから星のまばらな空を見上げる。

(ハッピーアニバーサリー/さようなら、コタツ/インタビュー/陶器の靴の片割れ/ダイエットクイーン/八十畳/私は彼らのやさしい声を聞く)

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2013年02月13日

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色々な「部屋」に暮らす様々な人たちの人生を切り取って、時にユーモラスに、時にほろ苦く描いた短編集。

相撲部屋の「かわいがり」、児童虐待・摂食障害など、重いテーマも淡々と織り込んである。

個人的には昔の彼女との再会を描いた「陶器の黄色い靴」と隣室の子供の話である「ダイエット・クイーン」が興味深かった。

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2012年09月22日

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とても面白かった。
部屋に住む人たちの色んな出来事や心の内がとても面白かった。
お気に入りは「ハッピーアニバーサリー」「さようならこたつ」「八十畳」「私は彼らのやさしい声を聞く」

やっぱりこの人の小説好きです。

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2023年11月26日

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ネタバレ

部屋にまつわる7つの短編小説。作者曰くサブタイトルは「へやのなか」

ちょっとクセのある登場人物たちが、それぞれの部屋で過ごす日常を切り取ったごく普通の描写がすごく面白い。「クセのある」と書いたが、プライヴァシーの最たる場所たる我が家のそれも部屋の中であれば、誰だってクセはあるものなんだろう。テレビで帰宅する人の家についていく企画があるが、それだけで人間ドラマが撮影できるくらいに、人が住む部屋には住む人の数だけドラマがあるわけだ。

そのドラマをきちんと切り取って(フィクションだから構成して…か)短編小説にするのが小説家の腕なんだが、中島京子はその腕があるんで、読者としても安心して部屋の中のドラマを楽しめる。

表題作はじめ、どの作品にもとんでもない大事件は起きず、日常の淡々とした光景が優しく若干のシニカルとユーモアをまぶして仕上げた美味しい作品になっている。この本、後からジワジワ効いてきそうである。

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2021年12月24日

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ネタバレ

*15年ぶりに、しかも誕生日に、部屋に恋人未満の男を招くことになった36歳の由紀子。有休を取り、ベッドの到着を待ち、料理を作って待つが、肝心の山田伸夫が…来ない!表題作ほか、新入りが脱走した相撲部屋の一夜を描く「八十畳」。やもめ暮らしの大叔父が住む、木造平屋に残る家族の記憶をひもとく「私は彼らのやさしい声を聞く」など、“7つのへやのなか”を、卓越したユーモアで描く傑作短篇集*

この方は、こういう他愛もない日常の、さもない悲喜こもごもを描くのが本当に巧い。登場人物たちと一緒になって、悩んだり慌てたり喜んだり落ち込んだり、そんな体験が出来るのも、中島作品の醍醐味かも。

中でも、特に好きなのは、ハッピーアニバーサリー。
同性の恋人を伴って帰宅すると、なんと酔っ払った父親が上がりこんでいる(しかもイベント日!)、と一瞬不穏な幕開けのお話なのですが。
そのガーリッシュな空間に全く似合わない父・清三と、恋人が帰ると言い出さないか泣きそうになる娘・由香里。その横で、意外な感覚にとらわれ、ある決意を固める恋人・園子。この設定で、この展開か!巧い!って感じです。
そして、夢うつつの中でその二人の様子を見てしまい、混乱のあまり、母さん!と心のうちで叫ぶ父・清三がとにかくチャーミング。いいなあ、このさりげなさ。本当の温かさってこういう日常の中にあるんだと思う。秀作です。

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2020年10月22日

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完全なるタイトル買い。
ちょっとシニカルで、ぞっとするような場面も時々ある、中島京子ワールド。な、7つの短編集。

表題作は、15年ぶりに自分の部屋に恋人(未満?なりかけ?)の男を招待することになった36歳の女性が主役。
しかもそれは自分の誕生日で、出張終わりの彼が夜に来る手筈なのでそれまで部屋の掃除やら料理やらに張り切るのだけど、時間になっても彼は来ず…。
もう“いい大人”であるはずの主人公の由紀子の奮闘ぶり(と言ってもちょっと醒めてて、だけどどこかが興奮しているようなおかしなテンション)を醒めた視点で描いている。
由紀子の行動を見ていると、少し切なくて愛おしくなる。そしてラストはほっと出来てひと安心。
その他にも、ある相撲部屋の1日を描いた「八十畳」や、婚約者と暮らす部屋に昔の彼女を招いた男の悲喜こもごもを描いた「陶器の靴の片割れ」など、すべて“部屋”にまつわる物語になっている。
少しの物悲しさと、そこはかとなく漂う“客観”の雰囲気が面白い。

人ってけっこうおかしなことやってるんだよなぁ、と思う。自分ではおかしいと思ってなくても他人から見たらおかしかったり、その逆もあったり。
日々色んな人と接していると、“普通”の人も存在しない、と感じる。言ってしまえば世の中の人間はみんなそこそこの変人だ。笑
そういう、よくいるんだけど普通ではない人々が織り成す、日々の悲劇だったり喜劇だったりが詰まっている作品のように思う。
他人から見たら大したことないことでも、その人的には大事件だったりとか。繋がっていてもやっぱり他人は他人よね、と思うこととか。

こういうの書いてみたいな、と久々に思った。大して事件なんて起こらない物語のほうが、難しくて書き甲斐がありそう。

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2018年01月11日

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ネタバレ

中島さんの、またまたタイトルがユニークな作品。
色々な人が住む「部屋」を舞台にした短編集。
切なくなってしんみりしたり、可笑しくて笑ったりと部屋の数だけ物語がある。

特に笑ったのは最初の短編。
独り暮らしの娘の部屋へやって来た父親に頑張れ‼と声をかけたくなった。

一番好きなのは表題作。
15年間使っていたコタツにさよならする女性。
彼女に決断させた事とは…!?
エピソードの数々に笑ったり頷いたり。
句読点のない文章が彼女達の人となりをよく表していて面白い。

沢山笑って、でもラストはほんわかした気持ちになる。さすが中島さん!

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2017年08月20日

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ほとほと、と沁みてくる。
既知が多少増えて、鈍感になった感情をまさぐられるような。なんで理由付けが必要なんだろう。意味を探しちゃうんだろう。

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2014年07月02日

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さすが中島京子さん。登場人物がぐっとリアルに迫ってくる。こたつを捨てた主人公の心の動きには、とても共感できた。

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2012年07月10日

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最初の短編「ハッピー・アニバーサリー」。いきなりレスビアンの話で、この先どうなることかと思ったのですが。。。
どの作品も、ちょっと変わったシチュエーションですが、かといって特に奇をてらうことなく、小さな日常を見事に描き出します。登場人物の心の動きが心地よく沁みて来ます。
今まで読んだ中島京子さんの作品で一番好み。
中島さんの力量を感じさせます。

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2016年07月30日

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「家」にまつわる短編集。
以前読んだ同じ著者の本がおもしろくて、その本の登場人物がこの本にも登場するということで、以前から読みたくてようやく読んだ。
私の良くないところなんだが、記憶力が弱体化しているので、この本のどの話のどの人物が前回読んだ本の人達なのかがわからず・・・。

表題作「さようなら、コタツ」に出てくる姉妹のような気もするし、
最後の話「私は彼らの優しい声を聞く」に出てくる姉妹のような気もする。
姉妹の話だったことは、覚えているのだけれど。

特に事件は起こらない、たんたんとした話が多い。
いや、事件を事件としない。何事も自然と受け入れているというのだろうか。
そんな、中島京子節を感じた。

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2025年09月29日

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短編集。

抱いていたイメージと違った。

表題作「さようなら、コタツ」は良かったが、その他はそこそこ。

可もなく不可もなく。

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2025年04月06日

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部屋にまつわる短編集。裏タイトルは「へやのなか」だそう。(短いまえがきより)
部屋に人を招くことは、相手に自分を一歩分明け渡すようなところがある。自分でも覚悟していない箇所で、自分を知られてしまうような。反対に、招くために片付けたり準備したりする自分自身の心理と向き合うと、思わぬ自分を見つけたりするのかもしれない。
一方、部屋に招くほど、また、ともに同じ空間に住むほど親しくなったとしても、個は個である。
そんな中、『私は彼らのやさしい声を聴く』の部屋はなんだか風通しが良い。不思議な空間。部屋はまた人でもあるのか。

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2021年09月21日

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「桐畑家の縁談」のウー・ミンゾンのその後が出てくるというので読んだ。鎌倉のおじさんのうちでのエピソード。
中島さんは小説の名手だと思う。それは間違いない。絶妙な心理が描かれているのは変わらないのだけど、長編における緻密な構成とか、意外性に慣れてしまって、短編だと、どこかさらっとしすぎて物足りない。贅沢な悩み。

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2021年03月15日

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短編集。表題作が良い。40歳くらいの冴えない男の人が初めて部屋に来る、ウキウキして落ち込んで、でも前向きでグラタンを温めていいことがある。

あと冒頭の「ハッピーアニバーサリー」女性2人でルームシェアしてる部屋に父親が突然来る、雑貨屋の夢、現実味のある父親、大須磨の弁当。

「私は彼らのやさしい声を聞く」夢うつつの中の、夫婦の会話。英語の歌、カタカナのヨジジュクゴ、子供の頃に熱を出した記憶。温かく感じられる。
全部好き。全部、なんとなく温かい話になっちゃうんだなぁ。架空の部屋の、でも実体を感じるお話。

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2019年07月20日

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タイトルとなっている「さようなら、コタツ」が一番よかった。
あーわかるなぁと思い、思いっきり感情移入してしまった。
「ハッピーアニバーサリー」も良かった。ちょっと可笑しくて可愛いらしかった。

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2015年04月21日

Posted by ブクログ

初めの方が面白い。というか、はじめにの部分が一番面白い。世界には部屋が無数にあって、それぞれでそれぞれが生活を営んでいる。ふしぎー

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2014年11月01日

Posted by ブクログ

【本の内容】
15年ぶりに、しかも誕生日に、部屋に恋人未満の男を招くことになった36歳の由紀子。

有休を取り、ベッドの到着を待ち、料理を作って待つが、肝心の山田伸夫が…来ない!

表題作ほか、新入りが脱走した相撲部屋の一夜を描く「八十畳」。

やもめ暮らしの大叔父が住む、木造平屋に残る家族の記憶をひもとく「私は彼らのやさしい声を聞く」など、“7つのへやのなか”を、卓越したユーモアで描く傑作短篇集。

[ 目次 ]


[ POP ]
ちょっと探せばどこにでもいそうな、垢抜けない普通の女の人が登場するのですが、その人のキャラクターに引きずられて、友達の日常を見ているような気さえしてくる、なんとも微笑ましい小説です。

この主人公の垢抜けなさとか、好きな人のために無駄なことばっかりしてしまって、しかも空振っちゃいました、みたいなかっこ悪さが、抜群に素敵でした。

好きで好きで仕方なかった人と念願叶って付き合い始めたんだけど、どうも向こうは私ほど私のことを好きじゃないかもしれない、どうしよう、振られちゃうかも、などという微妙な時期が私にもあって、その頃ちょうど、『さようなら、コタツ』の主人公みたいに、彼がうちに来る何十時間も前から食事を作って部屋を片付けて、何度も着替えたり机の配置を換えたりしました。

要領のいい、愛され体質の女のひとはこんなこともないのかもしれないけど、人を好きになる嬉しさは、こういうところにもあるのかもな、と思わせてくれる一冊でした。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年08月29日

Posted by ブクログ

短編集
色んな部屋に起こるそれぞれの物語
中島さんは色んな描写が細かい!それが良かったり、いらなかったり、、、
読みやすいお話ばかりで、サラサラ読めた。
題名にもなってる、さようならコタツが一番良かったかな!

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2014年08月26日

Posted by ブクログ

それぞれの部屋で繰り広げられる人間ドラマの短編集だが、あまり心に残るものがなかった。さらさらっと読める。

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2014年01月13日

Posted by ブクログ

まぁ,自分に小説の鑑賞眼がないのでなんともいえないが,そんな素人を最後まで読ませたのだからそこそこ上手な物語なのかもしれない。今,目次をみて,ぱらぱらやってみても,しばらく前によんだはずなのに,物語がだいたい思い出せる。機会があれば別の作品も読んでみよう。

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2013年07月23日

Posted by ブクログ

部屋と住人にまつわる短編集。
ハッピーエンドばかりではなく、ほろ苦いものもあった。
生活しているといいことばかりではないけど
小さな幸せを感じながら、日々前をむいて暮らしていく。

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2013年04月01日

Posted by ブクログ

7つの短篇集。どの話も部屋の中が舞台。
人の思いや考えが揺れ動くようなストーリー。
特に明るくも暗くもないので読み流す感じにすーっと読んだ。改めて読み直したらきっと違う感想が持てる気がする。

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2012年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

色々な人たちのささいな事柄をさらっと書いている
短編集なのだけれど、
あれ、こんなこともあるのか、あるよねと
意外性や共通性が微妙に入り交じって
読んでいて爽快な気持ちになった
解説を伊集院静さんが書いていて、
伊集院さんも文才あるんじゃないかなんて考えていて
ハタと気づいた 
私、伊集院光さんと間違えている
伊集院静さんは立派な作家さんだよ、失礼な
すっかり光さんだと思い込んで解説読んだので
こんな素敵な解説書くんだなぁなんて思っていた・・・アホ
解説も良くって、2度美味しい思いをしました

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2011年09月03日

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一度買ったことあったなー、この本。そんなことがないように記録つけてるのに、意味ないったら。最後の話が好きだなあ。意外と私、男やもめの話が好きかも!?

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2011年08月08日

Posted by ブクログ

中島京子の本の中では分かりやすい話。7つの短編。今まであまり書かれなかったシチュエーションや展開で私は好き。特にタイトルの「さようなら、コタツ」の情けない感じの彼と彼女がとても微笑ましい。

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2011年07月30日

Posted by ブクログ

アクがなくサラサラっとした印象。昭和の日向のような、どこか懐かしいにおいがする。「部屋」にしみついた匂いとか、空気を思い出して、ちょっとセンチな気分になったりもした。

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2011年06月21日

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部屋の中の出来事を集めた短編集。部屋の中で展開するという点が面白いな〜と思います。住む人が違えばその分いろいろな物語がある訳で、その事に今更ながら気づかされました。当たり前のそういう事を意識せずに生活してました。

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2011年09月28日

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