中島京子のレビュー一覧

  • ツアー1989

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    ネタバレ

    1989年の香港への「迷子ツアー」
    旅客の中の目立たない誰かがひっそりと「迷子」になるという奇妙なツアー。他の客は、ぼんやりとした喪失感を覚えながら帰途につく。
    何かを置いてきたような気がする…。だけど、それが何か分からない…。
    時間が流れ、さらにその記憶は失われていく。
    すっかり忘れていた香港での時間を、日記を通して思い出す男女。かつて迷子ツアーがあったことを、思いがけず知り、そのなぞを解き明かそうとする一人の少年。3人のそれぞれの、1989年のあの日に向けられた物語。

    他の人の記憶と経験と、自分のそれの区別がつかない。
    自分の輪郭になるはずの記憶と経験が、多くの人に共有されるものであった

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    2012年05月16日
  • FUTON

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    ネタバレ

    これがデビュー作だとは!中島京子恐るべし。
    花袋の「蒲団」と対をなす「蒲団の打ち直し」(デイブ・マッコーリー)が実に秀逸である。作中作と主人公をめぐるよしなしごとをラップさせての進行が良い。何より,複層構造とした本作の中で核となる東京大空襲や第二次世界大戦にまつわるウメキチの話が何ともせつなくって,良いね。文句なし!

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    2011年12月07日
  • ココ・マッカリーナの机

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    シアトルの近くの小さな街で臨時講師をした日本人女性のエッセイ。小学校(?)を中心にしたローカルな世界が舞台ですが、全編を通じて'90年代末らしい感じがそこはかとなくとなく出ています。
    軽やかな文体で数ページずつのエピソードが続き、読みやすかったです。観念的な描写がなく、大人も子供も生き生きとした形で描かれていました。

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    2011年08月20日
  • ツアー1989

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    ネタバレ

    「1989年の香港ツアーで一人の青年が消えた」

    そんな一文に惹かれて購入。
    あまりにもど真ん中のストーリー展開に心臓を打ち抜かれてしまった。
    あああ、何でこんなに惹き込まれるんだろう……!
    どの章のどの登場人物にも奥行きがあって、妄想が止まらない!
    そんなはずはないのに、まるで自分が伝え聞いたことのように思えて、すでに自分があやふやになっておる。

    まだ余韻に浸っていてうまく書けないが、一応以下覚え書き。

    始め、「迷子つきツアー」自体がミステリー要素を含んでいたから、「吉田超人」章にて迎えた解決に、ちょっと物足りなさを感じた。
    けれど、すぐに吉田氏の話を反芻して、この小説にとって謎解きはさ

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    2011年06月12日
  • FUTON

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    花袋の『蒲団』では脇役として影を潜めていた主人公の妻視点で『蒲団』の打ち直しを行うアメリカ人日本文学研究者とその周辺の人々の物語。
    誰が語るかによって世界がこんなにも変わってしまうというのがすごくおもしろい。

    主人公のひとり語りで進む『蒲団』で存在していたたくさんの壁、例えば年齢、性別、価値観など、そういう隔たりに橋がかけられたような印象を受けた。

    『蒲団』で主人公が抱いていた人生に対する圧倒的なさみしさを思い出す。

    そのさみしさは『蒲団』を打ち直す研究者にもおじいさんにも絵描きにも共通していて、誰か何かがその空白を埋めてくれるんじゃないか、自分が誰かのさみしさに寄り添えるんじゃ

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    2011年04月24日
  • イトウの恋

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    明治初頭に北海道を旅した40代後半の英国人女性と、通訳兼ガイドとして彼女に同行した横浜出身の17歳の日本人少年の間の「恋」を描いたフィクション。日本人少年通訳が晩年になって記した手記をたまたま発見した高校教師が現代語訳した手記を、その通訳の子孫である女性(元モデルの劇画原作者)が読んでいくという重層的な物語構造。漫画原作者の女性と高校教師が段々親密になっていくプロセスも同時進行する。複雑な時間構造・プロットを、ややこしい背景設定がされた登場人物が謎解きをしていくにもかかわらず、飽きさせない。個々のキャラクター描写も細かくて良い。

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    2011年01月13日
  • FUTON

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    日系の女学生エミに翻弄される中年のアメリカ人教授デイブの葛藤を軸に、挿入される作中作『蒲団の打ち直し』、そこにエミの曾祖父ウメキチの回想も入り、どのひとつをとってもひとつの小説でいけそうな物語。
    『蒲団の打ち直し』は田山花袋の『蒲団』のremixで、細君の視点から描かれている。デイブとエミの話はデイブ側からの視点なので、この異なった視点の当て方が物語に深みを与えている。
    すごい面白い。

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    2010年12月20日
  • FUTON

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    田山花袋の「蒲団」を読んで準備万端です。

    アメリカ人の日本文学者デイブを主人公に
    「蒲団」の物語を妻の立場からリライト。「蒲団の打ち直し」
    さらにデイブとその教え子の日系人エミを主人公に現代版「蒲団」、
    エミのおじいちゃんの記憶(ボケ?)の話の3本柱に描かれてます。
    3つも絡まってるのに、ごちゃごちゃになることもなかった。
    おもしろかったです。
    それにしても「蒲団」の主人公は好かん。

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    2010年11月14日
  • FUTON

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    おもしろかった!田山花袋の『蒲団』の打ち直し、ってだけで、もうおもしろい。花袋の時代と今の時代では恋愛における価値観はずいぶん違うけれど、恋に振り回される男の狼狽ぶりは同じ。そして、女はさっさと違うステージへ行ってしまう。中島京子の文章は軽妙で、ぐいぐい読ませる。

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    2010年10月26日
  • 冠・婚・葬・祭

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    すてきな短編集! 冠、婚、葬、祭をテーマにした4つの物語が、どれもピリッとしていて、鮮やか。とっても巧みで、ウム、と唸ること請け合い。わたしたちが日常で出くわす冠婚葬祭。関わり方は多々あれど、人の本質って案外そういう場面でうっかり見えてしまうもの。明るくて皮肉、そしてあたたかい。おすすめ。

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    2010年09月29日
  • ココ・マッカリーナの机

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    この体験記を、どこかで「人生変えなきゃ」と思っている、悩める友人たちに贈る。
    と、「はじめに」に書いてあるように、前向きな気持ちになれるエッセイ集だった!
    実際に暮らしてみないと知ることのできない、ブレマートンの人々の文化や日常が興味深くて、読んで楽しい。
    中島京子さんについては、今まで小説を二冊だけ読んでいて、どちらもスキッとする読後が気に入ってたけど、このエッセイを読んでもっと好きになった。

    解説が豊崎由美さん。「今後の作家人生は開運一途間違いなしである」とまで仰られてる。すごい!

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    2010年02月28日
  • FUTON

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    何気なくタイトルに惹かれて手にした本だったのだけれど、予想以上に深く面白い小説だった。
    中島京子という人も初めて知ったのだけれど他にも幾つか書いているようなので是非読んでみたい。

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    2009年10月04日
  • ムーンライト・イン

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    えーーー!という感じ
    ここで終わっちゃうの??
    と。。。
    何だか不完全燃焼な読後感
    きっとマリージョイの言う通りに
    なる可能性が高いし
    きっと彼女も…とは
    思うのだが。。。

    訪れた住人、それぞれが抱えている悩みは
    重ためなものだった
    かおるさんの話は
    いたたまれない感じ。
    マリージョイも 本当のところは
    どうだったのか…と…
    喫茶店の店主の言葉に
    うんうん。と心の中で賛同した
    そうであってほしいと

    明確な結果は分からない
    けど それがリアル感を出しているとも
    言える。
    よなぁ。。。
    ほのぼのとしているようで
    修羅場あり。な…

    読んでいて ムーンライトインの周りの
    景色が、澄んだ空気が

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    2026年08月23日
  • 坂の中のまち

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    ネタバレ

    富山からお茶大に進学し小日向台にある祖母の親友の家に下宿する坂中真智が主人公の連作短編。祖母の親友が実は実祖母で坂オタク。ボーイフレンドになる明大法学部のエイフクは昭和文学オタクで文学関係地あるき大好き。
    フェノロサの妻(切支丹坂)、琴のそら音(幽霊坂)、D坂の殺人事件(団子坂)、機械・春は馬車に乗って(たくさん)、こころ(富阪)と坂にまつわる小説がモチーフに。エイフクからの恋文は黒手組の暗号で解くと「ツキガキレイデスネ」
     読んでいると、本を片手に東京散歩をしているようで。

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    2026年08月10日
  • 小さいおうち

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    ネタバレ

    8月。この時期にたまたま選んだ本がこの本で、読めて良かったと思う。
    戦争は歴史の教科書を通して知ることが多くて、〇〇年〇〇事変勃発、みたいに出来事としての認識だった。戦争が起きていても、どこか他人事で生活が続いていく。でもだんだんと普通の生活が変化していく様が痛いくらいに伝わって、ああ戦争って日常をこうやって壊していくんだな、恐ろしいな、世界中で今もこんな思いをしている人がいるんだな、と今ある平和への感謝と願いが残った。

    この本は最近引っ越したこともあって、なんとなく家(生活)をテーマにした話なのかなと読み始めたので、思っていたストーリーとはだいぶ違った。しかも初めの方は特に展開も無く、ダラ

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    2026年08月09日
  • 平成大家族

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    緋田家の主人(72歳の男性 大黒柱だと自分では思っている)その妻・妻の母・息子+戻ってきた娘とその家族の物語
    家族の中には現代の社会問題になっている不登校、引きこもり、シングルマザー、認知症の者がいる

    日々問題が起こり、どうすればいいのだろうか?なぜ自分の家族が⋯と悲観することばかりだがなぜか、この家族はどこかユーモアがあってポジティブな考えなので、読んでいても暗くならないどころか明るくなり、落ち込んでいても物事は好転しないと思わせてくれます
    2024/12

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    2026年08月08日
  • 坂の中のまち

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    中島さんの国文力が存分に発揮されて楽しい。東京の地理には疎いワタシにもワクワク伝わる。好きやなこういうの。

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    2026年07月23日
  • 長いお別れ

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    軽い感じで始まったが、最期まで有り得る話だよなと感じられた。
    認知症の家族はそれぞれ状況は違うが、老老介護は増えているし、子供に負担をかけたくない思いも分かるが自宅で1人でみるのは大変なはず。分からないと投げ出さず、家族の協力が必要だということがこの本を読んで少しでも理解者が増えてほしいと思った。

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    2026年07月18日
  • 今日もぼーっと行ってきます

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    中島さんのぼーっとする小旅行記。ぼーっとするために行く場所・時間の使い方に憧れます。野鳥公園はぜひ行きたい。どの季節も行きたい。伊能忠敬のことも調べて自分なりに踏査してみたい。でも中島さんは仕事だけど自分は趣味でとなると、なかなか足がむかない。休みの日に~色々調べて~・・・ううハードル高っ。交通費だって馬鹿にならないじゃないか。と考えるあたり、ぼーっとするのも難儀である。ぼんやするのは得意だけど、気合を入れてぼーっとするのは苦手なのかもしれないな。

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    2026年07月10日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

    ネタバレ 購入済み

    七人の作家が書く、明日町こんぺいとう商店街の七つの店舗の物語。大山淳子さんの「あずかりやさん」は、、先に読んで知っていたけど、ここから生まれた物語だったんだ。へぇ〜

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    2026年07月04日