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Posted by ブクログ
中島京子の突拍子もない(褒め言葉)歴史小説です。
主人公はスランプの作家で、スランプ脱出のための旅先で不思議な窯元に出会う。その窯元が語るのは、水神=河童一族で伝わる水神夜話。そしてそれは、ウンビの器と、水神、秀吉朝鮮出兵にまつわる壮大な歴史物語だった。
水神たちは、戦争を止めようとする。戦いを好まない水神たちはどこかおっとりとしていて、戦をしたり、平気で嘘をついたりするヒトのことがいまいち理解できない。
水神さんたちがせっかくおっとりして、良い感じのお話になっているのに、史実のおかげで語られる物語は凄惨である。
史実とファンタジーの境目で、ふわふわした世界観のなか、ラストはけっこう重たいなあと思った。なんで人間ってずっと戦してるんだろうね。なんでだろうね。
斉藤洋の「白狐魔記」のようだな。
あれも、狐は長い日本の中で、戦をするヒトのことが理解できないんだ。
Posted by ブクログ
僕は、先の併合植民地化と大震災での虐殺とそれに続く大戦で、その国の人々に大変な災いをもたらしたことを非常に恥じていて、大きな借りを負っていると思って生きてるけど、そのもっと前の出征とその時の振舞いの話しを小説とはいえ改めて読み、さらにもう一つ大きな借りを負ってしまったと感じた
まずは借りを少しずつでも返すことから始めなければいけない
小説はとても悲しかった
上に書いたことを感じたながらよんだからだと思うし、たまたまこの前に読んだ不屈の人とひと続きになってると感じたからというのもありそう
この作家の小説の終わらせ方はいつもとても好きで、でも今回はなぞかけも含めて理解が追いつかなかったと思う
Posted by ブクログ
「秀吉の朝鮮出兵」について、河童族(水神)が見聞きしたことを記録した文書「水神夜話」。その内容を、朝鮮出兵の拠点となった佐賀で、現代の作家が、水神と何か関係のありそうな?陶芸家夫妻から聞くという話。
「秀吉の朝鮮出兵」は遠い昔、歴史の授業で習ったけれど、「そういう事実があった」程度しか教わらなかったので、こんなに大勢が亡くなった、16世紀最大規模の国際戦争だったと初めて実感した。
河童の記録という体裁なので、本作には幻想的だったりユーモラスな雰囲気もあるのだけれど…
何故戦争をするのかよくわからないまま始まった戦争であることや、なかなか終わらせることができずに無駄に続けられたこと、トップ(秀吉)の権力が大きすぎて誰も止められない・意見を言えない等、今現在のアメリカの対イランの状況を思い起こさせる。
また、本作にも書かれているように、兵站(戦場における食料や燃料、医薬品等の補給・輸送)をちゃんと考慮せずに無暗に突き進んで多くの兵を飢餓で失った事実は、第二次世界大戦中の日本軍を思い起こさせた。現在の食料自給率37%にも私はたいへんな恐怖を覚えるのだけれど、日本人は昔から、食料確保についてはあまり考えないみたい。日本人は食べることが好きな人が多い気がするのに、なぜなんだろう?
九州に行くと、古代からの朝鮮半島・中国との交流の歴史や、物理的な距離の近さ、文化的な影響を肌で感じることがあって、九州(西日本)にルーツを持たない私としては物珍しいというか、面白い。佐賀の唐津や名護屋城跡なども行ってみたいなと思った。
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