坂の中のまち

坂の中のまち

小説・文芸
1,700円 (税込)

8pt

「隣に座るって、運命よ」
文豪ひしめく坂だらけの町の不思議な恋の話。

上京して大学に通う〈わたし〉の隣に座った〈エイフクさん〉は、
ちょっと好みの見た目をしていた。

江戸川乱歩『D坂の殺人事件』の別解(!?)、
遠藤周作『沈黙』の切支丹屋敷に埋まる骨が語ること、
安部公房『鞄』を再現する男との邂逅、
夏目漱石『こころ』みたいな三角関係……。
風変わりな人たちと、書物がいろどる〈ガールミーツ幽霊譚〉。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春e-book
  • タイトル
    :
    坂の中のまち
  • タイトルID
    :
    1718159
  • ページ数
    :
    208ページ
  • 電子版発売日
    :
    2024年11月08日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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    Posted by ブクログ

    目次
    ・フェノロサの妻
    ・隣に座るという運命について
    ・月下氷人
    ・切支丹屋敷から出た骨
    ・シスターフッドと鼠坂
    ・坂の中のまち
    ・エピローグ

    主人公の坂中真智(まさに坂の中のまち)は大学進学のために上京し、亡き祖母の親友である志桜里さんの家に下宿する。
    そこは大学から徒歩15分と通学には便利な場所にあるが、小日向台というめちゃくちゃ坂の多い地域の坂の上にあった。

    元ヒッピーだったという志桜里さんは、はきはきとした言葉遣いと行動力を持つ元気なおばあさん。
    自分の、いかにも田舎のおばあちゃんだった祖母との違いに驚き戸惑うが、実は彼女とはもっと根源的な縁があったのだった。

    というのはまあ、措いておいて。
    東京の坂の多さは知っていたけれど、これほど文学作品に坂が登場していたとは思わなかった。
    もっとも日本の近代文学はあまり読んでいないのだけど。

    冒頭の一編こそ明らかにファンタジーで、現実には起こりえないけれど、『切支丹屋敷の骨』もまあ、不思議系の話だけど、坂マニアの志桜里さんとの交流や、幽霊部員のエイフクさんとの出会いや、学友であるよしんばちゃんや泉さんとのやり取り等、これは高校生くらいの子が読むといいかもしれないね。
    PTAはお薦めしないと思うけど。

    でも、選ぶのは自分自身。
    恋愛も、生き方も。
    主人公が夏目漱石の『こころ』について、主人公はお嬢さんであるべきでしょうと憤るところが面白かった。
    確かに男性二人が勝手に盛り上がって死んでしまって、お嬢さんは「己の過去に対してもつ記憶を、なるべく純白に保存」って、漱石、女性に夢見過ぎやで。

    真智のおばあちゃんがちょっと現実的でないというか、受け入れがたくはあった。
    1970年代に地方都市から進学のために上京する女性って、頭がいいとかよりも、世間を説得できるかが大きいと思うのだ。
    私はそれ以降の世代だけど、やっぱり「女に学問はいらない」って親戚から言われたし、ましてや上京、4大、共学なんて無理無理無理。

    親友に対しても口が重くて、三日も悩み続けるような人が、70年代の東京で女子大生って親は心配で絶対出さないと思うもの。
    進学するなら地元の女子大って時代だった。
    出ていける人って、頭が良くてお金があってはきはき自分の意見が言える人。
    そんな時代でしたよ、私の頃も。

    よしんばちゃんは、もっと活躍してほしかったな。
    口癖が「よしんば」だから、子どもの頃から「よしんば」というあだ名の彼女は、両親が共働きで書道の先生をしていたおじいちゃんに昼間は面倒見ていてもらったのだという。
    だから会話の中で「よしんば」とか「なかんずく」とかちょっと言葉遣いが古めかしくておかしかわいい。好き。

    0
    2026年08月24日

    Posted by ブクログ

    女子大生の物語としても面白いが、文学作品紹介と文京区案内が織り込まれているので、何重にも面白い。文学好きで文京区に縁のある人は必読かも。時代の世相や課題にも触れられているが、全体的には軽く明るい気持ちで読める。

    0
    2025年05月30日

    Posted by ブクログ

    中島さんの国文力が存分に発揮されて楽しい。東京の地理には疎いワタシにもワクワク伝わる。好きやなこういうの。

    0
    2026年07月23日

    Posted by ブクログ

    大学生になって富山から出てきた女子学生が居候した先には数々の坂があった。坂道の出てくる明治文学を絡めながら、現代と文学作品の舞台が重なり合い広がっていく、坂にまつわる物語。
    各文学作品を読んでいたら、もっと面白く読めただろうなと思うので、明治の文豪作品を読んでる人におすすめ。

    0
    2026年02月14日

    Posted by ブクログ

    新年からカラッとしたいい物語に出会えてうれしいな。
    今年は文豪の名作を読みたくなった。

    後世振り返れば、コロナ禍文学みたいなカテゴリができそうだな。

    0
    2026年01月03日

    Posted by ブクログ

    東京の坂にとっても詳しい祖母の親友の志桜里さんと一緒暮らすことになった真智。
    東京には志桜里さんの話を聞いているととにかく坂が多いことがわかる。
    志桜里さんの坂の話に引き込まれ、そのせいでか文京区辺りが舞台だったり、住んでいた作家の作品などの世界に迷い込んでしまう真智。
    読んでいる方も話の中に引き込まれていく。
    志桜里さんと真智親子関係、祖母の関係も面白い。
    この話に出てくる坂に行ってみたくなった。
    行ってみたら小説の世界に入り込めるかなぁ。

    0
    2025年11月10日

    Posted by ブクログ

    坂のまち、だと何となく和む風景を思い浮かべるが、坂の「中の」まちと聞くと陰陽いろんなイメージが飛び交う。実際まちを舞台にしたエピソードがリアル且つエグくていい意味で感情を裏切ってくる。しかも文豪の名作を重ね合わせてシンクロナイズされたストーリー展開はちょっとしたタイムリープ感もあって何気に惹き込まれる。

    0
    2025年10月25日

    Posted by ブクログ

    坂の多い町の話
    地名や坂の名前が多く土地勘が無いからいまいち想像が追いつかなかったが
    日常プラス非日常感が楽しめた

    0
    2025年09月04日

    Posted by ブクログ

    まず装丁が可愛い 読む前からワクワクする
    富山に住む真智は亡き祖母の親友である志織里の家で下宿させてもう事になる。そこは東京の日向坂にあるのだが近くに曰くありげなキリシタン坂始め数々の坂がある場所。坂にまつわる文豪の話が出てくるので、それらの本を読み返したい。

    0
    2025年07月06日

    Posted by ブクログ

    たくさんの坂のある町、小日向が舞台のお話。 実際の文学作品とともに流れるお話にワクワク。エイフクさんの気遣えない感じには不思議と腹は立たなくて可愛らしさを感じましたw 今度のお休みに実際にお散歩してみようかな

    0
    2025年04月11日

坂の中のまち の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春e-book
  • タイトル
    :
    坂の中のまち
  • タイトルID
    :
    1718159
  • ページ数
    :
    208ページ
  • 電子版発売日
    :
    2024年11月08日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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