中島京子のレビュー一覧

  • 長いお別れ

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    介護サービスのあれこれ、自宅介護の大変さ、医療との関わりなど家族それぞれの立場からの思いが縦横に書き込まれています。タイトルは認知症のことを英語でロンググッドバイと言うことからつけられたそうです。胸に迫ってきました。人ごとではないです。

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    2025年02月25日
  • 花桃実桃

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    ネタバレ

    父がなくなりアパートを相続した頃職場に居づらくなだて退職し、アパートの住人・管理人になります。バーを始めた地元の同級生やアパートの奇妙な住人達との交流と恋と…。父の晩年の恋人(アパートの住人)との交流も。とても面白かったです。

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    2025年02月23日
  • 平成大家族

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    語り手が変わっていくことで各人各様の悩みがあることがわかります。次から次へ家族が帰ってきて大家族になり、またそれぞれ出ていきます。その過程がとても面白かったです。

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    2025年02月23日
  • 小日向でお茶を

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    「ゆうゆう」という雑誌に掲載されていたエッセイを一冊に。連載は本書発行の時点でまだ続いているということ。
    2018年10月から2022年9月までの期間で、著者の年齢は50代半ばから還暦前までと、「ゆうゆう」の読者層にだんだん近づく。
    この期間には、100年に一度のパンデミックという大きな事件があった。
    『第1章 世界中、どこへ行ってもおなかはすくのだ』には、まだコロナの影は見えず、著者は元気に海外出張に飛び回り、美味しいものの描写が続く
    『第2章 人は老い、地球は温暖化する』では、ちょっと健康に不安も出てきた体のメンテナンスのこと。そして美味しいもの。
    『第3章 奈良公園の鹿、タイのジュゴン』

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    2025年02月18日
  • 樽とタタン(新潮文庫)

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    学校が苦手だった少女が、放課後を過ごした喫茶店の常連客たちとのあれこれ。それは30年前の話。
    ノスタルジックで、ある時はSFチック。そして、子どもの頃の回想というフィルターもかかって、ちょっと不思議な雰囲気を醸している世界。
    小説家には一つだけ、聞かれても答えなくていい質問がある。
    「それは本当?それとも嘘?」

    『「はくい・なを」さんの一日』(「タタン」と名付けてくれたのは白いひげの老小説家)
    『ずっと前からここにいる』(百年先からやってきた女)
    『もう一度、愛してくれませんか』(吸血鬼の夫婦現る)
    『ぱっと消えてぴっと入る』(おばあちゃん子)
    『町内会の草野球チーム』(学生さんと喫茶店)

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    2025年02月16日
  • 小さいおうち

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    「うらはぐさ風土記」で中島京子さんのファンになり2作目。昭和の女中さんのお話が面々と綴られて最初はうんざりしていて、挫折しかかった。
    レビューを読んでいると評価も高く、後半からは物語が加速するらしいと知ると、勝手なものでどんどんと興味が湧いてくる。タキさんや時子さんの物言いに慣れてくると時代背景や生活そのものも面白く、何となく予測できたストーリーもラストでびっくりの結末。また違った解釈になりとても深かったし、映画化もされているとかで、さすが直木賞受賞作品は違うなぁと。もう少し中島京子さんの作品を極めてみようと思う。どんな世界が待ち受けているのか楽しみ。

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    2025年02月02日
  • オリーブの実るころ

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    テンポ良く、ファンタジーでありながら妙なリアルさもあって面白かったです。

    各お話の主人公が、ユーモアのある、少し変わった考えや視点を持っていて素敵でした。

    一番最初のお話だけ少し毛色が違って、そういう本だっけ!?とドキッとした笑

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    2025年02月02日
  • やさしい猫

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    在留外国人と聞くと、どうしても文内にもあるように悪い話をイメージしがちだ。しかし、ちゃんとした人たちももちろんいる。そんな人たちが、周りのサポートを得てちゃんと評価されていく様は痛快!最後は胸のつかえみたいのがごっそり抜けました

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    2025年02月01日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    「小さな表現の差にこそ大きなぶれがあることを身をもって学んだ。」
    堀江敏幸さんのこの文が表現の芯を食っていて好きだ。

    『堤中納言物語』の「虫めづる姫君」の続きが無いことが本当に悔しい。
    平安時代でルッキズムに苦言を呈してるこの短編が1番好きだったからこそ、悔しい。

    『竹取物語』は1番読みやすかったから、お勧めです。

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    2025年01月29日
  • 坂の中のまち

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    ネタバレ

    連作短篇6篇
    大学生になり富山から東京に出てきた坂中真智(タイトルと響きあってる),下宿先は今まで知らなかった実の祖母の家、小日向の地と坂に囲まれた場所で起こる不思議。章ごとに小日向に関わった文学作品とそれに関連するお話が広がって地味に面白い。

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    2025年01月29日
  • うらはぐさ風土記

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    ネタバレ

    初めての中島京子作品
    穏やかに時が流れ、時々クスッと笑わされ、その土地の空気が感じられる…素敵な物語だった
    美味しそうな食べ物や季節の草花や鳥、街の歴史と未来、個性的だけど自然体の登場人物達
    表題と共に各章のタイトルも秀逸でした

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    2025年01月27日
  • 小さいおうち

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    戦前から戦後にかけて、女中としてのタキの働きっぷりもおもしろかったけど、それ以上に世の中がどう変わっていったか、庶民はそのときなにを感じたか、が非常に興味深かった

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    2025年01月21日
  • 妻が椎茸だったころ

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    年末年始の休暇が終わり、バタバタと日常に戻っていくなかで、1話ずつを本当に味わいながら至福のひとときをいただきました、新年1冊目の本。
    ユーモアがあって、優しさがあって、好きです。
    流行った本は映画になりがちだけど、これは本でしか通じないな〜と。
    なんでも物事には具体性や明確性、真実を求められるけど、本は個々の想像力にゆだねることが許される。改めて読書って自由で楽しいな〜って思えた一冊でした!

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    2025年01月18日
  • 樽とタタン(新潮文庫)

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    ノスタルジーは便利だ。
    確かに自分の記憶のようで、でも、ずいぶんとあいまいなことが、ある日結びつく。

    たとえばこの本を読んだとき
    あゝ高校時代に友人とヒマをつぶしていた喫茶店って、こんな感じだっけ

    コーヒーとトーストの焦げた香り

    もちろん赤い樽も女の子もいなかったはずなのに、居たって不思議じゃないような気がする。

    「小説家には聞かれても答えなくていい質問がある。『ほんとなの?』……」

    さて、どうだか……。

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    2025年01月12日
  • 小日向でお茶を

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    軽く読めて、笑ったり納得したり感心したり共感したり。ふむふむ、へぇー、あはは、それそれ、わかるー って感じで、ちょうどいい読み心地。
    軽めで読みやすいけど中身がちゃんとあるエッセイで私好みだった。(わざわざ書いて読ませるほどでもない当たり障りのないことしか書かれていなエッセイは読み応えがないので、好きじゃないけど、この本は好きだった。)
    この著者は小説だけでなくエッセイも良かったので嬉しくなった。

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    2025年01月10日
  • 樽とタタン(新潮文庫)

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    主人公である少女が大人になってから少しずつ思い出しながら進むものがたり。
    少女とおばあちゃんのおはなしが1番好きでした。
    きっとそうだよね、そうだったらいいなと 共感。

    みんな今頃どこにいて何をしているんだろうか。みんなそれぞれに幸せな場所にいられていたらいいなと思う。

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    2025年01月10日
  • 長いお別れ

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    外じゃなかったら泣いていた
    文体は好みというわけじゃないけど、物語として好き。10年間の変化が切ない。認知症の近しい人がいるので、私の周りを見る目が変わった。登場人物それぞれに真摯に向き合って心境が綴られているのがよかった

    妻が椎茸だったころを読んで他に読みたいと思っていた作者さん。独立した短編集のほうが好きかもしれないが、読んで後悔はない。

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    2025年01月08日
  • うらはぐさ風土記

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    うらはぐさという植物が風知草と同じだと
    この作品のレビューを読んで知った。
    わたしは風知草という言葉だけを知っていて、
    (亡くなった母が書を習っていて、額縁に入れられたこの風知草という言葉をしょっちゅう見ていた)
    これがどんな植物であるとか、
    花言葉がなんなのか、とかは全く知らなかったけれど、
    うらはぐさと風知草がつながった時、
    あ、これは読まねば!と感じて手に取った。

    それはさておき、ほんわかとした表紙と共に、
    中身もびっくりするようなショッキングな出来事は全く起こらず、東京西部の架空の町、うらはぐさに住む人々のコロナ明けの日々のあれこれが描かれたこの作品。
    年の初めに読むのにちょうどよい

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    2025年01月06日
  • うらはぐさ風土記

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    初読みの作家さん。風土記というくらいだから土地に根差した物語なのかなぁ、よくある田舎暮らしのほっこりものかなと、軽い気持ちで読み始めた。びっくりするくらいにするすると文章が入ってきていつしか自分も武蔵野のうらはぐさの一員になっていた(笑)エナガの巣を検索してみたり、ユニークなニックネームのチョイスに笑ったり、登場人物のキャラ立ちには舌を巻いているうちに、後半は怒涛の展開。序盤からちょいちょいとまかれた伏線がしっかりと回収されて、とっても満足のお話。すっかりファンになりました‼️
    もう少し中島さんの作品を極めてみたい。

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    2024年12月25日
  • うらはぐさ風土記

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    しみじみいい話だった。
    東京は土地に歴史があっていいよね。
    実在のモデルになる地域(や人もかな)があって、リアルだし、読んでて楽しい。
    土地に歴史あり。人に歴史あり、て感じ。
    小説での食べ物の描写は食傷気味だけど、(おいしそうな描写や、食べ物小説を全面に出されるとまたか、という気になる)梅醤は今度作ってみようと思った。

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    2024年11月21日