中島京子のレビュー一覧
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「ゆうゆう」という雑誌に掲載されていたエッセイを一冊に。連載は本書発行の時点でまだ続いているということ。
2018年10月から2022年9月までの期間で、著者の年齢は50代半ばから還暦前までと、「ゆうゆう」の読者層にだんだん近づく。
この期間には、100年に一度のパンデミックという大きな事件があった。
『第1章 世界中、どこへ行ってもおなかはすくのだ』には、まだコロナの影は見えず、著者は元気に海外出張に飛び回り、美味しいものの描写が続く
『第2章 人は老い、地球は温暖化する』では、ちょっと健康に不安も出てきた体のメンテナンスのこと。そして美味しいもの。
『第3章 奈良公園の鹿、タイのジュゴン』 -
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学校が苦手だった少女が、放課後を過ごした喫茶店の常連客たちとのあれこれ。それは30年前の話。
ノスタルジックで、ある時はSFチック。そして、子どもの頃の回想というフィルターもかかって、ちょっと不思議な雰囲気を醸している世界。
小説家には一つだけ、聞かれても答えなくていい質問がある。
「それは本当?それとも嘘?」
『「はくい・なを」さんの一日』(「タタン」と名付けてくれたのは白いひげの老小説家)
『ずっと前からここにいる』(百年先からやってきた女)
『もう一度、愛してくれませんか』(吸血鬼の夫婦現る)
『ぱっと消えてぴっと入る』(おばあちゃん子)
『町内会の草野球チーム』(学生さんと喫茶店)
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「うらはぐさ風土記」で中島京子さんのファンになり2作目。昭和の女中さんのお話が面々と綴られて最初はうんざりしていて、挫折しかかった。
レビューを読んでいると評価も高く、後半からは物語が加速するらしいと知ると、勝手なものでどんどんと興味が湧いてくる。タキさんや時子さんの物言いに慣れてくると時代背景や生活そのものも面白く、何となく予測できたストーリーもラストでびっくりの結末。また違った解釈になりとても深かったし、映画化もされているとかで、さすが直木賞受賞作品は違うなぁと。もう少し中島京子さんの作品を極めてみようと思う。どんな世界が待ち受けているのか楽しみ。 -
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うらはぐさという植物が風知草と同じだと
この作品のレビューを読んで知った。
わたしは風知草という言葉だけを知っていて、
(亡くなった母が書を習っていて、額縁に入れられたこの風知草という言葉をしょっちゅう見ていた)
これがどんな植物であるとか、
花言葉がなんなのか、とかは全く知らなかったけれど、
うらはぐさと風知草がつながった時、
あ、これは読まねば!と感じて手に取った。
それはさておき、ほんわかとした表紙と共に、
中身もびっくりするようなショッキングな出来事は全く起こらず、東京西部の架空の町、うらはぐさに住む人々のコロナ明けの日々のあれこれが描かれたこの作品。
年の初めに読むのにちょうどよい