中島京子のレビュー一覧

  • 今日もぼーっと行ってきます

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    東京近郊の、ぼーっとできるスポットを巡って書かれた散策記エッセイ。
    田舎者の私からすると、東京なんてどこに行っても人だらけで落ち着かなさそう…というイメージだったのだけど、読んでみると、行ってみたくなる魅力的な場所がたくさんあった。
    特に東京港野鳥公園、小石川植物園、伊能忠敬記念館、そして葛西臨海水族園と西葛西のリトルインディア!
    そこに行くまでで人に酔ってしまいそうな気もするけれど、いつか東京に行く機会ができたら行ってみたい。

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    2026年06月13日
  • 花桃実桃

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    父親の残した3階建てのアパートを相続した花村茜、独身の43歳。花桃館には、父親の愛人の老婆を始め、ウクレレコンテストで生計を立てようとする青年、整形しまくって年齢不詳の女性、勝手に猫を持ち込む探偵、母親に逃げられた子供3人を育てる父子家庭など、難しい店子ばかりであった。

    脱サラしてアパートの管理人になった茜の、各住人とのアレコレを描いたオムニバスタイプの小説。この手の作品の特徴として、普通の勤め人はほぼでてこなくて、無職だったり水商売だったりである。

    それぞれの章では、それぞれの住人とのトラブル込みのやり取りをネタに描いているのだが、単純にキャラクターを動かしてどうってことのない話にとどま

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    2026年06月08日
  • 小日向でお茶を

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    コロナ禍による生活の変化、加齢による自分自身の変化。止めることができないなら、受け入れてうまく付き合っていくしかない。そしてどんなときにも、おいしいものや美しいものは、人を救ってくれる。私自身もコロナ禍で、人は身体と心、両方に栄養を必要としていることを実感した。そして、人は人の役に立ちたいというのも、その通り。誰かの役に立っているという気持ちは、生きる支えになると思う。

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    2026年05月26日
  • うらはぐさ風土記

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    新しいものは本当に一瞬でできるけど、古いもの?は、その年数を重ねないことには出来上がらない。
    壊すことより、そのものを活かすことを。
    ただ、「変化」も大事だ!

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    2026年05月24日
  • 水は動かず芹の中

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    ネタバレ

    河童を介した安土桃山時代の話と、現代を生きる作家の話が交錯する。秀吉の朝鮮出兵の悲惨さとそれを止められない河童の切なさ。

    暴走する危険なトップに対して、家臣は保身のため真正面から止められず、裏から止めようとするけど失敗して、多くの人が殺されていく…
    隣国の人の矜持や命の大切さを甘くみて、自分の誇りや利益ばかりを追求する…
    今でもありそうな話、と私は思いました。

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    2026年05月24日
  • 花桃実桃

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    アパートの大家になった43歳の女性とアパートの住人との交流。
    住人のキャラが立っていて、そのセリフの応酬にニヤニヤしてしまう。

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    2026年05月21日
  • 小さいおうち

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    1.著者;中島氏は、小説家・エッセイスト。フリーライターを経て、小説家デビュー。両親は、共にフランス文学者、姉はエッセイストで、文学一家。彼女の作品は、日常に潜む小さな出来事や感情を丁寧に描き出し、読者の心に深く響く作品が多い。ユーモアとペーソスが織り交ぜられた独特の文体も魅力。直木賞、泉鏡花文学賞、吉川英治文学賞、柴田錬三郎賞など、数々の文学賞を受賞。
    2.本書;東京を舞台に、戦前から戦時中に「モダンな赤い三角屋根の小さいおうち」に住む平井家。この家に14歳から十数年仕えたタキ(女中)の目線で綴った回想録。タキは、モダンな家と若く美しい奥様(時子)を慕った。時子と板倉の恋愛事件があるものの、

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    2026年04月19日
  • 樽とタタン(新潮文庫)

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    不思議な物語だなぁ…
    でもあの喫茶店に行ってみたい。
    老小説家、神主、トミー、学生さん、バヤイ、そしてマスターとタタンのいる喫茶店へ。
    きっとそこは居心地がよくて、コーヒーが美味しいんだろうなぁ

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    2026年03月31日
  • イトウの恋

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    作家の想像力、創作力ってすごい。
    イザベラ・バードの「日本奥地紀行」に想を得た恋愛小説。
    通訳兼案内人のイトウとIBの仄かな恋がイトウの側から描かれる。現在と昔のパートを散逸したイトウの手記から辿っていく構成。

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    2026年03月23日
  • うらはぐさ風土記

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    うらはぐざ、あけび野商店街、落ち着いた歩調で進む日々。
    いやな人が出てこないし、煌びやかでも質素でもない。
    マーシーには、ヘンテコ敬語以外は規模の小さい成瀬あかりさんのようでにくめない可愛らしさがあるし、秋葉原夫妻は穏やかだし、第一主人公の沙希さんが物事を悲観的に捉えるタイプではないところがとても好き。
    どこにでもあるようで、なかなか得られない穏やかな日常。
    いいな、と思いました。
    「雄大さが、こぢんまりしています」。ふふ。

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    2026年03月19日
  • 今日もぼーっと行ってきます

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    「ぼーっとする」ことが目的の東京とその近郊のお散歩エッセイ。
    読んでいて、ドラマ『À table!〜ノスタルジックな休日〜』のお散歩シーンを思い出した。天文台はドラマにも出てきてましたね。
    子どもの頃はぼーっとする時間がたくさんあったけれど、大人になってからは強制的ににそういう時間を作らないと、ぼーっとするのもなかなか難しいのかと、今さらながら気づく。
    春だし、地元のぼーっとスポット探ししようかしら。

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    2026年03月10日
  • 坂の中のまち

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    ネタバレ

     中島さんの久しぶり。淡々と進む日常なのにちょっとどきどきすることもあって、いろんな人がいていいんだなって思える。もっと中島さんの読もうっと。

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    2026年03月10日
  • 冠・婚・葬・祭

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    成人式、結婚、葬式、お盆。
    日本の儀式をテーマに描かれる連作小説。
    儀式そのものを舞台に展開される物語ではなく、主人公や作者の視点を少しずらして書かれていて、中島京子さんらしいユーモアも含まれていてとても面白かったです。

    語り手は、成人式を取材に行った地方新聞の若手記者や、かつてお見合いおばさんだった六十代の女性、社命で老婦人の葬儀のお供をした青年、母の生家を手放すのを機に、田舎に集まって最後のお盆を迎える三姉妹。

    今の時代、結婚式も葬式も簡素になってしまったけれど、ここに出てくるお見合いおばさんの存在が何とも微笑ましく、言うことが的を得ていて、中島さんの魅力が存分に感じられます。

    そし

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    2026年03月07日
  • 水は動かず芹の中

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    ネタバレ

    スランプに陥った作家「わたし」は唐津に旅をする。
    そこで陶芸家の夫婦と知り合い、不思議な茶碗と、朝鮮の娘と、水神にまつわる話を聞かせてもらうことになった。
    サワタローさんの語る『水神夜話』は、家に伝わる長い話で、水神とは河童のことらしい。

    ファンタジーなのか、ファンタジーを装った歴史小説なのか。それとも反戦小説なのか。
    ここでの水神の祖先は天竺からモンゴルを経て中国へ、半島から泳いで日本に渡り、九州に住み着いた。
    水神は、人間社会に絡みつつも、人間の生態を観察し、一歩距離を置く。

    『水神夜話』では秀吉の朝鮮出兵を止めようとする水神について語られる。読みごたえがあった。
    ある日、朝鮮の名陶工

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    2026年03月07日
  • 今日もぼーっと行ってきます

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    ぼーっとしたい。
    ということで、タイトル買い。

    ぼーっとを目指し、あちこちへ。
    紀行文としてもおもしろく、
    さりげない描写、表現に
    さすがだなぁ、と思うこともしばしば。

    『ぼーっとする、ぼーっとすると書いてきたが、
    本質は「よく生きる」ということだと思う。
    理性を保ってよく生きるには、自分が
    「ああ、これなら息がつける」と思える
    ある程度のスペースと、ほどほどの人との
    関わりが必要だ』

    という一節。

    あぁ、このぼーっとの時間が
    作者の次の名作を紡ぎ出すエネルギーに
    きっかけになるのだな、と思った。

    紹介されたスポットを、ゆっくりと
    訪れてみたい。

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    2026年03月06日
  • 妻が椎茸だったころ

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    初読み作家。
    ちょっと不思議な大人のおとぎ話みたいな短編集。
    文章がシンプルなのに人間味があって、
    スッと入ってくる感じがして読みやすく、面白かった!

    個人的に好きな話は
    1話目の
    テレビから外国で起きたニュースが聞こえてきて
    そういや昔あの辺りの地域に行ったことあるなぁって思い出す回想シーンが始まり、
    そこでたまたま出会ったお婆さんが結構プレイボーイならぬプレイガールで、5人の男と結婚して別れてを繰り返してた人で、
    あのお婆さんに助けてもらったのに恩返しできなかったなぁ、、、って友達に話して現実世界に話が戻ってくるんやけど、
    このお話の最後の終わり方が世にも奇妙な物語っぽくて良かった!

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    2026年03月01日
  • いつか、アジアの街角で

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    台湾が大好きで、表紙があまりにも可愛くてに取りました。

    サラッと読める文章で隙間時間に楽しむのにちょうど良い一冊です。

    台湾に行かなくても、日本に住む日常の中に台湾を感じることができます。

    香港や台湾は、ずっとそのままでいてほしいな。

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    2026年03月01日
  • 水は動かず芹の中

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    ネタバレ

    これは好みが分かれる作品のようだ。
    私は『かたづの』のような作品が好きなので、中島さんの妖なるものと歴史との絡みは面白いジャンルだと思っている。
    今回は「水神」から見た、秀吉の朝鮮出兵の時代。
    現代と、水神が記録した歴史を行き来して物語は進むが、水神から見た人間は、なんとも理解し難いほどの野蛮と支配欲を持った生き物だ。実際の歴史ではなく、水神から見た歴史というところが面白い。
    水神は戦を止めることはできないが、できるだけ役に立ちそうなヒトに近いて、なんとか種族を守ろうとする。
    歴史は事実なのだが、そこに水神が絡むことによって、より歴史の悲しさや虚しさが表れる。
    本当にスランプなのかわからないけ

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    2026年02月26日
  • 小さいおうち

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    ネタバレ

    最後の答え合わせがとても良い。愛すべきタキちゃんの一途さ。(映画ではちょっと違うようで残念。)
    戦争や空襲自体の悲惨さはあまり描かれないが、戦争に向かう時代に人が洗脳されていく姿がある。恭一じいさんは、セイちゃんと遊ばなくなった当時の自分を見つめている。登場人物それぞれの小さな後悔が余韻になって残る。

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    2026年02月21日
  • 長いお別れ

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    いつか自分がそれになった時、それが迷惑だとか、申し訳ないだとか考えることも出来ず、生きている意味も、過去も未来も何もなくなってしまうのが悲しい。

    身に染みて体験まではいかないけど、理解も出来たし、あくまで楽しそうに書かれていて、読みやすかった。


    あえて言うなら、三姉妹の名前が似通っているので、誰が誰なんだかわからなくなった。

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    2026年02月16日