【感想・ネタバレ】長いお別れのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年03月08日

いい話しでした。
ボケていく中学の校長だったお父さん
いいひとだったんだなあ!
と思いました。
必死で世話するお母さんは 私と近い
私も何人も同時に介護して必死だった時は こんな風でした。
娘たち3人も孫も みんないいこですね。
最後に学校に行かなくなったタカシという孫に
アメリカの校長先生が
どん...続きを読むなことでもいい。君の話しをして!
という。
タカシは おじいさんが亡くなった話しをする。
そうしたら 校長先生が プライベートな話しをしてくれてありがとう。光栄だったよ。
痴呆でゆっくりとあの世に行く人のことを ロンググッドバイ というんだそうだ。
レイモンドチャンドラーの小説みたいだけど。

この校長先生が自分の話しをちゃんと聴いてくれた
っていうことが この子の人生を支えるんだろうね。
ボケた人を見送る話しはいっぱいあるけど いい話しでした。

0

Posted by ブクログ 2023年12月14日

よく聞く、「帰りたい」という言葉
それは物理的な場所だけでなく、時間環境状況心情色々あるんだろうな、どこなのだろう、とその度に思う。

生まれた家。育んだ家。家族。人生の長い時間を占めた教師という仕事

認知症によって緩やかに、そして取り巻く人達には時に突然に、そこから離されていく。

ラストシーン...続きを読む、学校に行かなくなった孫君が、呼び出された校長に何でも良いから話を聞かせて、と促されて話したのは、その理由とは「関係ない」長い別れとなった祖父の話。
その話を聞いた校長は、読者は何を思うだろう。

色々な目線で物語が進むので、それぞれの立場からも思いを馳せ、そこから読む側の現実の立場からも感情を動かされそう。
重くなりそうな題材だけど、くすりとするようなエピソードが時々心を軽くしてくれて良かった。

0

Posted by ブクログ 2022年12月30日

家族にはそれぞれに日常は続く、そして時々重なり合う、ということが感じられる内容でした。
大変になっていく介護の現実を、状況が描かれることで手に取りやすくイメージできるし、でもそれを受け止める曜子さんが素敵だなと思いました。

0

Posted by ブクログ 2022年12月09日

とにかくこの娘をしっかりつかまえていよう。それはとてもだいじなことなんだ

時にコミカルに、真に迫った認知症の実態を表す。妻の真摯や娘の真摯が、同世代として胸を打つ。だからこそ娘の世代の今、そして母の世代の未来に再度読みたい作品。必ず訪れる死への心づもりとして。

0

Posted by ブクログ 2022年10月22日

読み終わって、まぁ予想はしていたんだけど昇平さんが亡くなってしまってものすごく悲しかった。
物語の中で認知症のお年寄りの世話をする大変さ。
老老介護の問題など、これから訪れるであろう自分自身の親のことなどと重なって他人事とは思えなかった。
でも昇平さんと曜子さんがとてもいい夫婦で昇平さんは曜子さんと...続きを読む結婚して、最期を看取ってもらえてとても幸せだったろうなと思った。

0

Posted by ブクログ 2022年07月13日

読んでよかった。

認知症の父と家族たち。
やりとりも、家族の事情も、それぞれの気持ちも、すごくリアルだった。

大切な人のことも、大切な思い出も、自分のことさえも忘れていってしまう認知症。切ないなぁ
少しずつ少しずつ周りの人のことを忘れて、まさに『長いお別れ』だなぁ、と。

どこの家族にも起こりう...続きを読むること。
色々と考えておかなくちゃなぁと思いました。


0

Posted by ブクログ 2022年05月27日

素直に面白かったです。
でもとても考えさせられる本でもありました。

認知症のことを『Long Goodbye=長いお別れ』というのですね。
少しずついろんなことが分からなくなって、遠ざかっていく、という。
老夫婦に3人の娘。
2人は嫁ぎ、1人は独身。
娘たちはそれぞれが家庭を持ったり、仕事をもって...続きを読む暮らしています。
実家を訪れる回数もまばら。はじめは妻だけが認知症の夫の介護をしていますが、徐々に進行し、家を忘れ、家族の顔を忘れ、言葉を忘れ‥‥という状況を目の当たりにして、戸惑いながらも、それぞれができる限りのことをして父親に寄り添います。
父親の、周りに話を合わせようとしているかのような、微妙にかみ合うようなかみ合わないような会話をしたりする事でのトラブルも、クスッと笑えるような(他人事だから?)感じで読めましたが、
最後は、その人らしい最期を迎える、人として生きるとは、など、自分の身にも起こるだろうこの先のことを考えさせられました。

きっと、この先、どんどんこういった問題が浮き彫りになって、巷にあふれるのかも知れないな、とも思いました。
家族の絆の大切さが身に沁みました。

0

Posted by ブクログ 2024年04月23日

老老介護の問題が赤裸々に描かれています。自分がアルツハイマーになったら、どうなってしまうのか?を考えさせられた。それにしても、昇平さんはいい奥様をもって羨ましい!

0

Posted by ブクログ 2024年04月18日

中島京子さんの作品を読んだのは、本書『長いお別れ』が初めてです。

いつも立ち寄る本屋さんの文庫コーナーで、たくさんの本が平積みされていましたが、圧倒的に私の目を惹いたのが本書でした。
どこに目が留まったのか?
それは、「心ここにあらずといった表情で、椅子に腰かけている年配の男性」が描かれている表紙...続きを読むと、『長いお別れ』というタイトルでした。
帯には、次の文面が書かれています。

認知症の父と 
妻、娘たちが過ごした
お別れまでの切なくて
あたたかい日々

なるほど、表紙の男性は認知症を患っているのだなと分かりました。
次に、裏面のあらすじには、

妻と3人の娘を予測不能なアクシデントに巻き込みながら、病気は少しずつ進行していく。あたたかくて切ない、家族の物語。

とあり、そのまま手に持ってレジに向かいました。

先ず、このような小説を読むと「家族の絆」を改めて感じさせてくれるのですが、それと並行して、家族(本書では妻と3人の娘たち)それぞれの生活の中での介護という(綺麗ごとではない、お金、時間、肉体的・精神的な負担)現実を、どのようなバランスで両立させることが最良なのか?人生の幸せとは?家族とは?
をいつも考えさせられます。(答えは出ません)

次に、本書で最も印象的だったのは、夫への妻の愛情と献身(嫉妬すら感じるほど)です。
自分よりも(失明寸前になろうとも)何よりも、夫の身が最優先であり、夫を理解し、夫を本当の意味で助けられるのは自分しかいない(介護に当たっては娘にも闘争心を燃やしまうほど)という姿には、心を打たれました。(男性側の勝手な想いかもしれませんが)

また、解説にも書いてありましたが、夫(父)の死をリアルには描写せず、海外に住む中学生の孫と、その中学の校長先生との面談の場面で締めくくるラストにはとても感銘を受けました。
亡くなった夫(父、祖父)が、中学校の校長先生を務めていたことと、単なる偶然では勿論ありませんね。

ラストの場面で、事実を聞いた校長先生が
「『長いお別れ』と呼ぶんだよ、その病気をね。
少しずつ記憶を失くして、ゆっくり遠ざかって行くから」
と孫に言うのですが、その時の校長先生は祖父だったのではと思ってしまいます。

0

Posted by ブクログ 2024年04月07日

アルツハイマー型認知症、老老介護、
なかなか重めのテーマだけど、たまにクスッと笑いながら軽く読めた。

私、親元離れて上京して就職して、自分のこれからの人生プランだって白紙に近くて、どうなるのやら、どうするのやら。

0

Posted by ブクログ 2024年02月27日

少しずつ記憶を失くして、ゆっくりゆっくり遠ざかっていく認知症という病気は、アメリカでは長いお別れ=ロンググッドバイというらしい。もう何年も前になるが、義母は認知症の義父を一人で介護していた。孫を忘れ、嫁を忘れ、息子を忘れ、最後の最後には妻もわからなくなってしまった。よく義母が「説得より納得だ」と言っ...続きを読むていたのを思い出す。
本書では、妻である自分のことを忘れてしまった夫の老老介護が淡々と書かれている。自分はこんな風に向き合って寄り添うことができるのかな。

ええ、夫は私のことを忘れてしまいましたとも。で、それが何か?

0

Posted by ブクログ 2023年07月14日

家族が認知症になってしまった妻や娘達の葛藤や奮闘が詳細に描かれている。
認知症は当の本人は何も感じてないと思われがちだけど、実際苦しいのは自分の人格や記憶が崩壊していく事を周囲の雰囲気から感じ取っている本人なんだと教えられた事がある。それだけ残酷な病気なんだと。
癌やALSみたいな難病も勿論だけれど...続きを読むも認知症の特効薬が1日でも早く出来ることを願っている。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年05月28日

目次
・全地球測位システム
・私の心はサンフランシスコに
・おうちへ帰ろう
・フレンズ
・つながらないものたち
・入れ歯をめぐる冒険
・うつぶせ
・QOL(クオリティ・オブ・ライフ)

連作短編集のようなていを取っていますが、長編小説です。

東昇平の認知症になってからの10年を、折々のエピソードで...続きを読む綴っている。
妻曜子は都内の一戸建ての家で、ひとりで在宅介護をしている。

娘は3人。
長女・茉莉は夫の仕事の関係でアメリカ在住。
次女・菜奈は専業主婦なので一番頼られてはいるが、自分の家庭の都合だってある。
三女・芙美は独身だが、フリーのフードコーディネーターとして忙しい日を送っている。
娘には頼れない。

曜子のその気持ちはわかるけど、やっぱり家でひとりで面倒を見るというのには限界がある。
精神的にも、体力的にも。

デイサービスや、症状が進むにつれてショートステイなども利用してはいるが、なんといっても曜子が「お父さんの面倒は私が見なくちゃ」という思いが、却って昇平の社会性を阻止して症状を悪化させているようにも見える。
そして昇平の面倒を見るということが、曜子の支えになってもいるのだろう。

忘れっぽくはなってきたけど、ちゃんとしている時もあるんだから、わたしが支えていれば大丈夫。
男女は逆だが、実家の父もそう言って、なかなか母の症状を認めようとはしなかった。
というか、今でも、ちゃんと話せばわかるはず、と思っている。

子どもの気持ちも、曜子の思いもわかるから、最後は「ああ、やっぱりそうなるのですね…」と思ってしまうけど、実際人間というか生物として、そうならざるを得ないんだよなあ。

クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)。
これも人それぞれ、何を大事と考えるかは違って来るし、同じ人でも元気なときと気弱になったときでは違うと思うので、常日頃、自分は人生の最終局面をどうしたいのかを考えておかないと。
大抵は好きなことができなくなったら、がっくり気力が落ちると思うよね。
本を読めなくなったら、好きな食べ物を食べられなくなったら、歩けなくなったら、その時々に「それでも生き続けたいのか」と自分に確認しなくては。

”夫は妻の名前を忘れた。結婚記念日も、三人の娘をいっしょに育てたこともどうやら忘れた。(中略)妻、という言葉も、家族、という言葉も忘れてしまった。それでも夫は妻が近くにいないと不安そうに探す。不愉快なことがあれば、目で訴えてくる。何が変わってしまったというのだろう。言葉は失われた。記憶も。知性の大部分も。けれど、長い結婚生活の中で二人の間に常に、あるときは強く、ある時はさほど強くもなかったかもしれないけれども、たしかに存在した何かと同じものでもって、夫は妻とコミュニケーションを保っているのだ。”

0

Posted by ブクログ 2023年05月22日

認知症になってしまった父親をめぐり、3人の娘と母親、孫たちが、それぞれに戸惑い、混乱しながらも、それでも何とか試練を乗り越えていく物語。

徘徊、異食、不潔行為などなど認知症の様々な問題行動がとてもリアルに描かれて、壮絶な介護を担っているにも関わらず、所々で心の和むエピソードが散りばめられており、心...続きを読む温まる物語に仕上がっている。

現在進行形の高齢化社会において、どういった介護が必要なのか。介護者である家族の生活も担保しつつ、本人のQOLをどう確保していかなければならないのか。現代社会においても、今後の社会においても一考しなければならない問題である。

認知症という重いテーマの物語だったが、どこかあたたかくて切ない、家族の物語でした。

0

Posted by ブクログ 2023年05月17日

自身、未だ介護の経験は無い。正直なところ無関係だと思いたい自分がいた(いる)のだと思う。でもいずれ時は来る。間違い無い。覚悟の問題だ。でもその覚悟が私には無い。
取り敢えず両親に会って来ようかな。まだ間に合うし。今は何もしないけど、準備どうこうの問題でも無いと思うけど。
決して綺麗事ではなく、現実を...続きを読むしっかりと見てやるしか無いんだろうな。辛いんだろうな。でも、覚悟を決めて頑張らないと。

こんな感情を表に出させる本でした。良本です。

0

Posted by ブクログ 2022年11月14日

だいぶ前に一度読んだ事がある。
現在、認知症の義父と同居しているのでまた読んでみたくなりました。
あ~、あるある!と共感しながら読みました。

0

Posted by ブクログ 2022年11月06日

認知症の父、介護をする母、それぞれに生活のある娘たち3人。
認知症は少しずつ進んでいくが、ただ大変なだけではなく、ちょっぴり可笑しくもあり、家族のつながりを感じる温かい作品。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年10月09日

中央公論文芸賞
日本医療小説大賞
認知症の症状を、読むのがつらかった。
最後の終わり方が好きだった(アメリカの校長室で、孫が祖父の死について話すところ)。

0

Posted by ブクログ 2022年07月23日

認知症発症者を持つ家族の本来湧き上がるリアルな当事者心理をロンググッドバイまでろ過すべく中島フィルターのろ過率や恐るべし。

0

Posted by ブクログ 2022年06月17日

認知症の父親とその家族のことが淡々と描かれて、そして最後は自分の母親と似たような状況だったので驚いた。

ひとの一生って大変だな。

0

Posted by ブクログ 2022年05月01日

少しずつ記憶を失くして、ゆっくりゆっくり遠ざかっていくから…認知症のことを「長いお別れ」と呼ぶ。

この本を読む機会に恵まれたのは偶然だけど、父の認知症診断されたのが3年前。

この本が父と母に重なる。

「この人が何かを忘れてしまったからといって、この人以外の何者かに変わってしまったわけではない。...続きを読む

ちゃんと覚えておこう

0

Posted by ブクログ 2022年02月10日

まさに自分と両親とのこの何年かとリンクしていて、なんとも言えない気持ちになった。
長い間、父の介護をしてきた母が、父が亡くなるとすぐに認知症を発症しひとりで暮らす事が難しくなり去年施設に入所した。こんなに大変な介護を曜子さんのように母もひとりでやってきたんだな、そんな母に今自分が出来ることを精一杯や...続きを読むりたいと思った。
近い将来母も娘の私の事も忘れてしまうだろう。で、それが何か?

0

Posted by ブクログ 2022年02月01日

認知症という病がもたらす問題が色々書かれていて、考えさせられます。最期の場面がもう少し描かれていても良かったかなぁと思いました。

0

Posted by ブクログ 2024年01月15日

認知症になった元中学校の校長。
その病気の進行を、妻と3人の娘
2人の孫を中心にユーモアを交えて
描かれてました。

読みながら、去年亡くなった父のことを
思い出していました。

8年間の認知症介護の日々。

この小説に描かれている内容に
「あーそうそう!」と何度も頷いてました。

ラストは少しあっ...続きを読むけなく終わるのですが
妻の曜子が言ったこの言葉がとても
心に残りました。

この人が何かを忘れてしまったからと
いって、この人以外の何者かに変わって
しまったわけではない。

ええ、夫はわたしのことを忘れてしまい
ましたとも。で、それが何か?

父も最期は息子である私の事を忘れていた。
もちろん悲しかったけど、私にとって父は
父で変わりない。

そんなことを思い出しました。

0

Posted by ブクログ 2023年05月16日

認知症になった父親と家族の日常を淡々と描いた作品。
元校長だった夫が物忘れするようになり、認知症と診断される。妻はそんな夫の変化に戸惑いつつも介護をする。それぞれ離れて暮らす三人の娘達はそんな両親と向き合い日々を送る。
闘病記ではなく、ドタバタでもなく、あくまで事実を淡々と、時にはユーモラスに描いて...続きを読むいて、認知症との関わり方の一例として読める。

0

Posted by ブクログ 2022年11月05日

認知症を患い、少しずつ分からなくなっていく元校長だった男性と、その妻、3人の娘の温かい家族の話。周りにも高齢の方々が多いので、なんか色々考えさせられました。

0

Posted by ブクログ 2022年10月07日

介護する側、介護される側、老後の事色々考えさせられました。

認知症の夫を介護する妻と、三人の娘のエピソード。
自分に置き換えてしまい、とても切なくなってしまいました。

0

Posted by ブクログ 2022年08月31日

2014年初版。映像化されたものを先に見ました。原作が、より介護の辛さ・家族の辛さが描かれています。著者が痴呆症の父親の介護を10年近く続けたことがベースにあるとのことです。読んでいて、辛くなりました。自身と照らし合わせる部分が多々ありました。現状、87歳の母と2人で暮らす63歳の息子。老々介護と言...続きを読むって良いと思います。難聴で足元がおぼつかない母です。まだ痴呆症とまでは言えない部分は救いなのかなあ。でも主人公のように私には妻も子供もいません。どうなるのかなあ、どうしたらいいんだろうとページが、進みませんでした。物語で感じたのが、主人公である夫が痴呆症のため、はっきりとした考えがわからないと言うこと、認知症だから当然ですが。でも、認知症の家族の介護は大きな誰にでも起こりうる問題だと認識しました。

0

Posted by ブクログ 2022年06月22日

認知症のお父さんとご家族のお話し。少しずつ病気が進行してしまうお父さんとご家族の関わりが丁寧に描かれていた3.8

0

Posted by ブクログ 2022年03月03日

アルツハイマー型認知症に罹った東昇平の世話をする妻・曜子と三人の娘、孫たちとの十年にわたる生活が描かれた小説。介護する曜子の夫に対する愛情が見られて、何だか安心できた。だが、他人事ではない話なので、身につまされる部分はある。覚悟が必要だ、と思った。

0

「小説」ランキング