中島京子のレビュー一覧

  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    これも大阪で買ってきた一冊。
    以前から読みたいと思っていた本です。

    スカイツリーを見上げる下町のかたすみに、
    ひっそりと息づく商店街がありました。
    それがー『明日町こんぺいとう商店街』。

    明日町こんぺいとう商店街を舞台にした7つの物語。
    七人の作家さんのアンソロジー。

    大島真寿美 『カフェスルス』
    大山敦子  『あずかりやさん』
    彩瀬まる  『伊藤米店』
    千早茜   『チンドン屋』
    松村栄子  『三波呉服店ー2005-』
    吉川トリコ 『キッチン田中』
    中島京子  『砂糖屋綿貫』

    読んだことのある作家さんは、彩瀬まるさん、中島京子さんの二人だけ。

    どの物語も心がほんわかします。

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    2018年06月06日
  • ゴースト

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    ゴースト(幽霊)と聞くと、この世に思いを残し、成仏できずに彷徨い続ける姿を思い浮かべてしまう。
    でも「ゴースト」に出てくる7つの幽霊は、哀愁漂う寂しいものだった。
    第五話「キャンプ」戦争により傷つけられた多くの人々。
    難民キャンプの母たちが悲しい。
    第七話「ゴーストライター」より
    <ゴーストはなんにもできない。ただ、横にいて、思い出してもらうのを待ってる> 。
    なにかするのではなく、その人を思い出すのがいいのかな。そして、第四話「亡霊たち」の文中でも書かれている、「靴の話ー大岡昇平戦争小説集」大岡昇平著 を読んでみようか。

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    2018年04月19日
  • かたづの!

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    遠野の羚羊の片角が語る江戸時代唯一の女大名の一代記。
    夫と幼い嫡男を立て続けに失う。二度と大切な人たちを失いたくないと、戦わず困難に知恵と勇気で立ち向かう。
    しかし、謀略と武士を気取る男どもに何度も窮地に陥り、身を削りながら、最後にようやく短いけれど静かな時を迎える。
    河童や、絵か抜け出たペリカンも出てきて、どこまでが事実で、どこからが創作なのか判然としないが、一気に読んでしまった。「小さいおうち」にも似た空気感を感じた。

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    2018年01月20日
  • さようなら、コタツ

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    完全なるタイトル買い。
    ちょっとシニカルで、ぞっとするような場面も時々ある、中島京子ワールド。な、7つの短編集。

    表題作は、15年ぶりに自分の部屋に恋人(未満?なりかけ?)の男を招待することになった36歳の女性が主役。
    しかもそれは自分の誕生日で、出張終わりの彼が夜に来る手筈なのでそれまで部屋の掃除やら料理やらに張り切るのだけど、時間になっても彼は来ず…。
    もう“いい大人”であるはずの主人公の由紀子の奮闘ぶり(と言ってもちょっと醒めてて、だけどどこかが興奮しているようなおかしなテンション)を醒めた視点で描いている。
    由紀子の行動を見ていると、少し切なくて愛おしくなる。そしてラストはほっと出来

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    2018年01月11日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街。
    大山淳子氏の「あずかりやさん」がとても良かったので、"出身地"である、こんぺいとう商店街のことをもっと知りたくなりました。

    個人商店が立ち並ぶ商店街は、現代では衰退の傾向にあるけれど、こんぺいとう商店街は、たたむ店あり、新しくできる店ありで細々と続いている。
    家業を継いだ若者や、出て行ってまた戻ってきた者、新しい商売の形、幼なじみと小さな恋の話など、懐かしい雰囲気の中で語られる。
    後に行くにしたがって、他の商店の名前が登場するようになって、箱庭世界が充実していくのが面白い。

    一軒目『カフェ スルス』 大島真寿美

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    2018年01月08日
  • ゴースト

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    様々なゴーストにまつわる短編集。

    戦後の混乱期、交通事故で亡くなったケンタの霊が、ネグレクトの少女に会う「きららの紙飛行機」、
    年老いた曽祖父が、戦争時代の僚友に会う「亡霊たち」、
    戦時中、乳飲み子を亡くし、小さな子供達と離れ離れになってしまった母の霊の「キャンプ」など、戦争をベースにした話に惹かれました。

    著者の筆致に、私には読みにくいものもあるため、一部好みではないものもあったが、独特の世界観に魅了されました。

    三井のリハウスのCM、樹木希林のお婆ちゃんの家見て、共通する印象を持ちました。

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    2017年12月31日
  • かたづの!

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    女城主としての生きざまが、井伊直虎を彷彿させる。違うのは、直虎は外圧との戦いだったが、祢々は身内との戦い。でも共通しているのは、男には分からない苦労を背負ったということ。

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    2017年12月17日
  • ゴースト

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    ネタバレ

    『小さなおうち』以来の中島京子。7つの短編は時代背景も似ていて、懐かしさや昭和のぬくもりを感じさせるテイスト。巧みなストーリーテリングぶりが相変わらずみごとだなぁと各章ごとに思わされる。
     本書のタイトルにあるようにゴースト(亡霊)たちが関わる不思議なお話だけど、怪談の様相はまったくなく、時代背景や史実に基づいた、あるいはしっかり取材した事実も巧みに活かされた、実に地に足のついたストーリーだ(幽霊の話なのにね・笑)。

     亡霊、幽霊と書いたが、モチーフは土地、建物、あるいはモノに宿った思い、"念"といったものだろうか。目に見えて現れないものに、姿や形を与え、その意を語らしむ

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    2017年11月28日
  • かたづの!

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    ネタバレ

    南部に実在した女性大名・祢々を描いた作品。
    正確には領地を幕府から与えられたわけでは無いので大名ではありません。幕府から認められているのは対抗する祢々の八戸南部家はその分家で、藩内の城持ちの(非正式な)支藩です。
    史実に沿って描かれる時代小説ですが、語り手が一本角のカモシカの霊だったり河童がちょろちょろ現れたり、伝奇要素がかなり混ざっています。
    中島さんの特徴は不思議なユーモア感です。まっとうに南部の藩内抗争を描くと、そういったユーモア感が出しにくいがために伝奇要素を取り入れたのではないかと思います。
    しかし、なんとなく中途半端な気もします。思い切って真正面から描くか、妖怪変化の類を使わず祢々

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    2017年10月09日
  • 冠・婚・葬・祭

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    冠婚葬祭について書かれた短編4編。
    婚の『この方と、この方』少し前まではお見合いも頻繁に行われていたんだろうな。顔の広いおばさんとかがいて「いい人いるわよ」なーんて話を持ってきてくれたに違いない。恋愛感情に流されず、互いの条件を突き合わせて相手を選ぶほうが確実か!?
    祭の『最後のお盆』も好き。子供の頃は、お盆に祖父の家に集まったもんだなということを思い出したり。そういや、集まることがなくなったなぁ。

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    2017年09月09日
  • 平成大家族

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    序盤は、何とも救いようのない家族が当主・龍太郎宅に集まる描写に、がっかりしながら読み進めた。「さようなら、コタツ」のようにオチのない物語だったらどうしよう、と……でも、尻上がりにジワジワと面白くなってきた。訳あって集まった家族が、それぞれ様々な問題に対峙していくうちに、それぞれが収まるべき鞘に収まっていく。そんな構成に好感が持てた。

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    2017年09月06日
  • さようなら、コタツ

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    ネタバレ

    中島さんの、またまたタイトルがユニークな作品。
    色々な人が住む「部屋」を舞台にした短編集。
    切なくなってしんみりしたり、可笑しくて笑ったりと部屋の数だけ物語がある。

    特に笑ったのは最初の短編。
    独り暮らしの娘の部屋へやって来た父親に頑張れ‼と声をかけたくなった。

    一番好きなのは表題作。
    15年間使っていたコタツにさよならする女性。
    彼女に決断させた事とは…!?
    エピソードの数々に笑ったり頷いたり。
    句読点のない文章が彼女達の人となりをよく表していて面白い。

    沢山笑って、でもラストはほんわかした気持ちになる。さすが中島さん!

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    2017年08月20日
  • かたづの!

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    ときは江戸時代、徳川家康が天下統一を成し遂げようとする頃から2代目将軍秀忠の頃、ところは現在の青森、八戸辺りから岩手の遠野周辺を仕切っていた南部藩所縁の年代記。しかし、このお話は一風変わっています。語り手は羚羊(カモシカ)それも一本の角しか持たない鹿の角が死後も「南部の秘宝」と呼ばれて意思を持ち語りだすのです。
    かたづのが出会いを語るその人は、後に女性ながら八戸の南部氏の第二十一代当主になった祢々(ねね)。まだ15歳でしたが、第二十代当主となった直政氏のご内儀となっていたのでした。祢々の波乱万丈とも表現されるその後の人生を、かたづのは当に直に側で見聞きして語ることになります。時には人の中に入っ

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    2017年07月30日
  • 平成大家族

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    『小さいおうち』しか読んだことがなかった中島京子。直木賞受賞作のそれは映画化されたさいに原作ということで読み、とても心に沁みました。その作風しか知らなかったら、これは森見登美彦などにも通じるコミカルなタッチ。びっくりしましたがさらに好きになりました。

    72歳の緋田龍太郎と66歳の妻・春子。90歳を過ぎた姑と30歳のひきこもりの息子との4人暮らし。いろいろ文句はあるものの、穏やかに暮らしていたはずだった。ところが、事業に失敗して破産した長女一家が同居させてくれと言う。続いて次女が出戻ってきて、一気に倍の8人所帯に。

    本作はそのひとりずつの目線で語り継ぐ11話。なにしろ1話ごとのタイトルからし

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    2017年05月10日
  • 均ちゃんの失踪

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    登場人物ひとりひとりに感情移入できる小説。
    笑えるところもあるし、いやな気分にもならない。
    面白かったです

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    2017年03月26日
  • 均ちゃんの失踪

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    p.44
    あの人はね、こう言うたら何やけど、通過地点のようなものなんやわ。女にとっては。うまく言えへんけど、あの人は大人になれへんからね。そこがあの人の、かわいそなとこやね。


    突然いなくなった中年男性(イケメンではない女たらし)を巡る女性の話。わけわからないながらも3人が結束を深めて友情が微妙に芽生えてくるのがいい。
    均ちゃんをきっかけに、それぞれの女性の背景や心情が明らかになる、その気質の違いであったり生い立ちであったり、その書き分けが上手だと思う。

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    2017年03月14日
  • 眺望絶佳

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    スカイツリーが「小説」の世界に登場している!単行本が刊行された、2012年前後の東京を実感する短編集。

    それぞれの人物を描く小説のテーマとしては統一感がないようにも思える。けれども、ブログ形式だったり誰かに話しかける風で話を展開していったり、書簡形式だったりと、表現形式が面白い。
    そしてなんといっても時代性!ちらっと出てくる、スカイツリーに新しくなった羽田空港、地震の津波の話、ゴミ屋敷やLGBTなど、確かに最近話題になってるよ、知ってる、目に浮かぶし、ほんとに都心の片隅にひっそりと開かれているお客のほとんど来ないギャラリーってあるある、などとあまりに身近な東京の姿に嬉しくなってしまう。
    冒頭

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    2017年01月13日
  • 均ちゃんの失踪

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    初めて読んだ中島京子さんの小説。
    読んでいておかしいんだけど、滑稽なんだけど、そこに人間の真理がある…と気づけばとても深い。

    ふらりと家を出たまま失踪した内田均(通称均ちゃん)。
    彼が不在の間に家に泥棒が入り、この家に出入りしていた元妻(50代高校美術教師)と現恋人の2人(30代重役秘書と20代雑誌編集者)が警察署で鉢合わせ。
    均ちゃんへのそれぞれの思いを胸に、ひょんなことから3人揃って箱根の高級温泉旅館に行くことになり…。

    殊に恋愛で人が一生懸命になっているときって、どうして他人のことはよく見えるのに自分のことは見えなくなってしまうんだろう。
    他人のことなら冷静に観察して馬鹿だなぁと思っ

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    2016年12月12日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    7名の作家さんの、商店街をめぐる連作
    たぶんモデルはあそこの商店街だと思うんだけど、閉まるの早いから違うかな
    こういう商店街は通り抜けるだけでも楽しいと思う

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    2016年11月17日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    竹取物語・伊勢物語・堤中納言物語・土佐日記・更科日記
    どれも学校で古典や歴史で学んだ物語ですが、一度も
    読んだことがありませんでした。(絵本とかあらすじみたい
    なものを除いて)
    初めて読みましたが、現代と異なって違和感のある部分
    もありますし、想いのほか現代でも共感できる部分も
    多く面白く読めました。現代訳が秀逸であったことも
    要因だろうと思います。
    中でも、伊勢物語の和歌と話しの内容の奥深さ。単なる
    恋愛だけではなく人とのつながりを大事にしてきた文化
    が垣間見える部分。
    堤中納言物語の短編小説のような、また現代でも共感できる
    家族や仲間での何気ないやり取りの記載。
    土佐日記の紀行文としての情

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    2016年10月02日