中島京子のレビュー一覧

  • 樽とタタン(新潮文庫)

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    学校が苦手だった少女が、放課後を過ごした喫茶店の常連客たちとのあれこれ。それは30年前の話。
    ノスタルジックで、ある時はSFチック。そして、子どもの頃の回想というフィルターもかかって、ちょっと不思議な雰囲気を醸している世界。
    小説家には一つだけ、聞かれても答えなくていい質問がある。
    「それは本当?それとも嘘?」

    『「はくい・なを」さんの一日』(「タタン」と名付けてくれたのは白いひげの老小説家)
    『ずっと前からここにいる』(百年先からやってきた女)
    『もう一度、愛してくれませんか』(吸血鬼の夫婦現る)
    『ぱっと消えてぴっと入る』(おばあちゃん子)
    『町内会の草野球チーム』(学生さんと喫茶店)
    『バヤイの孤独』(学者は、自分の研究対象に恋をしているものだ・・・と私は思う)
    『サンタ・クロースとしもやけ』(サンタ・クロースはたくさんいる。だって世界中の子どもたちにプレゼントを届けるのだもの)
    『カニと怪獣と青い目のボール』(嵐のように現れて、すぐに去っていった「トックン」のこと)
    『さもなきゃ死ぬかどっちか』(トモコが突然、タタンの前に現れた。タタンの名前も「トモコ」だった)

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    2025年02月16日
  • 小さいおうち

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    「うらはぐさ風土記」で中島京子さんのファンになり2作目。昭和の女中さんのお話が面々と綴られて最初はうんざりしていて、挫折しかかった。
    レビューを読んでいると評価も高く、後半からは物語が加速するらしいと知ると、勝手なものでどんどんと興味が湧いてくる。タキさんや時子さんの物言いに慣れてくると時代背景や生活そのものも面白く、何となく予測できたストーリーもラストでびっくりの結末。また違った解釈になりとても深かったし、映画化もされているとかで、さすが直木賞受賞作品は違うなぁと。もう少し中島京子さんの作品を極めてみようと思う。どんな世界が待ち受けているのか楽しみ。

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    2025年02月02日
  • オリーブの実るころ

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    テンポ良く、ファンタジーでありながら妙なリアルさもあって面白かったです。

    各お話の主人公が、ユーモアのある、少し変わった考えや視点を持っていて素敵でした。

    一番最初のお話だけ少し毛色が違って、そういう本だっけ!?とドキッとした笑

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    2025年02月02日
  • やさしい猫

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    在留外国人と聞くと、どうしても文内にもあるように悪い話をイメージしがちだ。しかし、ちゃんとした人たちももちろんいる。そんな人たちが、周りのサポートを得てちゃんと評価されていく様は痛快!最後は胸のつかえみたいのがごっそり抜けました

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    2025年02月01日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    「小さな表現の差にこそ大きなぶれがあることを身をもって学んだ。」
    堀江敏幸さんのこの文が表現の芯を食っていて好きだ。

    『堤中納言物語』の「虫めづる姫君」の続きが無いことが本当に悔しい。
    平安時代でルッキズムに苦言を呈してるこの短編が1番好きだったからこそ、悔しい。

    『竹取物語』は1番読みやすかったから、お勧めです。

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    2025年01月29日
  • うらはぐさ風土記

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    ネタバレ

    初めての中島京子作品
    穏やかに時が流れ、時々クスッと笑わされ、その土地の空気が感じられる…素敵な物語だった
    美味しそうな食べ物や季節の草花や鳥、街の歴史と未来、個性的だけど自然体の登場人物達
    表題と共に各章のタイトルも秀逸でした

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    2025年01月27日
  • 小さいおうち

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    戦前から戦後にかけて、女中としてのタキの働きっぷりもおもしろかったけど、それ以上に世の中がどう変わっていったか、庶民はそのときなにを感じたか、が非常に興味深かった

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    2025年01月21日
  • 妻が椎茸だったころ

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    年末年始の休暇が終わり、バタバタと日常に戻っていくなかで、1話ずつを本当に味わいながら至福のひとときをいただきました、新年1冊目の本。
    ユーモアがあって、優しさがあって、好きです。
    流行った本は映画になりがちだけど、これは本でしか通じないな〜と。
    なんでも物事には具体性や明確性、真実を求められるけど、本は個々の想像力にゆだねることが許される。改めて読書って自由で楽しいな〜って思えた一冊でした!

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    2025年01月18日
  • 樽とタタン(新潮文庫)

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    ノスタルジーは便利だ。
    確かに自分の記憶のようで、でも、ずいぶんとあいまいなことが、ある日結びつく。

    たとえばこの本を読んだとき
    あゝ高校時代に友人とヒマをつぶしていた喫茶店って、こんな感じだっけ

    コーヒーとトーストの焦げた香り

    もちろん赤い樽も女の子もいなかったはずなのに、居たって不思議じゃないような気がする。

    「小説家には聞かれても答えなくていい質問がある。『ほんとなの?』……」

    さて、どうだか……。

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    2025年01月12日
  • 小日向でお茶を

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    軽く読めて、笑ったり納得したり感心したり共感したり。ふむふむ、へぇー、あはは、それそれ、わかるー って感じで、ちょうどいい読み心地。
    軽めで読みやすいけど中身がちゃんとあるエッセイで私好みだった。(わざわざ書いて読ませるほどでもない当たり障りのないことしか書かれていなエッセイは読み応えがないので、好きじゃないけど、この本は好きだった。)
    この著者は小説だけでなくエッセイも良かったので嬉しくなった。

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    2025年01月10日
  • 樽とタタン(新潮文庫)

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    主人公である少女が大人になってから少しずつ思い出しながら進むものがたり。
    少女とおばあちゃんのおはなしが1番好きでした。
    きっとそうだよね、そうだったらいいなと 共感。

    みんな今頃どこにいて何をしているんだろうか。みんなそれぞれに幸せな場所にいられていたらいいなと思う。

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    2025年01月10日
  • うらはぐさ風土記

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    うらはぐさという植物が風知草と同じだと
    この作品のレビューを読んで知った。
    わたしは風知草という言葉だけを知っていて、
    (亡くなった母が書を習っていて、額縁に入れられたこの風知草という言葉をしょっちゅう見ていた)
    これがどんな植物であるとか、
    花言葉がなんなのか、とかは全く知らなかったけれど、
    うらはぐさと風知草がつながった時、
    あ、これは読まねば!と感じて手に取った。

    それはさておき、ほんわかとした表紙と共に、
    中身もびっくりするようなショッキングな出来事は全く起こらず、東京西部の架空の町、うらはぐさに住む人々のコロナ明けの日々のあれこれが描かれたこの作品。
    年の初めに読むのにちょうどよい
    力の抜けた読み心地と読後感だった。

    架空の町とはいえ、日本のどこか、
    どこにでもありそうなその雰囲気がなんだか懐かしく、
    幼い頃に住んでいた場所を思い出させ、
    優しい気持ちになれた。
    もう長いことマンション暮らしだけど、
    一戸建て、しかもこんな感じの年月を経た家や庭、
    いいなぁ〜、と思った。
    物語のラストも
    このうらはぐさの花言葉にふさわしい。

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    2025年01月06日
  • うらはぐさ風土記

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    初読みの作家さん。風土記というくらいだから土地に根差した物語なのかなぁ、よくある田舎暮らしのほっこりものかなと、軽い気持ちで読み始めた。びっくりするくらいにするすると文章が入ってきていつしか自分も武蔵野のうらはぐさの一員になっていた(笑)エナガの巣を検索してみたり、ユニークなニックネームのチョイスに笑ったり、登場人物のキャラ立ちには舌を巻いているうちに、後半は怒涛の展開。序盤からちょいちょいとまかれた伏線がしっかりと回収されて、とっても満足のお話。すっかりファンになりました‼️
    もう少し中島さんの作品を極めてみたい。

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    2024年12月25日
  • うらはぐさ風土記

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    しみじみいい話だった。
    東京は土地に歴史があっていいよね。
    実在のモデルになる地域(や人もかな)があって、リアルだし、読んでて楽しい。
    土地に歴史あり。人に歴史あり、て感じ。
    小説での食べ物の描写は食傷気味だけど、(おいしそうな描写や、食べ物小説を全面に出されるとまたか、という気になる)梅醤は今度作ってみようと思った。

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    2024年11月21日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    ネタバレ

    木原音瀬先生のお話を目当てに購入したので、お目当ての話だけ読んでもいいかと思って最初から順番に読み始めましたが、全部読んでしまいました。
    全部読んだあとに思ったことは、やっぱり木原音瀬先生は癖が強い。笑 男性が妊娠できる世界という設定はおもしろかったし、男性も苦しんでほしいと思ってしまいます。

    お気に入りは白い結婚の「ダーリンは女装家」、「いつか、二人で。」
    今年は黒い結婚寄りの、暗めのお話を読むことが多かったので、白い結婚で心が洗われました。ハッピーエンドもいいですね。

    ダーリン〜
    15歳の時に大好きだった人と結婚するなんて素敵。男であり女でもある旦那さん、いいですね。認知症になったお母さんが「結婚はいいものよ」と言ってくる場面が沁みました。

    いつか、〜
    老後の夫婦が旅行に行く話だと思って読み始めたら、まさかの死んだ後に一緒に天国に向かうお話だったとは。これもとてもロマンチックでした。山あり谷ありの人生だったけど、お互いが大好きのまま、一緒に天国に行けるなんて…借金取りが来て鬱病になる以外は本当に羨ましい人生だなと。(借金取りが来るのはさすがにこわすぎる。)幸せな気持ちになりました。

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    2024年11月13日
  • うらはぐさ風土記

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    武蔵野のうらはぐさ地区で生活をするようになった50代の沙希。
    この地区は昔ながらの商店街があり、緑があり鳥が囀る。この土地で出会った個性豊かな人々やこの町の歴史を知れば知るほどこの町を大切に守っていきたいと思うようになる。
    ほのぼのとした雰囲気で話が進み、読みやすい。
    居心地がいい人々や環境に囲まれて、50代にもなればこういう生き方も悪くないなと感じながら読みました。人と人との良い付き合いが歳を重ねると大切なんだなと思わせてくれる作品でした。

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    2024年11月08日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    不思議な商店街での話。

    人気作家さんたちが描くストーリー、どれも印象的でした。

    招きうさぎ、いてくれたらいいなぁー

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    2024年11月04日
  • うらはぐさ風土記

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    読書中から、今自分が住んでいる場所、土地、風土に愛着が湧いてきた。

    都会や便利、お洒落という文脈の中にはない土地「うらはぐさ」。
    そこで育まれる人たちの生活が伝わってくる。
    少し昔ぽさ、昭和の香りも残しつつ、現在の生活が日々僅かに変化しながら過ぎていく。

    『こういうのは、あれだろうか。
    「残るものは形を変えて残っていく」、その「形」だろうか。』(p193)

    誰かに、何かのきっかけで自分が経験した「大したことない話」をすると驚かれたり、重宝がられたりした経験があると思う。
    他人から見ればドラマチックだったりする。
    「うらはぐさ風土記」でも度々、ちょっとしたエピソードを読んでいて、へぇーと思ったり驚いたりした。
    普通の人との茶飲み話が、1番面白かったりする。

    「五 狼男と冬」ではぎゅっと心臓が掴まれた。
    普通の人の中に起きていた、唯ならぬこと。
    時代が進んだ今だからこそ、理解され消化されるであろうこと。
    あ、これが「カタルシス」か、と思った。

    (※ webより→カタルシスとは、哲学や心理学における「精神の浄化」のこと。 無意識の内に抑圧されている、過去の苦痛や恐怖、罪悪感をともなう体験、そのときの感情などを、言葉で外に出すことによって、不安や不快感などを浄化することを指します。)

    道路拡張計画では、変化をどう受け入れる否かという場面が出てくる。
    伝統芸能をみていても思うこと、変化や革新があるからこそ継続されている。
    人間は今いる時点、場所が心地よければ変化を嫌う。けれどそれでは自分も社会が進まないということもわかっている。

    住んでいる場所の愛着は保ちつつ、ちょっとの変化を受け入れる。
    変わることもいいじゃないか、と背中をそっと押してくれる本でもある。


    (p202)
    「テセウスの船」と呼べると思う?」「全部のパーツが入れ替わっても?」
    「すっかり新しいものになってしまっても」
    マーシーはしばらく眼鏡を押さえて考えていて、それから大きく息を吐いた。
    「感情的には呼べると思います」
    「感情的に?」
    「はい。みんながそれを「テセウスの船』だと思っていて、テセウスが船に乗ってどんな旅をしたかも語り継がれていて、それを大事にしたいという感情が継承されているなら」「ほほう。なるほど。傾聴すべき意見だな」

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    2024年10月31日
  • 小さいおうち

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    中盤からの展開が面白い 面白かった。最初から中盤あたりまでは非常に幸せで平々凡々な女中さんとその家族の華やかな日常であったのが、中盤以降、戦争が始まってから展開がスピードがついてくる。ここからの展開が面白かった。
    氷点に少し通ずるところがあったり、戦前の日本の様子がかなりハイカラだったり、戦争が始まっても日本が負けるとは誰も想像してなかったとか、婦人紙でも敵を殺せ、と書いていた、とか読んでてそうゆう一面がやはりあったのか、そうだよな等と思いながら読めて面白かった。
    最後の方の展開、見せ方はかなりよい感じ、お見事、だった。

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    2026年03月14日
  • うらはぐさ風土記

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    たいしたことは起こらないんだけれど心が暖かくなって
    ちょっとしたトリビアもあって
    自分の住んでいる場所にも歴史があるんだろうなってまわりを見つめたくなる本。
    登場人物もキャラがたっていて面白い。

    やっぱり中島京子さんの文章は好き!

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    2024年10月26日