中島京子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレあの、中島さんによる、児童文学エッセイ。幼い頃から、こんなにも児童文学に親しんでいたなんて、羨ましい。しかもお姉さんという、価値を共有できる人までいて。
私が児童文学を読み始めたのは、大半が、20歳をすぎてからだ。私にとっての最初の児童文学は、小学4年生の時母から与えられた『くまのプーさん』で、金色のシールがついていたので良い本だろうと思ったとのこと。プーさんはすぐに私の友達になった。同じく銀のシールがついていたという理由で、宮沢賢治も与えられたが、この時はさっぱり興味を持てなかった。天才詩人の卓越した感性に、スカスカの脳みそな小学4年生の私はとてもじゃないがついていけなかった。父からは子供 -
Posted by ブクログ
伊勢物語、きちんと読むの初めて。
川上弘美さんの日本語は美しいな。
和歌の訳がそこはかとなく典雅だ。
物語絵でよく出てくる有名な九段の八橋、宇津山だけにあらず。
しかし業平はすごいね、さすが歴史に名を残すプレイボーイ…
三十段の、歌を「逢うのは 一瞬 恨みは 永遠」て訳すのはしびれる。伊勢物語もすてきだけど川上弘美さんもすてき。
最後125段
「生きるとは
なんと
驚きに満ちたことだったか」
ってところなんて、めっちゃすてきじゃないですか
もりみーの竹取物語もすごく面白い。
もちろん元の話自体が面白いけど、彼の訳がなんともシュールで人間臭くて好きだ。
しかしなんておもしろい話なんだ -
Posted by ブクログ
姉の露子と、妹の佳子。
佳子が台湾人青年と結婚する事になり、その時期をめぐる露子と佳子の散文的な日々の記録。
「結婚」がテーマであるようであり、実際にはあまりそれにはこだわっていない本だ。
個人的に、露子の過去の恋愛(カメラマンの竹内)について心が傷んだ。女性の中には、こういう経験、つまり、恋愛において、相手からの愛情を得ることができずに苦しんだ経験を持つ人はきっと多いと思う。私にも心当たりがある。
相手が竹内のように悪い男でなくても、そういう経験、依存心は、思いの外長期にわたって自分の心をを苦しめるものだ。
露子が大事にして、誰にも見せないでいたクロッキー。
それを中華食堂の中で、みんな -
Posted by ブクログ
ネタバレ部屋にまつわる7つの短編小説。作者曰くサブタイトルは「へやのなか」
ちょっとクセのある登場人物たちが、それぞれの部屋で過ごす日常を切り取ったごく普通の描写がすごく面白い。「クセのある」と書いたが、プライヴァシーの最たる場所たる我が家のそれも部屋の中であれば、誰だってクセはあるものなんだろう。テレビで帰宅する人の家についていく企画があるが、それだけで人間ドラマが撮影できるくらいに、人が住む部屋には住む人の数だけドラマがあるわけだ。
そのドラマをきちんと切り取って(フィクションだから構成して…か)短編小説にするのが小説家の腕なんだが、中島京子はその腕があるんで、読者としても安心して部屋の中のド -
Posted by ブクログ
ポップな表紙が印象的な短編集。
1篇ごとに世界もがらりと変わる。
表紙のように、とてもカラフル。
が、共通するのは、どの作風も一風変わった人や設定があることだろうか。
小石川植物園で鰐を探し続けるヒロインも不思議だが、そこで彼女が出会うのは「銀杏の精」を演じ続ける中年男性。
放課後にだけ現れ、一部の人にしか見えない「ゴセイト」。
結婚前にした鼻の整形後のメンテナンスができず、鼻の話題に極端に過敏になっている女性。
彼女の夫はこともあろうに、ゴーゴリの「鼻」を生物学的に考証しようと、「鼻行類」などの話を滔々とする。
シュールな中に、独特なユーモアが感じられる。
シュールな作品に耐性(失礼!