中島京子のレビュー一覧
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亡くなった父からの相続でアパート経営をする事になった40代のいかず後家の茜さんのお話
一癖も二癖もある住人たちとのコミュニケーションが愉快
目次が部屋の号数で、それぞれの住人のお話になっている
101号室 茜さんが大家になる経緯
302号室 家賃を滞納している売れないウクレレミュージシャンの玉井ハルオ
201号室 生活能力の乏しいシングルファザー妙蓮寺大輔と子供の陸、海、空
202号室 知的で教養のある仲むつまじい谷川夫婦だけど実は……
203号室 整形マニアの高岡日名子
303号室 部屋に猫がいる、探偵の槌田直樹
301号室 クロアチアからやってきたポーエットイヴァンほろほろヴィッチ
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最初は何となく垣谷美雨さんのような作品かと思った。
特に思い入れを持ってこの本を読み始めたわけではないけれど、面白く、すっかりはまってしまった。
49歳、税理士事務所パートの主婦、宇藤聖子。
夫の守は大学の同級生で、ライター。
その夫が、ある企業のPR雑誌に、創業者から女性論を連載する注文を受ける。
その女性論とは、伊藤整の『女性に関する十二章』。
これがストーリーの要所要所で、聖子の読書に連れて作中に導入されていく。
時に登場人物がこの文章を批判したり、思わず同感したり。
その塩梅が絶妙で、伊藤整に引きずられることもない。
こういうところが、キャリアのある作家だなあ、と感心するところ。
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成人式を舞台にした大道芸人と新聞記者のお話「空に、ディアボロを高く」
結婚を斡旋するベテランの菊池マサエ。その相性を読む直感は冴え渡って来た。もう引退していたマサエが、請われて最後に世話したのは・・・「この方と、この方」
佐々木直之が命じられたのは、高齢女性を、葬式に連れて行くこと。何か訳ありの関係らしい。「葬式ドライブ」
田舎の山奥にある古い家で、最後のお盆をしようとする3姉妹。そこに現れたのは・・・「最後のお盆」
どれも、人生の妙を感じさせる、いいお話でした。
中島さんに、いろいろな人生や、人との出会いをさせてもらい、生きて行くことは、小さな運命の連続なのだと知らされているような気がしま -
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ネタバレ*15年ぶりに、しかも誕生日に、部屋に恋人未満の男を招くことになった36歳の由紀子。有休を取り、ベッドの到着を待ち、料理を作って待つが、肝心の山田伸夫が…来ない!表題作ほか、新入りが脱走した相撲部屋の一夜を描く「八十畳」。やもめ暮らしの大叔父が住む、木造平屋に残る家族の記憶をひもとく「私は彼らのやさしい声を聞く」など、“7つのへやのなか”を、卓越したユーモアで描く傑作短篇集*
この方は、こういう他愛もない日常の、さもない悲喜こもごもを描くのが本当に巧い。登場人物たちと一緒になって、悩んだり慌てたり喜んだり落ち込んだり、そんな体験が出来るのも、中島作品の醍醐味かも。
中でも、特に好きなのは、 -
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本書の舞台は、銀婚式を迎え、一人息子は地方の大学院に進み、今は二人暮らしの家庭。夫 守は小さな編集プロダクションを営み、妻 聖子は経理事務所でパートとして働いている。
ある日、夫がある企業のPR誌に女性論の執筆依頼を受け、参考文献として書棚から60年前のベストセラーエッセイ 伊藤整著「女のための十二章」を取り出し、読み直している。その夫から「君も読んでみる?」という勧めもあって、妻はタブレットで読んでみることに。
本書は、妻 聖子の日常で起こる様々な出来事とふたりが読み進める「女のための十二章」が絶妙な塩梅で絡み、展開していく。
一見、平凡に見える日常も、いろんな小波が押し寄せては消え、 -
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ストーリーラインは極めて悲惨、72歳の当主に66歳の妻、30歳の引きこもり長男3人家族に、自己破産した娘婿家族、離婚して未婚の母となる次女、そして姑。よくここまで集めたなといったオールスター軍団がひとつ屋根の下で集う(正確には3つ屋根の下、なんなら一つの敷地でもよい)物語。一つ一つの家族の形は取り出してみると、昔ほどは悲惨ではないが、でもやはり厳しい状況である。そしてそれが一つの敷地に集うとなると通常は「親の育て方が悪い」となるが、それはほとんど感じないのである。なるべくしてなった、そんな自然な形で物語は構成されている。
しかし、である。どことなく明るい。おそらく想像だが少しずつ上向き気味に