【感想・ネタバレ】イトウの恋のレビュー

あらすじ

維新後間もない日本の奥地を旅する英国女性を通訳として導いた青年イトウは、諍いを繰り返しながらも親子ほど年上の彼女に惹かれていく――。イトウの手記を発見し、文学的背景もかけ離れた二人の恋の行末を見届けたい新米教師の久保耕平と、イトウの孫の娘にあたる劇画原作者の田中シゲルの思いは……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

なんとまぁ。素敵な物語を読んでしまったんでしょう。私ってば。
タイトルも、なんだかとてもダイレクトな感じがして、いいですよね。

男子校の新米教師が、実家の屋根裏で見つけた「イトウ」という人物の手記に興味をもち、調べていくという物語。

もう、ほんと、「イトウ」若くて一途な気持ちが、とても心に響くんだなー。
若さゆえの暴走だったり、若さゆえの悩みだったり、それがとてもせつなくて、しかも、国も年齢も身分さえも全く違う二人の距離感が、なんともはがゆくて、お互い素直になれないその感じ。
誰かを好きになる。って、なんだかとても素敵なことなんだな。なんて胸がキュンとしたりしました。

「イトウ」の手記を調べている、高校教師の耕平と「イトウ」の子孫・シゲル(女)、そして、耕平の教え子のまこっちゃんの三人も、とても魅力的なキャラクターで、特に、シゲルの性格、すごく好きです。

ラストの解釈や、登場人物のその後のことなど、読者に投げかけてるような感じが、より一層、物語全体の想像力を掻き立てられるようで、私なりの解釈としては、なんとなく、ニヤニヤしながら、見守る。みたいな、そんな感じかなー。

とても素敵な一冊でした。

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2022年02月17日

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イザベラ・バードの紀行文はまだ読んだことがない。少し読んでみたくなった。伊藤はどのように描かれているのだろう。確かにかの時代、通訳は必要だ。イザベラの通訳として淡い恋心、慕情を抱く伊藤鶴吉視線の話。手記、日記、書いている当時はなんてことないただの雑文でも50年、100年経つと価値が出てくる。その重要性がよく分かる。記録というのは面白いものだ。歴史の隙間に埋もれている事柄を掘り起こし、未来の直接関わりのない人間に感動やら勇気を与える。言葉、文字がある限り続く現象であり時間が持つ雄大なロマンでもある。

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2017年05月24日

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イトウこと通訳伊藤亀吉、I.Bこと旅行家イザベラ・バード。
年齢も国籍も文化的背景も違う2人の出会いと別れを綴った手記と、それを見つけた中学教師久保耕平と、イトウの曾孫田中シゲル。
いくつもの平行した視点でもって進むストーリーだか、派手すぎず寄り添っているように読み進められる。
余韻のある読後感も、童話のように穏やかで心地よい。

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2012年07月30日

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明治初頭に北海道を旅した40代後半の英国人女性と、通訳兼ガイドとして彼女に同行した横浜出身の17歳の日本人少年の間の「恋」を描いたフィクション。日本人少年通訳が晩年になって記した手記をたまたま発見した高校教師が現代語訳した手記を、その通訳の子孫である女性(元モデルの劇画原作者)が読んでいくという重層的な物語構造。漫画原作者の女性と高校教師が段々親密になっていくプロセスも同時進行する。複雑な時間構造・プロットを、ややこしい背景設定がされた登場人物が謎解きをしていくにもかかわらず、飽きさせない。個々のキャラクター描写も細かくて良い。

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2011年01月13日

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イトウの手記による明治時代と謎解きをする現代が行ったり来たりする。ストーリーだけを追えば真面目な話で、登場人物は皆それぞれに真剣なのだが、なぜかどこかユーモラスで、これこそ中島京子さんの巧みな筆致かと思う。

日本人と西洋人、若者と親子ほどの年上、雇われ人と雇人といったハードルがあってなお、I.Bに惹かれた明治時代の一青年、イトウの姿が切なく胸に迫るとともに、現代のパートでの3人のやりとりもおもしろく、いつのまにか引き込まれ一気読み。

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2025年05月04日

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中島京子さんの作品は「ちいさいおうち」以来、2作目で2冊ともとても読みやすくて面白かった。両作品とも切ないと言えば切なく、かと言って読後感はスッキリとしているという不思議なお話し。数世代に渡って歴史上の人物と現代の人々が繋がっているというのも中島作品の特徴の一つなのかな、と思う。他の作品もどんどん読んでみようと思った。

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2021年08月18日

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絶対ハズレはないだろうな〜と思ってました。(どや)

面白い。そしてすごい調べてある・・・
昔の時代背景しかり全部全部。。。
本当に頭が上がりません。
横浜の雰囲気、とても小説の中で出てました。本当にイトウの翻訳文の章はとても面白かった。
ただ、現代の部分はシゲルが劇画原作者ということを活かすなど、もっと盛り上げて欲しかったなーと。

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2015年12月29日

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明治時代の通訳家の青年が年上の西洋人に惹かれていく手記を発見したことから始まるお話。
手記をきっかけに色んな物語が広がっていくのが面白かった。最近現代の軽い内容の小説ばかり読んでたから、明治時代の移り変わりの激しい時代のはざまで生きた人々の生活や思想も垣間見れて新鮮だった!中島さんの作品はしっかり作り込まれていてすごいなー!マッサンのエリーがIBとかでドラマか映画化してくれたら面白そう☆

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2015年04月07日

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いつしか加速度的に、早く続きが読みたい、続きが読みたいと思って、駅で電車を乗り換えるときも、改札へ向かうエスカレーターに乗るときも、ずっと手放せずに読んでしまった。
食べるときは、食べることに集中しようという私の信条(最近はじめた)も破ってしまうほど(簡単だった)ずっと手放せなくて、続きがものすごく気になった。
すごい推進力のある小説…!

気になるのは、もちろんIBと、イトウの恋の行方である。
イトウの想いは、どこへどういくのか、
彼はどこへ向かうのか。

ひっぱるのが、「恋の行方」というところがいい。
サスペンスは数あれど、恋の行方を謎にしたものはそんなにないような気がする。
「恋の行方、すなわちイトウの恋」を謎にしてしまったのが、素敵なアイディアだったのかもしれないな。

歴史的事実でも、驚愕の大発見でもなくて、
一人の男の恋心にこんなにも引っ張られてしまう。

そしてこれが、どうやら本当にいた人物たちをもとにして描かれているらしいところが、またいい。
ついついスマホ片手に、実在の人物を調べながら読んでしまった。
本当にいたのかと思うとき、歴史というのは事実だけで作られていないことを知って、なんというか、奇妙な、暖かいような、複雑な気持ちになる。
いつだって、時代は「人の気持ち」がつくっているのだ。

「誰のようにもなる必要はない。不可思議な人生を生きろ」
なんかぐっときたよ、このコトバ。
この物語だったからなのか、今の自分に響いたからかは分からないけど。

ああ、なんだか良い時間だったな。
うーん、面白かったなあ!

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2014年01月18日

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大学生の時に、作者である中島さんとのうれしいつながりを発見し、手にした本が、文庫化されているのを知って再び手に取る。

実在の人物をモチーフにした物語。イザベラ・バードことI・Bとその通訳をしていたイトウの恋の物語。ありえないとは思っても、つい想像してしまう。そんなお話を見事に実現したのがこの本だと思う。

イトウの手記をとおして、「日本人」の視点で、東北への旅を追体験したような感覚。だから、フィクションとはいえ、イザベラ・バードは、当時の日本を、日本人を、東北という地をどう見ていたのだろうか。そんなことが気になり、『日本奥地紀行』も読んだのだけれど、面白かったという記憶しか残っていないという・・・。もう一度、『日本奥地紀行』も読み返してみようと思う。

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2012年06月02日

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郷土部顧問が見つけた古い手記に書かれた恋の話。

手記はイトウという男性のもので、相手の女性はひとまわりも年上の異国女性I.B。

現代と過去をいったりきたりする不思議な恋愛小説だが、独特の酔いのようなものがなく、歴史小説のようにさらりと読んだ。

I.Bの言葉遣いの悪さやハンモックで寝るところが魅力的で、年を感じさせない。

だいぶ、せつない話。
でも悲観的ではなく、読後感が爽やかでした◎

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2011年03月05日

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横浜にいきたくなった。今でこそ国際結婚や国際恋愛は珍しくもなんともないが開国間もない頃、日本人が欧米人から黄色い猿とリアルに呼ばれていた時代の一人の男の恋を巡るお話。
英国人IBの「私はおまえがあの、やっかいなことにばかり人間を引きずりこむ困った力の罠に落ちつつあるのに気づいていて・・・・(略)~~~~私はあの力が怖いのだ」という台詞が印象的。現代に至ってはなんの問題もない恋愛のはずが時代がちがう

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2011年02月03日

Posted by ブクログ

実際にいた人物をモデルにして書かれた本ですな。

伊藤が「イトウ」となっているので、この本を読む前、「どうぶつの森」をやっている私としては「イトウかぁ…。あれを釣ったときの喜びはでかかったなぁ」なんて思ってしまってました。

この本には、高野秀行さんの「辺境の旅はゾウにかぎる」の書評からたどりつきました。

明治初期の横浜……。
きっとものすごい趣があって、素敵な街並みだったんだろうな。
横浜の近くに住んでいるくせに、まったくそういうことには関心がなかった。
今度「昔の横浜が残る場所ツアー」でも企画しようかしら。ひとりで。

しかしこの時代に、日本の北の方へ旅をした外国人女性がいたとは。
この方の視点から書かれた本も、ぜひ読んでみよう。
そこにはイトウがどんな印象で書かれているのかな?

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2010年12月09日

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おもしろかった!中島京子でなければこんなにいい作品になりっこない、と思わせるほど中島京子はうまい。イトウの手記の部分は自由な想像だけれど、イトウの若さと真っ直ぐさに、引きこまれることウケアイ。

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2010年11月20日

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情熱は人を動かす。
そして歴史は、語られるべき「時」が訪れる日をじっと声を潜めて待っている。

作者の人物チョイスが絶妙で、うんうん唸ってしまった。
からりと乾いた爽快感。
そしてしっとりを潤された満足感。
どちらも味わえて良かったです。

数十年前の青年が胸に宿した思いが、現代の主人公たちにじわじわと変化を齎す。
それもまた、彼らのために用意された「時」。
「真実は時の娘」という言葉が思い浮かぶ作品でした。

歴史とは個人の私生活を覗き見することであり、
時間が経過したからといって軽はずみに公開していいものでもない。
だが場合によってはその決断によってこれまでの世界観が一変することだってある。
だから目が離せない。

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2013年05月19日

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とても綺麗な小説でした。物語も、そして文章も。横浜付近にある男子校の中等部に郷土部というクラブがある。部員は4人(内3人は幽霊部員)、その顧問をしている久保耕平の実家の屋根裏から明治初期の通辞“伊藤亀吉”の手記が発見される。彼の曾祖父が明治時代にわりと有名な建築家であり、伊藤亀吉と何らかの繋がりがあったためらしい。その手記には亀吉がI.Bという英国人女性探険家の通辞として、共に東北から北海道に向けて旅をしたことが綴られていた。しかし一つ問題があった。それは、その手記が途中までであり、失われている最後の部分には亀吉とI.Bとの恋の結末が書かれているらしいことである。耕平は亀吉の曾孫を捜し出すが、その人物は田中シゲルという劇画原作者の女性であった。耕平とシゲルが手記の後半を探す話と、亀吉が綴るI.Bとの日々が交錯して描かれるが、その中で、シゲルが母の母の父である亀吉の、若く純粋で一途な恋心を知ることにより自分の中の女や母親に折り合いをつけてゆく。シゲルの「イトウの娘。イトウの娘の娘の娘。」という呟きがとても印象的だこの小説に出てくるイトウ(亀吉)の手記の文章がとても綺麗だ。文語体で書かれた会話がとても上品だ。なんだか漱石の小説を読んでいるような感じだった。「おまえは誰のようにもなる必要はない。おまえ自身の不可思議な人生を生きるのだ」こんなことを娘に言えるオヤジって素晴らしいな。そしてそれを覚えていて自分の娘にそれを話せる娘って幸せだな。イトウの娘。イトウの娘の娘。そして何時かそれを知ることになるイトウの娘の娘の娘。登場するI.Bは、英国の女流探険家イザベラ・バード。(日本や朝鮮への旅行を探検とは…極東の未開の地という認識はやむを得ないでしょうけど)伊藤亀吉は、伊藤鶴吉。(実在の人物でバードの巡行に通訳として同行したようです。ただし手記が残されていたという話は聞きません)

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2011年07月21日

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情熱的で狂おしく切ない恋のお話だった。海を渡る。

好きな女ができたなら、追いかけていってつかまえておあげよ。それがつかまる恋ならばね。

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2020年05月26日

Posted by ブクログ

読みやすかったけど。

オチがなー。

先生とシゲルの仲はどうなったのか気になる終わり方でした。

再読はないかな。。。

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2015年05月28日

Posted by ブクログ

『小さいおうち』が好きだったので、こちらも手に取りました。現代と過去を行き来しながら、「真実」を読み解いていく、というところで系統が同じかなというイメージ。面白かったんだけど、もう少し何か欲しかったな。「語りすぎない」のは良いんだけど、突然物語が切れた印象を受けたので、あと少しだけ。

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2014年12月12日

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維新後間もない日本の奥地を旅する英国女性を通訳として導いた青年イトウは、諍いを繰り返しながらも親子ほど年上の彼女に惹かれていく―。イトウの手記を発見し、文学的背景もかけ離れた二人の恋の行末を見届けたい新米教師の久保耕平と、イトウの孫の娘にあたる劇画原作者の田中シゲルの思いは…。

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2014年03月30日

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『ジャーニー・ボーイ』から。いろんな語り口があるんだなあ、と。でも、ま、そっか、と。しかしあっちのイトウくんの方が大人な感じがする。

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2014年02月23日

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中島京子さん独特の、過去と現在が文学を通してリンクしていくお話。恋愛小説なのに陳腐な感じがないところが好き。登場する男の人は、やっぱりシャキッとしないへなちょこ君です。
「小さなおうち」「FUTON 」と、正直この手のパターンはちょっとだけ飽きてきちゃいました。より洗練され完成された「小さなおうち」にはかなわないかなあ、という印象です。(映画楽しみ☆)

中島さんの本を読むと、大学生の時に文学部の授業をちょっと聴講してみればよかったなあ、と毎回思います。

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2013年03月24日

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イザベラ・バラードという実在の人物から着想を得て書かれた作品。ドラマチックな事はなく、おおむね淡々とした少し謎を残すようなストーリー展開だった。
現代人の教師と漫画家の2人の書き方がちょっとステレオタイプで安っぽい。もうちょっと人間としての深みというか実在感があってほしかった。若干消化不良?もうちょっと読み応えのある内容を期待していた。

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2013年01月03日

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私はこれを読んで、なぜかクローズドノートを思い出してしまいました。シゲルと先生のその後も気になります。

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2011年12月12日

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二つのストーリーを交互に綴る形で物語が進みます。一つは明治初期。日本を探検するI・Bという英国女性との交流を描く通訳のイトウの手記。もう一つは偶然その手記を発見した郷土史部の中学教師・久保と唯一の部員・赤堀、そしてイトウのひ孫の劇画原作者の田中シゲル(女性)による調査活動です。
現代の冴えない久保、利発な赤堀、美人だけど変わっている田中の組合せは楽しい。この3人のが活躍する現代部分は所々に中島さんらしいどこかズレたような視点があり、そこが何とはなしに可笑しいのです。
一方で話の半ばを占めるI・Bとイトウの物語はどこか哀しく。全体としてはトーンが暗い感じです。
しっかりとした作品ですが、(私の考える)中島さんらしい感じの弱い作品でした

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2016年07月30日

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古い手記の続きを探す現代と、手記中の明治時代を行ったり来たり。現代パートのキャラ達も十分魅力的なのにメインはあくまで手記の方で「I・Bのキャラの魅力=作品の魅力」になっている。I・Bに魅力を感じないと辛い。

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2011年10月02日

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開国間もないこの国の渾沌とした時代に、必死さをもって生きた一人の青年の姿が、作者の語り口のせいか、ゆったりと描き出されている。

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2011年08月05日

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一気に読まなかったせいか、あまり世界観に浸れなかった。男性が主人公だと特に恋愛にまつわる感情がぴんとこないのは良くあるので、そのせいかしら・・。部分部分、恋愛以外の心の動き、異文化・・はなんて言い得た表現だろうと思うところあり。

#bookoff

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2014年07月21日

Posted by ブクログ

「おすすめ文庫王国2008」にちょこちょこ書名が挙がっていたので手にしてみる。
明治時代、日本の奥地を旅して『日本奥地紀行』を著したイギリス人女性研究者イザベラ・バードとその通訳を務めた伊藤亀吉。
その『日本奥地紀行』にインスパイアされ、作者は、道行の中でイトウがI・Bに惹かれていった、との物語を企てる。
時代の息吹の中で力む日本の若者と母親ほども歳の離れた外国人女性の心の交情。
「文明」が「開化」するかしないかというような頃、「近代化の波」が列島を覆いつくす以前といった、危ないバランスの時代の息使いやそこに生きた若者の心の様子が、イトウの手記として丹念に綴られる。
物語はイトウの手記のパートと、その手記を今の時代に実家の屋根裏部屋で見つけた中学教師の久保や教え子の赤堀、イトウの孫娘と思しきシゲルのパートで交互に展開。
イトウの手記で語られる告白はいよいよ艶かしく、一方、3人組の話は少々ベタ。

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2011年07月18日

Posted by ブクログ

イトウとI.Bの旅も、シゲルと先生の出会いも、最初、すごくわくわくして、手記の謎とあいまって、どうなるんだろうと楽しく読んでいったのだけれど。読んでいって、え、これで終わり?と思ってしまった。だんだんイトウとI.Bの関係が苦しくなっていくにつれ、読むのも苦しくなっていったような。イトウ手記がだんだん長く感じられてしまって。手記のパートも、現代のパートも、謎解きも、もっとぱーっと広がっていくことを勝手に期待していて、わたしとしては不完全燃焼のうちに終わってしまったような。もっとシゲルと先生の話が読みたかったような。イザベラ・バードにそもそも関心があればもっとおもしろく読めたのかもしれないけど。

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2011年09月18日

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