中島京子のレビュー一覧

  • イトウの恋

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    とても綺麗な小説でした。物語も、そして文章も。横浜付近にある男子校の中等部に郷土部というクラブがある。部員は4人(内3人は幽霊部員)、その顧問をしている久保耕平の実家の屋根裏から明治初期の通辞“伊藤亀吉”の手記が発見される。彼の曾祖父が明治時代にわりと有名な建築家であり、伊藤亀吉と何らかの繋がりがあったためらしい。その手記には亀吉がI.Bという英国人女性探険家の通辞として、共に東北から北海道に向けて旅をしたことが綴られていた。しかし一つ問題があった。それは、その手記が途中までであり、失われている最後の部分には亀吉とI.Bとの恋の結末が書かれているらしいことである。耕平は亀吉の曾孫を捜し出すが、

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    2011年07月21日
  • FUTON

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    田山花袋の「蒲団」を、現代版にした話。

    デイブがキュートな女性たちに翻弄されますw

    女性に苛まれる男性って、可愛いですね♪

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    2009年11月22日
  • FUTON

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    3つの物語が平行して進みます。
    一つは米国の田山花袋研究家のデイブの物語。離婚した中年講師のデイブは日系学生のエミと恋人関係になるが、エミに裏切られ。
    もう一つはエミの曽祖父で東京に住む95歳のウメキチをめぐる物語。
    そして最後はデイブが書いている田山花袋の「布団」を主人公の妻の視点から描く「布団の打ち直し」という物語。
    三つの物語を見事に絡ませながら、話は進みます。

    中島京子さんはこれがデビュー作との事。それにしては見事な構成です。おそらくかなりの実力を持った作家さんなのでしょう。「布団」を題材にして「布団の打ち直し」を書き、さらに米人を絡めることでタイトルが「FUTON」なんてのもシャレ

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    2016年08月07日
  • FUTON

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    日本現代史でタイトルとか名前は誰でも聞いたことあり、と思われる田山花袋の『蒲団』を研究するアメリカ人文学者デイブ・マッコーリー(息子ありのバツいちのアメリカ人)、デイブの教え子で愛人の日系アメリカ人エミ・クラカワ、エミの母親の親族で東京鶉町で戦後から蕎麦屋をやっていた明治生まれの老人ウメキチ、ウメキチの息子で蕎麦屋を外資系サンドイッチチェーン店に商売換えした二代目タツゾウ、画家を目指しつつ絵では喰えないので介護ヘルパーとしてウメキチのところに通ってくるイズミ、イズミが一緒に暮らしているケンちゃんことハナエ、などなどの人物が、アメリカと日本、花袋やウメキチの時代と現代を行きつ戻りつしながら、とて

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    2009年10月07日
  • 今日もぼーっと行ってきます

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    これを読み始めてから、意識的にボーっとする時間を作るようにしてみたら、これがなかなかいい。
    ほんの短い時間でも、頭が軽くなる気がして。
    エッセイではいろんなスポットが魅力的に紹介されていて、行きたくなるところばかりだったけど、見どころがたくさんあるスポットばかりで、ここに行ってボーっとできるのか?という気もした。

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    2026年07月24日
  • 小日向でお茶を

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    2018年10月〜2022年9月まで、雑誌「ゆうゆう」に連載されたエッセイを掲載した本です。

    中島京子さん「小さいおうち」で、直木賞を受賞。読みました。でも、あまり覚えていません。

    中島さんが、50代半ばから後半に書かれたエッセイなので、今の私の年齢的にも重なります。
    また、途中からコロナ禍にもなり、懐かしくもあり…。

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    2026年07月12日
  • 平成大家族

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    ネタバレ

    直木賞作家中島氏の2008年の作品。
    軽妙で洒脱な家族小説ですね。瀬尾まいこ作品よりも感動や深さはないのですが、気軽に楽しく読めました。エンタメ小説ですね。

    ・・・
    いやあ、良かったです。

    タイトルの通りで家族小説だろうってのは分かりましたが、予想を超えて面白かったです。

    当主龍太郎以下、姑、妻、長女、次女、長男と、どれも性格がかなり異なり、それがきちんと個性を持って描かれていたのが良かったと思います。

    長女の夫やその子、果ては姑のヘルパーさんまで出てきて、これまたそれぞれ異なった造形。

    作品を豊かにするのは、この家族は全員が全員何とも言えない苦境に陥っているということでしょうか。

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    2026年07月02日
  • 水は動かず芹の中

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    猿太閤の朝鮮攻め、唐入りを防ごうとした〝水神たち〟(きゅうり、カイ、スズ)の400年前の物語「水神夜話」を、スランプ中の作家が水神(河童)の末裔から聞き出すファンタジー仕立ての物語。

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    2026年06月25日
  • 水は動かず芹の中

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    水神夜話 太閤秀吉の時代、唐津から朝鮮出兵があったけれど、その戦いを止めようとしたものの言伝えは史実なのか、神話なのか、さらさらと流れる水の中

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    2026年06月02日
  • 妻が椎茸だったころ

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     中島京子さんの作品は、これまで「やさしい猫」しか読んだことがなかったので、このような不思議な作風に最初は驚いたものの、そこには取材の賜物なのか、それとも知識が豊富なのか、本当っぽいんだけれども調べてみたらフィクションであったことと、実際にあったマニアックなエピソードを一緒に盛り込んだ、その混沌としながらも説得力を感じさせるような、確かな世界観の構築に共通したものを感じられたのが、とても印象深い。

     そして、本書(2013年作)は『第42回泉鏡花文学賞』受賞作なんだけれども、読んだ印象としては幻想的要素のないものもあったり、怖さだけではなく次第と愛おしさも感じられてくる物語もあってと、やはり

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    2026年05月23日
  • 今日もぼーっと行ってきます

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    われわれには「ぼーっとする時間」が必要だ、というのはその通りだと思う。けど、作者がぼーっとしている感じはあまりしなかった。そもそも、本にすること前提で編集者と一緒に出かけて、ぼーっとできるものだろうか。紹介されている場所は魅力的。普段は地方に住むことに何の不満もなく過ごしているけれど、やっぱり東京っていろんなものが揃っている場所なんだなと思った。

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    2026年05月20日
  • いつか、アジアの街角で

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    女性作家6人によるアンソロジー。香港返還前、中国人歌手による『私の1997』という曲がヒットしたのを思い出した。香港側の思いは複雑だったと思うけれど、今のような状態を予測した人はいたのだろうか。台湾にはまた行きたいし、香港を見るにつけ、今のままでいてほしいと思う。

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    2026年05月16日
  • 今日もぼーっと行ってきます

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    ぼーっとする事を目的とした東京近郊を巡るエッセイ集。何も考えずぼーっとする事の贅沢さをつくづく思う。私自身は、何かをしとかなきゃいけないという強迫神経の持ち主なので1番にぼーっとできるのは海外に向う飛行機の中。何も出来ない環境に身を置くって大切と思う。ちょっとした蘊蓄なども盛り込んだ、作者としたらぼーっと出来ないエッセイ。

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    2026年04月28日
  • 今日もぼーっと行ってきます

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    「人は「面白いから、役にたつから、何かをするのだ」と言う思想から解放された方がよいのではないかと思えてならない」

    うん、その通りです。

    そして著者は積極的、かつ計画的にあちこちへぼーっとする事を目的に出かけていく。ぼーっとする中で気づきや学びがある。
    うーん、純粋にぼーっとするのって難しいのね。いいんだけど。

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    2026年04月25日
  • 長いお別れ

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    Long good-bye 実際にそう表現することがあるのだろうか。緩慢な別離。認知機能の衰え、記憶の喪失は、その人がその人であることからの離別である。
    認知症の進行につれ、求められる介護は格段に難しくなる。どう見てもキャパオーバーだが、いっぱいいっぱいになりながらも、母と3人の娘たちは諦めずに奮闘する。父を否定することなく、父のことで姉妹が険悪になってしまうこともない。病状の進行と共に、介護が手に負えなくなってゆく様子は、読んでいても辛い。その一方で、その父に寄り添うことを放棄しない母と娘たちの姿は温かい。どこにあるのかわからない父昇平の気持ちが語られることはないが、不幸ではないと思いたい。

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    2026年04月20日
  • 水は動かず芹の中

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    何度も挫折しそうになりながらなんとか11日かけて読んだ。★ふたつかな?と思いながらも三つは中島京子さんへの敬愛を含めて。
     最初は面白いな、と思ったけど、その後なんだかページがちっとも進まなくなった。もっと言えば、苦痛で苦行のような読書。 
     秀吉の朝鮮出兵というテーマはとても興味があるのだけど、その興味にいくら読んでいっても乗っかれなかった。それにその人物(?)の設定にも不可解感がずっと付きまとって、よくわからないままに終わってしまったのでした。
     「利休にたずねよ」を読んだときでもそうだったけど、秀吉ってどんどん印象が悪くなってゆくなぁ。

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    2026年04月11日
  • 水は動かず芹の中

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    「秀吉の朝鮮出兵」について、河童族(水神)が見聞きしたことを記録した文書「水神夜話」。その内容を、朝鮮出兵の拠点となった佐賀で、現代の作家が、水神と何か関係のありそうな?陶芸家夫妻から聞くという話。
    「秀吉の朝鮮出兵」は遠い昔、歴史の授業で習ったけれど、「そういう事実があった」程度しか教わらなかったので、こんなに大勢が亡くなった、16世紀最大規模の国際戦争だったと初めて実感した。
    河童の記録という体裁なので、本作には幻想的だったりユーモラスな雰囲気もあるのだけれど…
    何故戦争をするのかよくわからないまま始まった戦争であることや、なかなか終わらせることができずに無駄に続けられたこと、トップ(秀

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    2026年04月07日
  • 花桃実桃

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    淡々と日々は過ぎていくが、色々もあって、なんとなくやりすごしたり、後悔したり、まんざらでもなかったり、そんなことがいっぱいつまってる。自分もこれでいいのかも、となんとなく思えた。

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    2026年03月25日
  • 小さいおうち

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    ネタバレ

    期待してない本に限って、おもしろい。女中として時子奥さまを支え続けたタキ視点の物語、かと思いきや最後は甥の健史にバトンをパス。タキが終生まで抱えていた秘密が明かされる過程ではゾクゾクしました。板倉から見た奥さまと女中の関係。タキは賢い女中であろうとしたのか、奥さまに秘めた想いを持っていたのか。答えは作者の中だけにというのが残念ですが、読めてよかった。好きな作品です。

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    2026年03月24日
  • 坂の中のまち

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    現実的な話の中にファンタジーのような話の展開があり、理解が追いつかないところもあった。コロナ禍の話もあり、自分にもそんな時があったなと思い出させられた。

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    2026年03月08日