中島京子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
キャリア20年の女性作家が、唐津の陶芸作家夫婦から聞いた「河童たちの間で言い伝えられてきた秀吉の朝鮮出兵の顛末」を記すという形式の作品です。さらに、正体不明の芹農家の老人が、時折ちらりと顔を見せたりします。
中島さんの作品でいえば、南部の女性大名・祢々の物語を一本角のカモシカの霊が語る『かたづの!』とほぼ同様の形式で、ファンタジーと歴史を融合させた作風です。
読後の感想も似たものでした。なぜ河童という伝奇的な要素を取り入れる必要があったのか。しかも、河童の中の伝承を陶芸作家が語り、それを聞いた女性作家が記すという「又聞きの又聞き」のような構造で、まどろっこしい。いっそ、登場人物の一人である日本 -
-
Posted by ブクログ
「家」にまつわる短編集。
以前読んだ同じ著者の本がおもしろくて、その本の登場人物がこの本にも登場するということで、以前から読みたくてようやく読んだ。
私の良くないところなんだが、記憶力が弱体化しているので、この本のどの話のどの人物が前回読んだ本の人達なのかがわからず・・・。
表題作「さようなら、コタツ」に出てくる姉妹のような気もするし、
最後の話「私は彼らの優しい声を聞く」に出てくる姉妹のような気もする。
姉妹の話だったことは、覚えているのだけれど。
特に事件は起こらない、たんたんとした話が多い。
いや、事件を事件としない。何事も自然と受け入れているというのだろうか。
そんな、中島京子節を -
Posted by ブクログ
豪華作家たちのアジアにまつわるアンソロジー
『アジア』とタイトルにある割には台湾と香港しか出てこないけど 笑
人は香りや味や音や言葉や、そして一瞬の風景でふっと過去の記憶の中に連れていかれることがある
どのストーリーもそんな郷愁に誘われる
若い頃、香港にハマっていた奈美子
当時のパーティで妊婦さんのお腹を生まれて初めて撫でた
その時のお腹の中の子、ケリーが日本で勤め始めたと聞く
『友達になってあげて』と古い友人に頼まれたけれど…
奈美子が知っている香港の熱い情熱と勢いと自由
それは25歳も年の離れたケリーが育ってきた香港の環境とはかけ離れていた
ぎこちない2人
でも2人の中にはそれぞれ、愛 -
Posted by ブクログ
ネタバレ中島さんの今まで読んだ小説はどれも面白かったので期待値が高すぎた感はあります。
主人公は東京の大学に通うため、祖母の親友の家に下宿することになります。物語は主人公とその親友のおばあさん、付き合うことになる台湾人の青年、大学の友人の関係で進んでいきます。肝となるのは、下宿先である茗荷谷の近くの小日向台というところ。多くの小説の舞台になった場所が近在にたくさんある。登場人物も昔の小説との関係が深いし、祖母の親友が近在の坂マニア。
主人公と彼氏の恋の成り行きもありますが、祖母の親友と主人公との関係が一番のポイントとなっています。
ちょっと残念だったのが、最初の方の幻想小説的な部分が後半薄れてしまった