中島京子のレビュー一覧

  • 冠・婚・葬・祭

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    おもしろかったけれど、短編だったせいか、なんだかさらっと読んでしまって印象が薄い。あくまで個人的に、短編が苦手なので。長編だったらいいのに。文章が読みやすくておもしろくすらすらといくらでも読めそう。心のなかの台詞とか会話がつながっていく感じが、わからないけどちょっと昔の大衆小説とか、そんな感じがするようでよかったのだけれど。だれかに似ている気がする、向田邦子? もっと昔の作家かなあ?

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    2011年09月18日
  • 冠・婚・葬・祭

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    冠婚葬祭を巡る普通のひとたちの日常を切り取って描いた4本の連作。気づずに読み飛ばしてしまいそうなさりげない繋がりですがそれぞれ他の話と共通する人が登場して心憎い。お見合いおばさんの話が本人たちが真剣な分だけ滑稽に思えておもしろかなしい。お盆のお話も明解で無いところが趣があって良かった。読後はほっとするというか、ああそうか、という感じのどこか懐かしいような気持ちになりました。面白かったです。

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    2010年10月13日
  • 均ちゃんの失踪

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    突然、いなくなった均ちゃん。その均ちゃんに置いてきぼりにされた現在進行形の彼女2人と元妻1人の、ふっきりものがたり。だらだら続けてきたものを、えいやっ、と断ち切るにはそれなりの決意が必要。均ちゃんの失踪は3人の女性にとって人生の分岐点となるのだけど、そこんところがおもしろい。女って、たくましいんですよ。

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    2010年09月26日
  • FUTON

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    田山花袋って名前は知っていたけど、「何者?」と思っていました。
    この本には田山花袋の「蒲団」を研究しているデーブのレジュメが各所に登場し、それが物語りの下地でもあります。
    田山花袋の「蒲団」はこの本に出会わなくては一生読まなかったと思うし、いいきっかけになったと思う。

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    2010年09月20日
  • FUTON

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    ”中年の小説家が女弟子の蒲団に顔をうずめて泣く”田山花袋の
    「蒲団」を奥さん目線で打ち直しつつ、現代版の「FUTON」を描いたところが、ナイスアイディア。

    全く、男ってのは若い女のカラダに弱い。
    特に中年男が若い女に翻弄されてオロオロするのは、
    全時代、全世界共通らしい。
    若い女はソコに付けこみ、世渡りしていく。
    結局、人生は”若気の至り”の延長線にあり、
    大人や他人がどうこう言うだけ、ヤボなんだな。

    登場人物の中では画家志望のイズミが好き。

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    2010年08月13日
  • FUTON

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    タイトルからもおわかりのように、田山花袋の〝蒲団〟を本歌取りした長編小説です。
    感想を簡潔に述べるとすれば〝おもしろかったぁぁぁ〟のひと言に尽きます。
    主人公はアメリカの大学で教鞭をふるう日本文学研究者。女性を巡る彼の私生活と、彼が〝蒲団の打ち直し〟と題して、女性視点で焼き直して書き上げた小説。そして、東京の下町に暮す百歳になろうとする老人とその周辺の人々・・・これら3つの物語が交錯しながら、ストーリーは展開していきます。
    ただ面白いというのではなく、人が生きていく上で背負わなければならない重荷、その過程で深く刻み込まれる心の傷痕などもしっかり描かれていて、断片的に語られる老人の過去などは、胸

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    2010年06月14日
  • ココ・マッカリーナの机

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    読んでいてにこにこしてしまうしちょっとうるっときてしまう、そんな本。中島京子って本当に読みやすくてすんなりした文章を書く人だなあ。

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    2010年05月24日
  • 桐畑家の縁談

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    文章が嫌味がなくて読みやすくてユーモアもちょうどよくていい感じ。あっさり淡々としすぎているのかなあーと思うところもあったけれども。温水ゆかりさんの解説がよかった。解説読んで、ぼんやりと妹の家に居候してた姉の輪郭がくっきりしたというか。自分のなかの大事なものに気づいてなかったね、というところなど、けっこう感動したりして。この話の主役は妹じゃなくて姉なんだな、と。そう、ふたり姉妹の姉っていうのは、一見しっかりしているようで、実はけっこうぼんやりしていてはっきりしなくて決断できなくて気がつくととり残されてたり。比べて妹は、マイペースでわりにちゃっかり決断して着実になにかを手に入れていくような。かくい

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    2011年09月18日
  • イトウの恋

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    情熱は人を動かす。
    そして歴史は、語られるべき「時」が訪れる日をじっと声を潜めて待っている。

    作者の人物チョイスが絶妙で、うんうん唸ってしまった。
    からりと乾いた爽快感。
    そしてしっとりを潤された満足感。
    どちらも味わえて良かったです。

    数十年前の青年が胸に宿した思いが、現代の主人公たちにじわじわと変化を齎す。
    それもまた、彼らのために用意された「時」。
    「真実は時の娘」という言葉が思い浮かぶ作品でした。

    歴史とは個人の私生活を覗き見することであり、
    時間が経過したからといって軽はずみに公開していいものでもない。
    だが場合によってはその決断によってこれまでの世界観が

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    2013年05月19日
  • 均ちゃんの失踪

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    たとえば本を読むとき、
    ストーリー至上主義の私は、はじめて読む設定や展開ならば、
    気にならないことがたくさんある。

    よくある設定の場合、その本を楽しむために
    登場人物のキャラクターや、文章のよしあしにこだわっていくようになる。
    些細なことに、文句をつけたくなっちゃったり、がっかりしたり、
    なかなか先に読み進められなかったり。

    そこでこの作品。
    読後感がすごく良い。
    あまり自分の喜怒哀楽の感情を呼び覚まさない、
    リラックス効果があるように思う。

    言葉の選び方のおかげなんじゃないかな、と思う。
    ほかの作品とかでもそれを感じるけど、これはとくにそう思った。

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    2010年03月12日
  • 均ちゃんの失踪

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    とんでもない男だけど、なんとなく憎めない均ちゃんと、彼を取り巻く女性たちのお話。
    元妻である40代の美術教師、30代の重役秘書、20代の編集者を、同時にこよなく愛する均ちゃんですが、根が優柔不断でいくつになっても放浪癖が抜けきりません。
    それぞれに事情を抱える3人の女性たちが、均ちゃんのある日突然の失踪を機に、自らを見つめ直し、新たな一歩を踏み出します。
    男も女も誰だって、ほんとはみんな寂しいのです。愛とは、優しさとは、いったいなんなのでしょうネ。面白くて、ちょっぴり切ない恋愛ドラマです。

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    2010年02月26日
  • イトウの恋

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    とても綺麗な小説でした。物語も、そして文章も。横浜付近にある男子校の中等部に郷土部というクラブがある。部員は4人(内3人は幽霊部員)、その顧問をしている久保耕平の実家の屋根裏から明治初期の通辞“伊藤亀吉”の手記が発見される。彼の曾祖父が明治時代にわりと有名な建築家であり、伊藤亀吉と何らかの繋がりがあったためらしい。その手記には亀吉がI.Bという英国人女性探険家の通辞として、共に東北から北海道に向けて旅をしたことが綴られていた。しかし一つ問題があった。それは、その手記が途中までであり、失われている最後の部分には亀吉とI.Bとの恋の結末が書かれているらしいことである。耕平は亀吉の曾孫を捜し出すが、

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    2011年07月21日
  • FUTON

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    田山花袋の「蒲団」を、現代版にした話。

    デイブがキュートな女性たちに翻弄されますw

    女性に苛まれる男性って、可愛いですね♪

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    2009年11月22日
  • FUTON

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    3つの物語が平行して進みます。
    一つは米国の田山花袋研究家のデイブの物語。離婚した中年講師のデイブは日系学生のエミと恋人関係になるが、エミに裏切られ。
    もう一つはエミの曽祖父で東京に住む95歳のウメキチをめぐる物語。
    そして最後はデイブが書いている田山花袋の「布団」を主人公の妻の視点から描く「布団の打ち直し」という物語。
    三つの物語を見事に絡ませながら、話は進みます。

    中島京子さんはこれがデビュー作との事。それにしては見事な構成です。おそらくかなりの実力を持った作家さんなのでしょう。「布団」を題材にして「布団の打ち直し」を書き、さらに米人を絡めることでタイトルが「FUTON」なんてのもシャレ

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    2016年08月07日
  • FUTON

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    日本現代史でタイトルとか名前は誰でも聞いたことあり、と思われる田山花袋の『蒲団』を研究するアメリカ人文学者デイブ・マッコーリー(息子ありのバツいちのアメリカ人)、デイブの教え子で愛人の日系アメリカ人エミ・クラカワ、エミの母親の親族で東京鶉町で戦後から蕎麦屋をやっていた明治生まれの老人ウメキチ、ウメキチの息子で蕎麦屋を外資系サンドイッチチェーン店に商売換えした二代目タツゾウ、画家を目指しつつ絵では喰えないので介護ヘルパーとしてウメキチのところに通ってくるイズミ、イズミが一緒に暮らしているケンちゃんことハナエ、などなどの人物が、アメリカと日本、花袋やウメキチの時代と現代を行きつ戻りつしながら、とて

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    2009年10月07日
  • 妻が椎茸だったころ

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     中島京子さんの作品は、これまで「やさしい猫」しか読んだことがなかったので、このような不思議な作風に最初は驚いたものの、そこには取材の賜物なのか、それとも知識が豊富なのか、本当っぽいんだけれども調べてみたらフィクションであったことと、実際にあったマニアックなエピソードを一緒に盛り込んだ、その混沌としながらも説得力を感じさせるような、確かな世界観の構築に共通したものを感じられたのが、とても印象深い。

     そして、本書(2013年作)は『第42回泉鏡花文学賞』受賞作なんだけれども、読んだ印象としては幻想的要素のないものもあったり、怖さだけではなく次第と愛おしさも感じられてくる物語もあってと、やはり

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    2026年05月23日
  • 今日もぼーっと行ってきます

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    われわれには「ぼーっとする時間」が必要だ、というのはその通りだと思う。けど、作者がぼーっとしている感じはあまりしなかった。そもそも、本にすること前提で編集者と一緒に出かけて、ぼーっとできるものだろうか。紹介されている場所は魅力的。普段は地方に住むことに何の不満もなく過ごしているけれど、やっぱり東京っていろんなものが揃っている場所なんだなと思った。

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    2026年05月20日
  • いつか、アジアの街角で

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    女性作家6人によるアンソロジー。香港返還前、中国人歌手による『私の1997』という曲がヒットしたのを思い出した。香港側の思いは複雑だったと思うけれど、今のような状態を予測した人はいたのだろうか。台湾にはまた行きたいし、香港を見るにつけ、今のままでいてほしいと思う。

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    2026年05月16日
  • 今日もぼーっと行ってきます

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    ぼーっとする事を目的とした東京近郊を巡るエッセイ集。何も考えずぼーっとする事の贅沢さをつくづく思う。私自身は、何かをしとかなきゃいけないという強迫神経の持ち主なので1番にぼーっとできるのは海外に向う飛行機の中。何も出来ない環境に身を置くって大切と思う。ちょっとした蘊蓄なども盛り込んだ、作者としたらぼーっと出来ないエッセイ。

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    2026年04月28日
  • 今日もぼーっと行ってきます

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    「人は「面白いから、役にたつから、何かをするのだ」と言う思想から解放された方がよいのではないかと思えてならない」

    うん、その通りです。

    そして著者は積極的、かつ計画的にあちこちへぼーっとする事を目的に出かけていく。ぼーっとする中で気づきや学びがある。
    うーん、純粋にぼーっとするのって難しいのね。いいんだけど。

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    2026年04月25日