【感想・ネタバレ】エルニーニョのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

こんなにも魂の呼応を感じ取れる小説、今までにあったろうか。7歳のニノと21歳のテル。全然関係ない二人だが不思議と惹かれ合う。ニノが陰でテルが陽。それはニノはテルを見つけられるが、テルはニノを見つけられないことで示されている気がする。二人は世間の常識をはねのけ自分たちで人生の決断をする。小さいからとか若いからとか、そんなことは意味をなさない。彼らには信念がある。間違った道を歩む時もあった。離れてしまう時もあった。でも絆は消えなかった。ラスト、二人の凱旋。抱きしめてずっと寄り添っていたくなるそんな優しい小説。

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2017年07月24日

Posted by ブクログ

森のくまさんの歌が聞こえたら、逃げなければならないのよ。
そんな言葉をきっかけに始まる逃避行の物語。
中島京子の作品は、どちらかというと昔の物語に今の物語をシンクロさせて話を進めていくイメージが強いのですが、今回の作品は、今の物語に昔の物語を取り込んでいきます。それも、バラバラな話をたくさん、自由自在に。今ここでその話はちょっと無理があるかなと思う話もありますが、その話がこの物語の核になるので、そこは力技で。「イソポ」って。「イソポ」すごい語感ですよね。「イソポ」「イソポ」って言っていると、「イソポ」は絶対にいなくちゃいけなくなってくる。「イソポ」の勝利。そんなところも含めて自由自在です。
この軽やかな感じが、作品の雰囲気にもなっていて、DVからの逃避行の話なのに、重苦しさを感じさせず、読後感もさわやかです。

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2014年06月13日

Posted by ブクログ

出て来る男はアホばっかりだしそんなヤツらにコロッと騙される瑛ってどうなのよ?と訝るところも無きにしも非ずなのだが…中島京子ファン限定で話をさせてもらえば今回はクリーンヒットなのだろう。「FUTON」「イトウの恋」でお馴染みの劇中劇も綺麗に纏まっているし逃げ出したニノを盗んだ自転車で捜し求める疾走感は「ハブテトル〜」の大輔を彷彿とさせる。言わば本作は彼女のエッセンスがギュっと濃縮されたような物語なのである。舞台は鹿児島か?生きるべき場所を見つけた砂糖屋の看板娘は純真な黒砂糖のようなニノと三温糖の如く優しいおばあちゃんとともに桜島の噴煙の下で生きていくんだろうね…いいお話でした

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2014年04月03日

Posted by ブクログ

初中島京子作品。とても読みなじみがいい。
わたしも今の状況から逃げたい。
逃げてもいいんだよと言われたのかな。

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2014年03月07日

Posted by ブクログ

大学生の瑛は、DVの彼から逃げ回ります。
行った先で見つけた、子守商店街の昔ながらのお砂糖屋さん。
そこで、ニノという、7歳の少年と出会います。
ニノも、ある人物から逃げていて…。
二人の逃亡劇が始まります。

この、お砂糖屋さんがなんともレトロでそそられます。
お砂糖だけのお店って、覗いてみたくなりました。
ここのおばあちゃんも素敵です。

ストーリーの中に、変わった挿話が入ってきて、困惑しますが、
ラストではしっくりします。

暑い夏を吹き抜ける風を感じる一冊でした。

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2014年02月09日

Posted by ブクログ

同棲相手のDVから逃げ出した小森瑛(コモリテル)は、たどり着いた南国の寂れた商店街で、何者かに追われる少年ニノと出会う...
章ごとにテルが出会った人や土地まつわる回想や昔話が挟み込まれる形式の小説。
童謡森のくまさんで、お嬢さんは何から逃げるのか?って考えたこと無かったなぁ。

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2013年12月30日

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帯を見ると逃避の物語のようですが、21歳の娘・瑛(テル)と7歳の少年・ニノの出会いの物語です。テルとニノでテルニノ??エルニーニョはちょっと強引すぎますが。
物語の途中に強引に持ち込まれる、本筋とは無関係な挿話には驚かされますが、全体の雰囲気を醸し出すには良いアクセントになっているようです。
しぶりの中島さんでしたが、楽しめました。

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2016年06月19日

Posted by ブクログ

彼氏のパワハラから逃げる21歳女性と施設から逃げる7歳少年の出会いと逃亡劇を民話に重ねながらつづった作品。南国ののどかな田舎風景が想い浮かぶ。

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2022年11月26日

Posted by ブクログ

恋人から逃れてきた女性が孤独な少年と出会ったことから始まるロードムービー的なファンタジー。作品ごとに異なる趣向を楽しませてくれる作者だが、本著ではいくつか挿入されている寓話の効果もあって、逃避行を続ける二人が巡り合う人々もどこかおとぎ話的であり魅力に溢れる。

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2015年12月13日

Posted by ブクログ

2人が追われていること、行き当たりばったりだけど大切な出会いが続くこと、このふたつが次へ次へと読み進めたくなる理由だった。まるで一緒に旅するみたいに読めて楽しかった。

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2013年12月31日

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