中島京子のレビュー一覧

  • かたづの!

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    南部氏が治めていた青森、岩手、秋田にまたがる地。
    その地で生まれ育った袮々は、女大名として手腕を振るう。
    しかしそこに至るには、悲しみと、怒りと、忍があった。

    物語の語り部はアオシシ、羚羊である。
    しかも一本角の!
    彼もまた美しき白い羚羊と出会い、悲しみの別れを経験している。
    死後は霊となり、物語を語り続ける。

    本書で繰り返されるのは、「戦で一番重要なことは戦をやらないこと」だ。
    どこぞの大馬鹿者(それを選んだ有権者も相当程度責任があると思うが)が、我が土地を戦争で取り返しましょうといっていたが、戦争をゲームか何か、血は流さず、自分も死なないと思っているのだろうか?
    それともただ単に、「戦

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    2019年09月22日
  • さようなら、コタツ

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    短編集。表題作が良い。40歳くらいの冴えない男の人が初めて部屋に来る、ウキウキして落ち込んで、でも前向きでグラタンを温めていいことがある。

    あと冒頭の「ハッピーアニバーサリー」女性2人でルームシェアしてる部屋に父親が突然来る、雑貨屋の夢、現実味のある父親、大須磨の弁当。

    「私は彼らのやさしい声を聞く」夢うつつの中の、夫婦の会話。英語の歌、カタカナのヨジジュクゴ、子供の頃に熱を出した記憶。温かく感じられる。
    全部好き。全部、なんとなく温かい話になっちゃうんだなぁ。架空の部屋の、でも実体を感じるお話。

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    2019年07月20日
  • 平成大家族

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    一気読み。そして初読みの作家さん。とにかく読みやすかったです。本当は平成のうちに読んだほうが良かったのかもf^_^;
    まぁフィクションとはいえこんなに大団円で終わって良いものかと、ひねくれ者は思いました。
    でもちょっと泣いたり笑ったり共感したりできる本です。不妊治療の辛さにわかるわかると共感し、中学生のいじめに怖っ!とおののき、克郎がんばれとちょい泣きし。
    ほか作品も読んでみたいです。
    いつもの脳内再生は、龍太郎さんは中村雅俊さん、春子さんは風吹じゅんさん、逸子さんは広末涼子さん、友恵さんは深田恭子さん、克郎くんは松山ケンイチさんでした☆

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    2019年07月09日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    スカイツリー近くにある架空の商店街、明日町こんぺいとう商店街。昭和の香りの商店街のお店を舞台に、それぞれの作家が一話づつ書き下ろす。
    それぞれの話に、他のお店が登場したり…。続編3まで刊行中。

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    2019年03月22日
  • ツアー1989

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    15年前、「迷子付きツアー」なる奇妙なツアーが実施されていたという。現地で不意に姿を消す参加者がいることで他の参加者になんとも言えない喪失感や余韻を残すための手法だという。
    そのツアーに絡む手紙と、それを受け取った15年後の人々の話。

    話の設定を理解するのがちょっと大変。

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    2019年03月21日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    還暦後の遊び場‥探さなくては‥いや、自分で作るのか。さて、私はどんな遊び場を作ろうかな!
    商店街7つのお店の物語、「伊藤米店」が好みかな♪

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    2019年03月02日
  • 均ちゃんの失踪

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    ネタバレ

    どうしようもない男は
    優しさとダメさを抱えながら変わらない。変われない。
    一方、女たちは苦しさと対峙して変わってゆく。
    愛情ゆえにその失踪、喪失に悩み、苦しみ、
    もがきながらも自らの想いと闘う。
    ラストに哀しみのなかにスカッとする思い。
    読後に前向きになれたのは、私も女だからかな。

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    2018年05月20日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    森見さんの竹取物語目当てで読んだ。真面目なようで小馬鹿にした感じが面白い。伊勢物語と堤中納言物語も予想外に面白かった。平安時代って和歌のセンスが問われて大変そう。代筆多かったんだろうな…。

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    2018年04月02日
  • ツアー1989

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    なんだか、なんだか不思議な話だった

    ネタあかしが、絶妙で。
    なんとなくスッキリしたような、
    でも冷静に振り返ると、しっかり説明なんてされてないような
    それこそ自分が参加したツアーが
    実は迷子つきツアーだった、ということに
    気づくはずもない、一旅行者のような

    そしてやはり
    アジアの雑踏に、行きたくなった

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    2018年03月18日
  • 冠・婚・葬・祭

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    ネタバレ

    冠婚葬祭にまつわる4つのお話。
    読み進めていくうちに、登場人物のつながりもわかって面白かった。
    中島さんは、日常の風景や登場人物の心情を描くのが本当に上手。
    最後のお盆を読んで、自分自身もお盆の集まりがあった頃を思い出してノスタルジーに浸ってしまった。
    家族のつながり、人とのつながりをもっと大切にしたいと思えた一冊。

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    2018年02月12日
  • かたづの!

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    女大名、その波乱万丈の一生。

    骨太の歴史小説かと思いきや、河童も出てくるし、羚羊の角が語り手だし、ファンタジーのよう。

    「戦でいちばんたいせつなことは、やらないこと」を信条に祢々は、次々と降り注ぐ過酷な運命に立ち向かう。矜持よりも命。でも、分かり合えないこともある。異なる意見の人もいる。これが祢々の一人称だったら、もっと引っ張られたり、反発したりしたかもしれない。でも、語り手は角なので俯瞰的になっている。河童の話もあって、民話や伝説のようだ。そこが他の歴史小説と違う。

    今年の大河ドラマがちょうど井伊直虎で、祢々も尼になっているからか、どうしても脳内イメージは柴咲コウになってしまう。で、こ

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    2017年12月21日
  • 平成大家族

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    30を過ぎた息子、90を過ぎた姑と暮らす夫婦の元へ結婚して出ていった娘たちが戻ってくる。
    長女は夫と息子の家族と共に。
    次女は離婚して。その後、子供が宿っていることに気付くといった具合。
    そこが昔の家族とは違い、平成となっている所以なのだろうなぁ。

    2017.12.15

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    2017年12月15日
  • かたづの!

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    江戸時代にたった一人、奥州南部藩に実在した女大名の祢々(後に清心尼)を主人公にした歴史時代小説。
    祢々は八戸南部氏の当主・直政の妻となるが、夫や幼い嫡男が不審な死をとげる。
    これはかねてより八戸を狙っていた叔父の仕掛けた陰謀だと確信した祢々は城を継ぎ、女亭主となった。
    その後も叔父の策略によって次々に襲いかかる難事に翻弄される祢々の長い闘いが始まった―。

    中島さん初の時代小説。
    実在した女大名を描いた物語ということで面白そうだなと思って手に取りましたが、読んでみてびっくり。
    なんと語り手は祢々のそばに寄り添うカモシカで、死んで角だけになっても「片角(かたづの)」として彼女を助けるという存在。

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    2017年12月26日
  • 桐畑家の縁談

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    笑えた小説でした。
    ニヤリというより吹き出す感じ。そんなユーモアが随所に思わぬ所で現れ楽しめました。
    しかし中島さんの作品は、何処か奇妙です。
    ストーリーや設定も多少は奇妙なのですが、それも川上さんや栗田さんの程ではありません。それよりもむしろ視点の奇妙さのようです。正面から描くのではなく、かといって斜に構えて横からでも無く。足の指先にでも目をつけたら、こんな視点になるのかもしれません。
    何かそんな不思議さを感じさせる作家さんです。

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    2017年11月30日
  • 眺望絶佳

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    なんとも風変わりなスカイツリーと東京タワーとの往復書簡。その間に挟まれた8つの短編は、それぞれにまったく別の様相を呈し、相互に繋がりがあるわけでもなし。

    ダイエット中の顧客とその相談に乗る社員。ある出版社の倉庫番だった男との恋を思い返す女社長。なんでも屋の兄弟が関わった老女。地震にあった少年とその両親。ふと足を踏み入れたギャラリーで妙な体験をする女子大生。薔薇屋敷と呼ばれるゴミ屋敷に暮らす老姉妹。初恋の相手と再会して結婚を果たした人。キッズ対象の英会話教室を始めた女性。

    すべてを繋ぐのはただ東京の空。スカイツリーと東京タワーが見つめる空の下、人はあたふたしながら生きています。

    同年代の小

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    2017年09月07日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    【収録作品】一軒目 大島真寿美「カフェ スルス」/二軒目 大山淳子「あずかりやさん」/三軒目 彩瀬まる「伊藤米店」/四軒目 千早茜「チンドン屋」/五軒目 松村栄子「三波呉服店―2005―」/六軒目 吉川トリコ「キッチン田中」/七軒目 中島京子「砂糖屋綿貫」

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    2017年04月06日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    『あずかりやさん』は単行本で読んでいた。このお店は特殊だけど、不思議なお店ばかりが集まる商店街なわけではなく、地元を離れた息子・娘が戻って店を継いだり、幼馴染みがいたりと昔ながらの商店街のお話。

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    2017年03月07日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    明日町こんぺいとう商店街という架空の商店街の短編が詰まったアンソロジー。 各話がどことなく繋がっていて、思わずこの商店街の住人になった気持ちになる。 お気に入りの話は「あずかりやさん」「伊藤米店」。 どちらもほっこりする話である。特に伊藤米店は露店で売っているおにぎりが美味しそうで買いに行きたくなる。 「カフェ スルス」も歳取っても、きゃあきゃあできる人になりたいと思える一話である。

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    2017年01月30日
  • 桐畑家の縁談

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    裏表紙のあらすじとは、中身がだいぶ印象違うなーって思いました。
    露子の性格がなんだかフワフワしてよくわからないからなのか、妹が先に結婚することに焦りを感じてるようにも思えなかったし、しぶしぶ職探しっていうけど、それほど真面目に探してる感じもなかったなあ。
    桐畑氏の稟議書みたいな手紙が一番おもしろかったです。

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    2016年08月02日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    スカイツリーのお膝元の架空の商店街を舞台に、7人の作家さんがお店を開店、短編を繋ぐアンソロジー。

    まず設定が面白い。

    そして文体も手法もそれぞれ違うのに、なんだろう、違和感なく一冊まるっとアンソロジーとしてではなくひとつの作品としてまとまっている印象。

    それぞれの物語にちょっとずつ他のお話のお店が登場して、繋がっている感じがいい。

    よそのお店が出てくると、もう一回その店のお話に戻って読んでしまったりして、実際に商店街を歩くように、あっちこっち寄り道しながら読んでしまう本。

    そして最後のお話のラストのラストで、また一番最初のお店にお客さんを呼び戻しちゃうあたりが、うまいなぁ〜!

    一冊

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    2016年06月27日