中島京子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一気読み。そして初読みの作家さん。とにかく読みやすかったです。本当は平成のうちに読んだほうが良かったのかもf^_^;
まぁフィクションとはいえこんなに大団円で終わって良いものかと、ひねくれ者は思いました。
でもちょっと泣いたり笑ったり共感したりできる本です。不妊治療の辛さにわかるわかると共感し、中学生のいじめに怖っ!とおののき、克郎がんばれとちょい泣きし。
ほか作品も読んでみたいです。
いつもの脳内再生は、龍太郎さんは中村雅俊さん、春子さんは風吹じゅんさん、逸子さんは広末涼子さん、友恵さんは深田恭子さん、克郎くんは松山ケンイチさんでした☆ -
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Posted by ブクログ
幽霊をモチーフにした7編の連作集。
7編いずれも、先の戦争と戦後に何らかの関わりを持つ。
ただ、連作といっても、各作品の舞台や登場人物には何の繋がりもないし、作風も見事なくらいバラバラ。
ネット上の感想をいくつか眺めてみると、戦争孤児を題材にした『きららの紙飛行機』、SFっぽい作風の『キャンプ』あたりが好評価のようだが、反戦臭が直截的過ぎてやや鼻につく。
人を描いて教条的になるよりも、『原宿の家』『ミシンの履歴』『廃墟』など、建物やモノに化体して時の流れを感じさせる作品が好ましい。
そういえば、作者の直木賞受賞作は『小さいおうち』だったね。 -
Posted by ブクログ
温かい気持ちになったあとに、思わず涙があふれてしまう。
――風格のある原宿の洋館はGHQの接収住宅でもあった。
そこに小さな女の子はなぜ出没するのか?
戦時中、「踏めよ 殖やせよ」と大活躍し焼夷弾をあびながらも生き延びたミシンの数奇な運命とは?
少しぼけた仙太郎おじいちゃんが繰り返す、「リョーユー」という言葉の真意は孫娘に届くのか?
おさるのジョージの作者たちは難民キャンプで何をしていたのか?
やわらかいユーモアと時代の底をよみとるセンスで、7つの幽霊を現代に蘇生させる連作集。
【目次】
第一話 原宿の家
第二話 ミシンの履歴
第三話 きららの紙飛行機
第四話 亡霊たち
第五話 キ -
Posted by ブクログ
これだけ科学も医療も発達しているのに、話からにことは数え切れないほどある。
見えるものだけが真実だとするのはあまりに乱暴で短絡的だ。
本書は「ゴースト」にまつわる七編の物語だ。
『ミシンの履歴』
祖母が使っていたミシンを思い出した。
祖母は工賃をもらって仕立物をしていたそうだ。
幼い頃は手作りの手提げや服や色々なものを作ってもらっていたけれど、既製品の方がカッコよく見えて、使うのが少し恥ずかしかった。
それでも、祖母のミシン部屋は好きで、いつもそこにいたものだ。
私の思い出はともかくとして、戦前から戦後にかけてミシンがたどった歴史は九十九神と化したミシンの思い出だ。
必死で生きてきたあの時代 -
Posted by ブクログ
女大名、その波乱万丈の一生。
骨太の歴史小説かと思いきや、河童も出てくるし、羚羊の角が語り手だし、ファンタジーのよう。
「戦でいちばんたいせつなことは、やらないこと」を信条に祢々は、次々と降り注ぐ過酷な運命に立ち向かう。矜持よりも命。でも、分かり合えないこともある。異なる意見の人もいる。これが祢々の一人称だったら、もっと引っ張られたり、反発したりしたかもしれない。でも、語り手は角なので俯瞰的になっている。河童の話もあって、民話や伝説のようだ。そこが他の歴史小説と違う。
今年の大河ドラマがちょうど井伊直虎で、祢々も尼になっているからか、どうしても脳内イメージは柴咲コウになってしまう。で、こ