中島京子のレビュー一覧

  • 桐畑家の縁談

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    医者の卵を恋人に持つ、人もうらやむ状況の露子。
    だけど何故だか幸せそうでは無く、彼と結婚するつもりも無さそう。
    ある日昔の恋人と街で偶然再会したことから、
    その時の大失恋で負った心の傷がまだ癒えておらず
    前に進めなかったことに気付く。

    妹や妹の婚約者を通し、下らない拘りを捨て
    本質的な幸せとは何かに気付く露子。
    過去の恋にケリをつけ、世間体に惑わされず
    これから本当の幸せを掴むんだろうな。
    ほのぼのとしたハッピーなラストが良かった。

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    2013年12月18日
  • 桐畑家の縁談

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    パンチのあるエピソードが多い割に淡々と読み進めることができた。家族ものであり姉妹ものであり恋愛もの、というミックス感にも雑多な感じはなし。

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    2013年11月01日
  • 均ちゃんの失踪

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    再読
    ふらりといなくなった均ちゃんの家に泥棒が入り、均ちゃんの元妻とイマカノら三人が顔を合わせることに

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    2013年10月13日
  • 冠・婚・葬・祭

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    さらりと読みやすく、どれもちょこっと捻りが効いている。
    形骸化したものに対するシニカルな視線がいい。
    個人的には冠と婚が面白かった。

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    2013年09月11日
  • さようなら、コタツ

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    まぁ,自分に小説の鑑賞眼がないのでなんともいえないが,そんな素人を最後まで読ませたのだからそこそこ上手な物語なのかもしれない。今,目次をみて,ぱらぱらやってみても,しばらく前によんだはずなのに,物語がだいたい思い出せる。機会があれば別の作品も読んでみよう。

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    2013年07月23日
  • さようなら、コタツ

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    部屋と住人にまつわる短編集。
    ハッピーエンドばかりではなく、ほろ苦いものもあった。
    生活しているといいことばかりではないけど
    小さな幸せを感じながら、日々前をむいて暮らしていく。

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    2013年04月01日
  • 桐畑家の縁談

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    順風満帆ではないけれど、切羽詰まっているわけでもない。奥手だと思っていた妹の結婚が自分より先に決まっちゃった。そんな20代後半女子の物語。
    びっくりするような大事件は起こらないけど、日常からちょっと飛び出した出来事に心が揺れている。

    深く考えずにリラックスしたいとき、読み進めるのにちょうどいい感じ。

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    2013年03月27日
  • イトウの恋

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    中島京子さん独特の、過去と現在が文学を通してリンクしていくお話。恋愛小説なのに陳腐な感じがないところが好き。登場する男の人は、やっぱりシャキッとしないへなちょこ君です。
    「小さなおうち」「FUTON 」と、正直この手のパターンはちょっとだけ飽きてきちゃいました。より洗練され完成された「小さなおうち」にはかなわないかなあ、という印象です。(映画楽しみ☆)

    中島さんの本を読むと、大学生の時に文学部の授業をちょっと聴講してみればよかったなあ、と毎回思います。

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    2013年03月24日
  • ツアー1989

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    ネタバレ

    ある旅行会社が1989年に企画した、香港行き「迷子付きツアー」。
    それは、何かを忘れてき た気持ちを演出するためにわざと人を迷子にさせるというものだった。
    それから十数年後、香港で「迷子」になったらしい青年にまつわる記憶が錯綜する。

    アイデンティティの喪失とか、虚実入り混じる人の記憶の脆さとか、底知れぬ深いテーマを持った話です。
    それを感じさせずさらりと描き、とらえどころのない魅力を発揮しています。

    何かを置いてきたような気がするだけど、それが何か分からない。
    日常からこぼれて落ちていく、言葉に出来ない感情に言葉を与え、くっきりとした輪郭を与えてくれた気がしました。
    なかなか捉えにくい感情

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    2013年03月13日
  • 桐畑家の縁談

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    桐畑家の長女露子は三社目の会社を退職しニート生活を送っている。
    結婚をほのめかしてくる研修医の恋人がいるが乗り気ではない。

    二人で暮らしている妹の佳子が台湾人の青年と結婚すると言い出してからの結婚までの日々を描いた恋愛テイストの家族小説。

    露子は要領がよくモテるタイプで、
    佳子は最初の恋人がバードウォッチングを趣味とする黒人青年という変わり者。
    海外へ放浪の旅へ出たりしながら、勤め先の外国語学校の生徒と恋人同士になる。

    露子の悲しい過去の恋愛や佳子と台湾人青年との恋、独身の叔父さん話など、短い章立てでさくさく進む。

    文章は読むのに困難はないけど一文が長い。
    淡々とした語り口もあり大きな

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    2013年01月11日
  • イトウの恋

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    イザベラ・バラードという実在の人物から着想を得て書かれた作品。ドラマチックな事はなく、おおむね淡々とした少し謎を残すようなストーリー展開だった。
    現代人の教師と漫画家の2人の書き方がちょっとステレオタイプで安っぽい。もうちょっと人間としての深みというか実在感があってほしかった。若干消化不良?もうちょっと読み応えのある内容を期待していた。

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    2013年01月03日
  • さようなら、コタツ

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    7つの短篇集。どの話も部屋の中が舞台。
    人の思いや考えが揺れ動くようなストーリー。
    特に明るくも暗くもないので読み流す感じにすーっと読んだ。改めて読み直したらきっと違う感想が持てる気がする。

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    2012年09月02日
  • 桐畑家の縁談

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    ネタバレ

    たとえ、自分にも恋人がいるとしても、妹が先に結婚すると知ったときの姉の複雑な気持ちはわかる気がします。

    小説のなかに、「あのおどおどした気弱な妹はそれでも、露子が落ち込むような迷宮にはけっして迷い込んだりしないのだ。」という箇所があります。仕事もしっかりとやっていて、結婚も自分で決めた妹。それに対して、無職で、恋人との関係も何だかはっきりしない姉。露子でなくとも焦るのに、条件が整い過ぎてると思います。

    しかし、小説の最後の方で、妹の佳子は、意外なことで、露子に頼ってきます。きょうだいは、頼り頼られ。そんな関係が自ななんだと思いました。

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    2012年07月19日
  • FUTON

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    直木賞受賞の文字につられて買ってみた。着眼点がオモシロイ。
    田山花袋の『蒲団』とあわせて読むとちょっとにやりとする。
    でも、読まなくても、そして知らなくても意外とイケそう。
    たとえば、田山花袋の『蒲団』は日本文学史の上では、いわゆる私小説の走りとされていて、あまり評価は高くないようなのです(よく知らないケド)。それがあまりに作家本人の境遇に似たことが書かれているので、本当に私小説なのか、それともあくまでフィクションとして書いたのか、前者だとしたらちょっとはしたないし、後者だとしたらちょっと盛り上がりに欠ける、みたいな。
    で、家庭を持つ男の視線で書かれた『蒲団』という作品に対し、『FUTON』は

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    2012年02月19日
  • 桐畑家の縁談

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    二人姉妹。いいなあ。

    でも、この妹。
    私の中ではそんなに変わってる人じゃないんですが
    経歴でいうと私もそんなに変わらないわけで。
    ハタからみたら私って相当変な人なのか?と思ってしまった・・・・

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    2012年02月07日
  • イトウの恋

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    私はこれを読んで、なぜかクローズドノートを思い出してしまいました。シゲルと先生のその後も気になります。

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    2011年12月12日
  • 均ちゃんの失踪

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    均ちゃんという、ろくでもないけどにくめない、中年お子様な男性に関わりのある3人の女性の物語。スルスルと読みやすく、あっさり淡白な読後感。おそうめんみたいな小説でした。

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    2011年12月03日
  • イトウの恋

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    二つのストーリーを交互に綴る形で物語が進みます。一つは明治初期。日本を探検するI・Bという英国女性との交流を描く通訳のイトウの手記。もう一つは偶然その手記を発見した郷土史部の中学教師・久保と唯一の部員・赤堀、そしてイトウのひ孫の劇画原作者の田中シゲル(女性)による調査活動です。
    現代の冴えない久保、利発な赤堀、美人だけど変わっている田中の組合せは楽しい。この3人のが活躍する現代部分は所々に中島さんらしいどこかズレたような視点があり、そこが何とはなしに可笑しいのです。
    一方で話の半ばを占めるI・Bとイトウの物語はどこか哀しく。全体としてはトーンが暗い感じです。
    しっかりとした作品ですが、(私の考

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    2016年07月30日
  • 均ちゃんの失踪

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    失踪した内田均をめぐって、50代の元妻と二人の彼女、一人は均をセコンドと位置付ける30代の重役秘書とやや本気の20代のティーン向け女性雑誌編集者の奇妙な友情の物語。
    やや、強引な設定なのですが、そこが何とも言えない可笑しみです。どこか一点をずらして話を進める。それが中島さんの面白さなのかもしれません。
    三人とも最後は自分の道を進み始めるというごく普通の顛末ですが、軽く吹っ切れて行く姿に心地良さを感じます。

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    2016年07月30日
  • 桐畑家の縁談

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    ネタバレ

    ちょっと群よう子さんの本を読んでいる感覚と似ていた
    読み終わったあと、にこっと笑顔になったよ
    ふわっとした露子さんが、なんだか笑えて
    楽しい気楽〜な感じだった

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    2011年09月11日