中島京子のレビュー一覧
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桐畑家の長女露子は三社目の会社を退職しニート生活を送っている。
結婚をほのめかしてくる研修医の恋人がいるが乗り気ではない。
二人で暮らしている妹の佳子が台湾人の青年と結婚すると言い出してからの結婚までの日々を描いた恋愛テイストの家族小説。
露子は要領がよくモテるタイプで、
佳子は最初の恋人がバードウォッチングを趣味とする黒人青年という変わり者。
海外へ放浪の旅へ出たりしながら、勤め先の外国語学校の生徒と恋人同士になる。
露子の悲しい過去の恋愛や佳子と台湾人青年との恋、独身の叔父さん話など、短い章立てでさくさく進む。
文章は読むのに困難はないけど一文が長い。
淡々とした語り口もあり大きな -
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ネタバレたとえ、自分にも恋人がいるとしても、妹が先に結婚すると知ったときの姉の複雑な気持ちはわかる気がします。
小説のなかに、「あのおどおどした気弱な妹はそれでも、露子が落ち込むような迷宮にはけっして迷い込んだりしないのだ。」という箇所があります。仕事もしっかりとやっていて、結婚も自分で決めた妹。それに対して、無職で、恋人との関係も何だかはっきりしない姉。露子でなくとも焦るのに、条件が整い過ぎてると思います。
しかし、小説の最後の方で、妹の佳子は、意外なことで、露子に頼ってきます。きょうだいは、頼り頼られ。そんな関係が自ななんだと思いました。 -
Posted by ブクログ
直木賞受賞の文字につられて買ってみた。着眼点がオモシロイ。
田山花袋の『蒲団』とあわせて読むとちょっとにやりとする。
でも、読まなくても、そして知らなくても意外とイケそう。
たとえば、田山花袋の『蒲団』は日本文学史の上では、いわゆる私小説の走りとされていて、あまり評価は高くないようなのです(よく知らないケド)。それがあまりに作家本人の境遇に似たことが書かれているので、本当に私小説なのか、それともあくまでフィクションとして書いたのか、前者だとしたらちょっとはしたないし、後者だとしたらちょっと盛り上がりに欠ける、みたいな。
で、家庭を持つ男の視線で書かれた『蒲団』という作品に対し、『FUTON』は -
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二つのストーリーを交互に綴る形で物語が進みます。一つは明治初期。日本を探検するI・Bという英国女性との交流を描く通訳のイトウの手記。もう一つは偶然その手記を発見した郷土史部の中学教師・久保と唯一の部員・赤堀、そしてイトウのひ孫の劇画原作者の田中シゲル(女性)による調査活動です。
現代の冴えない久保、利発な赤堀、美人だけど変わっている田中の組合せは楽しい。この3人のが活躍する現代部分は所々に中島さんらしいどこかズレたような視点があり、そこが何とはなしに可笑しいのです。
一方で話の半ばを占めるI・Bとイトウの物語はどこか哀しく。全体としてはトーンが暗い感じです。
しっかりとした作品ですが、(私の考 -
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タイトルどおり、冠婚葬祭にまつわる四つの物語です。良い意味で裏切られましたぁ。この本が、冠婚葬祭という言葉から思い描く一般的なイメージとは、ちょっと違った視点で書かれているからです。
冠婚葬祭とは、人が生まれてから亡くなるまで、そうして亡くなった後に、家族や親族によって執り行われる、行事全般を指す言葉だそうです。そもそも儒教思想の影響があるらしく、この四文字が示す人生の節目の催しを、いずれも滞りなく行うことで一人前とみなす考え方もあるようですね。
けれど、この本は家族や親族などの、内輪のお話ばかりではありません。ふとしたきっかけで知り合った、赤の他人同士の関わりがしみじみと、またユーモラスに描