有栖川有栖のレビュー一覧
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「火村シリーズ」第2作目。
ダリの繭って何?と想像つかないタイトルだけど、読み終わった後にはこのタイトル以外は考えられない。
謎が一つずつ解けていく面白さの他にも、「サルバドール・ダリの生涯」や「繭」という要素も絡まって、深みを感じた。
ミステリに別の要素を混ぜる時の混ぜ方が本当に巧みで、そこがとても好き。
人それぞれに「繭」がある。
自分の繭は何だろうと考えると、やっぱり読書かもしれない。
読書メモに残したいフレーズも多かった。
“共感できなくても、理解は可能でありたい”
自分も共感できないからといって突き放すのではなく、理解はするようにしたい。
今回の火村とアリスは、どことなくBLっ -
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『ABCキラー』
クリスティの『ABC殺人事件』へのオマージュ作。
頭文字Aの地名でAのイニシャルの人物が殺され、次はB、Cへ…
もし実際にこんな事件が起きて、自分の名前が次のアルファベットに該当していたら、怖くて外を歩けない…。
事件がすでに終わったABのような「標的にならない人」と、それ以降の頭文字の「これから起こるかもしれない人」。
そこに生まれる「あがった人」と「これからの人」という区別が、人の心理としてとても生々しい。
自分が「あがった人」側だったら、ついどこか安心してしまう気持ちもわかる…
本家の『ABC殺人事件』も改めて読み返したくなった。
『モロッコ水晶の謎』
あとがきの「あ -
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ネタバレ前から気になっていたアリスシリーズ。まさか作家アリスと学生アリスで二つも(しかも別世界の)シリーズがあるとは思わなかったが……ともかく作家アリスシリーズ一作目「46番目の密室」を読み終わったのでと同シリーズのこちらの作品を手に取ってみた。シリーズ刊行順に読んだ方がいいかと思ったのだが、なんとシリーズが同じでも出版社が違うしそれが刊行順とも連動してない様子。内容的にも単巻独立で特にどこから読んでも支障が無さそうなので、とりあえず手に入ったものから読んでいくことにした。
前回の46番目の密室でも思ったが、正直言ってトリックや構成に目新しいものは見られない。いかにも本格推理と言った感じで奇抜な発想や -
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完全には閉ざされてないけど、人里離れた雪山の山荘というクローズドサークル!
この閉塞感の中で進むミステリーがたまらなく好き。
館・雪・「あなたが犯人です!」という大好物三拍子が揃った、王道の本格ミステリー。
スウェーデン館に住む、あざらしのような体型の童話作家と美しいスウェーデン人の妻ヴェロニカとその両親。
さらにはペンションのオーナー家族に他の招待客たち。
自分はトリックに重きを置かないので、彼らのどこか訳ありの空気と会話だけで、事件が起きなくてもずっと読んでいたいと思った。
今回は火村の登場はだいぶ後になってから。
火村は子どもへの接し方も優しくて魅力的。
どこまで完璧なんだと思って -
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濱地健三郎の霊なる事件簿、濱地健三郎の幽たる事件簿、濱地健三郎の呪える事件簿に続く4冊目の短編集(先生、漢字が読めません)。
今作も心霊探偵濱地「ボス」(語り手の助手が上司をこう呼ぶ)が心霊現象を解決します。
事象が発生する法則や理由を調査し推理するのは探偵的だけど、解決するために対象に寄り添う姿はどちからというとセラピスト。(黒猫と旅する女とか正にそう。)真相を明らかにするだけでは事象は収束しない。ということは並の探偵以上に働いてるということなのでは…。
『湯煙に浮かぶ背中』はゆるい真相に脱力した後ほっこりする、このシリーズらしい作品。落語でこんなお話がありそう。(そういえば作者さん、お風