あらすじ
JR新宿南口に「濱地探偵事務所」はある。年齢不詳でダンディ、美術品への造詣が深い探偵は、幽霊を視る能力を持っている。幼いころ漫画家になりたかったという助手の志摩ユリエは、その絵心を生かして、心霊探偵が視たモノを絵に描きとめるのも大切な仕事だ。ここには、奇妙な現象に悩まされる依頼人だけでなく、警視庁捜査一課の辣腕警部も秘密裡に足を運び、濱地の推理を頼みにしているのだ。リモート飲み会で現れた、他の人には視えない「小さな手」の正体。廃屋で手招きする「頭と手首のない霊」の姿に隠された真実。濱地と助手のコンビが、コロナ禍で一変した日常に潜む怪異と6つの驚くべき謎を解き明かしていく。
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Posted by ブクログ
新本格の有栖川先生のイメージから少し新しい雰囲気の濱地健三郎シリーズ。
ほんのりミステリーでホラーで・・・の印象を受けるが空気感に少しクラシック感もあり世界観が素敵。
3作目にして濱地健三郎が少しずつほぐされてきてこの先がとても楽しみ。
Posted by ブクログ
シリーズ物らしく初めて手に取りました。幽霊とか怪奇現象のようなお話はあまり見てなかったので勝手に推理ものだと勘違いしてしまって読み進めていくうちに人ならざるもの達が出てきて怖かったです。ゲゲゲの鬼太郎の目玉のオヤジみたいにそれに対して詳しい解説や倒し方を言ってくれるみたいなのはないからこそわからない存在にゾッとしたり、ノイズにならずに各章を読めた気がする。主人公である2人の掛け合いとかも面白かったのでまたシリーズが出たら手に取りたくなると思う。
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。今回は濱地の人間らしい部分も垣間見える箇所もあり、また、霊等の禍々しさも強力な物もあり、読み手を飽きさせない面白さがあった。
連作短編集で良かった。長編ならどこで手を休めようかと悩むところだった。
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。
心霊現象を専門に扱う探偵・濱地健三郎と助手の志摩ユリエの信頼関係があってこそ特殊な事件も解決する。
相変わらず濱地のスマートさに惚れ惚れするほど。
探偵と協力関係にある赤波江刑事も善良であり、ユリエの交際相手の進藤叡二も控えめに登場するのも良い。
今作はコロナ禍中での不思議で奇妙な現象を解決する全6話。
リモート怪異〜オンライン飲み会での視えない小さな手の正体。
戸口で招くもの〜頭と両手首のない幽霊が、招くのは何故か?
囚われて〜怪異を信じない者が「タスケテ」の電話をかけてくるのは…。
伝達〜赤波江が遭遇した事件の信じられない偶然。
呪わしい波〜夜ごとに金縛りに襲われる古物商に迫る悪意とは。
どこから〜キャンプ場での霊退治と遺産を相続した男にまとわりつく怪異。
ここまで霊や何かしらの怪異が日常に潜んでいるとゾッとするだろう。
視えないから実際に怖さを感じることはないのだが、怪談ものには興味がある。