有栖川有栖のレビュー一覧
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もしミステリーの世界に迷い込むことがあるのなら、ぜひ有栖川有栖さんの作品に迷い込みたい。
そう感じるほど有栖川有栖作品はミステリーに対して真摯的だ。
これは本当に上質なミステリーですなあ。下手にやり過ぎることなく、キャラや設定に頼りすぎることなく。
本格ミステリーの様式美を美しいまでに表現せれてます。
昨今の設定モリモリ、伏線ハリハリ、どんでんガエシガエシな作品に慣れてる人は普通だの、物足りないだのと仰るでしょうが、これがよいのですよ、これが。
あっさりしお味、ミステリーもポテチも結局はコレが1番飽きないのです。
確かに江神二郎は名探偵史上もっともキャラ薄な気もするが…。逆に云えば無駄にしゃし -
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ネタバレ面白かった。
タイトルから犯人像について色々考えさせられる。
夫婦なのか、なんらかの繋がりの深い2名なのか、巧みな一名なのか、はたまた…
行き来できない二カ所同時進行の事件で、入れ替わる視点、展開は面白かった。面子的にアリス側はやや緩め、マリア側は緊張感が高い。
最終的に犯人の動機が片面弱く、それをやる必要あったかな?となってしまった所が残念。同じやり方で動機の線では由衣の方が落ち着きが良かったような気がする。そうするとラストのやや爽やかな終わりが出来なかったのらかもだが。
最後の江神さんが犯人を追い詰める場面で、しばらくは誰と話しているのか分からない状態で進むのは小説ならではの感もあり -
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ネタバレ孤島パズルを読み終わったので、次作を、と思ったらとても長くて驚きました。
でも、オススメのミステリーとしてよく出てくる作品なだけあって、とても面白かったです!
登場人物も個性豊かで、脳内映像化しやすかったです。個人的には志度晶が好き。
ゆで卵と夏蜜柑のやり取りも、マリアの肖像画も、シュルレアリスムな銅版画も、映像作品で観てみたいです。
2つの舞台を生き来するのもワクワクして良かったです。
私は最後まで謎が解けなかったけど納得はできたので、満足しました。
最初の方は「マリア、もう少しやり方あるんじゃないかな……」って思ったし、ラストは、「江神さん、それでいいの……?」って思ったんですけどね。
各 -
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「─殺人事件」「建物」「夜」を共通のテーマとした短編6編。
全体に暗鬱とした空気が漂う一冊。
すべて違うタイプの作品になっている。
『黒鳥亭殺人事件』
あとがきに「ショパンを流しながら書いた」とあったけど、その言葉通り演出がとても美しくて、静かな余韻が残る作品。
すべての短編の中でもかなり好きな作品。
火村とアリスの同級生・天農が住む、外壁がすべて黒一色に塗られた館で起こる不可解な事件。
なかなか寝付けない天農の5歳の娘・真樹ちゃんの相手をするアリスが優しく、2人のやりとりがなんとも微笑ましい。
天農が火村に語る事件の概要と、絵本やゲームを楽しむ真樹ちゃんとアリスのシーンとが交互に繰り返さ -
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〈宿〉をテーマにした短編4作品。
旅行に行ったような気分になれるミステリ。
古い民宿から豪華ホテルまで舞台は様々で、作品ごとに雰囲気も読み心地も違うので、最後まで楽しかった。
自分がこれまで泊まった宿を思い出しながら想像して読むのもまた楽しい。
短すぎないちょうどいい長さで、予想外の捻りや、火村ファンにはたまらない一編もあり、今まで読んだ〈国名シリーズ〉以外の短編の中では一番好きかもしれない。
『暗い宿』
廃業した民宿に泊めてもらうアリス。
「それにしても──この宿は暗い。」
暗くて古い民宿はもうそれだけで怖いのよ。
『ホテル・ラフレシア』
石垣島の高級リゾートホテルで行われた〈犯人当て -
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「この島は、どこか変だ」
大好きな孤島のクローズドサークル!
この島に集まっている人達は何かを隠している…
2章の最後の1行を見た時、思わず目を閉じて喜びを噛みしめた。
「これは来たな」と思った。
クローズドだけでも大好物なのに、さらに嬉しいことにテーマまで大好物だったから。
W大好物で、面白くないわけがない。
この作品は「クローズドサークル」で検索ししていた時によく見かけていて、ずっと読みたいと思っていた。
でも、クリスティの『そして誰もいなくなった』のような王道クローズドサークルを想像していると、印象はかなり違う。そして、ロジック重視という作品でもない。
この物語のメインは、犯人探し -
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「皆さんに、娘を連れ戻してほしいのです」
外部の人間が入ることを許されない、芸術家の村へ行ったまま戻らないマリア。
交通手段が途絶された大好物のクローズドサークルに、さらに鍾乳洞まで登場する。
閉所恐怖症なので、ひとつ道を間違えたら戻れなくなりそうな空間のドキドキと、ミステリが重なって楽しさが倍増した。
探偵不在の中で織田・望月・アリスの3人が手探りで必死に頑張る姿が微笑ましい。
読んでいる途中で、何だか既視感があると思ったら、過去に読んだあの作品はこの『双頭の悪魔』がモチーフだったんだと気づいた。
古典的な雰囲気と、最後まで犯人が誰なのかわからないという、王道の本格ミステリをしっかり味 -
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ネタバレこれぞ本格ミステリーと思う作品だった。
有栖川先生の作品を読むのは初めてだったが、今となっては古典的のように感じるトリックも当時は画期的だったことが伺えるし、それでも時代を感じさせない文章力、構成力は圧倒的と言わざるを得ない。
気になる点は2点。
一つは、交換殺人に仲介人を設けるという素晴らしいアイデアだが、これは実行犯二人とも始末しないと成り立たないのではと思うところ。室木も殺すつもりだったのだろうか。それとも絶対露見しないと考えていたのか。この手のトリックにおいて一番の肝となる信頼関係が薄い、また仲介人が非力過ぎて私ならこの人が実行犯になれると信じられない。
二つは、犯人に慈悲という名目で -
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「若さ」をテーマにした短編4篇。
『探偵、青の時代』
アリスも知らない、火村の大学時代のエピソード。
勉強会と称して集まった社会学部の8人。
みんなが火村に何かを隠している…。
自分も人の表情や感情には敏感で「この人、嘘をついてるな」までは読み取れる。
けれど火村は、そのわずかな違和感を論理的に組み立て、彼らが嘘をつく理由まで鮮やかに解き明かしていく。
まさに、名探偵誕生の瞬間。
ラストのアリスの推察にも「うわーっ、そうか!」と思わず声が出た。
火村のことをよく知っているアリスだからこそ辿り着ける推理で、思わず微笑んでしまう。
初めて語られる火村のエピソードだけでも楽しいのに、さらに自分 -
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絶海の孤島に取り残されたクローズドサークル!
クローズド好きとしては、外部との連絡ができなくなる定番をきっちり押さえた展開はたまらない。やっぱりスマホもパソコンもない時代のクローズドサークルが好きだ。
特殊な島の地形図を見ただけでも、あれこれ想像させてくれてワクワクする。
〈推理小説研究会〉に、紅一点のマリアが登場する。男子校のようなノリも好きだったけど、マリアが加わったことで前作以上に登場人物たちが生き生きしている。
アリス、マリア、江神の関係性と、甘酸っぱい青春も良い。
『月光ゲーム』の女性陣はあまり好きになれなかったけど、マリアは魅力的。
そして、前作よりもアリスがワトソン役に徹して -
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約1ヶ月、毎日楽しんできた「国名シリーズ」も、とうとう現在最後の作品。
記憶喪失の青年が、唯一持っていたのは一本の扇。彼はどこの誰で、なぜ記憶を失ったのか。事件とどんな関わりがあるのか…。
登場人物それぞれの内面を、火村とアリスが丁寧に読み取っていく。
逃げ場のない密度の濃い人間模様は大好物。
今回は物語の対比で、火村の下宿先のおばあちゃんの優しさが際立った。一家に一人おばあちゃんのような温かい人がいてくれたら…としみじみ思う。
おばあちゃんの心尽くしの手料理も食べてみたい。3匹の猫たちの存在もほっこりする。
こういう細部が積み重なって、この作品の空気ができているんだと思う。
犯人がわ