あらすじ
濱地健三郎には鋭い推理力だけでなく、幽霊を視る能力がある。彼の事務所には、奇妙な現象に悩む依頼人のみならず、警視庁捜査一課の刑事も秘かに足を運ぶほどだ。旅先で依頼人を一目惚れさせた、黒猫のぬいぐるみを連れた美女の悲しい真実。いるはずのない存在に頭を抱える刑事のため、濱地が推理した霊の目的。ベテランの拝み屋から頼まれた、洋館で人を襲う危険な霊との対決。濱地と助手のコンビが、スリルに満ちた捜査の先に、驚くべき真相を解き明かしていく――。
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Posted by ブクログ
今作もとっても興味深く読ませていただきました。
特に好きだったのは『湯煙に浮かぶ背中』。
私は温泉は好きではないけれど、温泉好きのお爺さんがもしいたら、こんな感じに過ごしていたんじゃないかな。と、ちょっと心があたたまりました。作中では湯がぬるくなってますけれど(苦笑)
その他のお話も、意外な結果だったり、ユリエと共感したり。
叡二が絡んだ話が多目にあったのも、より一層楽しめました。
Posted by ブクログ
今回は少し刺激が弱めのようだけど、気のせいかな?
4作目にもなると、ボスである濱地先生やユリエさんに会えるだけでも読むのが楽しい。
一番の好みは『怪奇にして危険な状態』。
やっぱりこのくらい刺激があるものが好き。
それに、結末がとても良かった。
『黒猫と旅する女』は、乱歩の『押絵と旅する男』も好きだらこそ、興味深く読めた。
有栖川有栖版後日談を読めるなんて贅沢。
『観覧席の祖父』は怪異ではないけれど、意外とこういう話にグッときてしまう。
改めて振り返ると、どれも楽しい短編だった。
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このシリーズを読むのは初めてだったが、短編集だから読みやすく、非常に楽しめた。霊がどのような生き方をしてきたのか、どんな想いを抱いているのか知るのが面白い。他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
心霊探偵シリーズ第4短編集で収録作品は7編。黒猫のぬいぐるみを連れた美女はみどこ解決とはならない話だったし怖くはなかったけど、他作品は怖さとミステリがいい具合に調合されてて今回は好みの作品が多く楽しかった。夫の幽霊が起こす怪異と向き合う妻の言葉には、本当に愛があったら心からこう思えるのだろうと心に沁みてじんわり涙が出そう。青いワンピースの少女の幽霊の物分かりの良さが切なかったし温泉に愛着を持つおじいさんのように害は与えない幽霊もいたけどやっぱり視えてしまうと怖いもの。穏やかで知的で年齢不詳な濱地が魅力的。
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濱地健三郎の霊なる事件簿、濱地健三郎の幽たる事件簿、濱地健三郎の呪える事件簿に続く4冊目の短編集(先生、漢字が読めません)。
今作も心霊探偵濱地「ボス」(語り手の助手が上司をこう呼ぶ)が心霊現象を解決します。
事象が発生する法則や理由を調査し推理するのは探偵的だけど、解決するために対象に寄り添う姿はどちからというとセラピスト。(黒猫と旅する女とか正にそう。)真相を明らかにするだけでは事象は収束しない。ということは並の探偵以上に働いてるということなのでは…。
『湯煙に浮かぶ背中』はゆるい真相に脱力した後ほっこりする、このシリーズらしい作品。落語でこんなお話がありそう。(そういえば作者さん、お風呂がテーマのアンソロジー編んでおられる。)
洋館に怪異が現れる最後の作品、霊の動機(?)に意表を突かれて、ミステリ的だなぁと思いました。
作者さんの文章が好きすぎて読み終わるのが勿体なかった…。次作も楽しみ!
Posted by ブクログ
第四弾とも来ると、読んでいて安心感が出てくるのが良いなぁー。短編集なので覚える事が少なくて読みやすいし、手軽に楽しめる小説。ただここまで来ると、読んでいて楽しいのは当たり前なんだけど、こう、めっちゃ楽しいというよりも、今まで濱地探偵シリーズを愛読してきた続きのような感覚で読んでいるので(それでもつまらないと感じる事はないので、結局面白いってことなんですが)、こう、あっと驚くような展開も欲しいなと思うのはわがままなんだろうか。
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心霊現象が専門の探偵、濱地健三郎と助手の志摩ユリエの事件簿第四弾。相変わらずちょっと不思議、時々怪異。七篇収録されてるけど、そのうち好みだったのは半分くらい。こんなにぼんやりした感じだったっけ?
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【収録作品】
黒猫と旅する女
ある崩壊
少女たちを送る
湯煙に浮かぶ背中
目撃証言
観覧席の祖父
怪奇にして危険な状態
シリーズ第4作。
霊がいたりいなかったり。
濱地が人間らしさを見せていて和む。
前作で見せた葛藤について、改めて覚悟した様子だ。
ユリエも能力を磨いていくことを決意しており、このコンビの物語はまだ続きそう。
Posted by ブクログ
2025年。
心霊探偵シリーズ、はじめてかな。どこかの短編集で読んだことあるような。
あとがき、先に読んじゃうんだよね。裏話が書いてあって。途中でも読み返す。
「黒猫と旅する女」えちごトキめき鉄道に乗りたい。
「ある崩壊」幽霊が出ても認めない男。
「少女たちを送る」少女たちの幽霊を送る。
「湯煙に浮かぶ背中」温泉に現れる幽霊。
「目撃証言」殺されたあとに現れる幽霊。
「観覧席の祖父」幽霊じゃない場合もある。
「怪奇にして危険な状態」こわかったんだね。
Posted by ブクログ
つまるところ、霊と会話ができることが真相に至る道になるのでそこのところは理詰めとはいかないのでうーんてなってしまうのだが、それぞれの成仏できない理由が切ない読後感を残してくれる。
「野球場の祖父」の、祖父が解説してくれる野球のルールがとても納得がいって楽しかった。