有栖川有栖のレビュー一覧

  • 名探偵傑作短篇集 火村英生篇

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    『猫と雨と助教授と』が笑えました。『スイス時計の謎』では二次創作が書けそうなくらいアリスと火村の間の、実はここではこう思ってたみたいな事が想像をかきたてられました。
    ジャバワォッキーも面白かった。
    流石、傑作集!

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    2025年06月30日
  • 鍵の掛かった男

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    過去を封じ込めた被害者(=鍵の掛かった男)の鍵を、アリスと火村がロジカルに開けていく展開が面白かった。大学入試の時期なので火村先生は前半安楽椅子探偵状態だけどその分アリスの推理が的を得ていたりと今までのシリーズと違ったところも見られて良い。
    また、この作品には印象的なセリフが多かった。
    火村先生がアリスに向けてボソッと言う「俺のハートに火を付けてくれるねぇ」とか、事件解決後にアリスがとある人から言われる「鍵のかかった男をもう1人知ってますよ。火村先生の鍵も有栖川さんが開けるんですか?」とか。火村の鍵を開けるのはアリスなんだとは思うが…どうなるのか気になる

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    2025年06月13日
  • 本からはじまる物語

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    面白かったー。
    「本」からはじまるのがテーマといっても、それぞれの作家さんごとにアプローチが違って、ジャンルもそれぞれで楽しかった。
    恩田陸さんの「飛び出す絵本」、「飛び出す」の意味をそう持っていくか、というのが面白いし、阿刀田高さんの『本屋の魔法使い』も素敵。石田衣良さん三崎亜記が久々だった。
    どれもよかったけど、やっぱり、なんと言っても朱川湊人さん!ここで猫の話が読めるなんて、最高すぎる。朱川さん、大好きだー。お初の山本一力さんも猫♪
    はい、もう、これはかんっぺきに猫本である!!

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    2025年05月26日
  • 日本扇の謎

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    初めて読む有栖川有栖氏の本。すごく切ない話と犯行の動機のやるせなさ。
    記憶喪失の男性が実家に帰らなければ起こることのなかった犯行に怒りとそして記憶喪失の男性が家族と再会して嬉しかったのかどう感じていたのかどうかわからないまま終わってしまった。

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    2025年05月08日
  • 捜査線上の夕映え

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    永遠の(たぶん)34歳である火村とアリスも、34歳のまま2020年のコロナ禍に突入。
    今までも震災や事件などの時事は取り入れられてきたけど、コロナ禍を過ごす二人は長年の読者としても同時代を生きてる感じが今までになく感じられて感慨深い。
    火村先生が黒マスクなの火村先生過ぎる。

    最初の方でアリスが昨今の特殊設定ミステリの話をするが、コロナ禍は現実でありながら特殊設定みたいな非現実感がある妙な生活だったことを思い出す。

    コロナ禍まっただ中に起こる殺人事件は、あの当時の停滞を思い出すかのようになかなか捗らない。
    今回は大阪府警サイドの視点が多く、火村とアリスが刑事たちにどう見られてたがわかっておも

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    2025年04月24日
  • スウェーデン館の謎

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    ネタバレ

    面白かった!3分の1ぐらいは中々物語が進展しなくて悶々としたけれど、後半からの火村の登場シーンほんとにいい。「風のように」とかキザなこと言って登場したけど、親友の大ピンチかと思ってすぐ新幹線飛び乗って駆けつけてくれたの、本当に愛おしすぎる。謎解きも点と点が繋がる感じで気持ちよかった。

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    2025年04月22日
  • 海のある奈良に死す

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    奈良に近しい者としては、とても興味の持てるタイトル。

    『海のある奈良』が何処なのか、最後の方まで分からず、ずっと考えながら読んでいた。

    結果、そうなのかと知り、聖地巡礼に行ってみたい気もする。

    元々、主人公が関西に住んでいるという設定なので、見知った地名等が出て来るのは、認識しやすくて面白い。

    作者が登場人物と同名で登場するのも面白く、火村とアリスの会話の応酬が、読者を楽しませる。

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    2025年04月19日
  • ロシア紅茶の謎

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    実はこの『ロシア紅茶の謎』は、愚かにも、先に漫画を読んでしまい、犯人もトリックも分かってしまっていた。
    それでも楽しめるのだろうか、と不安だったけど、なんと短編集だったので、『ロシア〜』以外は初見で楽しめた。
    でも、今後は先に漫画を読まないようにしようと思う。
    相変わらず、火村とアリスのやり取りが好き。
    面白かった。

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    2025年04月18日
  • 新装版 46番目の密室

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    主人公の、火村とアリスのコンビが良かった。
    内容は、密室トリックを扱っていて、面白かった。
    しばらくこのシリーズを読もうと思う。

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    2025年04月18日
  • 捜査線上の夕映え

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    まさかコロナ禍のアリスとセンセのフィールドワークが見れるとは。まだ記憶に新しいあのソーシャルディスタンスの寂しさと足踏みするようなもどかしさも思い出した。それだからかな、今回は常よりふたり一緒に行動する事が多かった感じがする。ふたりでGo toトラベルするとか最高だわよ〜
    後書きに、読者から「同じ世界にふたりがいるみたいだ」という感想があったというけど、ほんとそう。連載を追っていた人はさぞ楽しみにしていたのでは…
    ネコをひざに乗せる火村先生のパラダイスが見られたり、聞き込みでアリスをフォローする先生や、火村の過去を思いつつ黙っているアリスとか、ふたりのファンとしても嬉しい読みどころが満載だった

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    2025年04月14日
  • 鍵の掛かった男

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    ホテルで自殺した男の死に疑問を持った先輩作家からの依頼で死んだ男を調査することになったアリスと火村。
    アリスが単独で調査する前半では語り手ではない主人公としてのアリスが見られて長いシリーズの中でも珍しい。
    後半、火村が合流してからあっさり解決したらかわいそうだなと思いつつ読んでたけどそうでもなく、火村、アリスそれぞれの視点やスタンスが改めて対比されて、シリーズの円熟を感じる。

    最近『ホットスポット』見てたから、ホテル銀星はあのイメージだし、死んだ長期滞在の男のビジュは小日向文世になってた。銀星はもっといいホテルなんだけどどうしても。

    ミステリで自殺か他殺かで自殺でしたのパターンはあんまりな

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    2025年04月11日
  • 濱地健三郎の呪える事件簿

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    新本格の有栖川先生のイメージから少し新しい雰囲気の濱地健三郎シリーズ。
    ほんのりミステリーでホラーで・・・の印象を受けるが空気感に少しクラシック感もあり世界観が素敵。
    3作目にして濱地健三郎が少しずつほぐされてきてこの先がとても楽しみ。

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    2025年04月05日
  • 乱鴉の島(新潮文庫)

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    無数の鴉が舞い飛ぶ暗鬱な孤島で起きた不思議な事件に火村先生とアリスが挑む。島にいる人間達が共有する秘密と意外な事件の真相が絡んでいく展開が面白かった。火村先生の精緻なロジックに基づいた推理が爽快。今のところ、シリーズで1番好きかも

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    2025年03月31日
  • 捜査線上の夕映え

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    簡単なはずの操作が意外と進まない。進んでいるはずなのに思わしくない。不思議な始まり方からしてコロナ禍の捜査が始まる。
    久々に長編小説を読んだが、1番楽しく読めたシーンが「蚊」にまつわるどうでもいいとさえ思える火村とアリスのやりとり。思わず笑ってしまった。雑学を知るのは好きだ。
    所々で交わされる二人のやりとりが面白かったし、意外な接点も楽しめた。

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    2025年03月29日
  • 砂男

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    ファン垂涎の未収録ミステリ6編!
    その名の通り。あとがきも楽しめた!
    時間を経て、学生アリスへの作者の父親のような温かな視線がいい。マリアのこと大好きだだ漏れなのもいい笑

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    2025年03月26日
  • 日本扇の謎

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    何も考えず見ていた表紙が、半分ほど読み終えた後に意味に気付く。
    これは彼の幸せな記憶そのものだ。

    国名シリーズのスウェーデン館に似た儚く繊細なミステリ。最後にどんでん返しとかはなく、論理的に可能性を組み立ていく構成は安定的でミステリを読んでいる満足感がある。
    作者が意図したように、まるで砂粒の様にさらさらと読み手の中に哀愁を降り積もらせるような結末は美しかった。

    個人的にアリスがちゃんと助手として火村をアシストしてるのも、長年探偵コンビをしている二人の年月を感じられていいし、冒頭火村とアリスがこれまであった事件を思い出して話をしているのも、読者と二人の世界線がつながったような気になって楽

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    2025年03月20日
  • 日本扇の謎

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    ネタバレ

    国名シリーズは読んだり忘れたりしてます。久々の作家アリスシリーズ、とても面白かった!
    一言で言うと「きれい」。
    表紙裏をめくった時、「開けば美しく、きれいに畳める。まるで扇のように」という前書きにまんまと引っ張られたのかもしれないけれど、先が気になり読みやすく、言いようのない感傷、寂しさもある。
    養子にされたかった犯人と養子の話が進んでいたのに家を出た青年、青年が逃げた先の東京で出会った亡き妹と似た名前の同い年の父娘、という対比もいくつもあって、対照的な扇のよう。
    冒頭の中学教師と記憶喪失の青年のロマンスも短いながら切なかったのだけど、最後の最後にそれすら事件の概要を聞いたアリスの創作…という

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    2025年03月21日
  • 双頭の悪魔

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    初読はおそらく単行本刊行時。著者の作品で最も印象に残っている。
    改めて驚くのは犯人やそのトリックというよりも、とことんストイックな論理展開。
    圧巻。

    余談。
    アリスもマリアも一人称で、そもそも割とフラットな文体のため、ぼうっと読んでいるとどちらの視点かわからなくなるときがある。
    もしかしてこれもなんらかの狙い?そんなことはない。

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    2025年03月20日
  • スウェーデン館の謎

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    季節は冬。磐梯山の麓のペンションに取材旅行中の有栖川有栖は、ペンションの隣に建つスウェーデン館で起こる事件に巻き込まれる。物語は3年前の悲しい事故から始まったのだった。

    いやもう、今まで読んだ有栖川有栖の本(と言っても6冊しかないが)で一番好きかも!頭に描かれる景色が美しくて、事件が悲しくて。有栖がヴェロニカに想いを寄せてしまっていたのも切ない・・・。

    火村のミステリアスな雰囲気も、いつもより素敵!
    「来てくれ」電話で即日来てくれるのも、愛想のない素っ気なさでどんどん事件を解明していくのもすごい。
    読者に提供される情報と同じものを提供される火村が、それを違う視点から見て考察展開していく流れ

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    2025年03月17日
  • ロシア紅茶の謎

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    本格ミステリ万歳。
    本作は短編集だが、短編ならではの面白さがあったように思う。
    表題作の『ロシア紅茶の謎』では、犯人の大胆な行動に驚かされた。
    また最終話では、読者への挑戦状まで。
    このシリーズは、最後まで読んでいきたいと思う。

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    2025年03月06日