有栖川有栖のレビュー一覧

  • 砂男

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    江神&火村両シリーズが入った一冊。
    最後に収められた短編「小さな謎、ときます」が短編とは思えない満足感!こちらもシリーズ化されたらいいのに!と期待してしまいます。
    「砂男」、安部公房の「砂の女」を想像させるところから勝手に想像が膨らんでいたか、まさかの話の展開が目新しく夢中で読んでしまいました。

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    2025年12月20日
  • 日本扇の謎

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    ネタバレ

    読者の興味が、記憶喪失の男の正体、女性の恋愛の行方、有栖川の新作の構想、事件の調査と一気に増える関係者、と変わっていき、ちょっと読みづらいところがあった。プロローグが魅力的すぎたからだ。中盤からは一気に読めた。
    犯人の動機が見当たらないことが事件の謎である。被害者が殺される理由が分からない。必然的に、記憶喪失の男、記憶のない過去の出来事、が怪しいのだが、行方不明になっている。
    この男、事件には部外者なのか、中心人物なのか、よく分からず、事件の全貌がつかめない。家族に馴染めず、行方不明になっていても、またふらっとどこかに行ってしまったのだろう、と思わせてしまうのが本作の特徴である。そこから関係者

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    2025年12月17日
  • スイス時計の謎

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    前作が番外編的だったのに対して、今作はバッチリ本格ミステリが楽しめる。
    中でも表題作は抜群に面白かった。

    『スイス時計の謎』
    論理的に犯人を特定していく。
    一つずつ可能性を消していく論理の組み立ては、ゴチャゴチャしていた頭の中が、火村の言葉によってどんどん軽く、きれいになっていくようでとても気持ちがいい。
    火村が論理を積み上げ、NOとは言えない状況を作り出していく過程に痺れる。
    このメンバーだったからこそ成立する設定も本当によく考えられている。
    精密なスイス時計のようにすべてがカッチリとはまっていくような、完成度の高い大満足の作品。こういうのが読みたかった!
    アリスの高校時代の切ない思い出も

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    2025年12月14日
  • ペルシャ猫の謎

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    番外編のような特別感があって、ファンはより一層ファンになるのでは、という一冊。
    私ももれなく大ファンになりました。

    『わらう月』
    「子供の頃、月がこわかった」から始まるのが印象的。月が怖い、という感覚がどこかわかる気がする。
    『完璧な遺書』と同じく、語り手の彼女を通して火村・アリスの姿を体験できるのが面白い。
    そして最後の一言。思わず「上手い…」と声が出た。

    『暗号を撒く男』
    解決編は、アリスがクイズのようにヒントを出しながら進んでいくのが楽しい。
    読者を飽きさせないために、毎回違う楽しみ方を用意してくれるのが嬉しい。

    『赤い帽子』
    火村・アリスは登場せず、いつもは脇役のジャニーズ系イケ

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    2025年12月14日
  • 英国庭園の謎

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    『完璧な遺書』
    「殺すつもりなんかなかった…」という犯人の語りから始まる。
    大好きな倒叙がついに来た!(゚∀゚)

    犯人は周りの気持ちも状況も、勝手に自分に都合よく解釈してしまうタイプ。
    その勘違いぶりが気持ち悪くて、正気を疑うような言動が出てくる。
    倒叙なので、犯人の独りよがりな頭の中の自問自答が面白い。

    語り手である犯人の目を通して、火村の鋭さを体験できるのが最高に面白い。
    火村が核心に触れるような質問をするたびに、思わず心の中で「火村先生さすが!」とガッツポーズ。
    こんな嫌な奴が相手だからこそ、スカッとした。
    でも正直言うと、犯人にはもっと白を切って粘ってほしかった!倒叙好きとしては、

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    2025年12月12日
  • ブラジル蝶の謎

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    火村とアリスが毎回違う切り口で事件に挑む。
    ぶっ飛んだシュールなトリックもあれば、軽くてユーモアがあるものまで、作品ごとに味わいが変わるので全く飽きずに最後まで楽しかった。

    『ブラジル蝶の謎』
    大手サラ金社長の相続をめぐり、離島で暮らしていた弟が呼ばれ、会社役員たちと対立する。その構図だけで物語に引き込まれる。
    博物館の蝶々オタク学芸員の話も興味深くて、思わず蝶々について調べてしまった。
    火村の最後の一言が気になる。

    『彼女か彼か』
    「あらら〜ン、またいらしたの♡刑事さ〜ん」と、“Mr.マリリン”というバーの蘭ちゃんの語りで進んでいく構成が面白い。
    Audibleのナレーターは、インパクト

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    2025年12月10日
  • 双頭の悪魔

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    二つの話を同時に読んでる感じが良い。
    マリアがあの村に受け入れられたのがまず納得いってないけれど、美女ならまぁしゃあないか?そしてあそこまで他人に迷惑をかけてるマリア、もう大人なんだからさぁ…って。
    香水のトリックや郵便物のトリック、この作者のトリックは突飛なものじゃなくて好き。

    分厚さも気にならないくらい面白かった。

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    2025年12月09日
  • 孤島パズル

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    ネタバレ

    中盤で犯人わかっちゃいました! パズルも解けちゃいました!
    SAWもでてくるんかいな!!! 結局弾が体に残ってしまった謎は言及されなかったなり。
    推理もパズルもあたっていたし、面白かった!
    動機も納得だし、あと江神先輩がかっこよすぎて…!たまんないわ…

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    2025年12月09日
  • ジュリエットの悲鳴

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    ノンシリーズもので多くの物語、主人公の人生に触れられて満足感が大きかった一冊。ショートショート〜ショートなのでちょっとした隙間時間にも楽しめ、読みやすかった。

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    2025年12月09日
  • 新装版 46番目の密室

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    作家アリスシリーズ第一作目。私を沼に引きずり込んだ原因の一冊です。あなたも有栖川有栖に心を奪われていくんですよ。火村英生カッコ良すぎるんだよな...。キャラも魅力的、ミステリのトリック自体も本格的、オタクは好きになるしかない!

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    2025年11月29日
  • 海のある奈良に死す

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    火村助教授と作家アリス君のコンビ好きです。読み始めたきっかけはドラマでしたけど、別物ですね。どっちも面白いです。
    出た順番どおりに読めていないので、計らずも長編では「スウェーデン館の謎」、「46番目の密室」、「海のある奈良に死す」の順番になってしまい、同業者死にすぎ!な印象になってしまいました。スウェーデン館では死んでなかったっけ?
    この間読んだ短編に出てきた朝井さんが出てきたのでちょっと嬉しかったです。

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    2025年11月22日
  • 濱地健三郎の奇かる事件簿

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    今作もとっても興味深く読ませていただきました。
    特に好きだったのは『湯煙に浮かぶ背中』。
    私は温泉は好きではないけれど、温泉好きのお爺さんがもしいたら、こんな感じに過ごしていたんじゃないかな。と、ちょっと心があたたまりました。作中では湯がぬるくなってますけれど(苦笑)
    その他のお話も、意外な結果だったり、ユリエと共感したり。
    叡二が絡んだ話が多目にあったのも、より一層楽しめました。

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    2025年11月13日
  • 影牢 現代ホラー小説傑作集

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    様々な時代、年齢の登場人物、そして豪華なメンバー作家で贈られる短編集。じわっと怖いものから真に迫る恐怖まで。個人的には「浮遊する水」「影牢」「集まった四人」「山荘奇譚」が好きです。8編あるのでどれか一つは好きになる話があるんじゃないでしょうか。姉妹本もあるのでそちらも読んでいきたいと思います。

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    2025年11月13日
  • 濱地健三郎の奇かる事件簿

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    今回は少し刺激が弱めのようだけど、気のせいかな?
    4作目にもなると、ボスである濱地先生やユリエさんに会えるだけでも読むのが楽しい。

    一番の好みは『怪奇にして危険な状態』。
    やっぱりこのくらい刺激があるものが好き。
    それに、結末がとても良かった。

    『黒猫と旅する女』は、乱歩の『押絵と旅する男』も好きだらこそ、興味深く読めた。
    有栖川有栖版後日談を読めるなんて贅沢。

    『観覧席の祖父』は怪異ではないけれど、意外とこういう話にグッときてしまう。

    改めて振り返ると、どれも楽しい短編だった。

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    2025年11月10日
  • 孤島パズル

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    江神シリーズ第2作とても面白かった。
    そう言われればそうとしか思えない推論で犯人を特定する過程、整理しても読んでて分かることはないだろうなぁと感じる。
    第3作も楽しみ

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    2025年11月06日
  • 双頭の悪魔

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    学生アリスシリーズ三作目。
    隔絶された二つの村で起こる複数の殺人事件。

    分厚い本なので、これは時間かかるかなぁと思っていたけど、読み始めると止まらなかった。一つの小説だけど、二作読んでいるみたいなところもあって、なかなかの充足感。

    EMCメンバーも分断され、それぞれが立ち向かう推理が面白い。江神さんの華麗な推理も、アリスたちのあーでもないこーでもないと話し合いながらの推理も、どちらも楽しめた。
    傷心のマリアが、またEMCに戻ってきますように。

    設定も絶妙だし、トリックもなるほどだし、個人的にはアリスたちの会話のノリがけっこう好き。
    有栖川有栖、読み始めてよかったなぁ。読む作品がたくさんあ

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    2025年10月30日
  • 月光ゲーム

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    有栖川先生のデビュー作。至るところで作者が生粋のミステリ好きな事が感じられる作品。本格派といって差し支えない。犯人もトリックもオチも、全てにおいて素晴らしい。強いてあげるなら、登場人物の多さから覚えるのが大変なのと、殺人の動機が弱すぎるかな?て事くらい。次作も楽しみ。

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    2025年10月19日
  • 月光ゲーム

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    "学生アリス"シリーズの第1作目。
    英都大学・推理小説研究会に入部したアリスこと有栖川有栖は、先輩3人と夏合宿を兼ねて矢吹山にキャンプに来た。そこで同じくキャンプに来た東京や神戸の大学生たちと意気投合し、楽しく過ごすことに。しかし、突然矢吹山が噴火し、アリスたちは矢吹山に取り残されることとなる。

    "作家アリス"シリーズは全巻読破するほど読んでいるが、"学生アリス"シリーズはあんまり。それこそ、この第1作目をずいぶん前に読んだだけ。改めてこちらのシリーズも読破を目指そうと思い、第1作目を読み返した。

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    2025年10月13日
  • 濱地健三郎の奇かる事件簿

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    このシリーズを読むのは初めてだったが、短編集だから読みやすく、非常に楽しめた。霊がどのような生き方をしてきたのか、どんな想いを抱いているのか知るのが面白い。他の作品も読んでみたい。

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    2025年10月09日
  • 江神二郎の洞察

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    シリーズの長編を読んでいるとサラッと流してしまうが、よく考えるとあの事件があって平然とはしていられないよなあ。その過程がわかるのは面白かった。

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    2025年10月08日