【感想・ネタバレ】ペルシャ猫の謎のレビュー

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Posted by ブクログ 2019年12月18日

切り裂きジャックを待ちながら

わらう月

暗号を撒く男

赤い帽子

悲劇的

ペルシャ猫の謎

猫と雨と助教授と

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ネタバレ購入済み

有栖川作品の1作目には向かない

2016年06月13日

『赤い帽子』は最後までいつもの探偵コンビは出てこない。人海戦術、刑事の勘が如何に重要なのか思い知る。
最後のページでこれで全てが繋がる、といったシーンでは達成感のあまり読んでるこちらが泣けてきた。これも小説なんだけれども、事件は小説とは違うんだよ、と言われた気分だった。

どの作品にも言えることだが...続きを読む、今回はいつもの様にトリックが巧妙で…といった趣ではない。
キャラクターの個性を表したような、舞台裏を見たような、とても愛おしい作品だった。
よって、有栖川作品を最初に読む人にはお勧めできない。

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Posted by ブクログ 2022年11月15日

火村英生と有栖川有栖の国名シリーズ、第5弾だそう。
このコンビのシリーズ、小劇団がよく出てくるような気がします。
それから、この本には7つの短編が収録されているのだけれど、「親から相続した一軒家に住む30代くらいの独身男性」が3人も登場する。
それぞれ違う作品に。
何か思うところがあっての事でしょう...続きを読むか。

『切り裂きジャックを待ちながら』
小劇団の女優が行方不明になり、劇団に脅迫ビデオが届く。
クライマックスの、火村と犯人のやりとりが演劇を見るよう

『わらう月』
幼い頃の祖母の一言から、月の呪縛に自ら捕らえられるようになった若い女性。
火村はちゃんと見抜く

『暗号を撒く男』
先輩小説家・朝井小夜子と居酒屋で飲みながら、意味を知らない人から見たら、世の中のありとあらゆることが暗号になる、という話に。
この人は、どうしてこんな事をしたのでしょうか・・・
ちょっとユーモラス

『赤い帽子』
火村とアリスは登場せず、若手刑事の森下恵一の捜査と推理が描かれる。

『悲劇的』
たしかにたしかに・・・世の中にはあってはならない死があふれている。
この世に神も仏もいないのか!?と天を仰いで叫びたくもなる。
でも、その中の多くは、人間自身で解決しなくてはならない問題なのだな。
とはいえ、傷ついている今の彼に、それはアカンよ、火村センセ。

『ペルシャ猫の謎』
死ななくて良かった。
ペルちゃんはラッキーキャットですね。

『猫と雨と助教授と』
火村の下宿に桃ちゃんが来た日

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年10月10日

第5弾
短編集。テイストの違う話ばかりでいちいち楽しい。 どうしてその人のために嘘つくのかわからなかったり、月のところがわからなくて何度も読み返したりしてしまった。 森下くんのやる気も、ただの若者じゃない、ちゃんと責任持っているところとか、先輩敬うところとか。2人のことを何の疑いもなく信じるところ...続きを読むも、ただの盲目じゃなくて実績見てたり、海坊主が信じているからなのかなって思わせるところもいい。 でも何よりも最後の短短編が好き。

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Posted by ブクログ 2022年10月03日

国名シリーズ第五弾だそうだ。もはや私にはなん弾であろうと意味はなさない。
短編7作品が読める。

切り裂きジャックを待ちながら→舞台で使われるクリスマスツリーに劇団の看板女優が自体で吊るされる。相当大きなツリーだ。演目が切り裂きジャックの舞台、本作で娼婦を切り裂き内臓を取り出すのか?

笑う月→月が...続きを読むカギとなる。私はこの作品の主観の女性と同じく、なぜか月には魅力を感じる。アリバイの攻防が面白い作品。

暗号を撒く男→普通の会社員が自宅で刺殺される。その自宅の不自然な置物が複数あり謎が深まる。犯人探しよりなぜこんなところにこれが置いてあるのかが興味を駆り立てられた。確かに世の中は暗号に満ちている。

赤い帽子→森下刑事が主人公だ。赤い帽子の男が川で溺死、ビオラがカギになる。構成も王道で好感が持てた。

悲劇的→短編というよりショートショート。課題図書のレポートから、ちょっとした展開がある。

ペルシャ猫の謎→強盗に入られ頭を殴られ、薄ぼんやりと肩にペルシャ猫を乗せた双子の弟が見える。だが、猫のペルにも弟にも完璧なアリバイがある。結末が意外すぎるが、嫌いではない。

猫と雨と助教授と→・・・

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Posted by ブクログ 2022年06月08日

「ペルシャ猫の謎」まさかのオチにこういうのもありか~!って印象的に残ってる。アリスの小説のファンがいたことに安心した(笑)火村の皮肉がきいててめちゃくちゃ好きだった。最後はよかったねアリスって思った。

「赤い帽子」森下刑事も好きだから、彼が主役でとても面白かった!一つの事件をこれだけの人数総動員で...続きを読む解決するんだ。すごい。
最後まで語らせないのがまた良い。きっと報われたでしょうね。
警察の社内誌で連載されたっていうのがすごいな。

でも一番好きなのは「悲劇的」
すごく短い話なんだけど、最後に火村が付け加えた一言が痛快。面白い話に長さは関係ないのだと思った。

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Posted by ブクログ 2022年05月01日

 昨年5月にケーブルTVで録画した『臨床犯罪学者 火村英生の推理 another story』#1〜3の#1が『探偵、青の時代』で、#2&3が『切り裂きジャックを待ちながら』だった。原作を読んでから視ようと決めていたので、#1だけ視聴し、長らく録画を残しておいた。
 ようやく『切り裂きジャック〜』所...続きを読む収短編集を見つけたので真っ先に読む。そして視る。関西の小劇団の設定が、ドラマ版だと華やかで内実ドロドロな地下アイドルの話にされている。原作では抽象的な殺害動機も解りやすくなっている。その原作で、現場に火村が現れる場面はまさに「名探偵登場」。大向うから「火村屋!」と声がかかりそうだ。
 他の短編。『わらう月』、「(前略)うんと欠けた三日月なんて大好きだよ。あの真っ黒い部分はなくなってしまったんじゃなくて、地球の影が落ちているんだ(後略)」に引っかかった。月の満ち欠けと月蝕を混同している。月の影が地球だとすると、半月の時に地球は四角いのか。
 『暗号を撒く男』のトリックは解った。
 火村&アリスが出てこない『赤い帽子』は読み応えがあった。マンション住民のマナーを嘆く森下刑事の述懐に、以前どこかで接したように思うのだが、大阪府警の機関誌を読めるはずがない。森下を主役にすえたスピンオフが別にあるのだろうか。
 表題作のトリックは反則気味で面白かった。

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Posted by ブクログ 2022年03月15日

短編集。
ちょっと風変わりな話もあったり、火村先生やアリスの登場しない話があったりと飽きない。

『赤い帽子』では、主役が森下刑事で面白かった。
今までにもちょくちょく登場していた刑事らしくない刑事。
今回どうしてブランド物のスーツを着ているのかとかが知れてよかった。

最後の小話では、火村先生の猫...続きを読む好きが描かれててほんわか和んだ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年04月09日

大分このシリーズの虜になってるのでもう冷静な判断が下せないけど、本作品も楽しかった。
各話がバラエティに富んでいて退屈しなかった。解説ではその印象が見事に文章化されていて、解説ともども好き。
単に相性の問題かもしれないけど、有栖川さんの作品は自分にしっくり来る。考え方なんかが似てるのかも。


「切...続きを読むり裂きジャックを待ちながら」
本書の中では最も正統派ミステリっぽい。でも短編なので、殺人が起き、火村が登場し、事件が解決し、犯人がどうにかなる、というミステリのハイライトだけが無駄なく抽出されて仕上げられた感じを受けた。つまり手っ取り早く満足できる。
動機は確かにやや弱いか。でも作家アリスシリーズって大抵動機が弱い(笑)。
火村のカッコ良さも無駄なく抽出されてる話。

「わらう月」
容疑者の恋人(女性)視点の一人称、という変わり種の作品。オーストラリアにいたというアリバイ工作のために日本で撮影された写真のトリックに、警察と火村とアリスが迫る。彼女を質問攻めにするのが火村でなくアリスなのが新鮮だった。
写真のトリックには協力したけど容疑者が本当に殺人を犯したのかどうかは知らない、という彼女の立場はなかなか面白かった。
女性の一人称を書かせても全然違和感ない男性作家は、有栖川さんと北村さんが私の中の2大巨頭。

「暗号を撒く男」
ちゃんとは分からなかったけど、なんか星座臭いなとは思った。
朝井小夜子さんは久々の登場。作家同士ってこういう飲み付き合いあるのかな?

「赤い帽子」
アリス・火村と協力関係にある大阪府警捜査一課のアルマーニ森下視点で、ある事件の捜査風景を描写した話。アルマーニ以外は存在感の薄かった森下と仲良くなれた気がした(笑)。真面目なイイ子だった。
警察の社内誌で連載されたものらしく、警察の地道な仕事を丁寧に綴った話になってる。火村もアリスも最後まで出てこなかったけど、退屈せず読めた。

「悲劇的」
ある学生がレポートと称して提出してきた感情的な文章に、火村が彼なりの答えを書き加えて終わる、というこれもちょっと変わったごく短い話。もはやミステリ要素は皆無で、火村の冷酷な一面を味わえる、キャラ小説のボーナストラックみたい。
冒頭の、アリスと片桐の程良い距離感はいつも好ましく思う。旅行とかも一緒に行って割と親しいのに、友達関係とは一線を画した礼節を忘れないアリスの接し方に、アリスの性格が滲み出ている(見どころはそこじゃない)。

「ペルシャ猫の謎」
私はミステリにファンタジーが入り込んでくるのを嫌うタイプだけど、この話は割とすんなり読めた。おそらく、ドッペルゲンガーが犯行の主体じゃなかったことと、ドッペルゲンガー現象の原因が一酸化炭素中毒であることが仄めかし程度とはいえ合理的な説明として受け入れられたからだと思う。
 
「猫と雨と助教授と」
猫に優しい火村のエピソードに触れる(だけの)これもボーナストラック的な話。「悲劇的」の火村が冷徹ならこちらは優しさを垣間見られる。キャラ好きにとってはこういう何気ないエピソードだけのものが読めるのも単純に嬉しい。
猫はまんま実際有栖川さんが飼ってる猫がモデルのようで、このシリーズはホントに有栖川さんの日常が要所要所に織り交ぜられてるんだなーと思う。もはや火村が実在しないことの方がミステリだ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年10月06日

猫がちらちらと出てくる作品。
最初の「切り裂きジャックを待ちながら」が1番ミステリィしてた。ドラマ版と設定が結構違ってたので意外。
「わらう月」も面白い。ふむふむなるほど。
「暗号を撒く男」は何かと思ったら、ドラマのあのシーンの元ネタこれだったのか。
「赤い帽子」は火村アリスコンビの登場無しで森下く...続きを読むんメイン。終わり方がえっここで?!って感じでびっくり。
「悲劇的」は、読んでてやるせない気持ちになる。
「ペルシャ猫の謎」はそういうオチ?!ってちょっと肩透かしをくらったけど、とりあえず猫が可愛かった。
最後の火村先生と猫の小話もほっこり。

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Posted by ブクログ 2019年02月02日

題名と表紙の猫ちゃんに惹かれて手に取った。短編集だが、全て舞台が大阪で、登場人物たちがみんな関西弁を話すのが新鮮だった。アリスや火村をメインとする普通の推理ものだけでなく、脇役の刑事が主役のもの、そもそも推理ものでないもの、意外なおちのもの、などレパートリーにとんでいたが、後書きを読んでその理由に納...続きを読む得した。題名の付け方も何かのオマージュだったりして面白い。一番好きなのは、本の題名でもある「ペルシャ猫の謎」。火村と同じく猫が好きだからという理由で。他の作品も読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2024年02月25日

国名シリーズ五作目の短編集

良く言えば無難にまとめられている
悪く言えば突出して面白いというのが欠けている気がした

表題作のペルシャ猫の謎はうーん...という感じ
個人的には赤い帽子が好きだった

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Posted by ブクログ 2024年02月19日

有栖川有栖、異色の短編集。
星3は、作家アリスシリーズが大好きだからこそ正当な評価だと思う。
ミステリのルールを逸脱した問題作たちだから。
オタクとしてはもちろん星5です。

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Posted by ブクログ 2023年01月28日

色々あって、やっと本を読む気持ちになりまして読みました。
このコンビ、癒されます。
猫はいいですね。猫は。
切り裂きジャックが1番好きだったです。

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Posted by ブクログ 2023年01月15日

久しぶりに火村アリスコンビを。安定した二人と、短編の内容。コンビが登場しない森下刑事の推理「赤い帽子」も森下刑事の事を知ってるだけに、面白かった。コンビに頼らず解決してる事件もあるんだなと。
長編もまた早く出て欲しいなぁ

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Posted by ブクログ 2022年11月06日

火村&有栖の名コンビ

1番印象に残ったのは1個目の話かなぁ
犯人の思考がぶっ飛んでて、、、ちょっと怖かったなぁ

それぞれの短編が違う味を出してて飽きない!

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Posted by ブクログ 2022年10月05日

有栖川有栖氏の作品をまだ読んでない方にはオススメできません(苦笑)
ロジックの天才が書いた奇作集のため、評価が難しい。
他の作品を読んでファンになったら、ぜひ読んでいただきたい。
有栖川有栖ってこんな作風だったっけ?となります(笑)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年04月28日

何も調べないで読んだから、いつもと違う雰囲気のお話が多くてびっくりしました。

森下刑事が好きだから『赤い帽子』はニマニマして読みました。スーツ着てる理由可愛い…。それとは別に警察の社内雑誌が気になりすぎてソワソワします。笑
表題作の『ペルシャ猫の謎』のオチには驚きました。それってありなのね。
『わ...続きを読むらう月』は月か大好きなので題材になっていて楽しかったです。
『悲劇的』はよく分からないなぁって読みつつ、最後ので不謹慎ですが笑ってしまいました。不機嫌な火村、有栖と仲良しだなぁっとホッコリ。
『猫と雨と助教授と』はミステリではなかったですが、いつもと違う一面が見れて楽しかったです。

オチが今までと違うのが多かったけど、私は好きでした。

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Posted by ブクログ 2021年10月04日

これまでの火村&アリスシリーズとは違う描かれ方。好き嫌いは別として、斬新!
そして、猫好きさんにお薦めしたい。

〝切り裂きジャックを待ちながら〟〝猫と雨と助教授と〟が好み。〝赤い帽子〟も良かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年09月21日

シリーズの中では異色作が詰まった一冊でした。
すべてに“猫”が入っていて、最後まで読むと気付く仕掛けになっているのが楽しい。

現実的な火村先生が出会った不可解な謎…
ほんのり背筋がゾワッとなるかと思いきや、さすが火村先生!論理的な根拠を元に解説してくれました。

最後のお話はミステリーではなく、日...続きを読む常のショートショートストーリーで、火村先生の人間らしい一面が垣間見えてほっこりします。

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Posted by ブクログ 2021年09月21日

国名シリーズにしてはかなり風変わりな短編集。
特に表題作には面食らった。
某キャラクターの格言(?)どおりではあるけれど、随分思い切ったことするなあと感嘆した。
他にも普段は脇役の森下刑事が主役になって奔走したり、まったりとした小話があったりとなかなか楽しい短編ばかりだった。

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Posted by ブクログ 2020年11月11日

国名シリーズ5作目。
7編からなる短編集。
今作はいつもと違う感じ。
ミステリっぽさがあまりない作品も多かった。
お気に入りは赤い帽子。

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Posted by ブクログ 2020年09月17日

国旗シリーズなんだんめなのだろう?
とりあえず家にあったので。

なかなかに読みやすく面白いです。
猫が好きなので最後の方の話好きでした。
男の子のやつなんかはかわいいですなぁ。
ペルシャ猫。

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Posted by ブクログ 2019年10月14日

国名シリーズ第五段。
「切り裂きジャックを待ちながら」「わらう月「暗号を撒く男」「赤い帽子」「悲劇的」「ペルシャ猫の謎」「猫と雨と助教授と」赤い帽子は森下刑事が主役。火村先生がいなくても謎が解けるんだね

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年04月12日

こちらも再読。
ほぼ覚えていたのは「わらう月」。月の描写が印象的。第三者視点の火村とアリスもいい。
「赤い帽子」森下くんが主人公。警察の内部事情がわかって興味深い。
表題作は…これはアリなのか?

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年12月04日

「切り裂きジャックを待ちながら」
ある劇団あてに、誘拐された看板女優を映した映像が送られてきて、その映像の真偽を確かめてほしいと演出家に呼ばれたアリス。クリスマス公演の中止が目的のいたずらだと一蹴する監督だったが、ゲネプロ中にクリスマスツリーに引っ掛けられた看板女優の死体が現れて…。
後から駆けつけ...続きを読むるかっこいいヒーロー登場な火村先生。クリスマスツリーと真っ白い衣装が血糊で赤く染まった看板女優の死体という視覚的なインパクト。追い詰められた犯人の狂気、みたいなところが見所ですかね。
元はドラマか何かの原案だった模様。

「わらう月」
これは一体何回読んでるんだっていう笑。多分麻々原さんの漫画でも読んでるし、ビーンズ文庫で出てる方の短編集でも読んでるはず。
いきなりのネタバレですけど、写真反転トリックでアリバイを作る話ね。これも第三者視点で、客観的に火村、アリスコンビが見れるのが面白いかも。すっとぼけてるように見えるアリスと、得体の知れない火村先生っていう組み合わせがいいですよね〜。
ちょっとエロティックな雰囲気が漂うくだりがあって、外で読んでて人の目が気になってしまった笑。

「暗号を撒く男」
火村が一人で解いた謎を、アリスが小夜子さんに話して聞かせるパターンの話。串カツ屋で三人並んでだべりながら食べてる図がなんかほっこりするんですよねえ。あとこの話は案外さらっとしてて、あの長編のあとに感じる寂寥感的なものはないかもしれない。どっちかっていうとギャグっぽいと言いますか。割と読者への挑戦の意味合いも強いかも。
暗号は全然殺人とは関係ないっていうオチは確かにありなのかどうなのか悩ましいところですけど笑。

「赤い帽子」
珍しい森下刑事主人公の話。警察内で配布される冊子への寄稿だったとか。
推理モノっていうよりは刑事ものの側面が強かったかなあ。足で稼いでなんぼみたいな。犯人に目星をつけるところには推理が絡みはするんですけど、火村先生が登場する話とはちょっと違う感じ。
若干物語の締め方が、え、これで終わり?という犯人逮捕のところにまで至らないところがしり切れとんぼのような気がしたんですけど、まあ、犯人を絞り込んで、その証拠をつかんだ、というところまでは描かれているから、それ以上は蛇足になるってことだったのかな。
森下刑事って思った以上に真面目な印象になりました。

「悲劇的」
アリスが片桐(担当編集)さんから、誰かいい人(作家)紹介してくださいよーと言われて、火村先生が採点したレポートの話をするという物語。謎とかトリック、という感じではなくて、火村英夫とは何者か、みたいな話でした。
レポートを提出した子は、バイト先の店長が強盗殺人で殺されたことに対する憤りみたいなを書き連ねたものを課題のレポートの代わりに提出して、それに火村先生が返した一言は確かに火村らしいなあ、という。

「ペルシャ猫の謎」
この話は、アリバイトリックかと思わせておいて、実は超常現象的なオチというミステリなのかどうなのか怪しい一作笑。超常現象と言っても、科学的に起こり得る可能性のあることと、という意味で、これもようは火村という人物を描いた作品なのかなあ。京極さんの姑獲鳥の夏とちょっと通じるものがあるかも。
火村先生は幽霊は信じないけど、科学的に起こり得る可能性のあることは、信じるタイプなんですねえ。

「猫と雨と助教授と」
火村先生が猫を拾ってきたというだけの話笑。これも火村英夫という人物を浮き上がらせるためのストーリーですね。
アリスじゃないけど、下宿先のばあちゃんに「婆ちゃん。猫、もう一匹増えてもいいかな」と濡れた子猫を抱えて尋ねる火村英夫って…!なにそれ萌える。ということですね(アリスは傑作なのは、と言ってましたけど)。

これも解説を読んでなるほど、と納得したんですけど、『46番目の密室』で火村が述べた「無意味に宇宙を創造したスピノザの神なら信じますがーー」というのはアインシュタインの「私は、人間の運命や行為にかかずらう神は信じません。しかし、自然界の美しい調和を現すスピノザの神は信じます」という言葉の引用で、それが無神論者の火村らしさを表していて、それが「ペルシャ猫の謎」に表されているとのこと。その話を読むと、なんでこう言う形の物語になったんだろう、という謎も解ける気がするんですよねえ。

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Posted by ブクログ 2017年09月06日

看板女優の身代金を要求するビデオが届くー切り裂きジャックを待ちながら
悪いことをするときはいつでも月がみているーわらう月
火村のうかない顔は、ある事件現場にちらばった不可解なものにあったー暗号を撒く男
森下刑事が殺人事件を追うー赤い帽子の男
火村ゼミの学生のレポートに書かれた助教授の一言ー悲劇的
...続きを読むる男が自宅で頭を殴打される。男は犯人が双子の弟だったと主張するがーペルシャ猫の謎
火村と猫ー猫と雨と助教授と
以上7本の短編を収録。

いつもスラっと読んでしまって謎解きが後回しになるので、今度こそ作者の挑戦に勝ってみせると意気込んでいたせいか、違和感。
作品集としては趣の違うものがズラリと並び飽きないつくりだが、謎解きモノでない作品も3本ほどあったので、ミステリというよりも、謎解きモノも含んだ短編集というのが正しいか。
そういう目で見れば面白かった。

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Posted by ブクログ 2017年05月24日

今回は有栖と火村先生がそんなに出てくるわけでも、軽妙な掛け合いがあるわけでもなかったけれど、森下刑事主役の「赤い帽子」のワンシーンが「砂の器」に似ているなぁ。とか双子で間違えられてとかあるよね・・・等々楽しめました。

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Posted by ブクログ 2016年06月07日

火村アリスシリーズの国名シリーズ。いつものことですが国名はタイトルに一応入っているだけでペルシャは別に関係ないです。
今回の見どころはやっぱり森下刑事のスピンオフ短編ですかね。警察の機関紙に掲載ってそんなのがあるんですねえ。シリーズの中にあってやっぱり毛色も違って目を引くし、内容もなかなかに面白かっ...続きを読むた。それに比べると残念ながら表題作はそんなにパッとしなかった印象。他に国名が入る短編があったらそっちが表題作になったけどたまたまなかったから・・・くらいなんじゃないかと邪推してしまったw

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Posted by ブクログ 2019年10月25日

20191025再読

昔読んだものを再読。赤い帽子が面白かった。
大阪府警、いい。頑張る森下くんを応援したいぜ〜ってなった。
鮫山さんもかっこいいね…。

悲劇的。読んだ後、後書きにあったロジャー・ウォーターズの「What God Wants」聞いてみた。
ブリティッシュ・ロックはよくわからない…...続きを読む
有栖川作品にはよく出てくるし、筆者のお好みなんだろうなと思ってたまに聞いてるんだけど、なかなか。
このテーマとは正反対だけど、私はアラニス・モリセットの「Still」を思い出した。
映画「ドグマ」の主題歌として聞くと、特に。
神とは。
火村英生という人に迫るのに、それは本質的なところなんだろうと思った。

猫と雨と助教授と。これも火村先生とは。悲劇的とは違って、もっと軽く読める感じ。かわいい。

表題作については、賛否あるのはわかる。
でもこういう、脳みそが突っ走ったような短編、たまにあるような気がする。
個人的には海奈良のトリックより納得できるかな。

わらう月。
トリックが何だか印象的で、昔読んだのをよく覚えていた。
月、よくテーマになる気がする。デビュー作も「月光ゲーム」だったし…。


タイトルのセンスも大好きだなぁ。なんて改めて思った。

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Posted by ブクログ 2019年05月29日

そんなに評判良くないんだよなー。
どうかと思って読み返したけど確かに(笑)。
1番好きなのは当然「雨と猫と助教授と」次点が「悲劇的」。
ペルシャ猫はなぁ…オチが気に入らないというか納得できないというか。
もやっとして終わるのでイマイチ。

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