【感想・ネタバレ】スイス時計の謎のレビュー

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有栖川有栖の国名シリーズの中でも特に人気があるのはうなずける。あとがきにもあるように、特に本格を意識して書かれている。例によって好きな順に数字をつけてみた。

②あるYの悲劇
④女性彫刻家の首
③シャイロックの密室
①スイス時計の謎

つまらない作品はなかったように思う。
地味な事件ではあるものの、ロジックで犯人を追い詰めていく火村、さすが。秀才たちが集まるので知的な会話が楽しい。登場実物の人柄がしっかり語られていて、読んでいてやはり印象に残る。

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2023年01月20日

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3つの短編とスイス時計の謎を含めた4つのお話が収録されています。どれもバラエティーに富んで面白かったです。スイス時計の謎はアリスにしては珍しく切ない感じのお話で、読み応えありました。

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2022年10月12日

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短・中編の4作品が収録。
全て面白かった!
特にスイス時計の謎はロジックを聞いてなるほど…!となる。
理詰めで解決する火村先生が凄い。
その裏ではアリスが過去を思い出して感傷的だったのが対照的。
そんな過去があったとは…

他のお話も面白く、本格ミステリ揃いの一冊だった。

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2022年04月16日

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ネタバレ

何度目かの再読。
うっすら記憶のある中読んだ。概ね忘れてたけど。
4作の短編・中編集。
あとがきで作者の言う通り本格ミステリ揃い踏み。
どの話も面白かった。
ダイイングメッセージの「あるYの悲劇」、死体の首が消える「女彫刻家の首」、倒叙ものの「シャイロックの密室」、そしてゴリゴリのロジックで攻めてくる表題作。
特に好きなのは次の2作。
「あるYの悲劇」は途中でダイイングメッセージの意味は分かるんだけど、被害者の口走った言葉がわからず、終盤にアリスと一緒にびっくりすること請け合い。そしてそこかしこに伏線のような、話の要素が散りばめられてて面白い。

そして表題作。
1つずつ疑う要素を消して言って、最後に残ったのが犯人、的な。考えたら辿り着けるかもと思ったけど、3回くらい犯人当て部分読み返してやっと理解した。

ミステリーの中でも超合理的な犯人でないと追い詰められないロジック。
だからこその舞台設定、そしてそこに付け加えられたアリスの過去話。不条理な出来事から逃避するために、合理的なロジックの世界で繭を作ったアリス少年。20年近く経ってもまだ傷が癒えないアリス。この話は、表は超合理的にロジックで犯人を攻め立てる火村の話で、裏は容疑者達と再会して不条理な出来事を未だ消化してないアリスの話のように感じた。
最後、ちょっと救われて良かった。
そして美少女騒動はきっと後ほど火村に問い詰められたのだと思う(笑)

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2022年03月14日

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ネタバレ

結構前に出ているのに本なのにどうして読んでいなかったのか、と思いつつ開いて、納得。
あるYの悲劇、女彫刻家の首の二作品を他のアンソロジーで買い求めていたために手元に置いていなかったんだ。
でも、作家アリスファンとしては、本格ミステリとして以外のところでもスイス時計の謎は必読だった。

アリスの創作の原点についてはシリーズの中で何度か言及されているけれど、初出のダリの繭に続いてこの作品はとても重要な触れられ方をしてると思う。
アリス良かったね。泣きそうだよ。

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2019年10月01日

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ネタバレ

短編集……というか、短編+中編くらいの感じかな?
4作収録

以下抜粋して雑感

『あるYの悲劇』
とてもシンプルな「Y」というダイイングメッセージに解をつけて、それをちゃんと納得できるものにするのすごいなー
一方言葉の方のダイイングメッセージ「やまもと」、これについては検索してもそれらしいものが出てこないのだけど、本当に存在するのかしら?
「山崎 やまもと 読み方」あたりで調べてもいっこうに見つからないぞ!(笑

『スイス時計の謎』
作中やあとがきでも書かれているように、たったこれだけの条件で犯人当てが成立するなんて!という感動すら覚える
推理を知ったうえで思い返してみると「そりゃそうなるよな」ってなもんなのだけど、読んでいる途中ではもうそんな考えなんて微塵も浮かばないんだから参っちゃいますよホント
すごい、きれい、うつくしい、大好きです
読後感を、アリスが過去に思いを寄せていた女性とその後の行方、でまとめてくれているので、なんとも言えないしんみりした気持ちになれるのも良い

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2024年05月10日

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表題作を含め、『あるYの悲劇』『女彫刻家の首』『シャイロックの密室』の全4篇が収録されています。

『あるYの悲劇』
「あっ」と言いたくなる一文があります。
作中のロックに対する語りが面白かったです。悲劇といえば悲劇なのですが、ユーモアのある作品でした。被害者の父親が書いた『消えない蒙古斑を持つ地母神の偉大な臀部が一発の放屁とともに覚醒する朝』という芝居、一体どんな芝居なんでしょう。

『女彫刻家の首』
なぜ犯人は遺体の首を彫刻の首にすげかえたのか?
犯人は、最初の方で当たりがついたのですが・・・
最後の火村のセリフが印象的でした。『天の裁きだって? 神の御手のなせる業か。勝手なことをしてくれるじゃねぇか。裁いていいと、誰がてめ
ぇに言ったんだ』

『シャイロックの密室』
倒叙ミステリー。密室にした方法は?

『スイス時計の謎』
作家アリスの高校生時代の同級生が登場する作品。アリスの過去のトラウマになりそうな出来事が描写されています。シリーズ作品を読んだ方が、もっとよく理解できるようです。

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2023年11月02日

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安定の国名シリーズ。
本と同タイトルの「スイス時計の謎」は、さすが有栖川有栖氏といった内容になっている。
他の話も面白いが、短編で深掘りしづらいせいかトリックは分かりやすいと感じてしまう。。。

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2022年11月11日

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ネタバレ

第7弾
「あるYの悲劇」こんなことあるのか、と思うほど偶然の怖さを痛感する。犯人には同情の仕様がない。Yの血文字に被害者の執念を感じる。 「女彫刻家の首」描写が恐ろしいけど、首のない事情と動機が救えない。死んで償うは出来ないけど、天罰が下るにしても死は逃げ。 「シャイロックの密室」動機に同情はできるけど、トリックとかその後がひどい。火村先生も楽ちんだったのでは。 「スイス時計の謎」短編なのにそうは思えない濃密さ。追い詰め方が論理的過ぎて、周りが悔しそうでいたたまれなかった。読み応え満載。

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2022年10月09日

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なんと美しい論理…!
とは思いましたが、優等生クラブは腹が立つ…笑
オレがオレがの講釈がどうでも良すぎて、読み飛ばすところとちゃんと読むべきところが判断つかなかったな
でもほんと美しい論理でした。

女彫刻家の首が好きでした。

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2022年07月03日

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ダイイングメッセージ、首なし死体、密室もの、犯人あて。実にバラエティに富んだ短編集で本格ミステリもので楽しめた。

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2022年06月13日

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何回目かの再読。やっぱりこの中に収録されている話の中では表題作である「スイス時計の謎」が良いよなぁ。論理的な思考がたまらない。本書の解説でも書かれている「ロジックが世界を支配する本格ミステリ」は確かに人を救う可能性があると私も思う。

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2019年10月05日

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表題作の論理的に考えて、犯人はあなたである、という論法。何だか分かったようなわからないような。
反論できそうな気がするけど、うまい反論ができないから、論理的に正しいのでしょう。
ペルロ社のディプテロスか。興味あるなー。

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2018年04月28日

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ネタバレ

「あるYの悲劇」
インディーズバンドのメンバーが殺されて、壁に残ったYの字は誰を指しているのか、というダイイングメッセージを中心にした話。名前の読みの意外性と、きっかけの意外性が結構面白かったなー。ロックとエラリー・クイーンという作者の好きを詰め込んだ一作だなと笑

「女彫刻家の首」
ある女性彫刻家の首なし死体が見つかって、首がないことに犯人のどんな意図があったのか、と言うのを推理する話。これは割と途中で、ああ、そういうことか!とトリックを見抜けたのですが、火村せんせの気づきのきっかけはさすがだななどと感心するのでした。

「シャイロックの密室」
ある金貸しが、貸した金を苦に自殺してしまった人の家族に復讐されて死ぬところから始まる密室ネタ。お手製の木の閂で閉まる扉に閂がかけられて完全なる密室の中での自殺を装わせたにもかかわらず、犯人が残したわずかな痕跡から推理するというもの。簡単な道具で密室を作り上げるその発想がいいですよね。いやまあ、拳銃は簡単には手に入りませんけど…。

「スイス時計の謎」
これが圧倒的に面白くてすごかった。
アリスの同級生が殺される事件。殺されたのは当時スノッブな感じのグループを作っていたメンバーの一人で、そのメンバーでの同窓会の当日に殺された被害者。同窓会に参加するにあたって、みんな揃いの時計をしていくことにしてるんですが、現場からは被害者の時計がなくなっていて、これが事件解決の鍵になるんですよね。
最後の火村せんせの論理的な追い詰め方が超クールでかっこいいんですよ!その論理を、考え抜いてあるのがまたすごくて、そこが本当に面白かった。。
あと、そのメンバーのそれぞれの個性がまたよくてですね。犯人が追い詰められたあとの展開がまたとても熱かった。
ところで、そのメンバーとアリスは直接仲が良かったわけではないけど、高校時代のことを知っている人たちなので、自分の高校時代のことを思い出したりとかしてね。初恋の話とミステリを書き始めたきっかけが出てくるストーリーでもありました。非論理的な世界から逃れるために、超論理的な推理小説の世界に没入するっていうのはなかなか面白いなと。文章を書くことということについてちょっと考えたりしてました。
文調が明るいので、ちょっと意外な感じもしますけど、そういえば、人嫌いでしょう、みたいな指摘をされる話とかもあったなあ。

解説は太田忠司さんでしたね。太田さんも読んだことあるなー。なんだっけな…。

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2018年01月15日

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4編それぞれに特色があって、それぞれが面白かったけど、やっぱり「スイス時計の謎」が秀逸。
隙があるように見えて、実は隙の無い論理に身震いしました。

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2017年05月20日

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4話構成の短編集。

シャイロックの密室が私好みで一番面白かった。

スイス時計の謎は表題作とあって一番長い。被害者の時計が無くなってる謎を自分で推理できたらもっと面白かったんだろうなと思う。
私には出来なかった…

アリスの学生時代の話がチラッと出てきます。




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2023年10月09日

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ネタバレ

インディーズバンドマンのギターリストの死。
女彫刻家の首を切られての死。
金貸しの密室殺人。
有栖川の優秀な同級生の死。
の4本。
インディーズバンドマンはダイイングメッセージを読み解く。↓これは簡単だった。
金貸しの密室に磁石はちょっと無理矢理勘がある。
あとは、着眼点はミステリーぽいといえば、ミステリーぽい。

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2022年12月12日

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4つの短編集。それぞれ本格推理で楽しめる作品である。二番煎じ感は否めないが、有栖川有栖らしい作品である。

あるYの悲劇:有栖川有栖の小説を書き始めた理由が垣間見える。ダイイングメッセージもの。想像しやすい。

女彫刻家の首:題名通り首の無い死体の謎、なぜ首が無いのか?動機と機会と共に明らかにされていく。火村が神に対していった言葉が印象深い。この点は奥行きが深く考えさせられた。

シャイロックの密室:火村視点ではない作品。題名通り密室だ。シャイロックはベニスの商人に出てくる金貸しの名前で、職業は合致する。犯人の視点で新鮮だった。

スイス時計の謎:2年に一度の同窓会で事件は起こる。社会思想研究会のメンバーの証であるスイス製の時計が遺体から消えている。なぜ持ち去ったのか?犯人に行きつくまでの論理的思考の展開は面白い。青春時代の勘違い野郎の集いに思えてしまう。自分の高校時代を思い出してしまった。

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2022年09月20日

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ネタバレ

久しぶりに時間が取れたので一気読みできた~!うれしい!

「あるYの悲劇」
怪しい人はなんとなくわかったけど、Yの意味が分からなかったので、種明かしのときはおお~ってなった。
お父さんが書いたタイトルが衝撃的すぎてそれが一番記憶に残ってる(笑)
絶対話が合ったのにね……。

「女彫刻家の首」
これが一番好きなので、やっぱり私は余韻が残る終わり方が好きみたい。首を切った訳も納得。
最後の火村の悪態がとても心に残ってる。

「シャイロックの密室」
犯人視点だと火村の恐ろしさが分かるね。
ちょっと間抜けな展開にそんなのあり~!?ってなっちゃった。

「スイス時計の謎」
インテリたちが鼻についてしょうがないですね。
ロジックの展開は見事だけど、理解するのに一番時間がかかった。美少女って言われてたの笑った。
最後のアリスの言葉が印象的。よかったね…!

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2022年06月28日

Posted by ブクログ

ミステリーの王道ともいえる題材を扱った短篇・中篇が読める。
表題作では火村の語る腕時計に纏わるロジックに感服した。
被害者が遺したダイイングメッセージを解読したり、死体の頭部が彫刻の首とすげ替えられた理由を探るのも面白い。
倒叙ミステリーもあり、盛り沢山な内容だった。

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2022年01月16日

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ネタバレ

(中編)国名シリーズ7火村&有栖シリーズ13
目次
あるYの悲劇 
女彫刻家の首
シャイロックの密室 
スイス時計の謎

あとがき
文庫版あとがき

解説 太田忠司
解説と、ものがたりのラストが、ありがとう、揃いなのが狙ってのことだと思うけど素敵。

作品の中の有栖川さんを救った小説という繭、原因になった初恋の君にも届いていたらしいことがわかって、スランプから脱せた、ありがとう。

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2022年03月11日

Posted by ブクログ

作家アリス国名シリーズ短編3+中編2。トリックは手堅いが今回は全体的に印象が軽いのはこの形式で収録されているせいか。初めから読んでいる身としては以前にさらっと語られてた2人の出会いのエピソード「あるトリックの蹉跌」は嬉しい。原稿途中で犯人を当てる火村先生の組み上げ方が面白い。表題作は倒叙物で犯人視点が新鮮。「船長が死んだ夜」「トロッコの行方」は安定して綺麗に纏め上げられていて好み。最後に新たな視点が示される前者とある意味暴走の果てな後者。ある意味真逆なんだけど。

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2021年08月05日

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ネタバレ

作家アリスシリーズの短編集の中でも、この作品は割と正統派のミステリだった。
4話入ってるけど、表題作の「スイス時計の謎」がほぼ半分を占める中編。
やっぱり当たり前のようにアリスにお誘いの電話を掛けてくる火村センセは謎。ほとんど精神安定剤なんじゃないか。

有栖川さんの短編はいつも質が高いとは思うんだけど、短編として成立させるべくミステリの不可欠要素を最優先で残して構成されていて、でも省略したであろう一見無駄な描写(アリスと火村の下らないやりとりとか)が物語に豊穣をもたらすのだから、つまり、長編読みたい!(笑)

・あるYの悲劇…Yと読めるダイイングメッセージが鍵となった話。書き順と書かれた場所からの類推は非常に論理的で気持ち良かった。
「山崎」で「ヤマモト」と読む名字は知らなかった。
冒頭で、アリスが街で目にしたティッシュ配りの若者から事件を思い出した訳だけど、その思い出す要因となったエピソード(犯行時間浜本がティッシュ配りのバイトをしてたのにアリバイを立証できなかった)が薄すぎて笑った。

・女彫刻家の首…首無し死体は大抵、首に何か犯人を仄めかす証拠が残ってるから持ち去られたと考えるのがセオリーで、凶器や死因を探られないためじゃなければ何なのか、ってところが見どころ。
あとがきにあるように、彫刻家でなければならない理由が弱いかも。
あと、被害者がイマイチどんな素材の彫刻作ってたのかよく分からなかったけど、住宅地にアトリエを構えるのは近所への気遣いが足りないかなぁと思った。

・シャイロックの密室…倒叙モノ。強力な磁石は扱いが難しそう(昔指を挟んで痛い思いをしたことがある)。
関係ないけど犯人の性別が最後まで分からなかった。

・スイス時計の謎…撲殺事件の現場に(火村に呼ばれて)駆けつけたアリスは、被害者が高校の同級生だったことに気付く。目立つ存在だった6人が卒業後も定期的に会っていて、被害者が殺されたのはそのプチ同窓会の催された日だった。
事件解決の糸口は、例によって火村の重箱の隅をつつくような細かすぎる推理なんだけど、容疑者でもある彼ら同級生とアリスとが再会することで絡んでくる高校時代のエピソードの方を面白く読んだ。
高校時代のアリスの想い人が恋文を渡したその日に自殺未遂を起こしたという話はここが初出じゃないけど、大人しくてパーソナルスペースの広い今のアリスの人格を形成した重要な挿話だと改めて思う。小説家になったアリスへの同級生の反応なんかもリアルだったし、アリスの小説家という仕事への思いも知れて、キャラ好きには楽しい作品だった。彼女が自分の小説を読んでたことが分かって、アリスの傷心もちょっとは癒やされたみたいで、良かった。

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2021年05月04日

Posted by ブクログ

ロジックを重視した謎解きの短編集。表題が謎は単純だが本格派としてはいい出来かも。スイス時計のことに頭を集中させればいい。まあ、結構分かってしまったんだけど。ただ、物語を読む楽しさがなあ。はっきり言って、ストーリーテラーとしての面白さは薄い。有栖川有栖はそういう感じかな。

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2021年01月08日

Posted by ブクログ

作家アリスの国名シリーズ7作目。
4編の短編からなる物語。
結構本格派が多かった。
動機は何であれ殺人は良くないよって話。

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2020年12月04日

Posted by ブクログ

順番に借りたのにマレー鉄道より先に読んでしまった。

中編ということで少し長めの4篇。
表題作が一番長いが一番印象的なのは一番最初のyかなぁ。スイス時計は謎解きで少し???ってなってつまづいた

2020.8.15
75

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2020年08月16日

Posted by ブクログ

バンドのメンバーが殺された。壁にはダイイングメッセージが―あるYの悲劇
なぜ被害者の首は彼女の作品の彫刻のそれとすげかえられたのか―女彫刻家の首
強欲な男が殺された。完全犯罪のはずだったが―シャイロックの密室
被害者も容疑者たちもすべてアリスの高校時代の同窓生だった。火村はロジックのみで殺人者を追い詰めるースイス時計の謎
以上4本の短編集。

1本目と4本目が好きです。2本目がなるほどなーというカンジ。3本目はなんだか消化不良。
3本目は犯人の目線から事件を追うものなのですが、まぁ、視点がかわっているがゆえにその描写にどれだけ信頼をおいてよいものか。読んでると犯人目線にはいりこんでしまってどこかに計画の瑕疵があるはずなのに見えなくなる気がして、呑み込みづらいと言いますか。
4本目は論理がはりめぐらされすぎてて、一回目ではついてけなくなって、2回目読もうと思いながらも読まないままに。
推理小説なのであまりいろいろかきづらいですが、「その描写いる?!?!」って毎回思うやつがありますね。ま、それにうまく幻惑されてしまうということは、「いる」んでしょうね。くくくぅ・・・・

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2017年11月22日

Posted by ブクログ

短編集。
▼「スイス時計の謎」
確固たる証拠があるわけではない。
現場の状況、犯行の隠蔽工作がなされた痕跡、事件前後の関係者たちの行動。
そして、彼らがかかえるそれぞれの個人的事情。
すべてを論理的に組み立てていく火村。
消去法によって容疑者候補がひとり、またひとりと消えていく。
残された人物しか犯人でありえなくなるのだ。
彼ら仲間にしかわからない誇りと矜持。
哀しい結末だったが、思いがけない動機とともに仲間であるからこそ負けたくないという思いもわからないではなかった。
何となく切ない気持ちになったのは有栖川の初恋の人に関する描写だった。
空港での偶然の再会。
交わされた会話とも言えないような短いやりとり。
そして友人から聞かされた彼女の近況。
有栖川の推理小説を読んでくれていたという事実。
感想まで聞くことができた。
幸せでいてくれれば…と願う有栖川の気持ちが切なく伝わってくるエピソードだった。

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2017年04月22日

Posted by ブクログ

4つのお話。

最初の『あるYの悲劇』に、あれ? と。
しかしあれとこれとは別の話。
Yが出てくるだけ、でした。
犯人にしても、ふたを開けてびっくり、な状態。
ひねりもなく、ストレート。
ただし、そこに気が付けば、ですが…。
これ、ネタにしていると言う事は
本当にいる、のですよね??

女彫刻家の首、ですが、機転を利かせたな、と
犯人に驚きです。
しかもあの最後。
物語としては、あの台詞は頷くものがありますが
現実ならば、彼の台詞に納得です。
裁くなら『納得のいく自分』の現実を。

シャイロックの密室、はあだ名の時点でなるほど、と。
あの商人の話は知っていますが、名前までは。
犯人視点だったので、いつどうばれるのか、と
びくびくでした。

表題『スイス時計の謎』のロジックに驚きです。
読んでいて混乱しましたが、確かにこうなります。
条件を付けて解いていくミステリーですが
こうも分かりやすくなると、理解が早いです。

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2016年05月12日

Posted by ブクログ

ロジックはすごいと思ったけど、論理的に攻められると何回も読まないと理解できないので(笑)。
謎解きはあと3回は読み返して理解したい。
スッキリしたい!(笑)

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2019年05月29日

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