あらすじ
ついに読める! 火村英生 幻の事件
都市伝説“砂男”を調べていた学者が刺殺された。
死体にはなぜか砂が撒かれていて……。
奇怪な殺人事件に火村とアリスが挑む表題作など、
これまで雑誌掲載のみとなっていた幻の〈火村シリーズ〉2作をはじめ、
〈江神シリーズ〉やノンシリーズの貴重な作品6編が一冊に!
すべて単行本未収録。
江神二郎と火村英生が一冊で競演する、贅沢なミステリ作品集。
【目次】
女か猫か(☆)
推理研VSパズル研(☆)
ミステリ作家とその弟子
海より深い川(★)
砂男(★)
小さな謎、解きます
☆……江神二郎シリーズ
★……火村英生シリーズ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
単行本未収録作品の短編集。江神シリーズ2作、火村シリーズ2作、ノンシリーズ2作でちょうどいい。2話目の「推理研VSパズル研」の、パズル研が出題した謎に対する、推理研側が考察した物語が面白かった。
Posted by ブクログ
ファン垂涎の未収録ミステリ6編!
その名の通り。あとがきも楽しめた!
時間を経て、学生アリスへの作者の父親のような温かな視線がいい。マリアのこと大好きだだ漏れなのもいい笑
Posted by ブクログ
単行本未収録の作品群。中でも私は 推理研VSパズル研 と、ミステリ作家とその弟子 が興味深く読めました。自分は考えている途中経過を知ることが好きなのかなと思いました。
Posted by ブクログ
有栖川有栖ファンのための一冊という感じで、満足度高い!(つまり有栖川有栖初読みって人には、微妙かも…)
やっぱり作家アリスシリーズ最高だな。もうね、火村&有栖川コンビのやり取りを読んでいるだけで楽しいのよね。
学生アリスシリーズは少し仲間に入れない気分(?笑)だけど、『推理研VSパズル研』がおもしろかった。
最初青い目と緑の目のパズルの解説がちんぷんかんぷんで、「え?これみんな分かるの??」と焦ったけど、まぁたぶん理解できた 笑
これが作中で言っていた“実際は推理について行けず、ぽかんとする人”なんだな。
あとね『ミステリ作家とその弟子』を読んで、芥川龍之介の『桃太郎』をオーディオで聞いてみた。これもおもしろい。
最後の『小さな謎、解きます』も好き。別の短編集を読んだ時も思ったけれど、JTで発表した作品がすごく短いのにとてもおもしろくて好みだ。
あー次、作家アリス・学生アリスの新作を読めるのはいつなんだろうか。
Posted by ブクログ
どの短編もおもしろかった!
有栖川ファンなら読んでおいて間違いない一冊。
最後の短編が日常ミステリで、探偵と、甥っ子の距離感がよく、続きが読みたいなと思った。
Posted by ブクログ
有栖川作品のなかで、トップクラスに良かった。
どの短編も納得できて、緻密で、意外性もある。ミステリとしての論理的骨格と、ストーリーとしての肉付けのバランスがすごくいいのが有栖川先生の好きなところ。本作は特にそれが際立っているように思った。
唯一「女か猫か」は刺さらなかった…
国名シリーズよりも好きかも?最近やや遠のいていたけどまた有栖川作品を読みたくなってきた。
Posted by ブクログ
どれも面白かったけどどれも今まで世に出てなかったのもなんかちょっとわかる気もする感。
ミステリ作家とその弟子
海より深い川
この2つが面白かったな。
江神と火村両方一気に読めるお得感あり。
2025.7.16
146
Posted by ブクログ
単行本未収録作品を集めた短編集だという事だが、古いものがある。
「海より深い川」と「砂男」がそれ。
どちらも、法令や社会情勢が変わったり、発表時期を逸するうち、他の作品にアイデアを流用してしまったもの。
そういう背景をお伝えした上で読んでいただくことにしたということ。
あとがきに作者も「『砂男』は、いかにも有栖川有栖が書きそうな話!」と書いているが、私もそう思う、満足な読後感でした。
【女か猫か】江神二郎シリーズ
有馬麻里亜(ありま まりあ)が持ち込んだ謎。友達のガールズバンド内の、一人の男性をめぐる、あれこれ。
【推理研vsパズル研】江神二郎シリーズ
アンソロジー『神様の罠』で既読。でもいまだに青い目と緑の目のパズルの説明がよく理解できない・・・
【ミステリ作家とその弟子】
・刑部慶之助(おさかべ けいのすけ)59歳、ベテラン作家。最近スランプ気味
・御堂清雅(みどう せいが)25歳。今時珍しい内弟子。1年前に、どうしても、と押しかけてきた。小遣いをもらう程度で、今まで刑部の妻・萌子がやっていた雑用も一手に引き受けた。萌子は楽になり、刑部も重宝しているが・・・
御伽噺の分析が面白かった。
【海より深い川】火村英生、作家アリス
大阪湾で発見された2体の死体を「海より深い川」という言葉が結びつける。
【砂男】火村英生、作家アリス
「砂男」という都市伝説が子供たちの間で広まっている。
眠ったきり目が覚めないというのは、子供心にもとても怖いに違いない。
【小さな謎、解きます】
樋間直人(ひま なおと)28歳。定職につかずブラブラしていたが、祖母が占いの館を引退するにあたり、後の借り手がつかなかったため、何でもいいから商売をしなさい、と物件を託したのだ。
直人はそこに『街角探偵社』を開く。お客が来ないので、「小さな謎、解きます。お気軽にご相談ください」と書き足した。
Posted by ブクログ
学生アリスと作家アリスが1冊で…!
短編に入れる予定だったのに法律が変わってしまったり、長編に書き換えようと思っていたが社会情勢が大きく変わってしまい書き換えたれなかったりした作品が入っているそう。
個人的には、「推理研VSパズル研」が好み。
パズル研から出されたパズルにただ答えるのではなく、そこから推理研らしくミステリ調に物語を作っていく。
物語ってこうやって作っていくのかなとワクワクしながら読みました。
Posted by ブクログ
火村アリスだったり江神アリスだったりオリジナルだったりいろんなお話が入ってる短編集。先日読んだトリビュート本がまさにそういう感じだったので、本作を読みながら「これはオマージュ・・・ではなく本人が書いた奴だ」とちょいちょい頭がバグった。いやだって江神アリスの供給ペースを考えたら・・・・ねえ。
おもしろかったんですけどね。なんていうかもう江神アリスのあの推理研の面々のやりとりをまた読めただけで感涙ものです。それだけで評価をがっつりあげたくなっちゃう。新作長編ホントに待ってます。まあそれだけでなくても作品自体もとても面白かったんですけどね。推理パズルにストーリーを考えるのとかもうたまらないです。
それと前書きで空閑純の名前を確認できたことにもちょっとびっくり。なんとなくですが、失礼ながら有栖川さんの中でもう「なかったことになってる」シリーズかと思ってたもので・・・こっちの新作も期待していい・・・でしょうか?
Posted by ブクログ
未収録作品集。
学生アリスは、謎に対してみんなでわちゃわちゃ取り組むのがいいですね。いかにも青春の1ページという感じで。
作家アリスは、時代を感じさせるものの、いつものキレ味が素敵です。
ノンシリーズものは、有栖川ミステリの魅力を凝縮させた趣が楽しい。
様々な味わい楽しめる贅沢な一冊でした。
Posted by ブクログ
学生アリスと作家アリスが一冊に収録?! いつにも増してパズラーを楽しめるミステリー短編集 #砂男
■きっと読みたくなるレビュー
有栖川有栖先生の単行本未収録作品集です。人気シリーズの学生アリスと作家アリスが同じ一冊に入っているなんて珍しいですね、というかこれ以外にあるのかしら。
いつものとおり謎解きが面白い! 特に本作はエモさやエンタメよりも、パズラーって作品が多めですね。しっかりと楽しませていただきました。大ベテラン大御所先生ですが、これからも楽しい作品を期待しております。
●女か猫か(学生アリス)
マリアの友人である女子バンドメンバーたちが、推理研に密室問題を持ってくる。
バンドブームとかあったなぁ、懐かしい… 思わず大学生に戻りたくなりました。謎解きの根拠を読むと、わかるーって思ってしまった、我が家でもあるあるです。
●推理研VSパズル研(学生アリス)
同大学パズル研の呑み会と同席した推理研メンバー。パズル研から謎解き問題を出され、全員で挑むことに…
アンソロジー神様の罠で読んでましたが、再読しても面白い。よくある論理クイズを解きつつ、さらにミステリーの物語をつくってしまうという… ミステリオタクの変態っぷりをあますところなく味わえますね。
やっぱり学生アリスはいいなぁ、自身の青春時代を思い出してしまう。仲間たちの会話が楽しいし、キャラがみんな可愛いんですよね。
●ミステリ作家とその弟子(ノンシリーズ)
ミステリー作家が師匠となり、住み込みの弟子にミステリーの書き方を指導をするお話。
作家の師匠と弟子という、ありそうでない設定がおもろい! ミステリー作品談義がこれまた変態的で面白いんすよ。興味のない人が聞いたら、全く役に立たない内容ばかりなんだよね。また童話をミステリー化させる考察は、興味深かったですね。
●海より深い川(作家アリス)
あるカップルが殺害された。生前二人は「海より深い川を渡った、渡らない」といった会話をしていたという。果たしてどういう意味があるのか…
ヒキが強い言葉ですよね、海より深い川とはどういうことなのか? 作家アリスらしい謎解きミステリーです。どの作品もなんですが、作家アリスはラストの引き際が好きなんすよー 短いお話の中にもエモさが光ります。
●砂男(作家アリス)
都市伝説を調べていた大学教授が殺害された、死体には破壊された砂時計の砂が撒かれており…
おもろいっすねー、かつて流行った口裂け女なんて懐かしい。そうそう、あれって岐阜県が始まりなんですよね。私、愛知県なんでよく知ってます。都市伝説というテーマ性、それに付随する登場人物の人間性がよく出ていて好き。また砂の謎についても、独特の品性みたいなのが出てるんだよね。
●小さな謎、解きます(ノンシリーズ)
商店街にある小さな探偵事務所〈街角探偵社〉 今日もお金にならないささやかな相談事で賑わう。
キャラの可愛さが良いですね~、健斗くん。妙に電子タバコのイメージつけるよなって思ってたら、あとがき読んで納得しました。
Posted by ブクログ
江神あり、火村あり、ノンシリーズありのバラバラ短編集。楽しかった。久々にアリスのブルーバード見たな!
江神もの短編が比較的最近のものであるのに比べて、火村ものが短編集に収める時期を失ってたものというのもあり、わりと時代を感じさせるもので、そこにあべこべ感があって面白かった。昭和ガチ末期平成初期から時代動かない江神ものに対して、火村ものは平成から令和まで時代を生きながら34歳をキープするという、サザエさん時空というよりはもはやコナン時空のような世界だけど、これは昔の火村先生を今見てる感じで面白い。
『女か猫か』
アリスが可愛すぎてもう。なんてかわいいんだアリス。かわいい男子大学生代表だよアリス…。マリアの信長さんへの思いやりもまた良い。結末も良い。すでに懐かしい…っていうのもわかる。思い出がたくさんの大学生いいな。
『推理研VSパズル研』
モチ&信長の推理研凸凹コンビも大好き。謎に対決方式にしちゃう2人、いい。お互いの女の子の趣味についてわかり合ってる友情も面白いけど「風邪をひきかけてるみたいな声」がツボってのもなかなかニッチな…。
青い目と緑と目のパズルは知らなかったけど面白いな。子どもに出してみよう。
『ミステリ作家とその弟子』
ウサギとカメの話面白かった。以前謎屋珈琲店のイベントで有栖川先生が話してらしたハリウッド版桃太郎の話を思い出した。
作家の考えることってほんと面白いな…。
『海より深い川』
法改正のために短編集に入れなかったという話だったけど、それを聞いて東方新聞の因幡さん、登場して結構長いんだな…と思った。
有栖川作品、たまにこういうアイデアの作品あるけど、いつも上品にまとまるので安心感があるし、そこが好き。
『砂男』
久々のブルーバード登場。さすがにね…もう出せないよね…。とここに時代を感じた。ブルーバード現役時代かぁ。私は個人的に教員と学生の恋愛は大学であっても無理派。年齢差もあるけど、成績つける人とつけられる人の間ではね。
『小さな謎、解きます』
この探偵さんの短編集読みたい!なんという愛らしい話。テネシーワルツをエンドレスで聴きたい。
Posted by ブクログ
2025年。
江神二郎と火村英生が一冊で競演。どこかで発表された短編をまとめた一冊。
「女か猫か」江神二郎シリーズ。ガールズバンド+作詞男子の恋の行方。
「推理研VSパズル研」江神二郎シリーズ。そのまま対立。
「ミステリ作家とその弟子」おしかけ弟子の魂胆。
「海より深い川」火村英生シリーズ。男と女の間には~ 昭和の名曲。
「砂男」火村英生シリーズ。口裂け女の後継。
「小さな謎、解きます」祖母に店を譲られた孫の職業。
Posted by ブクログ
出だしでえっアリス?とびっくり。後書きで別人格ですに納得。海より深い川が案外世の中にある出来事なんじゃないか!?と思うテーマでしたね。江神さんシリーズは読んだ事ないですけど一度見てみようかなぁ。
Posted by ブクログ
初めて読んだ作家
6編の作品だけど最初の2編の学園関係は退屈で最後まで読むのをやめようかと思ったくらい
何だかタラタラとして
ミステリーっぽくない
次の2編は面白かった
でもこのトリック
どちらもどこかで読んだ記憶があり
新鮮味が感じられなかった
Posted by ブクログ
楽しみにしていた一冊をようやく読めた。楽しかった! 江神シリーズ二編は雑誌で既読だが、忘れていた(「早くね?」とおもったが4~5年が経っていて驚いた)のでワクワクした。江神シリーズや火村シリーズに通じていないひとにシリーズの魅力が伝わるかは好み次第という感じ。ただ、著者みずからが言うように有栖川有栖作品の味は濃く、存分に堪能できそう。これは良し悪しではなく、ただの好みの話。もしピンと来なかったかたがいたら、ぜひシリーズ一色に染まった長編や短編集を読んでみてほしい。旅情溢れる『マレー鉄道の謎』なんていかが?
Posted by ブクログ
寄せ集め感は否めないが、江神さんと火村助教授(准教授)を同時に読めるのは、なんとも贅沢で得した気分である。
特に江神シリーズは、なかなか新作が出ないので、久しぶりに会えて嬉しかった。
シリーズ外の2作品は、それぞれおもしろかった。
「ミステリ作家とその弟子」では、単なる童話も捉え方次第で、様々な姿をみせてくれることがわかり、とても興味深い。
作家の発想の豊かさのおかげで、私も豊かな気持ちになれた。
「小さな謎、解きます」は、もっと内容をふくらませて、1冊の本にしてほしかった。
とても楽しい設定だと思う。
いつも的外れで、存在意義に疑問を持っていたアリスが、珍しく勘を働かせ、解決に一役かっていた。
いうもこれぐらい頑張ってくれるとよいのになぁ。
2025/06/12 09:47
Posted by ブクログ
江神二郎と火村英生が1冊で出てきてお得、だけどファン向け。酷くもないけれどめちゃくちゃ面白い短編があるわけでもなく、60〜70点くらいが続く。
一番よかったのはノンシリーズの『ミステリ作家とその弟子』だった。幻の作品収録といえば聞こえはいいけど、寄せ集めだからこんなものか……。
Posted by ブクログ
あとがきを読んでなるほど…。
(先に読んでからでも楽しめたかも知れない)
同じ作者でも、それぞれ違うシリーズ・年代の作品をまとめるとなると、構成や順番決めだけも大変なんだなぁ…。
そもそも大分前の作品『砂男』を表題作として、なぜ現在アンソロジーとして出したかったのか?
⇒大阪絡みだろうか?編集部絡みか?
■江神シリーズの大学生アリスと、
■火村シリーズの小説家アリス
アリスが別人格というのは有栖川作品初心者の私は知らない設定だったので、予備知識として知れて良かった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1.女か猫か【2021.5オール讀物】
2.推理研VSパズル研【2020.7 オール讀物】
3.ミステリ作家とその弟子【2023.7 オール讀物】
4.海より深い川【2004.5 小説NON】
5.砂男【1997.1~12 大阪人】大阪21世紀協会
6.小さな謎、解きます【2018.12 JTウェブサイト】
『ミステリ作家とその弟子』の不穏な終わりかたが良かった。『砂男』は都市伝説絡みまでは興味深かったけど、殺人動機が少し短絡的すぎた。
Posted by ブクログ
単行本未掲載作品を集めた短編集。ミステリ作家がどのようにトリックや推理を構築しているのか?を伺いしれるような作品があったり(気のせい?)楽しめました。江神、火村両シリーズに登場するアリス(同一人物ではない)の醸し出す雰囲気が好きです
Posted by ブクログ
単行本未収録作品って、実際満を持して読むとなんとなくお察してなるものですが、この未収録作品短編集もそんな印象。
殺人事件扱ってるのは3作。
江神シリーズ2編、火村シリーズ2編、ノンシリーズ2編。
「女か猫か」
江神シリーズの日常系ミステリ。
長編ではおおがかりな事件に巻き込まれがちなミス研も短編だとつつましい事件に。
2021年初出だからそこまで古くない作中。
「推理研VSパズル研」
パズルもミステリも好きなのでそんな違うものかなとちょっと思う。
パズル研から出された問題をみんなで解く、学生らしいアリス達が見られる。
「ミステリ作家とその弟子」
ノンシリーズ。
有栖川有栖の創作方法垣間見えたり。
前2作の流れで日常系かなと思いきや……という感じ。
「海より深い川」
火村シリーズ。
2004年なので作中と現在で法律が変わってしまった故に収録されてなかった作品。
と説明先にされるのでちょっとネタバレしてる。
意外と因幡と2人で会ったりしてるんだな、アリス。
「砂男」
一番古い97年の作品。
火村先生が助教授だった頃懐かしい。
都市伝説に関する事件。
長編化しようとしていただけあって、なんか要素が多いなという印象。
アリスが金縛りにあったりホラーチックに始まったわりにそうでもなく。
火村先生が社会学者界隈でどんな感じなのか垣間見える。
「小さな謎、解きます」
ノンシリーズ。
探偵事務所に来るタイトル通りの小さな謎の話。
加熱式煙草の宣伝なのでそんな感じのちょっとした小咄という感じ。
Posted by ブクログ
火村シリーズ、江神シリーズ、ノンシリーズの単行本未収録作品を集めた短編集(表題作は中編?)。
時代の変遷を感じさせるものもあるが、ノスタルジーと思えばそれもまた味わいがある。
「女か猫か」(江神シリーズ)
女性メタルバンド+作詞担当の黒一点の微妙なバランスを崩壊させかねない密室事件。
アリスもマリアも分からない謎を、同じビデオを見た江神が一度で解いてしまうところはさすが。
「推理研VSパズル研」(江神シリーズ)
頭の体操に出てきそうな、奇妙な掟がある村で起こった問題をパズル研究会から出された推理研究会の織田と望月。例によって江神に泣きつくことになるのだが、もちろんあっという間に解いてしまう。答えも正しく頭の体操。
だがここからが推理研。ただ答えを出すだけにとどまらず、その村の背景まで推理を始める。パズル研に呆れられながらもああでもないこうでもないと盛り上がるのが学生アリスシリーズらしくて楽しい。
「ミステリ作家とその弟子」(ノンシリーズ)
本筋はシンプル。作家とその弟子の不穏な関係がそのまま結末に至る。
だが途中にある、童話をミステリに仕立てる論議が面白かった。作家さんの真骨頂。『うさぎとかめ」がこんなブラックミステリーになるとは。
「海より深い川」(火村シリーズ)
『海より深い川』という謎めいた言葉を残して亡くなった男。もう一人、殺害された女性の自宅では、その直前に4人の男女が言い争っている声を聞かれていて、その中にやはり『海より深い川』という言葉があったという。
時代を感じさせるが、だからこそ起きた事件とも言えて、そこが堪らない。文学的でもあり哀愁も感じる。
「砂男」(火村シリーズ)
都市伝説の研究をしていた大学教授が、都市伝説の『砂男』の話を準えたーズ、江神シリーズ、ノンシリーズの単行本未収録作品を集めた短編集(表題作は中編?)。
時代の変遷を感じさせるものもあるが、ノスタルジーと思えばそれもまた味わいがある。
「女か猫か」(江神シリーズ)
女性メタルバンド+作詞担当の黒一点の微妙なバランスを崩壊させかねない密室事件。
アリスもマリアも分からない謎を、同じビデオを見た江神が一度で解いてしまうところはさすが。
「推理研VSパズル研」(江神シリーズ)
頭の体操に出てきそうな、奇妙な掟がある村で起こった問題をパズル研究会から出された推理研究会の織田と望月。例によって江神に泣きつくことになるのだが、もちろんあっという間に解いてしまう。答えも正しく頭の体操。
だがここからが推理研。ただ答えを出すだけにとどまらず、その村の背景まで推理を始める。パズル研に呆れられながらもああでもないこうでもないと盛り上がるのが学生アリスシリーズらしくて楽しい。
「ミステリ作家とその弟子」(ノンシリーズ)
本筋はシンプル。作家とその弟子の不穏な関係がそのまま結末に至る。
だが途中にある、童話をミステリに仕立てる論議が面白かった。作家さんの真骨頂。『うさぎとかめ」がこんなブラックミステリーになるとは。
「海より深い川」(火村シリーズ)
『海より深い川』という謎めいた言葉を残して亡くなった男。もう一人、殺害された女性の自宅では、その直前に4人の男女が言い争っている声を聞かれていて、その中にやはり『海より深い川』という言葉があったという。
時代を感じさせるが、だからこそ起きた事件とも言えて、そこが堪らない。文学的でもあり哀愁も感じる。
「砂男」(火村シリーズ)
都市伝説の研究をしていた大学教授が殺され、都市伝説の『砂男』の話を準えたかのように遺体に砂をかけられた状態で発見された。犯人は本当に『砂男』?
中編らしく、話としてはシンプルなのだが怪しい人物が次々現れたり、被害者の過去の問題が浮上したりと楽しませてくれる。
だが最後はやはりセンチメンタル。このあたりが私がアリスシリーズが好きな理由かも知れない。
「小さな謎、解きます」(ノンシリーズ)
樋間直人(ひまなおと、「こ」を足せば「ひまなおとこ」になる)が営む『街角探偵社』に持ち込まれる、本当に『小さな謎』。
だがうがった見方をすれば、小学生の健斗が黒幕っぽくもある。彼が大きくなって、直人とバディを組む話も読んでみたいような。
Posted by ブクログ
【収録作品】
前口上
女か猫か…江神二郎シリーズ(学生アリス)
推理研VSパズル研…同上
ミステリ作家とその弟子
海より深い川…火村英生シリーズ(作家アリス)
砂男…同上
小さな謎、解きます
あとがき
あとがきでそれぞれの短編の成り立ちのようなことが語られていて興味深い。
Posted by ブクログ
学生アリスと作家アリスの両方が堪能できる短編集!
「女か猫か」
いや内容よりも待って、アリスってそんなにもマリアのこと思ってたの!?!?!?!?!紡ぐ言葉すべてが美しくて重い……ほんま尊いっす。
「推理研VSパズル研」
別のアンソロで読んでいたから再読なんだけど、よくもまあこんなことを思いつくのだと感嘆する。
いいなー瑞々しい学生生活。
「ミステリ作家とその弟子」
こちらも再読。ウサギとカメの別視点での話、すごく面白かった。オチは失速だけどいいのよ、これが読めただけで。千夜一夜物語とは言い得て妙。
「海より深い川」
そういうこと!?って新鮮に驚き。珍しくスピーディーに解決したわ。アリスの一言が火村の役に立って嬉しい。
「砂男」
表題作。やっぱ有栖川有栖のなにが好きって余韻がある終わり方よ。
「小さな謎、解きます」
さくっと読めるほのぼのミステリー!微笑ましい作品でした。
Posted by ブクログ
アリス、火村、江神豪華なお話の詰め合わせです。
JTで発表されていた短編も読めて満足です。
煙草が吸いたくなります...
色々な世界観を少しずつ摘んでいくような感覚でした。
Posted by ブクログ
学生と社会人と両方のアリスが一冊で読める!
ってだけで私的には満足確定。
学生アリスの2編は日常の謎系。
モチ先輩と信長先輩にマリアも加わって
江神さんに答えをもらう前に
あーでもない、こーでもない、と論議。
サークル同士らしいワチャワチャ感が好き。
火村先生の2編では表題作より
『海より深い川』のほうが好みだなぁ。
事件現場から聞こえた会話から推理された
真相の余韻が哀しい。
ノンシリーズの2編のうち
『小さな謎、解きます』の雰囲気は
ジュブナイルに向いてそうと思ったら
JTのサイト用だったのですね。
短くて読後感もかわいいお話でした。