有栖川有栖のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
完全には閉ざされてないけど、人里離れた雪山の山荘というクローズドサークル!
この閉塞感の中で進むミステリーがたまらなく好き。
館・雪・「あなたが犯人です!」という大好物三拍子が揃った、王道の本格ミステリー。
スウェーデン館に住む、あざらしのような体型の童話作家と美しいスウェーデン人の妻ヴェロニカとその両親。
さらにはペンションのオーナー家族に他の招待客たち。
自分はトリックに重きを置かないので、彼らのどこか訳ありの空気と会話だけで、事件が起きなくてもずっと読んでいたいと思った。
今回は火村の登場はだいぶ後になってから。
火村は子どもへの接し方も優しくて魅力的。
どこまで完璧なんだと思って -
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Posted by ブクログ
濱地健三郎の霊なる事件簿、濱地健三郎の幽たる事件簿、濱地健三郎の呪える事件簿に続く4冊目の短編集(先生、漢字が読めません)。
今作も心霊探偵濱地「ボス」(語り手の助手が上司をこう呼ぶ)が心霊現象を解決します。
事象が発生する法則や理由を調査し推理するのは探偵的だけど、解決するために対象に寄り添う姿はどちからというとセラピスト。(黒猫と旅する女とか正にそう。)真相を明らかにするだけでは事象は収束しない。ということは並の探偵以上に働いてるということなのでは…。
『湯煙に浮かぶ背中』はゆるい真相に脱力した後ほっこりする、このシリーズらしい作品。落語でこんなお話がありそう。(そういえば作者さん、お風