有栖川有栖のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『猿の手』という名作怪奇小説が出てくる。
三つの願いを叶える、干からびた猿の手。
ただし、願いには思わぬ結末が待っている…。
読んだ側に想像させる余白が残されていて、とても面白い話。
その『猿の手』を火村がミステリとして読み解いていく。こんな読み方ができるのか!と、さらに物語が面白くなった。
原作も読んだので、それはまた違うレビューで。
さらに、1974年の別府3億円保険金殺人事件も出てくる。こんな劇場型犯罪事件があったとは。こちらも興味深かった。
古典小説や実際にあった事件も絡まって、ミステリへと繋がっていく。
この混ざり具合が巧みで面白い。
そして『捜索線上の夕映え』の高柳真知子刑事(コマチさん)は、この作品が初登場だったんだとニヤリ。
催眠術を犯罪に利用できるのか?
そういえばコロンボには催眠術を使った犯人がいたよな…。
はたして今回の犯人は…。
『妃は船を沈める』『猿の左手』『残酷な揺り籠』。どれも読み終えてから、タイトルがじわじわ効いてくる。
★4.5 -
Posted by ブクログ
短編で不思議な話や心温まる作品などたくさん入っていて楽しいアンソロジーでした。
作品の色が出ていて読んでいて楽しかったです
飛び出す、絵本 恩田陸
十一月の約束 本多 孝好
招き猫異譚 今江祥智
白ヒゲの紳土 二階堂黎人
本屋の魔法使い 阿刀田高
サラマンダー いしいしんじ
本棚の片隅から 柴崎友香
読書家ロップ 朱川 湊人
バックヤード 篠田 節子
閣魔堂の虹 山本 一カ
気が向いたらおいでね 大道珠貴
さよならのかわりに 市川 拓司
メッセージ 山崎 洋子
迷宮書房 有栖川有栖
本棚にならぶ 梨木香歩
23時のブックストア 石田衣良
生きてきた証に 内海隆一郎
The Book Day 三崎亜記 -
Posted by ブクログ
ネタバレありきたりな犯人ではあるがフロートカプセルの中に死体があるというインパクトのある現場と次々と変わる容疑者が真相をうまく隠している。
たったひとつの証言から紐解かれる推理シーンはいつもながら感嘆してしまった。
ダリ以外にも相変わらず様々な蘊蓄が書かれており、有栖川有栖らしい作品といえる。
地味に放置された文鳥のことが気になって仕方なかった。
ドラマ化もされているらしい。
確かに特殊な死体や隠された家族関係、恋愛のいざこざなど映える作品かもしれない。
前作を読む必要もないので映像化しやすいだろう。
久しぶりにミステリを読んだら脳が喜んでるのを感じた。
やはり私は学生アリスより作家アリスの方が好きだなと実感。 -
Posted by ブクログ
これだけ長いのに、ずっと楽しく読めるのがすごい。
アクションも楽しかったし、それぞれに見せ場があるのもいい。
やっぱり江神さんがいると安心するし、今回はその過去が少し見えた。
この5人と一緒にいる時間がやっぱり好きだ。
アリスがカフカの『城』について語るところで、なるほどそんなふうに読めばいいのかと。2度途中で挫折しているけど、3度目の『城』にチャレンジしてみたくなった。
物語の中で別の作品について語られる寄り道も楽しい。
ミステリ的には最後は少し強引に感じるところも。
推理小説研究会(EMC)は居心地がいい。
事件が終わってハッピーだけではなく、同時に就職や卒業という現実が迫っている切なさも。
社会に出る直前の何とも言えない焦りや不安と、仲間と離れるさみしさ。
自分もこんな時期があったなと思い出して、なんだか切なさが残った。
学生アリス未読はあと1冊。さみしいな。 -
Posted by ブクログ
館シリーズのように2つの場所の出来事が交互に語られる形式で読みやすかった。
前2作では途中で時系列があやふやになってしまったので、今回は簡単にメモを取りながら読み進めた。(〇〇殺害、橋流される、程度のメモだったが、読み終えてから見返すとこの時系列は大事だった。)
木更村と夏森村で起こった事件の真相を知った時はやられたーと思った。3回の読者への挑戦はどれも分かりませんでした。
江神先輩が犯人と対峙して罪を指摘し、犯人のお願いを聞いた時に、それでは嘉敷島と同じ結末になってしまうのでは?と心配したが、江神先輩はその結末を予期した上で慈悲を与えたとのこと。
犯人を悪魔と呼んでおきながら甘くないか?とも思い、正直受け入れがたかったが、探偵役なりの苦悩があるのかと思った。 -
Posted by ブクログ
短編より長編が好きなのですが、少しずつ隙間時間に読めるし、たくさんの話を読んだ満足感を得られるという点ではとても良い読書体験でした。
ただ、やはり「その後どうなったの!?」とか「もう少し詳細な人間関係を知りたいんですけど!?」みたいなところがスッキリしないので、仕方ないとはいえ、星を1つ減らします。
個人的には、「動物園の暗号」が一番引き込まれました。
「屋根裏の散歩者」はちょっと変化球だったけど、短編でちょうどいい感じの面白さ。
「ロシア紅茶の謎」、「八角形の罠」はかなり謎解きに重きを置いている感じがしてミステリ欲を満たされました。
他二編もそれぞれに違う驚きがあってよかったです。
個人的に「そんな関係性で集まるな!」と思ってしまう人間関係が多かったんですけど、まぁ、人間ってそういうところありますもんね、ということで。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアリスシリーズ以外を読むのは初めてだったが、ロジックではなくアリバイ物でも面白いのは流石。
魅力的な作品だがノンシリーズなのも納得。
終始タイトルに沿っているのが良い。
鉄道ミステリは苦手なので、時刻表をちゃんと見なくても中盤の時点で解いてくれるのは有り難かった。
アリバイ講義は普通に読んでも面白いこともさるながら、ちゃんと物語に機能しているのが凄い。
個人的には第二の事件のトリックが鮮やかで好き。
ユカリの性格があまり好きではなかったが、犯人を疑った理由が感情論ではなくちゃんとしてて良かった。
やっぱ有栖川有栖の作品好きだなと思わせてくれた一冊。