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殺害現場から消えた一枚のメイプルリーフ金貨が臨床犯罪学者・火村英生を真相に導く。 倒叙形式の表題作「カナダ金貨の謎」ほか、火村とアリスの出会いを描いた「あるトリックの蹉跌」、 思考実験【トロッコ問題】を下敷きにした「トロッコの行方」など趣向を凝らした五編を収録。 〈国名シリーズ〉第10弾。
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Posted by ブクログ
4話が収録されており、どれも読みやすくてあっという間に読める。 全部良かったけど、やっぱりアリスと火村先生の出会いは衝撃的だった。 ちょっとよそよそしい二人を見ると微笑ましい。 そして最後の落ちも良かった!
表題の中編は作者らしく合理的な理由づけでスッキリした解決。ただ、いわゆる倒叙ミステリ(犯人視点で語られ犯人がわかっている)なので、好まない人はご注意を。 ある短編では火村&アリスコンビのファンには、長らく語られなかったあれがここで明かされるか!というところもあって面白いです。 関西の県警所属...続きを読むのおなじみ刑事たちもそれぞれ登場して、長年のファンとしては元気そうで何より(?)という視点でも楽しめました
火村とアリスの名コンビが活躍する国名シリーズ10作目。王道の本格推理から二人の出会いを描く掌編まで、バラエティー豊かな作品集です。 ミステリの趣向としては表題作の「カナダ金貨の謎」が面白かった。 ワトソン役であるアリスの視点と犯人側の視点と二つの視点で語られる、倒叙型ミステリの趣向も凝らされた一編...続きを読む。 倒叙型ミステリは犯人の追い詰められていく視点が面白いけど、この「カナダ金貨の謎」はいきなり犯罪計画が狂ってしまった犯人の視点から始まるのが面白い。 犯人が狂ってしまった計画を立て直そうと悪戦苦闘する様子と、火村がいかに犯人にたどり着くか。当初の犯罪計画とはどのようなものだったのか。読むポイントがいくつもあって、面白かった。 「トロッコの行方」はトロッコ問題という思考実験を下敷きにしたミステリ。犯人指摘とトロッコ問題を掛け合わせたラストが、運命の皮肉や因果応報を思わせる余情を残します。被害者を突き落とした時刻をめぐるロジックもさすがなのだけど、この余情がいい意味で本格ミステリらしくなくて、有栖川さんらしい雰囲気を醸し出している。 電光石火のごとく事件を解決に導くヒントを見つけた火村。その理由を推理する「エア・キャット」は探偵火村の違う側面が見られる一編で、シリーズファンこそより楽しめる一編。 火村とアリスのファースト・コンタクトを描いた「あるトリックの蹉跌」もシリーズファンとしては嬉しい一編。 王道の本格ミステリから、変わった趣向のミステリ。さらに二人の新たな側面を見せる作品など、存分に火村・アリスコンビとミステリを楽しめる一冊でした。
火村英生と有栖川有栖のコンビの中の、国名シリーズ、文庫化最新作。 安定の静かな面白さ。描写の適格さ、丁寧さ、柔らかさ、それを含んだわかりやすさ。今回は短編小説。 【船長が死んだ夜】 火村が免停をくらったために、アリスに運転手を頼んでの小旅行の終わりに出くわした殺人事件。もと船長が殺された。犯人は失わ...続きを読むれたポスターが必要だった人。最後のアリスの気づきが秀逸。 【エア・キャット】 朝井小夜子とのバーでのマジックショーから連想された最近の事件。猫の名前と、文豪の文庫本がぎっしりの本棚の中の新しい文庫本、そして三匹の猫たち。 【カナダ金貨の謎】 表題作。 カナダ金貨を幸運のお守りとしていつもつけていた元ラッパーの男が殺された。 彼を殺した男と、アリスの視点それぞれで語られる物語。 自分の影を殺したって、自分が薄れるだけかもしれない。 【あるトリックの蹉跌】 大学時代の火村とアリスのお話。 【トロッコの行方】 トロッコ問題について質問してきた学生たち。 火村先生の本心の答えがいい。 ある女性が歩道橋の一番上から突き落とされた。彼女が残した言葉から犯人を絞り込んだが、そこから動けない警察が火村英生に助言を求めた。 トロッコが止まるときにひき殺したのは。 どれも面白かったけれど、トロッコの話が特に面白かった。 火村さんの答えがいい。誰も自ら手を下せないという火村さん。 それを分かっているアリスの二人が好きだ。
国名シリーズ第10弾! 表題作「カナダ金貨の謎」、「船長が死んだ夜」、「トロッコの行方」の3短編と、いたずら心溢れる「エア・キャット」有栖川と火村の出逢い「あるトリックの蹉跌」の2掌編。 事件周辺をぶらぶらしてると思いきや急にロジックで真相に迫る!
国名シリーズの中、短編集。 記念すべき10冊目。 そろそろ本家エラリー・クイーン再読したいな。 『船長が死んだ夜』 火村が免停になってるだけでもう面白いのだが、フィールドワーク以外の仕事につき合うアリスの回。 すぐに殺人事件に遭遇するけど。 蛇やら蜂やらに驚いてるアリスは田舎で暮らせなさそうだなと...続きを読む思うなど。 このシリーズって恐怖症持ってる人物いっぱい出てくるな。 『エア・キャット』 一時期Twitterとかで虚無猫かわいがるのはやったよな。 火村先生の猫好きが極まってる回。 登場人物が年を取らないので猫もばあちゃんもいつまでも元気なのはよいことだな。 『カナダ金貨の謎』 倒叙だけど、半分はいつも通りアリス視点。 倒叙で鍵を紛失というあたり、『ショーウインドウを砕く』を思い出したり、終盤の展開は『怪しい店』でも見たなと思ったり。 たまに第三者から見た火村とアリス新鮮なので、森下刑事視点とかどうっすか。 なんなら火村一人称でもいい。 『あるトリックの蹉跌』 火村とアリスの出会いの話詳細。 ただただファンがニコニコしながら読む話。 脳裏に思わず小田和正流れるわ。 あの日 あのとき あの場所で そろそろ最初の事件の話も知りたいです。先生。 『トロッコの行方』 サンデル教授の名前が出るとはね。ちょっと懐かしいけど。 作中に出てくるゲームがどう考えても『逆転裁判』なんだけど、そういえば有栖川有栖と巧舟対談してたはず。と、棚を漁ったら逆転裁判ファンブックで対談してました。対談興味深かったです。 全然本編関係ないな。 でもトロッコ問題もそんなに謎解きに密接ではないかな。 アリスの脱稿ハイが見られる回。
いつも通り、安定の有栖川作品!! 読みやすくてサクサク読めてしまう。大好きだ。 私が1番なのは表題作の「カナダ金貨の謎」。 有栖川作品には珍しく(様な気がする)、叙述物。 作中の人物に対して「何故この人は、こんなものを…」と思いつつ、結構最後の方まで理由が分からず読んでたから途中でその理由が分かった...続きを読む時は、ストンと胃の腑に落ちた気分でした。
有栖川有栖の中短篇ミステリ小説集『カナダ金貨の謎』を読みました。 有栖川有栖の作品は8月に読んだ『ダリの繭』以来ですね。 -----story------------- 殺害現場から消えた一枚のメイプルリーフ金貨が臨床犯罪学者・火村英生を真相に導く。 倒叙形式の表題作「カナダ金貨の謎」ほか、火村と...続きを読むアリスの出会いを描いた「あるトリックの蹉跌」、思考実験【トロッコ問題】を下敷きにした「トロッコの行方」など趣向を凝らした五編を収録。 〈国名シリーズ〉第10弾。 ----------------------- 探偵役である臨床犯罪学者・火村英生と、ワトソン役の推理作家・有栖川有栖(アリス)のコンビが活躍する作家アリスシリーズの作品……その中でもタイトルに国名を冠した作品は特に国名シリーズと呼ばれており、本作品は国名シリーズの第10弾となる作品で以下の5篇が収録されています。 ■船長が死んだ夜 ■エア・キャット ■カナダ金貨の謎 ■あるトリックの蹉跌 ■トロッコの行方 ■あとがき ■文庫版あとがき ■解説 越前敏弥 民家で発見された男性の絞殺体……殺害現場から持ち去られていたのは、一枚の「金貨」だった、、、 “完全犯罪”を計画していた犯人を、臨床犯罪学者の火村英生と推理作家の有栖川有栖がロジックで追い詰めていく表題作『カナダ金貨の謎』ほか、切れ味鋭い中短篇『船長が死んだ夜』、『エア・キャット』、『あるトリックの蹉跌』、『トロッコの行方』を収録……待望の〈国名シリーズ〉第10弾! 久し振りの国名シリーズ……愉しめました、、、 イチバン面白かったのは、殺人事件の容疑者のちょっとした特徴(●●恐怖症?)が手がかりとなって鮮やかな解決が導きだされる『船長が死んだ夜』ですねー ポスターって、そんな使い方ができるんですね。 倒叙形式で、殺害の犯行直後に犯人側の計画に綻びが生じるところから物語が展開する表題作の『カナダ金貨の謎』、、、 人命が懸かった二者択一の思考実験を手掛かりに、意外な真相が隠され、自己中心的な犯行理由が印象的な『トロッコの行方』も愉しめました。 機会があれば、未読の国名シリーズを読んでみたいですね。
安心安定の火村英生シリーズ。 短編3作と超短編2作の構成。 「船長が死んだ夜」は野上を加えた3人の掛け合いが面白い。 火村とアリスの出会いを描いた「あるトリックの蹉跌」はファンサービス的内容でニヤっとしてしまう。 全編通じて相変わらず読み易い。
表題作「カナダ金貨の謎」は犯人の視点とアリス・火村の視点から書かれていて面白い。個人的には「船長が死んだ夜」が、日村の推理をきいて一番楽しめた。
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