有栖川有栖のレビュー一覧
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有栖川有栖さんの『国名シリーズ』のミステリーですね。十一冊目ですが、シリーズと共に専業作家三十周年記念の作品になります。どうやら『国名シリーズ』の第二段の「シーズン2のスタート」にされたい意向のようです。
学生アリスから、作家有栖川シリーズとすべて読んできましたが、『日本扇の謎』は、殆どが事件の事情聴衆に紙面を割いて、人物像を浮かび上がらせる文学的要素の強い作品になります。
物語としては面白いのですが、推理となると、犯人が分かりやすく、密室のトリックも早々と解決して仕舞います。ミステリーとしては、どんでん返しも無く、テレビドラマの線を越えません。
家族の確執と、愛情の錯誤の人間模様を描い -
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必ず悪夢を見る部屋、片手のない死体、倒木によって陸の孤島となる山荘などなど、本格ミステリ的な趣向満載。
なのだけど、あんまり有栖川有栖入門書にはオススメしがたい。このタイプだと『双頭の悪魔』という傑作があるので。
とはいえ火村シリーズをキャラ小説として読んだ時にけっこう重要な1作。
悪夢がテーマなので、当然火村の悪夢の話になるが、相変わらず根本的なことはわからないにしても、2人で一歩踏み出したように見える。
読者としてめちゃくちゃ知りたいわけじゃないのだけど、火村がいつかアリスに語る気があるのかは知りたい。
終盤、作家としてのアリスの言葉が重くてよい。
作家が助手(あるいは探偵)のミステリ -
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火村&アリスの店をテーマにした短編集。
5編のうち2作品が非殺人事件もの。
「古物の魔」
古物商が舞台。
抜け駆けアリスが珍しい。
関西は骨董市とか古本市たくさんやってそうだな、と思う北国在住。うらやま。
「燈火堂の奇禍」
火村の下宿の近くの古書店でおこるちょっとした事件。
日常系ミステリと言えなくもない。火村シリーズではレア。
ばあちゃんこと時絵さんの誕生日お祝いする回。微笑ましい。
「ショーウインドウを砕く」
これまた火村シリーズでは珍しい倒叙物。
犯人視点から見る火村とアリスめんどい存在だな。
変な動機なので犯人視点がよかったんだろうな。
「潮騒理髪店」
火村先生が殺人現場に行く -
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火村&アリスの短編集。
あとがきによると若さがテーマ。
2人よりもだいぶ若い頃から読んでる読者ですが、34歳の2人をいつの間にかだいぶ越して2人のこと若いなーと思うようになるとは思わなかった。
いつか50代くらいの2人も読んでみたい。
「アポロンのナイフ」
凶器が隠された理由がなるほどねーと。
一般的に社会派ミステリーと呼ばれるジャンルではないけど、ご時世を取り入れるのうまいよね。
「雛人形を笑え」
いろんな轢き逃げ芸能人の顔が頭をよぎる。
コマチさんがお笑い好きというのが判明する。
なんか妙にリアリティのある犯人の性格。
「探偵、青の時代」
アリスが学生時代の知り合いに火村の学生時代の -
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登場人物:
有栖川有栖…ミステリー作家。通称アリス。
火村英夫…大学社会学部准教授
船曳…大阪府警警部
高柳真知子…大阪府警巡査部長
繁岡…大阪府警巡査部長
奥本栄仁…被害者。元ホスト。
歌島冴香…投資家。奥本の恋人。
黛美浪…歌島と奥本の友人。元ホステス。
久馬大輝…奥本に借金している会社員。
物語の始まり:
大阪のマンションで、スーツケースに詰められた遺体が発見。
被害者の身元や背景が分からず、捜査は混乱。
コロナ禍の中であまり人と接していなかった火村英生とアリスにも声がかかり、大阪府警とともに調査を開始する。
価値観:
コロナ時代の小説。
マスクやソーシャル・ディスタンスが必須となっ -
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シリーズ3作目。
心霊現象を専門に扱う探偵・濱地健三郎と助手の志摩ユリエの信頼関係があってこそ特殊な事件も解決する。
相変わらず濱地のスマートさに惚れ惚れするほど。
探偵と協力関係にある赤波江刑事も善良であり、ユリエの交際相手の進藤叡二も控えめに登場するのも良い。
今作はコロナ禍中での不思議で奇妙な現象を解決する全6話。
リモート怪異〜オンライン飲み会での視えない小さな手の正体。
戸口で招くもの〜頭と両手首のない幽霊が、招くのは何故か?
囚われて〜怪異を信じない者が「タスケテ」の電話をかけてくるのは…。
伝達〜赤波江が遭遇した事件の信じられない偶然。
呪わしい波〜夜ごとに金縛りに襲 -
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有栖川有栖の中短篇小説集『怪しい店』を読みました。
有栖川有栖の作品は昨年12月に読んだ『こうして誰もいなくなった』以来ですね。
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大人気!火村英生シリーズ、切れ味鋭い作品集が待望の文庫化!
推理作家・有栖川有栖は、盟友の犯罪学者・火村英生を、敬意を持ってこう呼ぶ。
「臨床犯罪学者」と。
骨董品店〈骨董 あわしま〉で、店主の左衛門が殺された。
生前の左衛門を惑わせた「変な物」とは……。(「古物の魔」)ほか、
美しい海を臨む理髪店で火村が見かけた、
列車に向かいハンカチを振る美女など、
美しくも恐ろしい「お店」を巡る謎を、
火村と有栖の名コンビが