あらすじ
舞台は、めざましい成長を遂げる宗教団体〈人類協会〉の聖地、神倉。大学に姿を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。とかく噂の神倉へ、何故? 様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、4人はレンタカーを駆って木曾路をひた走る。紆余曲折を経て〈城〉と呼ばれる総本部で江神の安否は確認できたものの、思いがけず殺人事件に直面。外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し……。第8回本格ミステリ大賞に輝いた、江神シリーズ第4作。
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宗教とミステリは相性がいい(というよりも、とても好き)んだよなあ。
上巻としては理想的な終わり方では?
江神さんは何か隠している感じだし、マリアの思わせぶりな言葉の真意も気になる。
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英都大学推理小説研究会シリーズ第四弾。カルト教団内に侵入し、事件に遭遇。この江神、有栖川、マリアのシリーズは、火村に負けないくらい面白い。下巻も楽しみ。
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上巻、下巻でそれぞれそれなりに厚さのある本格ミステリーです。
上巻で説明された事柄、伏線が下巻で回収され、点と点と線になっていく気持ち良さが味わえます。
そして、ミステリーの謎解きだけでなく、城からの脱走劇では爽快感も感じられます。
長い小説は読むだけで疲れますし、そもそも読みきるまで時間がかかりますが、この本は先が気になってついつい読んでしまいます。そして、気づいたら読み終わっており、江神さんはかっこいいなあと思ってしまうのです。
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江神シリーズ第4作・上。
久々の江神先輩。なのに中々会えないという…マリアじゃなくてもそりゃ突っかかりますよ(笑)
作者あとがきに静の上巻、動の下巻、とあるけれど、確かに下巻に比べたら上巻は派手な動きはないけど、伏線あれこれあるので読みごたえがない訳ではないです。
読み終わった後で、もう一回読みたく成る感じ。
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学生アリスと江神二郎が活躍するシリーズ第4弾。
前作ではマリアが不可解な行動の末に山奥の村に逃げ込むようにして引きこもったが、本作ではなんと探偵役の江神二郎が新興宗教の街に一人赴き、それを追ってアリス、マリア、モチ、信長の4人もその街・神倉へとやってくる。
その新興宗教・人類協会は傍目には人畜無害な人たちの集まりのようではあるが、ひとたびその街の中で殺人事件が起こると、外部からやってきたアリスたちを含め、関係者を軟禁してしまう。しかも、警察には届けず、自分たちで解決しようという。
江神二郎とアリスたちは再会できたが、なぜ一人でいきなりこの街に来たのかは納得のいく説明がえられない。さらに、11年前の殺人事件も未解決となっていて、今後ストーリーにどのように絡んでくるのか。人類協会は本当に人畜無害なのか。謎は謎のまま上巻は終わり、それらの謎がどのように収束するのか、上巻を読み終えた段階ではほとんど何もわからない。
下巻の目次をみると、やはり「読者への挑戦」があるようだが、これまでのところ完全に作者にしてやられている。下巻の挑戦までにその謎を解き明かすことが出来るのか、自分に対しても興味を持って下巻に取りかかりたい。
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学生アリスシリーズの四作目でした。
はなっから江神さんが居なくて、EMSのメンバーが探しに出ています。もう不穏で仕方ないです。
今回の江神さんは少し様子が違うように見えますが、どうなんでしょう?
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学生アリスシリーズ第4弾。
宗教組織・人類協会がお膝元の土地神倉へ失踪した江神二郎を探しにやってきた有栖一行。11年前の未解決事件、殺害された協会員、きなくさい協会上層部、なかなか姿を現わさない教祖・野坂公子... etc.魅力的すぎる謎が前半にこれでもかとばらまかれており、これを後半でどう回収していくのかが楽しみになりました。不気味な雰囲気と織田や望月のやりとりの軽妙さが良い塩梅でとても読みやすかったです。また、有栖視点と麻里亜視点の2つから構成され、それぞれの考え方が絶妙でとても面白かったです。後半の怒濤の展開が楽しみです。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
江神二郎:宮野真守
有栖川有栖:岡本信彦
望月周平:八代拓
織田光二郞:古川慎
有馬麻里亜:釘宮理恵
由良比呂子:竹内順子
吹雪奈央:松本梨香
臼井勲:津田健次郎
丸尾拳:ボルケーノ太田
稲越草介:高橋広樹
青山好之:梅田修一郎
本庄伽耶:楠木ともり
弘岡繁弥:大塚剛央
パトリック芳賀:羽多野渉
佐々木昌晴:浪川大輔
天川昭彦:間宮康弘
天川富恵:井上喜久子
金石源三:千葉繁
石黒操:堀川りょう
荒木宙児:斉藤壮馬
椿隼一:井上和彦
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事件が起こるまでが長い。
それでも全然面白く読めた。一緒にレンタカーに乗って旅に出てるような感じでワクワクしながら読んでた。
相変わらず登場人物が多くて覚えるのが大変だった。
アリスの本心がちょっと覗けて更に好きになった。
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第4弾
今度は江神がいなくなった。なのに、どこに行ったかはわかりやすく、友人への依頼は明かされず、あっさりと再会はできた。そして起こる殺人、軟禁されるメンバー 当たり前に来ない警察、犯人はわかるのか、そう決めようとしているのか…2日後には何があるのか…江神は何のためにここに来たのか、江神は卒業したらどうなるのか、今どうしているのか、とかこれってどういう世界観なのかとか、いろいろ気になる上巻。
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学生アリスと江神二郎のシリーズ、第4弾。
厚い上下巻の、まず上巻。はっきり言ってまだ何も分かっていない。
有栖、英都大学一回生の年には『月光ゲーム』
二回生の年には、『孤島パズル』と、『双頭の悪魔』
そして今回は、三回生になっている。
四回生の望月と織田は就職活動中、在学八年目の江神も今年度限りで大学を去らなくてはいけない。
最後の事件になるのだろうか。
連休明けに、江神が旅に出たきり戻らない。
ある新興宗教の総本山に入り込んだことが確認され、なんとか有栖たち四人も江神と合流できた。
なんと、江神は卒論に新興宗教を取り上げようと言うのだ。
そういえば、文学部哲学科だった。
宗教は哲学に含まれるから、おかしな事ではないけれど・・・
江神が「卒論」か〜
う〜ん。
卒論も嘘ではないと思うけれど、他にも何か思うところがあるのでは?
お母さんのこととか?
そしてお約束の殺人事件であるが、今回は誰が殺されるか全く分からなかった。
しかし、下巻ではもしかしたら、あの人が殺されているんじゃないかと思う。
とにかく面白くてぐいぐい読める。
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事件を待ち構えながらの道中面白い!まず事件が起こる以前になぜ江神さんが神倉へ行ったのか、未解決事件、などなど本作の事件に関係あるか否、を勘ぐりながら読み進める。アリスのたまーに出るツッコミもかなりツボ。「おまえは、牛か」は声出して笑った。下巻も楽しみ!
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うわー。
むちゃくちゃ面白い。
島での密室とは違い、宗教都市の密室というのが良い。
偏見だけど、宗教都市の方がちょっと変わった人がいても受け入れやすいせいだろうなぁ。
下巻も楽しみ。
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江神さんが、宗教都市神倉に消えた。正確には「ちょっと遠くにいってくるかもしれん」と残して消える。彼のアパートで見つけた事実をつなげて神倉へとレンタカーを走らせるアリス、マリア、そして二人の先輩。先輩二人は就活を休んでの参戦だった。宇宙人に救いを求める宗教に江神さんがはまったわけではないかと心配していた彼らは、紆余曲折の末江神さんと再会を果たすが、人類協会の総本部“城”の中で殺人事件が起こる。すぐに警察を呼ぶように説得するミステリ研の面々だったが、協会の人間たちは城を封鎖して自分たちの手で犯人を探し出すと言い出す。軟禁状態に陥ったアリスたちは犯人を突き止めることができるのか、、、
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「学生アリス」シリーズの4作目。
「双頭の悪魔」からおよそ15年ぶりに発表された物語である。
完全なる密室の中での殺人は不可能である。
某ドラマではないけれど「破れない密室はない」を地でいく展開になっている。
心理的な作用によって密室は作られていく・・・。
物語は広範囲に枝葉がのび、江神の過去や本筋以外の雑学にまで及んでいる。
けれど、読みにくさはまったくない。
この物語に関しては多くを語りたくはない。
まずは読んで楽しんでほしい。
スピード感もあり、閉ざされた世界で起きた事件は本格ミステリーとしても読みごたえのある物語だった。
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宗教団体の〈城〉へ行ったまま戻らない江神さんを案じて一行は神倉へ、の学生アリスシリーズ第4弾。
上下巻でこのボリューム!
まだ上巻は事件が起きたばかり。なのに少しも飽きずに読ませる。
今回はやたらアリスが感傷的。
「淋しい」発言可愛いけど、何だかとてもせつなくなるからやめてー!
江神さんはこの時点でどこまで分かっているんだろう?
「封を切ったら何粒かの砂がこぼれ落ちるやろう」が恐ろしくせつなく儚く幸福だ。
「ねぇ。今、淋しい?」
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学生アリスシリーズ。
安定の面白さです。
キャラクターのやり取りが軽快で、サクサク読み進められます。
上巻はほとんど推理、というより冒険活劇でした。
それでも面白いのは作者の力なのだと思います。
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学生アリスシリーズ4冊目。
1冊目よりも2冊目、2冊目よりも3冊目、そして3冊目よりも4冊目が面白い!…のではないかと期待している。
まだ上巻を読み終えたところだけれど、魅力的な謎が提示されて、下巻への引きも完璧。
下巻を読むのが楽しみ。
江神さんが神倉を訪れた理由は?
11年前の密室殺人事件の真相は?
宇宙人ペリパリは登場するのか?
人類協会は何を隠しているのか?
まぁ、宇宙人ペリパリは登場しないだろうと思うけれども、登場したらしたで面白いかもなぁ…とも思う。
シリーズ2冊目の『孤島パズル』のモアイも良かったけど、UFOと謎の宇宙人というのもなかなかの小道具。
おどろおどろしさがなくて良い。
というよりかなり面白い。
信仰の話を聞くとそれが新しい話であるほど、「どこまで本気で言っているんだろう?」と考えてしまいがちだ。
いきなり「宇宙人ペリパリが再訪するのを待っている」なんて言われたら、笑っていいのか悪いのか真剣に悩んでしまうだろう。
そして最終的には笑ってしまうだろう。まずいなぁ…。
それを想像するとアリス達が置かれている状況の困難さが分かる。
それでも火山よりはマシかな?
無事に生還してほしい。
もちろん江神さんと一緒に。
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登場人物のパンチがいまいち弱い気がして把握するのにちょっと苦労しました。
青春にドキドキするので(汗)途中に入るマリアのターンに惑わされる事なく、部長と同じ答えに行き着くように…無理だろうけど…注意して下巻も楽しみます。
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学生アリス&江神シリーズ第4弾。3作目のマリアに続いて、今度は江神さんがいなくなる。部長を探しに、美しい女王(代表)のいる宗教団体に向かった推理小説研究会のメンバーが、事件に巻き込まれる。ハードカバー版の出版は2007年だが、著者のデビュー作の続編で2年しか経っていない設定なので、舞台は1990年5月。携帯電話なんて持っていない時代だからこその、人為的クローズドサークル。
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時代設定が秀逸。いかにもバブリの象徴のような施設の「城」が、崩壊する(んだろうね、きっと)のと、バブルの時代の終わりが重ね合わせのイメージになってる。
ひとつひとつの全然関係なさそうに見える事象(例えば、落としたピアスの行方とか、冒頭のドライブスルーのやり取りとか)がパズルのピースみたいで、果たしてどれがどこに繋がるのか、考えるのが楽しい。
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英都大学ミステリ研究会の長老江神さんが姿を消した。
EMCの面々は彼の元気な姿を確認したく、新興宗教の街へと旅立つ・・・!
みんな江神部長が大好きですね、EMC!
新興宗教の本部で捕らわれの身となった江神さんをみつけ、今度はみんなでそこへ乗り込んでいき、同じようにとらわれるっていうカンジで。
上巻の後半に至ったところで殺人事件が起こり、解放されるために解決に奔走するEMC
新興宗教「人類協会」の面々がどうにも好きになれないまま事件発生まで引っ張られたので少し退屈。
後半はお話が動くか。
Posted by ブクログ
★3.9くらい
これまでの学生アリスシリーズで1番面白かった。説得力・納得感がとてもある。小田や望月が就活を追われているのも現実的で面白い。自分が就活生の時に読むとより楽しめた気がする。
Posted by ブクログ
な、長いし進展はそんなに感じられない~。
すごく読むのに時間がかかってしまった。
でもEMCみんなの掛け合いがとても好きで、最初のアリスが運転するときの
凸凹コンビの掛け合いにグッと来てしまったわ。
今度は宇宙人がテーマなのね、壮大だわ。
下巻を読みたくて少し流し読みをしてしまった箇所もあるけど、
そのままの勢いで続く。
Posted by ブクログ
上巻でだらだらと伏線を出し、下巻の前半で伏線を吟味し、後半で回収していく。
とにかく伏線はすべて回収しないといけないという強迫観念にとりつかれているがごとく。
しかし、「出してくれ」「だめです」「警察を呼んでください」「だめです」という何度も何度も何度も何度も繰り返されたやりとりそのものも伏線だったという……。
そのわりには真相の驚きが薄いか……。
しまそうのようなアクロバティックな事件を期待したのがだめだったのか。
また江神さんの暗号にしても、それだけぇ? と細く悲鳴を上げてしまいそうになった。
決してつまらないわけではないが、交通事故のような読書にはならなかった。
Posted by ブクログ
シリーズ第4作の上巻。
新興宗教の本部で起こる殺人、そして彼の地で起こった殺人の2つが提示される。
現在の事件はクローズドサークル、過去の事件は密室の状況として提示される。
現状としては謎の魅力が不足気味。
伏線は散見されるが、下巻の展開次第。
どちらかというと、シリーズに通底する主人公たちの今後の方が気になるのが正直なところ。
Posted by ブクログ
とにかく長い。
まだ下巻を読んでいないので内容の評価はできないが、上巻の終わりにようやく本題に入ったという印象。
江神さんが神倉に来た理由、過去の事件と現在の事件との繋がり、協会が事件を隠してアリス達を拘束している理由などが下巻で明らかになっていくのだろう。
上巻で引っ張られた分、下巻に期待。
Posted by ブクログ
舞台は、めざましい成長を遂げる宗教団体<人類協会>の聖地、神倉。キャンパスに姿を見せなくなった部長を追いかけて<入国>するも、殺人事件に遭遇する。本来なら警察に連絡するところを、人類協会はなぜか頑に連絡を拒み、主人公たちを施設から出さないようにします。
犯人は誰か?
人類協会は何を隠しているのか?
シリーズおなじみの閉鎖空間での殺人劇です。
下巻側にある「あとがき」で、上巻は「静の巻」と作者が書いていたり、事件が中々起きないので少々退屈、と評価される本巻ですが、個人的にはそれほど退屈ではありませんでした。おそらく解決に関わってくるであろう、11年前の事件考察や、主人公たちの会話など、テンポ良く読ませてくれるからかな、と思います。ただ、学生シリーズというか、青春小説なんかにある、独白(?)はもう少し短くしてもいいかな。
本巻は、絞殺死体が発見された夜で終わり、下巻へ続きます。
いくら作者が「静の巻」と言っても、無駄に読ませるわけがないですし、多分そこかしこに犯人を指摘するに必要な事があるはず、ということで、下巻を読む前に本巻を読み直してみたのだけど、気になる記述もなく。
そういう意味でも、下巻が楽しみです。