あらすじ
「俺が撃つのは、人間だけだ」
彼は、犯罪を「狩る」男。
臨床犯罪学者・火村英生と、相棒のミステリ作家、アリスが、
悪夢のような事件の謎を解き明かす!
人気ホラー小説家・白布施に誘われ、ミステリ作家の有栖川有栖は、
京都・亀岡にある彼の家、「夢守荘」を訪問することに。
そこには、「眠ると必ず悪夢を見る部屋」があるという。
しかしアリスがその部屋に泊まった翌日、
白布施のアシスタントが住んでいた「獏ハウス」と呼ばれる家で、
右手首のない女性の死体が発見されて……。
感情タグBEST3
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大好きな作家アリスシリーズ。この狩人の悪夢の、最後の火村先生の謎解きが素晴らしく、論理の火村先生と、感情に訴えるアリスの対比が、グッときます。ずっと大好きなシリーズです。
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短編も好きだけれども、長編は読み応えがあっていい!
最初は全く意味がわからない犯人の行動に頭を悩ませられた。
意味深な被害者の状態や関係者とのつながり。
少しずつ情報を集めて行くけれど、なかなか真相に辿り着けなかった。
最後に火村先生の推理を聞いて、それぞれにどういう意味があったのか納得。
そして最後の情報には驚いた!
事件ではしんみりしちゃったけど、良い締めでした。
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表紙は見たことあるのに読んだ記憶がない。そう思い購入して読んでみると、あれ?これ読んだかも?と、デジャヴ。しかし最後のことは思い出せないので、しっかり読まなかったのかな?で終わり。
しかし、作中で火村の悪夢を払うようにアリスが気遣う。これだけでも再読して新しい進展があったな、と、年齢を取らない2人に年月を感じさせられた。
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必ず悪夢を見る部屋、片手のない死体、倒木によって陸の孤島となる山荘などなど、本格ミステリ的な趣向満載。
なのだけど、あんまり有栖川有栖入門書にはオススメしがたい。このタイプだと『双頭の悪魔』という傑作があるので。
とはいえ火村シリーズをキャラ小説として読んだ時にけっこう重要な1作。
悪夢がテーマなので、当然火村の悪夢の話になるが、相変わらず根本的なことはわからないにしても、2人で一歩踏み出したように見える。
読者としてめちゃくちゃ知りたいわけじゃないのだけど、火村がいつかアリスに語る気があるのかは知りたい。
終盤、作家としてのアリスの言葉が重くてよい。
作家が助手(あるいは探偵)のミステリーは多いけど、ちゃんと作家として生きてる感じがするのが有栖川有栖のいいところ。
作中人物の年齢変わらないので大きな変化はないこのシリーズにしては珍しく片桐さんに大きな出来事が起こる。
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火村英生シリーズをなぜか第六弾から着手。掛け合いが軽快で良かった。斎藤工さんがドラマをしていたが見たことはなかったので窪田さんとのコンビでの映像も見てみたいなと思いました。シリーズ読んでこ。
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ベストセラー作家との対談で、彼の家に招かれたアリス。ホラー小説の材料はアシスタントの悪魔だったというが、本人は既に亡くなっていて、ちょうど彼の知り合いが家の片付けに来ていた。翌朝、その知り合いが死体で発見され、アリスは火村を呼ぶ。ふたりの距離感がいい。ベタつきはしないし、自分の生活を優先するけど、何かあったらすぐに駆けつけるし、絶対に信じてる。深追いしないアリスの節度も好き。 犯人は見当がついても、動機がわからないし、前の事件とかストーカーとこごちゃついて惑わされる。天国には悪夢がないといいなと思う。
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最後の犯人を前にした火村さんはまさしく狩人。動機設定がまさしくミステリー。知りたい本当のことは謎のまま。
火村さんとアリスがいい塩梅でコンビのバランス最高でした。
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なぜかドラマから先に見てしまって、
激しく後悔している。
順番が違ったらもっと楽しく読めた気がする。
動機なんて二の次だと言い切る火村先生。
悪夢を描くホラー作家。
絶対に悪夢を見る部屋。
その周辺で起きる殺人事件。
人を殺す夢を見る火村先生の
気持ちを少しでも軽くしようとする有栖の、あの一言に泣きそうになりました。
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再読。作家アリスシリーズ長編。この作品のキーワードはずばり「悪夢」。犯人や犯行の切っ掛けなどは再読なので覚えていたのだけれど細かい部分はすっかり忘れていた。今回はあらかじめ犯人がわかった状態での読書だったので「ああ、この場面での犯人はきっと心の中では恐怖しているな」とか、「おや、犯人のここでの言動はやっぱり内心追い詰められているな」などと妄想しながら楽しく読めた。終盤での怒涛の追い込みシーンでの段々不穏になっていく雰囲気がたまらなく好き。
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動機は無視して論理で推理し犯人を“狩る”男、火村英夫の事件簿。悪夢に囚われている男でもある火村もアリスのやりとりがとても良かった。
あと最後のサプライズ!!マジか!!
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ひょんな事から、売れっ子作家の家に泊まりに行き事件に巻き込まれる、ミステリー作家アリス。謎解きをしながら次々と殺人事件がおき、犯罪心理学者・火村と共に解決。犯人の心情と犯罪に至るまでの経緯、その背景に秘密が隠されている。読み応えのある作品。
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登場人物の言動に対する細やかな心理観察やツッコミで流れていく物語はとても自然で読んでいて気持ちがいいです。有栖川さんの本は初めて読みましたが、他の作品も読んでみたいと思いました。
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雷で大木が倒れ道路が不通となった結果のクローズドサークル物。状況がちょっと特殊だが、こうしないと犯人が絞れないからそこは仕方ないところ。
犯人の設定や動機はなんとなく分かるし、事件を入り組ませる●の切断も、強引なロジックであまりにも作り物っぽい。
とはいえ、話はスムーズだし最後まで一気に楽しめた。
このシリーズは探偵役の氷室と助手役の有栖川の会話がメインになるが、初期の作品に比べて会話もずっとこなれてきて違和感なく読めるようになってきて、安定のシリーズとなっている。
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初めから怪しいので犯人当てとしては簡単な部類なんだろうけど、終盤の犯人の異様さが尋常じゃなくてゾクッときた。
火村先生と有栖の連携プレイに窒息寸前だったんだろうなあ。
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突飛な犯罪なのに、推理はあくまでも論理的で地味。
淡々と推理される最後の犯人との対峙が良い。
そして相変わらず有栖の女性を見る目がありすぎて笑ってしまう。
やっぱり進展はないんだけどね。
サプライズの二人も番外変とかで読みたいなー。
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作家アリス、久々に長編を読んだ。安定の面白さ。でも犯人がちょっといただけない・・・早く犯行を認めてしまえ、と。往生際がとにかく悪いのだ。ミステリをある程度読み慣れてくると「犯人」にもある種の高潔さを求めてしまう…。
ただ、それを補って余りある"サプライズ"があった?!それによりモヤモヤ感は完全に払拭されました。○○○○○。星三つ半。サプライズを含めると四つ。
P.S.このシリーズは刊行順に読んでいて長編に関していえば、今のところ最高傑作は『鍵の掛かった男』。次点で『マレー鉄道』か『乱鴉の島』です。
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前にドラマ化されたのを見ていて、その原作だったことを読み始めるまで気づかなかったf^_^;
個人的に、中弛みが苦手。いや現実社会では警察の尋問なんかは何回も同じことを聞かれる、ってテレビでやってたけどもね…
何回も何回も繰り返して同じ人に話を聞いてる印象。ドラマを見ていて犯人は知ってたから余計に、かなぁ。
でも最後の、狩りのシーンはちょっと怖かった。追い詰めるところがハンパない。
渡瀬くんは可哀想でシンミリ…なんだけど、沖田がしゃしゃり出てくる話ではない。こういう人嫌い。
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久々に読む火村英生シリーズ。しかも有栖川作品にしてはまあまあの長編。
久々に読んだからなのか私の脳みそが老いたのか、今回は難しかった…というか、ちょっとややこしかった。
物語の中で火村が手がかりが散らかっている…みたいなことを言ったけどまさにそんな感じ。
でもいつも通り読みやすくて楽しめました
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有名ホラー小説家に誘われ「必ず悪夢を見る部屋」を訪れるアリス。
翌日、かつてアシスタントが亡くなった「獏ハウス」で手首のない女性の遺体が発見される。
幻想小説寄りかと思いきや、しっかり本格ミステリー。不可解な犯人の行動理由が解けていくのが爽快です。
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火村シリーズの長編作品。眠ると必ず悪夢を見るといういわくつきな屋敷とその周辺で巻き起こる殺人事件に遭遇するストーリー。クローズドサークルっぽいがそんなことはない。殺された人物のバックボーンがある人物としか見えてこず(その人物も故人)ある意味、正統派な本格ミステリと化している。途中で火村が動機の検討はしない、それが分かれば後は警察の仕事、というセリフが印象的だった。本作は謎解きの論理としては結構脆弱で犯人の追い詰め方も甘いのだが、そこは有栖川さんらしい叙情的に描くことで様になっている。
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斎藤工さんと窪田正孝さんが主演のドラマの原作シリーズで、懐かしくなって購読しました!
はじめての有栖川有栖さんの作品で、なぜ殺した?よりもどのようにして殺した?を主軸にしたミステリーって感じでした。
事件の謎について火村と有栖が喧々諤々している様子にほっこりしました。ファミレスとかでする友人同士の雑談みたいでなんとなくゆったりとした感じがありつつ、会話を読んでると謎の要点がわかりやすくて楽しく読めました。
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前作かな?『鍵のかかった男』が個人的に好きだったので…今回も決して悪くなかったんだけど、ちょっといろいろ物足りなかった気がした。ので4よりの星3。
でもアリスがいろいろなひとと時間をとりながら、少しずつ事件の解決に近づいていくのは相変わらず面白い。
ミラクルとかなしに、奇抜なトリックとかもなく。
生前の姿を一度もアリスと火村に見せなかったのに、中心人物な渡瀬くん。
白布施さんも、沖田さんもふたりとも渡瀬くんと良い関係が築けてたのに、でもふたりが納得できなかった気持ちもわかるからどうしようもない。
人は積み上げてきたものをどうしてもゼロにはできない。
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「お前は、悪夢の中で誰を殺す?」
ホラー作家の家に招かれた有栖は殺人事件に遭遇する。不可解な様相を示していた女性の死体を捜査中に、容疑者だった男性が遺体となって発見され…
有栖川有栖著の火村シリーズの長編。
火村先生は相変わらずの愛車に跨り、白いジャケットで事件現場に登場。
火村も有栖もいつもと変わらないなと思いつつ、今まではあまり追求していなかった「火村の悪夢」について言及するのが新鮮でした。
さて、「なぜ死体がああいう風になっていたか」はロジカルに説明されます。
殺人に至る動機なども、不可解な点はありません。逆に、物語を俯瞰して眺められる読者からしたら「それしかないよね」というほど納得。
しかし何というか、全体的なテンポが私とは合わなかった。
前半から中盤にかけて盛り上がりに欠け、かと言って後半にカタルシスがあるわけでもない。
最近巷に溢れるリズムを重視した作品に慣れてしまったのか物足りなく感じました。
「出来上がった」キャラクターに助けられている感があり、もう少しコンパクトにするか物語性に振るかの方が落ち着いた気がする。
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散りばめられた謎が徐々に組み立てられていく様は派手さはないがさすが。
火村のフィールドワークとアリスの助手としてのスタンスも変わらず良い。
珍しくアリスが昂っていたのが印象的。
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このミス2018年版6位。フーダニットの本格ミステリー。犯罪学者・火村英生がフィールド・ワークと称して殺人現場に赴いて探偵するやつ。25年間続いている人気シリーズらしい。過去にこのシリーズ読んだような気もするけどあんま印象ないです。最近なんだか本格ものが楽しめないのですよね。もともとこの人の本は好みじゃないのか評価点が低く内容も全然覚えてないんだけど、映像媒体やコミックが主流の中でわざわざ苦労して小説読んでも殺人の仕掛けとかが映像に比べて分かりにくくて小説のメリットが感じられないのですよね。やっぱ小説の存在意義は美しい文章表現と物語を兼ね備えた文学にあるのではなんて思ったりした。叙述系ミステリーは小説ならではですが、たまにあるからだまされるわけで叙述系ばっかりじゃ面白さ半減なんでしょうね。
そんなこと抜きにしてもやっぱりこの本は意外性も少ないし、あっと声をだすやられた感もないし、何かどんでん返しあるかと思って読んでたらすんなり終わるし。会話もあんまり楽しくないのよね。何で、6位なんだろ。
Posted by ブクログ
今回は何かすごい動機があっての殺人なのか、猟奇的な何かなのかなかなか掴ませてくれなくて。計画的なものではなく、想定外の出来事が重なってドタバタと・・・というところにえぇっ?!と思わずにはいられませんでしたが、最後火村先生が自分を悪夢から呼び戻す梟の声をもう一度聞かせてというのが良かったです。
Posted by ブクログ
火村シリーズで長編小説は珍しい~。
悪夢がこう絡んでくるんだね。狩人は火村とナイトメアにかかってたのかなー。
冒頭の悪夢は渡瀬の描写か、ナイトメアの冒頭なのか、、、。
小説家同士の対談シーンで、有栖川が嫌な気持ちにさせるのは比較的易しいが、恐怖を与えるのは難しいと言っていて、お、有栖川から今流行りのイヤミスへの挑戦状か!?とドキッとした(笑)
(自分にとって、一度読んだら怖くて怖くてもう読めない…という本は京極夏彦の魍魎の匣)
はじめは亡くなった渡瀬信也の情報をマスコミにリークした人物が真犯人なのではと思ったけど、全然ちがった。
でもカウダ・カウダじゃぁわからんー!!!
おもわせぶりな火村の台詞にまんまと騙された…!!
こそこそ電話してるんじゃないわよ紛らわしい…!!(まんまと引っ掛かった…!)
そしてスマホを使うシーンが登場して、時代の流れを感じた。
初期作品は家電使ってたのに。
気づけばアリス達と同年代になっていたけど、彼らは年を取らないなぁ、、。
いつか火村の過去も明らかになるんだろうか。