井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルで買ってしまった。
北信の湯田中の古本屋併設のフレンチのお店「やまブイブイ」。読書好きの女将さんの、おそらく読んだ本だろう。
折しも、宮沢賢治の『注文の多い料理店』という短編集を読んだところだったので、目について、思わず手に取ってしまった。きれいな古本。200円はお買い得♪
さて、誰から、どの作品から読むか?
折しも、短編集を編むなら、作品の掲載順はどうあるべきかを読み友たちと語る機会があったので、果たして順番は大切か、それとも……、という思いを確かめる意味でも、この短編集は、今、読むべきだとも思ったのだった。
結果、最初に読んだのは柚木麻子から。「エルゴと不倫鮨」
なんといっても『BUTTER』の著者、今、油の、いや、脂はこっちの字か? の乗った作者だ。そのヒット作の影響を色濃く残したような、カジマナを彷彿させる豪快な女性が食の蘊蓄を語り、男どもを翻弄していく。痛快な短篇。
次は、井上荒野。「好好軒の犬」
あまり好きな作家ではないが、ネームバリューはこの中ではある。
作品は、冷めた夫婦間の、なんともいえない機微が描かれていて面白味があった。が、これって、タイトルの「注文の多い……」ではない。「食」の話は出てくるが。
伊吹有喜の「夏も近づく」は、好きなテイストだ。
田舎暮らしの食と生活が丁寧に描かれている。が、これも「注文の多い~」というわけではない。
柴田よしきの「どっしりふわふわ」も悪くはなかったが、パンづくりは、どことなくしあわせと直結しがちな雰囲気が、安易といえば安易だったかな。
いずれにせよ、この短篇集タイトル勝ち。
「料理小説集」や「食のアンソロジー」とか、他のタイトルを付けてあったのでは、手に取らなかったろう。 宮沢賢治におんぶにだっこ? 賢治にエルゴ抱っこ紐、って感じの短編集だった(笑) -
Posted by ブクログ
この小説を最低の嘘つき男と図々しくて嫌な女、超然と見えながら傷つき続ける妻が色恋に溺れ、結婚を冒涜する気持ちの悪い話だと定義することは容易い。
確かにどこを取っても自分が体験したいとは思えない。
でも激しい情熱と愛憎が時間をかけて風化していった結果、3人が共同体のようになっていく様は何故か少し羨ましささえ感じる。
みはるが出家したり篤郎が癌になったり、そういう大小様々な出来事が組み合わさって、針の穴を通すような確率で生まれた奇跡のような関係性がまぶしい。
1人の男を愛しすぎるあまり憎んで、憎み疲れて疲れた先にこんな景色が見えるなら悪くないと思う。
妻とみはるの間にある種の共犯めいた空気が流れていたのがよかった。2人は後半ずっとモノローグで互いのことを言及している。でもそれをみなまで伝えないのも、あくまで篤郎への慕情や執着で繋がっている関係なのだなと伺えてよい。美学が近い2人だと思う。
『愛が、人に正しいことだけをさせるものであればいいのに。それとも自分ではどうしようもなく間違った道を歩くしかなくなったとき、私たちは愛という言葉を持ち出すのか。』
↑笙子のこれ好き。 -
Posted by ブクログ
どの話も好きだけれど特に好きな2つを。
まずは川上弘美さんの「アクティビティーは太極拳」から。
何となく合わないと感じていた母と娘が、コロナ禍の最中、距離はありながらも同じ風景を共有し、長い旅の時間を過ごす贅沢さとほんの少しの切なさに胸がいっぱいになる。
違う場所で暮らし、たまに顔を合わせるとやっぱり合わないと感じながらもその関係の面白さに気付いていく様子がとても丁寧に描かれていてとても気に入った。
桜木紫乃さんの「ほら、みて」はどこかでも読んだことがあったと思うのだけれど2度目もやっぱり素敵だった。
自分の両親もこうであってほしいと、こうなってくれるのならば、ななつ星の 旅をプレゼントしてあげたい気持ちになった。
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Posted by ブクログ
私が井上荒野さんを知ったキッカケは2019年「それを愛とまちがえるから」をTVで見てなんか私の中で消化仕切れなくて覚えていた事。
「あちらにいる鬼」を2022年TVで見て同じ作家である事を知り何となくBOOKOFFで見つけた「ズームーデイズ」を買う事になった事は偶然に他ならない。
何故私の目の前をチラチラするのか不思議な縁を感じていた。私とアームーは正反対の性格だと思う。第一三島由紀夫の顔が嫌いだからだ。お洒落な男性も好きじゃ無い。「あちらにいる鬼」では父井上光晴のプライベートがダダ漏れで「ズームーデイズ」は井上荒野自身の事を描いているのではとひと事でありながら心配してしまう私はやっぱり井上荒野さんとは正反対なのだと確信してしまう。何だかんだで私はやっぱり井上荒野の事が好きでは無いけど気になる人と言う分類で頭の引き出しに入っている。偶に引き出しを開けては私とは違う事を確認している...