井上荒野のレビュー一覧

  • 悪い恋人

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    平穏に過ごしていた専業主婦の前に現れた中学時代の同級生。彼と関係を持つことで、周りの世界が徐々に変わっていく。
    人間とは1つの感情で行動してるわけではないという解説の言葉が腑に落ちる。同級生の男と関係を持つ主人公の感情は正直よくわからない。でも平穏を望みながら、それを壊したいという欲求も存在することの怖さは伝わってきた。
    性描写も激しくないし、大した事件も起きない話だが、それが逆にリアルな気がした。

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    2018年08月18日
  • 猫が見ていた

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    作家さんが猫にまつわるお話を書いたものを集めた短編集。
    切り口がそれぞれの作家さんによって全く違っていたのが面白かった。
    猫を飼っていないあたしでもこんなに楽しめたのだから猫好きであったり、実際に飼われているひとにはたまらないだろう。

    新しい作家さん発掘も兼ねていたけれど
    どうかなぁ。短すぎてよくわからなかったのが残念。

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    2018年07月22日
  • リストランテ アモーレ

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    美味しそうな料理の表紙につられて読みましたが、料理より登場人物たちの恋愛模様の方が気になってしまいました。
    女たらしのイケメンシェフの弟・杏二はダメダメでしたが、真面目で不器用なお姉さんの偲さんが幸せになって良かったです。
    結局、皆さん杏二のもとを去っていく…収まるところに収まったのかなぁ…。

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    2018年07月12日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    平穏な老夫婦の日常が、一人の若者の出現によって揺らいでいく。老人を馬鹿にする若者。若者に馬鹿にされまいとする老人。問題が起こっても、子供たちにも言えない老夫婦の思い。若者目線と、老人目線で語られる物語は、どちらかというと老人目線にある者としては身につまされる。

    読んでいて、これは本当に荒野さんの作品なのかと疑うような内容。確かに不穏な雰囲気は少し荒野さんらしくもあるのだけど、終わり方のスッキリ感とかはちょっと違うような・・・。
    荒野さん、歳を重ねて新境地に至ったのかしら。

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    2022年10月09日
  • 猫が見ていた

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    作家の家の庭に住みついた野良猫。同じマンションの住人の猫を密かに飼う女…。現代を代表する人気作家たちが愛をこめて贈る猫の小説、全7篇を収録。

    タイトルから「犯行現場を猫が目撃していた」的な短編推理小説集かと思っていたけれどまったく違った。人気作家たちの短編のうち猫絡み(濃淡あり)を集めただけだった。
    (Ⅽ)

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    2018年06月06日
  • それを愛とまちがえるから

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    タイトルがもうずるい百点だって
    タイトルが確信をついて。内容も確信をついて大変沁みました。
    つらいきもちから逃れようと行動するんだけど
    もっと意味わかんなくてドツボにはまるその痛さが大変沁みます。
    ぶんこがでたらかってほしいな

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    2018年05月11日
  • そこへ行くな

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    人には言えない秘密を抱えた男女を描いた短編集。
    そんなに過激ではないし、登場人物の関係が複雑な感じでもない。でも表現力なんだろうか、心に響く作品もあった。
    最後の病院という作品だけは異色。でもこれが個人的には一番良かった。生と死、都市と僻地。成長することは、誰かと別れることなのだ。

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    2018年04月22日
  • つやのよる

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    オムニバス形式ものが好きなので、みんなが直接でなくとも艶につながっているのが面白かった。
    ラストだけ松尾(男)の話。もうただの執着というか…。こういう人っているな。映画も見てみたい。

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    2018年04月18日
  • ベーコン

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    思っていたよりずっと官能的‥食べるも愛するも本能で、理屈はいらないのだと思う。
    あと、男と女はタイミングが全て。

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    2018年03月11日
  • 切羽へ

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    ネタバレ

    息苦しい話。町中(島中)知り合い、誰が誰の奥さんで、仕事は…住んでるところは…愛人は!…みんななんでも知っている。昔の自分の置かれた状況を思い出し、つらい気持ちになった。
    こんな暮らしが合う人もいると思うけど、私はしたくない。
    結局、何も変わらない。

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    2018年03月10日
  • 切羽へ

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    田舎の島の言葉と東京の言葉の使い分け、はしばしの風景の描写から読み取れる隠喩、場所や会話の設定など、男女の仲の暗示が文学的にうまいなぁと思いました。閉塞感というか、新しいものにドキリとしてしまう感じ。切羽へ、この題名が素敵で切ない。じっくり読まなかったからだと思いますが、時々出てくる十字架の話がよく分からなかった。

    道ならぬ恋、というか夫を(心理的にであっても)裏切る裏切られるタイプの話が好きではないから評価が低めだけど、小説としては良かったと思う。

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    2018年01月20日
  • ベッドの下のNADA

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    井上荒野さんの「ベッドの下のNADA」、2013.5(文庫)発行です。ビルの地下にあるNADA(ナーダ)という喫茶店の岩崎夫妻(夫39歳、妻・翠35歳)を中心に常連客とのやりとり、夫妻の子供の頃の思い出とそのつながりを辿りながら展開していくストーリーです。夫妻がそれぞれ不倫してる感がありますが、夫の方が悪質ですw。夫が「ちょっと本屋に行ってくる」は不倫スイッチ・オンです。バレバレですが。連作6話。この二人、結局は仲がいいのかもしれません。不思議な読後感でした。なおNADAに意味はないようです。夫の名は?!

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    2017年10月04日
  • 結婚

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    ディーンフジオカ主演で映画公開中。観るかどうか迷って先に原作を。

    目次に並ぶ10名の女性の名前と職業と地名に、すべて結婚詐欺に遭った女性視点で描かれているのかと思えば、視点はさまざま。詐欺師本人やその片棒を担ぐ女性、詐欺師の妻まで登場します。

    被害者は揃いも揃って騙されたことを認めたくない。逃げられたと思えずに執拗に探したり、そうでない人はなかったことにしようとしたり。

    「男と不動産は似ている」。直感で最善の物件を選んだつもりでも、失敗するときには失敗する。いや、これって男に限らないでしょう(笑)。悪いのは女か男か。

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    2017年07月08日
  • 結婚

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    結婚詐欺師とだまされた女たちの物語。
    結婚詐欺師はひとり、女はそれぞれ詐欺師に夢を与えられ、その夢を叶えるために男を援助する。
    そして、いつか、おとこはいなくなる。

    その繰り返しではあるが、騙した詐欺師にも、騙された女たちにも、その後の生活が続いている。
    そして物語も、そのまま続いている。
    女たちの共通点はひとつ、同じ男に騙されたということだけ。
    その一点をキーに物語は続いていくが、だれがどんな風に騙されて、いま彼女はどんな生活をしているのか?
    そして、騙された女の後にも、新しく騙される女の生活が続いていく。
    読み進めていくにしたがって、いま誰の話を読んでいるのか、よくわからなくなっていって

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    2017年07月06日
  • そこへ行くな

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    ネタバレ

    ありふれた日常から本の少し境界線をはみ出た人々を描いた7つの短編。
    行ってはならない、見てはならない「真実」に引き寄せられ、平穏さから足を踏み外す過程が、荒野さんらしい温度を感じない言葉で描かれ、ザラリとした皮膚感だけが残る。「団地」は鳥肌が立ちそうだったが、ラストの「病院」が少し明るさを帯びていて救われた。

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    2017年06月29日
  • あなたの獣

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    どうしようもなくだらしない男。男を惑わすダメな女。さ迷う日々。イライラを感じつつも、少なからず惹かれてしまう。井上荒野らしい作品。

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    2017年05月21日
  • ほろびぬ姫

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    「あなたはあなたが連れてきた。嵐の日だった」。そんな一文ではじまります。この文中の「あなた」は「あなた」と思いきや、「あなた」と「あなた」は別のひと。主な登場人物は「あなた」と「あなた」と「私」の3人で、最初から最後まで「私」の一人称で語られるという、この発想の面白さ。

    「私」は高校生のときに事故で両親を亡くし、その葬儀の日に「あなた」と出会う。「あなた」は、途方に暮れる通りすがりの「私」を放っておけなかったのか、それとも恋に落ちたのか。高校を卒業後すぐに「私」は「あなた」と結婚。それから数年が経ち、「あなた」は突然自分の双子の弟を連れてくる。それが冒頭のもうひとりの「あなた」。夫である「あ

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    2017年05月15日
  • それを愛とまちがえるから

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    ネタバレ

    主人公の夫婦それぞれに恋人がいて、妻の提案から、何故か4人でキャンプに行くことになる…っていう、ちょっと理解しがたい物語。
    コメディといったらコメディなんだけど、やっぱりこの人の作品に出てくる女の人は切ない。
    この人の作品に出てくる女性は、相手への愛情はあるのに、相手からの愛情を以前のように感じることができず、愛情を形で示してもらうこともできず、女としても自信を失いかけている。そんな女性が多い。
    どれほど好き合っていた2人でもいつかこんな日が来るのかな。
    切ないな。

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    2017年03月06日
  • ズームーデイズ(小学館文庫)

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    アームーが年下の恋人ズームーと過ごした7年間のはなし。愚かで怠惰なアームーにイライラしながらも少なからず共感してしまう。何ひとつうまくいかないような、何をやっても間違えてしまうような、ほどほどにダメなところをグルグル回っているだけの時期、きっと誰しも感じるそんな時期が異常に長かっただけなのかも。

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    2016年12月26日
  • しかたのない水

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    スポーツクラブを舞台に、どこか心に孤独を抱えながら生きる人々を描いた連作短編集。
    共感できたり、できなかったり…

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    2016年11月07日