井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恐ろしい、理解できない。怖すぎる、そして二人とも愚かで可哀想すぎる。
それをきっと分かっていながら、「自分は上にいる」「自分は見下す立場にいる」「自分は幸せだ」と思い込んで満足せざるを得ない状態なのが、あまりにも可哀想すぎる。
この親元に産まれる赤ちゃんがあまりにも「不幸せ」すぎやしないか??
赤ちゃんを何だと思ってるんだろう…
推しのために仕事をおざなりにし、推しのために借金をし、推しのためにパパ活をする。
そんな狂いに狂った妻を「許せる寛容な自分」に幸せを感じ、他者より優れていると信じる夫。
愚かだと分かりつつも「推しのいる妻を許容しないと幸せでいられない」と認めているのも可哀想で、悲しいなと思った。
というか離婚しなよ。なんでそこ許して「自分だから許せた」みたいに思い込んでやり過ごそうとする?
たぶん自分の無精子症のせいで、そう思わないと心を守りきれなかったんじゃないかなぁ。
倫理観ぶっ壊れてて二人とも人の親になっていい人種では無いと思うし、精神科にかかった方がいいんじゃないか…誰か助けてやってくれ…と思ってしまった。
もはやホラー。
推しのために仕事をして、推しのために自分の人生を生きるのではないのか………
この夫婦は、「推しのため」という言葉をすべて免罪符にしている気がする。
たぶんどっちも狂ってるんだろうな………うーーん、関わりたくない、本当に、こういう人たち。
そもそも「何にも成れないから母親に成りたい」はあまりにも無責任すぎやしないか?
推しキャラと同じ名前をつけたり、推しキャラに似ているとはしゃいだり、
何かもう、この赤ちゃんの予後が悪くて悪くて。
どうにかこの夫婦から逃れて幸せになってほしいとしか……
恐ろしすぎる本だった。
井上さんはアタリハズレが極端な印象だけど、個人的にこの胸糞悪さは大当たり。
やはり一番怖いのは、こういう「普通」っぽいのに狂っている人間。
私も推し活をしている人間なので、正しく生きようと思った。
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Posted by ブクログ
『ママがやった』
とっても久しぶり(*´艸`)
井上荒野さん♪
最近、本の整理に夢中です( •ᴗ• )
作者さんごと まとめたり しています♡
井上荒野さんも 大好きな作家さんのひとりです。
「まさか本当に死ぬとは思わなかったの。びっくりしたわ」 79歳の母が72歳の父を殺した、との連絡に姉弟3人が駆け付けた。母手製の "筍ご飯" を食べながら、身勝手で女性が絶えなかった父の、死体処理の相談を始める……。
視点を替えて描く 愛を巡る8つの連作短篇。
〇 ママがやった
79歳の母が72歳の父を殺したと連絡を受けて姉弟が母のもとに集まる
〇 五、六回
妊娠中絶をめぐる男たちとの葛藤
〇 ミック・ジャガーごっこ
不埒な夫のだらしない彷徨
〇 コネティカットの分譲霊園
娘の結婚と失踪の顛末
〇 恥
不純異性交遊の教え子と女教師の対立と接点
〇 はやくうちにかえりたい
中学生同士のねじれた恋愛
〇 自転車
計算された隠し事の発覚
〇 縦覧謝絶
家族の絆と愛憎…緊迫感みなぎる最終章
…と、いう内容
久しぶりに読んだ 井上荒野さん♪
『最後の晩餐』で短篇を読んでから 久しぶりに
じっくり 読みたいと思っていたんです
この作品も、以前 読んだ時よりもすんなりと読めました( ͡ ͜ ͡ )
夫婦と娘二人に息子が一人…それぞれの視点の連作は それぞれの嫌なところが 隠さずに描かれていて そんな嫌な部分も 時には共感もしてしまうという…
井上荒野いいなぁ♡♥♡
小説を読んでいると……んっ?と思う語句がたまに現れたりするんです( ・᷄ ᴗ・᷅ )ゝ
今回も…
「店主はまだコーヒーにかかずらわっている」
という文( ಠдಠ)
「かかずらわってる」 って何?
調べたら 「関係する」ことのネガティブな側面を表す言葉なんだそうです
知らんかったとです
以前 読んだ時は気にもならなかったのに…
読書しながらお勉強できるなんて (▭-▭)✨
まぁ ラッキー★⁽⁽٩(๑˃̶͈̀ ᗨ ˂̶͈́)۶⁾⁾ ですね!
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Posted by ブクログ
一つ一つのエピソードは短いけれど、とても気が利いている。
人物の心の機微、そして食べ物の描写も際立って美味しそう。さすがとしか言いようがない。
誰かと食べる。同じものを食べながらも、考えていることは違うかもしれない。
顔を見合わせて「おいしい」「おいしい」と言い合えたら、1+1は3にも4にもなるだろう。
しかし、一人きりで好きな食べ物と向かい合うのもいい。食と私、オンリーワンとオンリーワン。
※昔の食の思い出で、つまらない定年後が変わるシニア夫婦
※食べ物に対する姿勢の違いでうまく行かない男女
※元は他人である配偶者との食
※父や母との思い出
※連れ合いやペットをうしなった空虚から、再び食べられるようになるまで・・・
俳句結社「水軍」の人たちの関係者が多く描かれる。
新しくリーダー的存在になった・広渡哲郎(ひろわたり てつろう)は、人たらしである。
元気のない人をそれとなく見抜いてみんなの輪の中に迎える、ということが自然にできる人。
来るものは拒まず去るもの追わずといった、飄々とした雰囲気もあったけれど、最後には一人の女性にとことん真心をぶつけた、というのが良かった。
最後は大団円、「水軍」の人たちと、哲郎の娘が所属する劇団「楡(にれ)」の人たちと・・・関係者でなくても何かのつながりがる人たちもみんな一緒に。
えーっと、この人はどの話に出て来た人だっけ?と、ページをめくり返すのも楽し。
イラストもとにかく美味しそうで、見ても読んでも幸せな一冊である。 -
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美味しい料理とお酒は人の心を動かし何かを気づかせてくれる。
誰かと一緒に食べる料理が(もちろんお酒も)幸せを生んで心も満たしてくれると私が知ることができたのは結婚したからだった。結婚して、子供の頃は知らなかったことをたくさん知ることができた。
初めて読んだ井上荒野氏の小説は句会のメンバーを中心にした様々な状況の人物たちの人間模様を瑞々しく粒立ちのくっきりした言葉たちでこまやかに描写している作品なのだけど、物語というのはいつもミステリアス。最初に登場した人物があやしげで(同い年なのがムカつくし(笑。)思わず登場人物をいちいち書き出した。余韻のある描写はあとでちゃんとつながって出てくる。猫も登場する(もう虹の橋を渡っていた設定だけど)。イラストも美味しそうだし表紙の色がとても素敵。描かれたメニューで一番そそられたはフレッシュポルチーニのフライとピエモンテのバルベラ、このお店に行ってお店で食べたい。笹塚の小体な料理屋とバー「耳」が近所にあったら行ってみたい、きっと楽しめると思う。1+1は料理とお酒の1+1と一人の人間と一人の人間の関係の1+1、答えに正解はない。答えがいくつになるかは誰にもわからない。奥深いタイトル。若いころはやりきれない終わり方をする物語を好んでいたけど、歳を取ったせいかひとすじの光明がみえる前向きな終わり方をしてくれたほうが読後感が満ち足りた気がする。本作も短編ひとつひとつもそしてオーラスも希望が残る終わり方になっていて心地よい。 -
Posted by ブクログ
人は何故愛するのでしょうか?
何故妻の事をこれほど愛しているのに他の女性と関わってしまうのだろう?
何故この妻は夫の浮気を知ってもただ夫の情事を静かに眺めている事が出来るのか?
そして著者は2人の娘なのに何故この小説を書く事にしたのか?そして作中では妻の内心や葛藤や夫の心の様子は全く最後まで謎のままなのである。
更に言うならば瀬戸内寂聴と井上光晴の妻の視点で描かれた小説である事は映画を観て知っていた。
しかし小説家である「みはる」の視点では白木との関係が始まって変化してやがて終わるも何某かのものは続いていく。一方「笙子」は二人の関係をつぶさに感じ取りつつもいつも心の内にとどめておく。
不思議だと思ったのはみはるが「白木の妻は今何処でどうしているのだろう。何を考えているのだろう。白木の様な男とどんな気持ちで暮らし続けているのだろう。」と思い出家を決意して関係は終わり白木と決別できた。
笙子は「愛が、人に正しいことだけをさせるものであればいいのに。それとも自分ではどうしようもなく間違った道を歩くしかなくなったとき、私たちは愛という言葉を持ち出すのか。」と思い幻の夫の方が本物だと思えることがある。そして結局最後まで訣別しないと決めていたのである。二人の関係をもう一人の存在である「みはる」と対峙させる事により夫婦の関係を浮き上がらせたに過ぎないと思います。
作者は実際の父母を描く事によって「本物」の彼らを表現する事になると知っていたのだろうか? -
Posted by ブクログ
続編が出たので読み始めたのですが、五年前に読んだ本書をきちんと思い出したくなって、続編はとりあえず置いといて、まずはこちらを再読しました。(五年前読んだのは単行本)
続編を読む前に前作を読み返すことはほとんどないのですが、本書はものすごく大好きな一冊で、あの三人が続編ではどうなっているのか気になり過ぎて完璧に復習しておこうと思ったのです。
五年前のレビューにはとにかく面白かったという感想をあげているのですが、再読してみて感じ方の違いに自分が一番驚いています。今回は読んでいて切なくて哀しくて……。
主人公の三人は皆六十歳前後、訳あって今は独身、一人暮らし。吹っ切れないものを抱えながらも、毎日を面白おかしく一生懸命生きている……そんな印象だった五年前。
三人にはそれぞれ執着している人がいます。執着するというのは、辛くてなんだか哀しいな……と今回はそれが強く私の中に残りました。する方もされる方も辛い、だけどどうにもならない。それが切なくて仕方がありませんでした。
私が年をとったからなのか、結末を知っている読書だからなのか。はたまた、今の私の心情によるものか。
でも、やっぱり好きな一冊だ!
では!続編を読みます!