【感想・ネタバレ】あちらにいる鬼のレビュー

あらすじ

父・井上光晴、母、そして瀬戸内寂聴をモデルに、逃れようもなく交じり合う3人の〈特別な関係〉を、長女である著者が描ききる。愛とは、〈書くこと〉とは何か。各誌で話題沸騰となった問題作、いよいよ文庫化!

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善き。
やっと読めた。映画になった時からの積読…

瀬戸内寂聴と井上荒野のチチ、井上光晴とその妻、1人の男を巡る女達の生涯の物語。
実話?とも、小説?とも言われ、どちらで読んでも深い。娘の立場で取材し文章にし、そして解説でもあったが、そうやって初めて小説家はそのテーマとの訣別ができるのではないだろうか…と。

なんともダメ男に思えるが、常に女が周りにいるオス。どこまでも男な父と同じ職業になり、父もそれを喜びながらも病魔に襲われて亡くなる。人間らしく生きた、昭和の時代だな、とも思わされる。

ドロドロした内容だが、清々しさも感じる文章で、他作も読んでいきたい。

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2024年01月28日

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井上光晴とその妻と、瀬戸内寂聴と、そして井上荒野によってできた世界でした。
他の著を全て読んでいなくとも、井上荒野はこの本を書くために井上荒野として生まれ、作家になったのではないだろうか?と思えるほど。
川上弘美の解説にあるように、井上荒野の「文章の清潔さ」がこの物語をぎりぎりのところで保っている。

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2023年09月28日

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ネタバレ

瀬戸内寂聴さんの過去についてテレビでみて、驚き、本書を読んだ。
生き様を垣間見れて良かった。(どこまで事実かはわからないが)
やっていることに賛否両論あると思うが、人を惹きつける力のある方には変わりがない。性格やセンスの良さ。女として魅力的なのだと思う。

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2023年07月25日

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 おもしろかった。瀬戸内寂聴さんのイメージがすでにあるからかもしれないが、主要な登場人物3人がそれぞれ互角に強い輝きを放っている感じが滲み出ていて、ずっと内容が濃かった。作者にそれぞれへの思い入れ、愛情が強いからだろうか。
 3人とも非凡で魅力的だが、2人の強くて魅力的な女性と1人の弱くて魅力的な男性とも思える。女性2人が強いのは、それぞれの葛藤や苦しみを内に抱えて生き方を作り、最後まで関係を持続するから。男性が弱いと思うのは、抱えることができず全て放出する生き方をしているように見えるから。女性達は自ら選んだわけではないが、3人は魂のレベルで繋がってしまった感じがする。
 人生をかけた、大切な人との関係性について考えさせられる。

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2023年03月03日

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瀬戸内寂聴さんが好きです。
「子宮作家」と言われた寂聴さんだけど、私は尼さんとしての姿しか知らないし、寂聴さんの恋愛遍歴をあえて知りたいとは思っていませんでした。でも「私小説」を読んだりして、出家前のことも少し知りたいと思っていたところでした。

小説家同士の不倫。しかもそれを一方の娘が書いたとなると、是非読みたいと思いました。

何年も続く不倫というのは、あると思います。多少の実感を持って、そう思います。
非難されることを覚悟して言うと、公にできない間柄であっても、大人になると離れがたくそれぞれにとって必要な絆が生まれることはあると思うのです。

だから不倫自体は別に珍しいこととは思わず、貴重なのは笙子さんだと思うのです。あんな夫婦ってあるんですね。

美しく、料理の腕もプロ顔負けで、夫の小説を清書しつつ、夫の子を堕胎した愛人の見舞いに行く妻。
寂聴さんと笙子さんの関係が特別というより、そういった夫の浮気に付き合ってたどり着いた先が寂聴さんだったから、特別な信頼関係が築かれたということなのでは。
最初(あるいは唯一)の不倫相手が寂聴さんだったら、笙子さんとてあのようには振舞えなかったのでは。

等、いろいろたらればを考えています。

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2023年01月25日

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しかしなんであんな男がモテるのか、まずもってそれが理解不能。みはるがどうして惹かれたのか、丁寧に描写してある、でも分かんない、それは僕が男だからかも知れない、と納得してしまうような文章の上手さだった。
いやぁ、小説というか、文章ってすごいなと久しぶりに感心した作品でした。

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2025年12月18日

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前情報なしで読んで、あとがきを読んでびっくり。作者への興味が高まり、この人の作品を手に取ってみたくなった。内容としてはひたすら男女の愛の軌跡が描かれている。しかし、なぜだか飽きずに読めてしまう。男のつかみどころのなさ、どこか夢中になりきれていないのにやめられない女の性。自分にはこんな体験ないのに、所々共感してしまう不思議。言語化の難しい生き苦しさ(決して何が不幸なことがあるわけではなくむしろ幸せなのに)を感じた時に読みたくなるような作品でした。

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2025年10月06日

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嘘つきで女好きで有名な白木という小説家をめぐり、妻と愛人の視点でそれぞれ語られる物語
途中で出家し尼になった愛人が住職をつとめるお寺に納骨するなど、ほとんど実話ということが信じられなかった

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2025年07月08日

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ほぼ私小説のような題材で、しかも実の娘が自身の両親とその愛人をモデルに書いた小説に興味があり、映像(映画)→原作の順で読みました。

何でこんな作品を書いたのかな~とだけ疑問だったけど、原作最後の方や解説にもあるように、ずっと感じていた考えを文字でまとめることで、ハッキリ訣別したかったのかなと思いました。

作中でもあった、
"いつまでも父親や母親の付属品みたいには生きていない"は作者の本心な気がした。

登場しているモデルの両親、愛人ともに現在は亡くなっており、『あちらにいる鬼』とはあの世にいる鬼神(たち)ということなのかなと感じた。

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2025年05月14日

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父・井上光晴と瀬戸内寂聴をモデルに、父と母、そして寂聴の特別な関係性を描いた小説。

「恋多き人」の真髄を見た気がする。
強いなあ。自分に対する自信、というか。自信ではないけれど、揺らがない何か。
恋は多いけれど、恋に執着はしていない。

白木の妻、笙子さんがとても魅力的だ。
ひとりの、どうしようもない男を愛してしまったふたりの女。
どうしようもない男の正妻として生きた笙子さんの最後の言葉が全てを持っていった。

「ただ篤郎のことだけを考えている。」

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2024年10月28日

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男と女、その一挙一動そのひと言に隠れた意味がある、深い洞察による緊張感のある不倫物語。出家の辺りからこれって瀬戸内寂聴物語?ちょっと褪めた。

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2024年07月28日

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長内みはると白木篤郎を中心にそれぞれが情事を積み重ねて行きながら、作家としての仕事はそれなりにこなしていく奇妙な物語だが、このような生き方もあるのだなと、ある意味で感心した.篤郎の妻 笙子が夫の浮気を感じながら、子育ても難なくこなす幅の広さは特筆ものだと思った.篤郎の行動は突飛な面はあるが、読者からするとやってみたいなと感じさせるものだ.みはるの行動も篤郎とつかず離れずの憎い動きで自分の生き方を守り抜く意思を感じた.得度する決断も面白く、篤郎がこまめに現れるのも楽しめた.解説にモデルとなる人物が紹介されていたが、それは別にしても、作家の行動形態が垣間見える内容だと思う.

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2024年01月05日

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ネタバレ

ひとりの男を取り巻く女ふたりの話。

主眼は妻の方かな
前評判では瀬戸内寂聴さんの話って聞いてたけれど、話題が落ち着いてから読んだからそんなにあの人を思い出すことなく、小説として読めた。ここ大事だったかも。だって、娘が書いてるのを心に浮かべながら読むなんて、ねぇ。

男に対して本当に思うところはたくさんあるけれど、それがあっても惹き付ける人っていると思うし、それに惹かれて愛着を持ってしまったふたりの思いや決断が興味深く読めた。その辺りが私は好き。
最後まで読んでから改めてタイトルをみると、なんとも毒っけがありつつ、突き放してもいないいい感じ。

出家という、自分にも世間にも相手の男にも家族にも有無を言わせない頑とした方法をとった女と一生側で支え続けた女。
同じ女としてどちらの気持ちも感情もわかる。
そして、私個人としてこの妻の行動は『妻』という立場に期待しているものだと思った。自分がこうなりたいと思うかとは別で『妻』ならこうしてほしいという勝手な思い。
まぁ、女たちの行動の基盤には男への愛があって、それ故にこうなっていると思うんだけれど、やっぱりこの男はずるい。
本心はどうなのか、考えても分からないことだけれどふたりとも大事で、なおかつ、ひとりじゃだめだったんだろう。そして女にちょっかいを出すのが好きだったんだろうと思うけれどこればっかりはなんともね。そういう性質なんでしょう。

愛に生きたいと思う私にとって、この小説にあることはそれぞれが愛を体現してるように思えた。綺麗事かもしれない、こんなの本当の愛じゃないっていう意見もあるかもしれない。ただ、各々が傷を負いつつ、自分の信念に沿って生きた姿が見えた。

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2023年10月29日

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不倫の話であることは、映画化で話題になったことから知っていた。
「みはる」視点から始まる文章を恐る恐る読み進めていけば、恋愛小説である。
一章に必ず、篤郎の愛人である「みはる」視点と、妻である「笙子(しょうこ)」視点が描かれる。
篤郎を真ん中にはさんで向かい合う、二人の女。
視点が変わるごとに「あちら」は入れ替わる。
篤郎視点は無く、二人の女性によって描かれるのみである。

その篤郎は、どうしようもない下半身を持つ。
ピンときた女は全力で口説く。
その結果、ヤツの子供を二度堕ろして手首を切った女に会う勇気がなく、妻に命じて金を渡しに行かせたりする。
どこに行っても、息をするように女をモノにする。
チビで、声だけが大きい。決して美男子ではないのだけどなあ。
昭和の文士というものは、こういうものだろうか。
不良でなんぼ、みたいな。

読み進むうち、これは「家族小説」なのだと思う。
不倫を描いて生々しさがない。

女とみれば寝てしまう篤郎は光源氏かもしれない。
その女たちは、本命とその他に分けられる。
篤郎にとっては、本当の本命は誰であったのか。
・・・
光源氏と違って幸福でしょう。
本命の女たちに弔ってもらえたのだから。

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2023年06月29日

Posted by ブクログ

妻と愛人の2人の視点で書かれた作品。

悲劇とは遠い、凪た暗い海みたい。
折り合いと訣別と覚悟。
そんなものがぐるぐるしてて、私はまだまだ幼いんだなとつくづく思う。
そして愛にまだ出会ったことがなくて、いつになったら出会えるんだろうとも思う。
どうしようもなくひとりで常に誰かを必要としている篤郎の必死な姿が皆を惹きつけて離さない。
"本物の嘘"の意味がなんとなくわかる気がした。

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2023年05月07日

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なんだろう、ドロドロした話だと思うんだけど読んでる時も読後もなんなら清々しさすら感じる。読みやすい。文章のせいかな。主要人物みんな嫌いになれない。いや、一緒に暮らすのは無理だけれども笑

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2023年02月21日

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男とその妻、そして男にかかわった女。夫を巡る女たちという、女性2人の目線から書かれています。愛とは不思議だなぁとつくづく考えさせられました。

中国で、鬼とは死者の霊魂そのものを表すのだそうです。今は亡き人物を弔う意味もある作品なのかもと感じました。

互いが苦しみつつ、離れられずにいる関係を断ち切るために、なぜ女性が出家するに至ったのか。その募る想いを明確に知りたいがために、作者はこの小説を書いたのかもしれません。

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2025年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんとなく瀬戸内寂聴が関わっていることが仄めかされてるのだけ知って読み始める。
白木という小説家の男と妻の笙子、愛人の長内みはるを軸に広がっていく物語。

女性二人の視点から展開されていくストーリーはおよそ50年というとても長期にわたる時間軸をまとめていながら、その実ですごくゆったりとした時間が流れているように感じた。人生の大半はただの時間に過ぎないってきっとこういう事なのだろうな。

長内みはるも笙子も、白木を介した複雑な関係性がゆえに繋がってるような繋がってないような絶妙な距離感。

果たしてタイトルの鬼とはなんのことだったのか。

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2025年04月26日

Posted by ブクログ

井上荒野さんの本を読むのは初めて。
ふと井上荒野さんの本を読んでみようと思い、あらすじが面白そうだったので手に取った。
瀬戸内寂聴(と井上光晴)の不倫が下敷きになっているとは全く知らずに読み始めたので、「女性の作家で夫と娘を捨てたことがあるなんて、瀬戸内寂聴みたいだな」と思って読んでいたらその作家が出家すると言い出し、「まさか本当に瀬戸内寂聴?!」とびっくり仰天した。

「書く」ことによって、ある出来事や事実について、推敲するうちにどんどん主観が込められ、捻じ曲げられてしまうのでは、自分の気付いていなかった気持ちが見えてしまうのでは、とみはるや笙子が考えているのが興味深かった。
たしかに過去の出来事を繰り返し思い出していると、いつの間にか自分に都合のいいように書き換えられていることがある。
思い出すだけでも書き換えられるのだから、それを「文字」という形に残す作業では、その書き換えが起きる可能性はもっと高いのだろうな。

他の女性との恋を繰り返した白木が癌になって、病床で笙子の姿が見えないと、大きな声で「おーい」と呼び続けるのが哀れだった。
誰かをどんなに大事に思っていても、その人を裏切るような真似をやめられないのが人間なのだなと思わされる。

1960年代のみはるの語り口のさっぱりしていて媚びたところがない感じが、本当にその年代の女性らしくて、自分がここ10年以内に出版された最近の本を読んでいると忘れるほどだった。

瀬戸内寂聴さんについては出家後の姿しか知らないけれど、テレビなどで見るといっつも恋愛の話をしていて、ベタベタしたおばあさんだなと正直あまり好きではなかった。この本のみはるに対してはそんな印象を抱かず、むしろ淡々としているところや落ち着いた視点に好感も持っていたので、一部の姿だけ見て好きとか嫌いとか思うのはあさはかなことだったなと反省したりする。
とはいえみはるが白木への弔辞で「セックス抜きの関係だった」などと抜け抜けと述べているところは、やっぱりベタベタしてるというか、出家後はさておき不倫関係にあった以上セックスには言及しなければいいだけのことでは?いい大人が何してるの?とモヤモヤ。笙子がこの弔辞に好感を持ってたとしてもわたしは嫌だ!

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2024年12月17日

Posted by ブクログ

ずっと読みたかった本。
自分の父とその不倫相手のことを、置き去りにされた自分と母の目線で書かれたものだと勝手に思っていた(どれだけ子ども時代の自分と母がさみしい思いをしたか、とか)。
しかしそんな子どもの思いなどはなんの描写もなく、みはると笙子が交互に語っているのみ。
しかも二人とも奔放すぎる白木に悩みはするが、いつまでも切れないでいる。なんなら悩んでる描写もあんまりない。
みはるなど出家までしたというのにその決心までの経緯はあまり語られていない。

だからなのか、途中で何度も読むのを挫折しそうになった。

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2024年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

井上荒野氏の両親と瀬戸内寂聴がモデルになっているであろう小説。
読みやすい文章だし、突飛なことが起きるわけではない(篤郎の存在は異常かもしれませんが)のに、読んでいて疲労を感じる1冊でした。

全半のみはると笙子の見えない敵を篤郎を介して察するようなヒリヒリとした雰囲気が、みはるの出家後に徐々に変化し、最後には同じ男を愛した同士のような関係に変化していく様が見事でした。
また、生にしがみつく篤郎と、みはる・笙子のどこか世を捨てたような感覚の対比にも随所でゾクゾクさせられました。

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2024年05月27日

Posted by ブクログ

発売当初、すごく読みたかった本。やっと読めた。
瀬戸内寂聴と不倫していた相手の男、その娘が井上荒野さんとのことで、その不倫関係を描いてあると知っていったいどんなドロドロとしたものが書かれてるんだろう…と思ったけど、そんなことはなかった。
寂聴モデルのみはる目線と、妻の笙子目線で交互に語られる篤郎はどうしようもない女誑しの嘘つき。
それでもみはるにも妻にも愛されていたんだな。
不倫テーマだし幸せなシーンはないけれども、読み終わった時少し切なく、彼らが愛おしくもあった。

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2024年03月16日

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一人の男を巡って妻と愛人の視点からその生涯を描いた作品で主要な登場人物の誰にも感情移入や共感できないけれど興味深く読み進められた
これが実話を元ネタにしていて、描いているのがその娘で、愛人がこれを絶賛してとかもう色々ぶっ飛んでる

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2024年02月22日

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瀬戸内寂聴と井上光晴とその妻の
愛のあり様を描いた作品だ。
その関係は普通の妻、恋人なら
平常心ではとても居られない物だ。
緻密に描かれた妻の笙子と愛人のみはる
の心情が時に白木と言う男を通して
振り子の様にすれ違い、時と共に
二人の女の心情がやはり白木を通して
重なり合って行く歳月は同じ男を愛した
二人にしか分からない三角関係と言うより
三人の蜜月だったのかも知れない。

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2023年08月12日

Posted by ブクログ

篤郎の本妻である笙子と、浮気相手のみはるの、2人の女性の視点で描かれた作品。
前情報もなく読み始めたので、みはるが出家する、という所で瀬戸内寂聴さんみたいだなーと思ったら、彼女をモデルにしていたので、驚いた。

というのも本書は、井上光晴とその妻、そして瀬戸内寂聴をモデルにした作品で、書いたのが光晴の娘なのだそうな。しかも瀬戸内寂聴に取材をし、作品の参考にまでしているので、全部フィクションではないのではないかと邪推してしまう。

映画化されているが、笙子役を最近話題の広末涼子が演じているのも皮肉な話。(撮影当時から浮気していたのかは知らないけど)

笙子もみはるも落ち着いた女性のようで、その語り口はゆっくりなため、途中で読むのを挫折しそうだったが、なんとなく続きが気になる、そんな話だった。

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2023年07月02日

Posted by ブクログ

昔この人をTVでみかけて
上品な尼さんといって母に咎められた
最近映画化され、その原作ということで読んでみた
とても面白い小説で。
同時にとても気分が悪くなった

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2023年06月24日

Posted by ブクログ

限りなく4に近い星3つ

内容もその人間関係も口にすると重いが、文字で追うと湿気のないサラサラとした感触です。

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2023年03月27日

Posted by ブクログ

半分まで読んで、後半を読むのが辛くなった。
途中で投げ出したくなった。
面白くないとわけではない。
白木という人物が私には理解できず、その人と縁を切れない女達の気持ちもさっぱり分からず、もやもやしたまま終わりそうな気配がしたからだ。
実在の人物がモデルであり、実際そういう関係だったのだろうと考えると、人間は不可解な生きものだと思う。他人の気持ちなどわかるはずもないのだ。

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2023年02月12日

Posted by ブクログ

瀬戸内寂聴と井上光晴の妻。
2人の思想が交互に描かれてる作品。

なんで、こんな井上光晴みたいな男に惹かれるのか意味が分からない。
謎な不倫劇。
それでも、ページをめくってる変な気持ち。
それを書いてるのが井上光晴の娘っていう。意味不明。

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2023年01月29日

Posted by ブクログ

不倫関係にあったという作家の井上光晴と瀬戸内晴美(寂聴)。井上の実娘である著者が、自身の母を含めた三角関係を描いている。

物語は時系列で、愛人みはると妻笙子の視点から交互に作家白木篤郎との日々が語られる。とにかく篤郎の女性関係のだらしなさ、無神経さに呆れてしまう。今でいうなら一種の発達障害ではないか。妻は内心穏やかではなかったと思うが、淡々と受け止めて家族として変わらぬ生活を続ける。

やがてみはるは、不倫の清算のため出家を決意。最後に一緒に風呂に入り、髪を洗ってもらう別れの場面は美しく、この物語のハイライトだろう。それを男の娘が書いていると思うと胸がふさがれる。
後年は、みはると笙子は妻と愛人という葛藤を超えて、ある意味友人のようなふしぎな関係になっていく。

これまでに何冊か読んだ著者の小説では、肩すかしみたいな感想を抱くことが多かったが、今回は一番良かった。ラストも良かった。
自分の両親と文壇の大御所。悪し様には書けないだろうし、キレイごとになってる感はあるが、それでも並々ならぬ覚悟で向き合ってる迫力が伝わってきた。

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2022年09月24日

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