井上荒野のレビュー一覧

  • あちらにいる鬼

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    ネタバレ

    瀬戸内寂聴さんの過去についてテレビでみて、驚き、本書を読んだ。
    生き様を垣間見れて良かった。(どこまで事実かはわからないが)
    やっていることに賛否両論あると思うが、人を惹きつける力のある方には変わりがない。性格やセンスの良さ。女として魅力的なのだと思う。

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    2023年07月25日
  • その話は今日はやめておきましょう【毎日文庫】

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    定年退職後の穏やかな生活を送っている夫婦。
    ある日、ロードバイクで夫が骨折をしてしまった。
    そこで偶然出会った一人の若者。
    親切に接してくる若者にすっかり心を許す二人は徐々に頼りにするようになる。
    ところが若者には暗い闇を抱えアウトローな面をひた隠ししていた。
    そして、宝石が無くなったり、時計が無くなったり、お金の工面を相談されたり・・・・

    昨今の老人詐欺事件を考えてしまうようなハラハラ感が堪らない!
    同じ立場に立たされたら、どうするか?

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    2023年07月06日
  • 小説家の一日

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    不倫、イジメなど胃が重くなる話題が多い短編集。平易な文章なのにその空気感や情景を醸し出す所が、好きな作家さんの由縁。「料理指南」のやるせ無いピュアな樹さんがとても良かった。

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    2023年02月21日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    自分にとっての近未来のリアルを示された気分。それだけに終わり方がありがたい。映画『パラサイト』を、縮み志向&曖昧な含みで日本的にリメイクするとこんな感じになるのかなと思った。何にせよ文章がうまい。

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    2023年01月25日
  • あたしたち、海へ(新潮文庫)

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    過去と今の自分に繰り返し向き合わされた一冊

    物語に出てくるルエカとその取り巻き、そしてターゲットにされる子達。読みながら幼い頃の記憶がまざまざと蘇った。同じシチュエーションが自分にもあったと。ルエカのようにリーダーではないが、あるときは取り巻き側、ある時はターゲットとされる側だったと。今の自分の環境が全てでどこにも希望がなく募る無力感。この物語に出てくる有夢、瑶子の一つひとつの描写は昔の自分を見ている様だった。

    ルエカのいじめの理由が暗喩される描写箇所を読んだ後では、序盤、得体の知れない不気味な存在だったのだが、打って変わり、まるで怖くて怯えながら吠え続ける犬の様に思えた。
    いじめる側の背

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    2023年01月08日
  • 静子の日常

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    おっとりしていて、さっぱりしていて、よけいなことを言わない75歳の静子さんは、「可愛らしいおばあさん」。
    夫が亡くなったあと、一人息子の愛一郎と嫁の薫子と孫娘のるかと一緒に暮らしている。

    物語の流れ方が、今まで読んだことがない斬新さがあって、とても面白いと思った。

    静子さんは、週に二回バスで通うフィットネスクラブでも一人果敢にふるまい、家族の誰かの少しの変化も見逃さず、さりげなく一肌脱ごうと動いたり、その神出鬼没さがかわいらしくて、思わずくすっと笑ってしまう。
    日々の暮らしの中でふと亡くなった夫のことを思い出すところには、彼女がこれまで生きてきた歳月の厚みを感じてしまう。

    静子さんのしな

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    2023年01月01日
  • 小説家の一日

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    読者感情を儘に操る短篇十作品は何れも秀逸。日常の些細なこと、ありがちな出来事を巧みに描写。曖昧さを残したオチもいい。登場人物の台詞ひとつにしても含みを持たせ、つい深読みしてしまった。

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    2022年12月18日
  • 小説家の一日

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    小説や日記からメモやSNSなどちょっとしたことまでの「書く」ということをテーマにした短篇集。どういう理由でそれを書くのか。日常のなかの何気ない時や、仕事で必要な時など様々で読んでいると感情がざわざわしてくるような、少し不安になるような感じがあった。そこには本人が思っているよりも多くの情報や自分の想いが入っていたり、受け手の感情も感じ取れるからなのかもしれない。近年読んだ短篇集のなかで一番だと思う。

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    2022年11月08日
  • 小説家の一日

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    ゾワっと迫ってくるような怖さを感じる短篇がいくつかあった。過去の自分の心情に似た作品もあり、考えさせられた。

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    2022年11月06日
  • そこにはいない男たちについて

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    ざわざわして、わーと読んでしまった。
    通り過ぎると、もどれない。
    いないけどいるは、苦しい
    こころが落ち着いたころに、また読みたい。

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    2022年10月09日
  • あたしたち、海へ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    メインは女子校で起きてるいじめだったが、その周辺で起きている様々な人間関係も時々混ざり、どの話も読んでいて辛かった。現実でもニュースを見て、人間の醜さに人間でいることが辛くなる。人それぞれ他人には理解されない生きづらさを感じながらも必死に生きているんだなあ、と泣きそうになった。

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    2022年10月01日
  • 猫が見ていた

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    「ハッチは念入りに顔を洗ったあと、今度は熱心に右手を舐め始めた。だからきっと、明日は雨のち晴だ」
    うちの猫はひとりはこの部屋の隅で丸まって寝ている。もうひとりは玄関の半開きにした網戸の外で寝転んで周りを見ている。今は。
    一日中猫をさがしているような気がする。よく外に出る猫なので、顔を見ると安心する。もちろんツンデレなのでベタッとくることは滅多にない。
    この本を読んで、まあ実に作家というものはいろんな話を創り上げられる人種だと感心する。
    中でも加納朋子の作品が気に入った。はじめて知った作家だが何か読んでみよう。

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    2022年09月12日
  • 静子の日常

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    最近のヒット 一万円選書で届いた本。静子のキャラクターが本当に良くて、クスッと笑えるところが幾つもあり、泣けるところもあり、いろいろな要素がぎゅっと詰まった宝箱のような素敵な作品。何歳になっても何かを始めるって良いな、と前向きにもなれたし、この本に出会えて良かった。

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    2026年01月12日
  • 静子の日常

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    あー面白かった!

    長男家族と同居している75歳の静子さん。
    おっとりとお上品な身のこなしをしながらも、好奇心旺盛で、観察力が鋭く、茶目っ気があり、筋を通す、とにかくすごい人。

    静子さんの日常はすごい。
    ハラハラ、ドキドキ、時々クスッと笑ってしまう、何だか小気味よいおばあさん。
    敵には回したくない。

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    2022年05月27日
  • その話は今日はやめておきましょう【毎日文庫】

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    定年後の老夫婦のあり方を、日常とともに描いた作品ってとこかな。

    子供たちが巣立ち、夫婦2人になって互いに支え合って生活する様子が、なんだかリアルに感じられました。妻のゆりこ、夫の昌平、自転車好きの一樹、それぞれの視点に変わって話が進むのは、とても読みやすくて軽快。

    オレオレ詐欺じゃないけど、一樹の嘘に巻き込まれなくて良かった。

    そして最後、昌平が妻に惚れ直すシーンがとても良かった。もはや震えた。

    老後は、こんな風に誰か(誰か?)と暮らしたいな。

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    2022年05月19日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    ネタバレ

    やはり再読したくなった本。ネタバレありです要注意。

    江子、麻津子、郁子の60代の女性3人が営むお惣菜屋「ここ屋」の、ご飯が炊ける描写から、この物語が始まる。
    料理の(しかも、単なる家庭料理ではなく、売れるお惣菜を作る)腕は確からしい。

    3人にはいずれも、それぞれの人生で関わりのあった男性への想いがある。離婚した相手を諦めきれない江子、1人をずっと思い続ける麻津子、夫を亡くした郁子。それぞれが持っている「想い」は、それぞれの「思い込み」でもある。現実とのすれ違いを認められず、捨てきれないところを、物語が一つずつ解いていく。共通の想いびととして描かれる進くんは、3人のおばさんたちに翻弄されて面

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    2022年02月24日
  • 切羽へ

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    最近、ミステリーのように筋立ての妙で読者をひっぱる物語よりも、文章それ自体の力によって、ゆっくりと歩ませてくれる種類の小説に強くひかれる。在るということ、それ自体が発する力を受けとめる緊張感をもった器のような、そんな小説だ。
    九州の小さな離島の、わずか一年間の物語である。眼に見えるような変化はほとんど起きない。ただ、ひとりの男がやってきて、いつのまにかいなくなっただけ。しかしその、何もないように見えて何でもある島の生活は、たとえば、セイの毎日を満たす食べものを通して、こんなふうに描きだされる。
    「こればっかりは島で採れるとが一番」と義父がいう、アオサのおつゆ。から揚げにしようか、さっと煮ようか

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    2022年02月13日
  • その話は今日はやめておきましょう【毎日文庫】

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    面白かったです,みにつまされる気がしました。人間の弱さ、頼りなさ、若者と老人の格差、夫婦の関係の微妙さ、妻の逞しさ、おっとの情けなさなどなど。しかし自転車で10キロ走れる人達に、家政婦はいるかな、?ともおもいました。

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    2021年09月08日
  • その話は今日はやめておきましょう【毎日文庫】

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    もうすぐ50歳になる私の心に
    とてもしっくりくるお話。

    歳を重ねて自信がなくなり
    若者を逞しくも怖くも感じ

    まだまだ楽しめる。
    楽しむよ。
    頼ることも増えてくるけれども。

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    2021年06月06日
  • 静子の日常

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    ネタバレ

    70歳を超えても自分の人生を謳歌するおばあちゃんがとても気持ちいいし愛らしい。自分の決めたことは貫く姿勢が孫のるかにも受け継がれているのもよかった。山田くんとるかの恋にきゅんとした。。

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    2021年05月25日