井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
善き。
やっと読めた。映画になった時からの積読…
瀬戸内寂聴と井上荒野のチチ、井上光晴とその妻、1人の男を巡る女達の生涯の物語。
実話?とも、小説?とも言われ、どちらで読んでも深い。娘の立場で取材し文章にし、そして解説でもあったが、そうやって初めて小説家はそのテーマとの訣別ができるのではないだろうか…と。
なんともダメ男に思えるが、常に女が周りにいるオス。どこまでも男な父と同じ職業になり、父もそれを喜びながらも病魔に襲われて亡くなる。人間らしく生きた、昭和の時代だな、とも思わされる。
ドロドロした内容だが、清々しさも感じる文章で、他作も読んでいきたい。
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Posted by ブクログ
過去と今の自分に繰り返し向き合わされた一冊
物語に出てくるルエカとその取り巻き、そしてターゲットにされる子達。読みながら幼い頃の記憶がまざまざと蘇った。同じシチュエーションが自分にもあったと。ルエカのようにリーダーではないが、あるときは取り巻き側、ある時はターゲットとされる側だったと。今の自分の環境が全てでどこにも希望がなく募る無力感。この物語に出てくる有夢、瑶子の一つひとつの描写は昔の自分を見ている様だった。
ルエカのいじめの理由が暗喩される描写箇所を読んだ後では、序盤、得体の知れない不気味な存在だったのだが、打って変わり、まるで怖くて怯えながら吠え続ける犬の様に思えた。
いじめる側の背 -
Posted by ブクログ
おっとりしていて、さっぱりしていて、よけいなことを言わない75歳の静子さんは、「可愛らしいおばあさん」。
夫が亡くなったあと、一人息子の愛一郎と嫁の薫子と孫娘のるかと一緒に暮らしている。
物語の流れ方が、今まで読んだことがない斬新さがあって、とても面白いと思った。
静子さんは、週に二回バスで通うフィットネスクラブでも一人果敢にふるまい、家族の誰かの少しの変化も見逃さず、さりげなく一肌脱ごうと動いたり、その神出鬼没さがかわいらしくて、思わずくすっと笑ってしまう。
日々の暮らしの中でふと亡くなった夫のことを思い出すところには、彼女がこれまで生きてきた歳月の厚みを感じてしまう。
静子さんのしな