井上荒野のレビュー一覧

  • それを愛とまちがえるから

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    ドキドキしながら、せつなくなりながら、読んだ。
    あの人もこんな感じだったのかな。

    「へらへらしていて、ぺらぺらしていて、でもまあ、どこか味があって、独特で。」

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    2018年02月13日
  • 静子の日常

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    静子は75歳
    夫の十三を亡くしてから
    息子夫婦と暮らす。
    .
    この静子の行動力が素敵。
    フィットネスに行ったり
    若者とバーボンを飲んだり
    1人で町内のバス旅行行ったり。
    でもこの小説
    静子だけが面白いんじゃ無くて
    宇陀川家が面白いん。
    息子の愛一郎、嫁の薫子、孫のるか。
    それぞれの視点からの短編だけど
    前の前のやつが生きて来たりする。
    静子と大五郎の仲も羨ましい。
    ほっこりしたり、思わず吹き出したり。
    .
    井上荒野さん、こーいう類のはすごく好きです。

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    2018年01月28日
  • つやのよる

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    ネタバレ

    ざらざらと何かが引っかかるような、なんとも言えない読後感を味わうのは初めて。少し前に流行った『イヤミス』とも異なる。
    …多分、三十代後半の今だからこそ(うわ、面白い)と思えたのだと思う。
    目の前がぐらぐらするような展開は決してないのだけれども、どの章にも不思議な爽快感があった。

    個人的には、艶を看取った看護師がすき。

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    2018年01月08日
  • ベーコン

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    荒野さんはとってもかくかくした文章を書く。何というか女性特有のまろみをもった文章ではない。それなのに、ふとした言葉や一文に優しさやかわいらしさが潜んでいる。だから読んでいてとても心地いい。食べ物と大人と子供と愛のカタチといろんな要素が合わさって、まざりあってこの本はできあがっている。その食べ物を作った者、食べた物、気持ちも一緒に飲み込んでいる。消化(昇華)させるために。水餃子やトナカイサラミやベーコンは、どうやって昇華していったのかな。血と肉になるだけじゃなく、人生を続けさせ包み込み許すのが食事なのかも。

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    2017年08月02日
  • あなたにだけわかること

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    それぞれの父と母の逢瀬に連れていかれていた幼い少女と少年。
    大人になった2人は、なるべくなら思い出したくない関係、でもときどき思い出してしまう関係になった。

    夏と駿、2人の異常とも言える関係、そこに絡めた2人の人生が、とても興味深く、好みの作品でした。

    2人が成長していく過程で出会った人たちとの繋がり、それぞれへの思い、根底あるのは親の存在。
    幼少期の親の影響力の強さを思い知らされる思いでした。

    最後まで一気読み。
    面白かったです。

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    2017年04月26日
  • 切羽へ

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    淡く美しい小説。

    夫の描く絵、島の景色、人々のありよう。
    穏やかであたたかい、ある意味なまぬるいような
    景色のなかにやってきた石和という人。
    ざわめきが、ゆっくりと穏やかな景色を、
    空気を乱していく。

    切羽とは、トンネルを掘っていくいちばん先。
    トンネルがつながるとなくなってしまう。

    いつか喪われてしまうもの。
    喪ったことで美しさがいつまでものこるもの。

    書かれないことで、心にのこる、
    そんな淡い美しさがこの小説の印象。

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    2017年01月08日
  • 森のなかのママ

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    旅行用に買った文庫本。ずいぶん時間をかけて読んだが、開くたびにその場に入り込める。素敵とはこういう世界をいうんだなあ。

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    2016年10月16日
  • リストランテ アモーレ

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    こういう料理出てくる系小説って読んでると毎回お腹空く(笑)あたしもアモーレの常連客になりたいなぁ‼︎

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    2016年08月27日
  • 不恰好な朝の馬

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    連作短編集… なんだこれ?と思うと最後まで読めない短編集もあるけど、井上さんのは文章がそっけないのに読み進めてしまう。
    好奇心で他人の生活を覗き見したくなることって自分にもあることを、登場人物の行動で知らしめられてしまう。
    だからなんか居心地悪い気持ちを抱えたまま進み、その行動の先に思いがけないことが起こると気持ちが晴れるのかも。
    みんな不穏なパッとしない日々を生きてるのね。。

    山本文緒さんの解説が効いてます!

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    2015年09月25日
  • 静子の日常

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    ネタバレ

    75歳の静子さんにすっかり心酔

    人が決めたことについてはそうでもないが、
    自分で決めたことはぜったいに守る。
    それは静子の信条である。

    静子は=それも、信条のひとつとして=後悔はしなかった。
    でも、後悔しない人生は、正しい人生というわけではないわね、と考えた。

    全然泳げなかったのに、フィットネスクラブに通い
    水泳教室で、25m泳げるようになり、
    まるでおバカな子にあてたような張り紙
    たとえば、「悪口を言うのはやめましょう」とか
    その張り紙に、こっそりと付箋に「バカ?」と書いて貼るとか
    自分の考えと信条で、判断して行動し発言できる
    とても可愛く素敵な静子さん
    お嫁さんの薫子さんも、息子の愛

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    2015年07月23日
  • 森のなかのママ

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    面白かった〜。
    浮世離れしたママや、そんなママにイライラしながらもいつも敗北しちゃう娘も、ママの取り巻きのおじさま方もみんな愛すべきキャラで読んでいて心地よかったな〜。
    ちょっとおおらか過ぎ。
    どこ吹く風のママ。
    いやいや、冷静に見るとママの置かれてる立場って結構よ…なのにこんなにカラッとなるのはママのなせる技なのね。
    ママは強いのか弱いのかがわからない。そんな所が周りの人を惹きつけるのかなぁ。とにかく魅力的。困ったちゃんなとこも致し方ないのか。
    続編を希望します。

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    2015年06月05日
  • ひどい感じ──父・井上光晴

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    井上光晴氏の本は読んだ事がないのだけれど、作家である娘さんに書いてもらえた事は幸運であるのではないかと思う。
    しかも、付き合った男子達に『君はファザコンだね』みたいに言われてしまう荒野さんである。
    非常に興味深かった。
    作家の家というもののひとつの形態を見た気がする。

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    2015年05月16日
  • そこへ行くな

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    人生は、自分が主役だと信じて疑わない方がラクなのだろう。不安と期待で覗いたパラレルワールド、「そこ」で立ちすくむ人々の姿が描かれて、緊張を強いられる短編集。
    世界がふわりと回転する「病院」の清々しさに救われる。
    龍くんは素敵な一人前の男だと思う。

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    2014年09月20日
  • ズームーデイズ(小学館文庫)

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    再読
    妻子あるカシキとつきあっていた小説家の私はテレビ局で知り合った八歳下の学生アルバイト、ズームーと暮らし始める…
    著者の自伝的小説ともとれる

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    2013年10月16日
  • あなたにだけわかること

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    お得意の不倫ものだけれど、今回はちょっと趣向が違った。
    主役は不倫をしている男女それぞれの子供、駿と夏。
    大人が秘密の時間を持つ間一緒に過ごした二人。
    ほんの小さな子供だった二人は人生の時折ふと交わる。
    それは愛なんかじゃない、情でもない。
    共犯者に近いと思う。
    そんな二人の関係性が妙にリアルだった。

    親のしていたことが何だったのか理解する年頃になっても、親を責めたり反抗したりしない二人の姿が痛々しかった。
    どうしようもない親をじっと見てきた二人は、どうしようもない大人になる。
    人生の道々で時折交わる二人は因縁から抜け出せないようにも見えるし、それが必然のようにも思える。

    いい人ばかり出て

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    2013年07月28日
  • あなたにだけわかること

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    この物語は嫌いと答えるひとのが多いと思う。けど、わたしは始めから吸い込まれ、終わった時には好きだなって思った。

    なにもかもがスッキリしない物語。曖昧な。肝心な描写を避けていて、で、結局どうなったの? の連鎖的な。5歳のときに駿は母親に連れられ線路を超えた先にある夏の家を度々訪れることになる。駿の母は夏の父に猛烈に恋をしていた。夏の母は他界しており、駿の父は外科医だった。
    それから場面は小学生中学年になり、夏はすでに不良と呼ばれ大学生の彼氏がいた。駿はガリ勉的な子。
    さらに中学年になり、高校、大学、結婚…と進んで行くのだけど、どうもすべてが釈然としないのだ。それが嫌な感じではなく妙な心地よさが

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    2013年06月18日
  • だりや荘

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    知らないのは当人ばかりだよね。

    男ってやつは調子良いなぁ。
    女ってのも怖いね。

    ドロドロしたような内容だけど、何故かさわやかな印象が残ってます。

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    2012年07月02日
  • 不恰好な朝の馬

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    つらいなーとかストレスだなとかやるせない・・と思う瞬間や期間が誰でもあると思います。その原因が仕事のこともあり、恋愛のこともあり、家族のこともあり。いつかふっと途切れたり終わりがきたりするんだよな、と思いました。それまで自分と自分をとりまくものを客観的に見て、できればてんぱったり追い詰められすぎず、対峙し続けようという気持ちが新たになりました。
    最近井上荒野の作品、とても好きです。

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    2011年06月19日
  • 森のなかのママ

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    母と娘ってこうだよなあと思う作品。友達のようで、分かり合えなくて、それでも彼女たちは「家族」であり続ける。

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    2010年09月17日
  • 森のなかのママ

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    自由なママ。「のほほん」で「無」…。
    パパの困った死 を知った時も取り乱すことなく、
    取り仕切った後、ひたすら眠っていたママ。

    買い物好きで、パパの絵をすぐ売っちゃうし、
    美術館に出入りする取り巻きおじ様たちとデートしちゃうし…。
    頑固でナイーブな娘のいずみは、
    そんなママの行動にいらつき、呆れ、反発しています。
    しかも、大好きな伏見さんは、ママに夢中だし
    ママの感情は、あやふやなままですが、
    なんとなく共感できる気がします。

    いずみが、そこを推し量りながら柔らかくなっていくところが
    いいなーと思いました。

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    2010年02月14日