井上荒野のレビュー一覧

  • 夢のなかの魚屋の地図

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    著者初のエッセイ集。
    最初の荒野さんのご家庭は一家に小説家が二人いるご家族ですが、お父様の決まり文句は「うちでは文学の話なんか一切しませんよ」だったそうですが、それでも、そういうご家庭ならではのお話もあり大変面白かったです。
    荒野さんが書けなかったときに、お父様に薦められた小説だというトルーマン・カポーティの『夜の樹』は私も積んでいるのでそのうち読みたいと思いました。
    直木賞受賞作の『切羽へ』の「切羽」というのが妹さんの名前でもあったというのは初耳でした。
    「日本女性の美しさ」が依頼されたテーマだったエッセイに、お母様のことを書かれたのは、読んでいて大変頷ける話だと思いました。

    そして後半は入籍後のご家族のお話が中心で、ご主人は荒野さんより10歳年上で、お子さんはいないそうです。
    荒野さんの人生に必要な三つのものが、
    1男
    2健康な胃袋
    3物語(あえて本ではなく物語だそうです)
    というのは、荒野さんの作品や、このエッセイにも反映されていると思いました。
    香水は敷居が高くてつけられないとか、きらいなことばとか、「迷っているなら捨てるべし」など、荒野さんの美意識や信条に関する話。
    妹さんの出産の話。
    猫のことにはかなりページ数がさかれていて、かなりの猫好きであられるのはよくわかりました。
    食べ物の話はタイトルが『夢の中の魚屋の地図』ですが魚系の話が多く、ご主人が手作りのドーナツを揚げてくれる話は「うらやましい!」と思いました。他にもアイリッシュシチューやロシアのコロッケなどや、ごく普通の玉子料理やお味噌汁でさえもの凄く美味しそうに見えました。食べたり作ったりされるのがお好きなんですね。

    毎週1回1360字を埋める話を考えるのはなかなか難行だったとおっしゃっておられますが、小説家の日常を読むのは面白くて、さくさくあっという間の読書でした。

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    2019年10月27日
  • リストランテ アモーレ

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    「アモーレ」という目黒にある小さなリストランテ。
    そこのシェフである杏二と偲の姉弟。
    女たらしの杏二目当てにやってくる客たち。

    本日のメニュー1から11まで美味しそうな料理と客たちのおりなすお喋り。
    沙世ちゃんという、杏二に積極的にアピールをしながら、会社の上司や同僚の男性を連れてくるちょっとわがままな子。
    いつも、一人できて、杏二に話しかけられるのを待っている初子ちゃんというおとなしい子。
    偲が想っているのが、公然の秘密となっている杏二の元先輩シェフの松崎さん。
    姉弟の母親は亡くなっていますが、時々現れる二人の父親。
    後に松崎さんと婚約したリコという陽気な青山のセレクトショップで働く女性も訪れるようになります。
    あと、お客ではありませんが、杏二と時々電話で逢引きをする謎の女性M。
    出てくる女性の性格が様々で、杏二の女たらしぶりも、それぞれに応じて対応しているのでそれほど非人情には思えません。愛すべき女たらしというところでしょうか。
    情の深い偲が松崎さんの結婚式に呼ばれるつもりになっていて、パーティに着ていく高価なドレスを選ぶところはちょっと泣けます。
    本日のメニューが変わるたびに、語り手が変わるのですが、リコのパートは結構口が悪く、驚きでした。


    以下ネタバレですが、
    P189ではやっぱりストーリーはなるようになるのだという展開になり、快哉を叫びたくなりました。
    最後には謎の女性Mの素性も判明します。

    さらっとよめるコース料理のあとのデザートのソルベかムースのような口どけのお話だと思いました。

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    2019年10月15日
  • 切羽へ

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    第139回直木賞受賞作。
    離島の小学校の養護教諭の麻生セイ31歳がみた、1年間の島の様々な人間模様。

    セイは島の診療所の医者だった父の娘で、一度は東京に出たこともありますが、今は両親は亡くなって、画家である幼ななじみの三歳年上の夫の陽介と二人で暮らしています。
    島で一つきりの学校である小学校に勤めています。

    同僚の教師月江は、生まれも育ちも東京ですが、五年前から島にいます。月江は独身ですが、妻のある愛人が本土にいて、本土さんと呼ばれるその人は時々、島に月江に会いにやってきます。そのロマンスは島民、全部が知っています。

    小学校の生徒は9人で、教師は他に校長先生と教頭先生だけです。
    そこへ、新任の音楽教師、石和聡が赴任してきて、セイも心がざわついてきます。
    90才の島の老嬢、しずかさんにはセイの心の内を見透かされたようなことを言われて落ち着きません。

    小さな島の何事もない日常だけれど、石和が現れて少しずつ変化していく様子が描かれていきます。
    島ののんびりとした空気、小学校の生徒たちが石和のピアノに合わせて歌っている場面など情景が鮮やかに浮かんできました。

    しずかや、夫の陽介も存在感があり淡々とした一連の出来事もはっきりとその空気感がみえてくるようなしみじみとした作品でした。
    大きな事件もありませんが、平易な文章で情感がありました。

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    2019年10月05日
  • 静子の日常

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    今までに読んだ、井上荒野さんの作品とはガラッと違った雰囲気の、カラッとした明るい作品です。
    タイトル通り淡々とした75歳の宇陀川静子の日常が、日毎の季節を拾いながら、スケッチのように描かれています。

    静子は夫の十三に先立たれて、息子の愛一郎、嫁の薫子、孫の高校一年生のるかの四人家族です。
    週に2回フィットネスクラブのスイミングスクールに通っています。
    そこでの、人間関係は、孤立して仲間がいないわけではありませんが、皆とくっついて噂話に、乗っていったりは、決してしません。
    家庭では、息子の浮気をかぎつけて、嫁との仲を修復するために、パソコンを習いに行き、こっそり作戦を立てたりします。(ここは、ユーモアが垣間見られる面白い場面です)
    そして、夫の生前は夫の小さな浮気を許しつつ、自身もひそかに想っていた人がいました。
    夫が亡くなってけじめがついてから、会いに行きますが…。

    75歳をしっかり生きて自分というものを持っている、静子のような生きかたは理想的で、憧れました。

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    2019年10月01日
  • 猫が見ていた

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    ジャケットの猫の目にやられた猫アンソロジー。
    短編が7作並んでいるけど、気に入ったのは柚月裕子さんの「泣く猫」だな。猫が脇でいい仕事をする。
    あと、「100万回生きたねこ」が感動の書なのか、絶望の書なのかは深いテーマだ。
    最後の猫小説傑作選も、また読まなきゃいけない本を増やしてくれる。

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    2019年01月20日
  • それを愛とまちがえるから

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    ドキドキしながら、せつなくなりながら、読んだ。
    あの人もこんな感じだったのかな。

    「へらへらしていて、ぺらぺらしていて、でもまあ、どこか味があって、独特で。」

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    2018年02月13日
  • 静子の日常

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    静子は75歳
    夫の十三を亡くしてから
    息子夫婦と暮らす。
    .
    この静子の行動力が素敵。
    フィットネスに行ったり
    若者とバーボンを飲んだり
    1人で町内のバス旅行行ったり。
    でもこの小説
    静子だけが面白いんじゃ無くて
    宇陀川家が面白いん。
    息子の愛一郎、嫁の薫子、孫のるか。
    それぞれの視点からの短編だけど
    前の前のやつが生きて来たりする。
    静子と大五郎の仲も羨ましい。
    ほっこりしたり、思わず吹き出したり。
    .
    井上荒野さん、こーいう類のはすごく好きです。

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    2018年01月28日
  • つやのよる

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    ネタバレ

    ざらざらと何かが引っかかるような、なんとも言えない読後感を味わうのは初めて。少し前に流行った『イヤミス』とも異なる。
    …多分、三十代後半の今だからこそ(うわ、面白い)と思えたのだと思う。
    目の前がぐらぐらするような展開は決してないのだけれども、どの章にも不思議な爽快感があった。

    個人的には、艶を看取った看護師がすき。

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    2018年01月08日
  • ベーコン

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    荒野さんはとってもかくかくした文章を書く。何というか女性特有のまろみをもった文章ではない。それなのに、ふとした言葉や一文に優しさやかわいらしさが潜んでいる。だから読んでいてとても心地いい。食べ物と大人と子供と愛のカタチといろんな要素が合わさって、まざりあってこの本はできあがっている。その食べ物を作った者、食べた物、気持ちも一緒に飲み込んでいる。消化(昇華)させるために。水餃子やトナカイサラミやベーコンは、どうやって昇華していったのかな。血と肉になるだけじゃなく、人生を続けさせ包み込み許すのが食事なのかも。

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    2017年08月02日
  • あなたにだけわかること

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    それぞれの父と母の逢瀬に連れていかれていた幼い少女と少年。
    大人になった2人は、なるべくなら思い出したくない関係、でもときどき思い出してしまう関係になった。

    夏と駿、2人の異常とも言える関係、そこに絡めた2人の人生が、とても興味深く、好みの作品でした。

    2人が成長していく過程で出会った人たちとの繋がり、それぞれへの思い、根底あるのは親の存在。
    幼少期の親の影響力の強さを思い知らされる思いでした。

    最後まで一気読み。
    面白かったです。

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    2017年04月26日
  • 切羽へ

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    淡く美しい小説。

    夫の描く絵、島の景色、人々のありよう。
    穏やかであたたかい、ある意味なまぬるいような
    景色のなかにやってきた石和という人。
    ざわめきが、ゆっくりと穏やかな景色を、
    空気を乱していく。

    切羽とは、トンネルを掘っていくいちばん先。
    トンネルがつながるとなくなってしまう。

    いつか喪われてしまうもの。
    喪ったことで美しさがいつまでものこるもの。

    書かれないことで、心にのこる、
    そんな淡い美しさがこの小説の印象。

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    2017年01月08日
  • 森のなかのママ

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    旅行用に買った文庫本。ずいぶん時間をかけて読んだが、開くたびにその場に入り込める。素敵とはこういう世界をいうんだなあ。

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    2016年10月16日
  • リストランテ アモーレ

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    こういう料理出てくる系小説って読んでると毎回お腹空く(笑)あたしもアモーレの常連客になりたいなぁ‼︎

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    2016年08月27日
  • 不恰好な朝の馬

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    連作短編集… なんだこれ?と思うと最後まで読めない短編集もあるけど、井上さんのは文章がそっけないのに読み進めてしまう。
    好奇心で他人の生活を覗き見したくなることって自分にもあることを、登場人物の行動で知らしめられてしまう。
    だからなんか居心地悪い気持ちを抱えたまま進み、その行動の先に思いがけないことが起こると気持ちが晴れるのかも。
    みんな不穏なパッとしない日々を生きてるのね。。

    山本文緒さんの解説が効いてます!

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    2015年09月25日
  • 森のなかのママ

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    面白かった〜。
    浮世離れしたママや、そんなママにイライラしながらもいつも敗北しちゃう娘も、ママの取り巻きのおじさま方もみんな愛すべきキャラで読んでいて心地よかったな〜。
    ちょっとおおらか過ぎ。
    どこ吹く風のママ。
    いやいや、冷静に見るとママの置かれてる立場って結構よ…なのにこんなにカラッとなるのはママのなせる技なのね。
    ママは強いのか弱いのかがわからない。そんな所が周りの人を惹きつけるのかなぁ。とにかく魅力的。困ったちゃんなとこも致し方ないのか。
    続編を希望します。

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    2015年06月05日
  • ひどい感じ──父・井上光晴

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    井上光晴氏の本は読んだ事がないのだけれど、作家である娘さんに書いてもらえた事は幸運であるのではないかと思う。
    しかも、付き合った男子達に『君はファザコンだね』みたいに言われてしまう荒野さんである。
    非常に興味深かった。
    作家の家というもののひとつの形態を見た気がする。

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    2015年05月16日
  • そこへ行くな

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    人生は、自分が主役だと信じて疑わない方がラクなのだろう。不安と期待で覗いたパラレルワールド、「そこ」で立ちすくむ人々の姿が描かれて、緊張を強いられる短編集。
    世界がふわりと回転する「病院」の清々しさに救われる。
    龍くんは素敵な一人前の男だと思う。

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    2014年09月20日
  • ズームーデイズ(小学館文庫)

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    再読
    妻子あるカシキとつきあっていた小説家の私はテレビ局で知り合った八歳下の学生アルバイト、ズームーと暮らし始める…
    著者の自伝的小説ともとれる

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    2013年10月16日
  • あなたにだけわかること

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    お得意の不倫ものだけれど、今回はちょっと趣向が違った。
    主役は不倫をしている男女それぞれの子供、駿と夏。
    大人が秘密の時間を持つ間一緒に過ごした二人。
    ほんの小さな子供だった二人は人生の時折ふと交わる。
    それは愛なんかじゃない、情でもない。
    共犯者に近いと思う。
    そんな二人の関係性が妙にリアルだった。

    親のしていたことが何だったのか理解する年頃になっても、親を責めたり反抗したりしない二人の姿が痛々しかった。
    どうしようもない親をじっと見てきた二人は、どうしようもない大人になる。
    人生の道々で時折交わる二人は因縁から抜け出せないようにも見えるし、それが必然のようにも思える。

    いい人ばかり出てくる小説はどうも好きになれない。
    空々しくて。
    むしろこの作品のように欠陥を抱えているけれどなんだか憎めない人達にどうしても共感してしまう。
    よくよく考えてみるとまともな人が誰一人出てこない。
    それぞれの親も、恋人も、その子供たちも。
    だめな人間だからこそ愛おしいんだと思う。

    井上さんの作品は好き嫌いが分かれそうであまり勧められないが、この小説はよかった。お勧めできるかも。
    独特のざらざらした感覚を残しつつ、サラッと読める。
    そして何といっても最後の最後が切なくて。
    余韻がじわーっと残る作品だった。

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    2013年07月28日
  • あなたにだけわかること

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    この物語は嫌いと答えるひとのが多いと思う。けど、わたしは始めから吸い込まれ、終わった時には好きだなって思った。

    なにもかもがスッキリしない物語。曖昧な。肝心な描写を避けていて、で、結局どうなったの? の連鎖的な。5歳のときに駿は母親に連れられ線路を超えた先にある夏の家を度々訪れることになる。駿の母は夏の父に猛烈に恋をしていた。夏の母は他界しており、駿の父は外科医だった。
    それから場面は小学生中学年になり、夏はすでに不良と呼ばれ大学生の彼氏がいた。駿はガリ勉的な子。
    さらに中学年になり、高校、大学、結婚…と進んで行くのだけど、どうもすべてが釈然としないのだ。それが嫌な感じではなく妙な心地よさがあるからまた厄介で。断言的なことがない。
    たとえば夏が小学生のときから付き合っていて、愛し合う行為をしていた相手の大学生との別れまでの詳細とか、処女喪失を捧げ愛しくてしかたなかった千秋に他ならぬ駿とセックスをしたと嘘を吐いてわざと恨まれるような別れ方をしたくせに、偶然、や、必然かもしれない再開時に婚約者を棄てて千秋にアプローチしたところ、そこから場面は一気に飛び結婚までこぎつけたその空白。さらには結婚生活を飛ばして娘がいてさらには千秋には他の女がいること、とか。
    その微妙に曖昧で、けど計算しつくされた完璧な曖昧加減が実にわたし好み。
    駿と夏の決して愛ではない、むしろ怯むくらいの繋がりが物悲しかったな。

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    2013年06月18日