井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
お得意の不倫ものだけれど、今回はちょっと趣向が違った。
主役は不倫をしている男女それぞれの子供、駿と夏。
大人が秘密の時間を持つ間一緒に過ごした二人。
ほんの小さな子供だった二人は人生の時折ふと交わる。
それは愛なんかじゃない、情でもない。
共犯者に近いと思う。
そんな二人の関係性が妙にリアルだった。
親のしていたことが何だったのか理解する年頃になっても、親を責めたり反抗したりしない二人の姿が痛々しかった。
どうしようもない親をじっと見てきた二人は、どうしようもない大人になる。
人生の道々で時折交わる二人は因縁から抜け出せないようにも見えるし、それが必然のようにも思える。
いい人ばかり出て -
Posted by ブクログ
この物語は嫌いと答えるひとのが多いと思う。けど、わたしは始めから吸い込まれ、終わった時には好きだなって思った。
なにもかもがスッキリしない物語。曖昧な。肝心な描写を避けていて、で、結局どうなったの? の連鎖的な。5歳のときに駿は母親に連れられ線路を超えた先にある夏の家を度々訪れることになる。駿の母は夏の父に猛烈に恋をしていた。夏の母は他界しており、駿の父は外科医だった。
それから場面は小学生中学年になり、夏はすでに不良と呼ばれ大学生の彼氏がいた。駿はガリ勉的な子。
さらに中学年になり、高校、大学、結婚…と進んで行くのだけど、どうもすべてが釈然としないのだ。それが嫌な感じではなく妙な心地よさが -
Posted by ブクログ
60代後半の三人の女性たち、惣菜屋「ここ屋」を営む女性たちの話の続編である。
私の場合、このまま行ったらあと数十年して、定年退職後の年齢であるが、
定年退職がない仕事の場合、どうだろう。
女性としての人生、生き方として、前向き。
立ち退きの話のときに考える引き際。定年退職等と決まっていないならば、引き際は、自分で決めたいなぁと思う。
そして、井上荒野さんの作品を読むのは3冊目であるが、どれを読んでも、おいしそう。今回は、目次を読んだら、お腹すく…
前向きに、明るく、充実した生き方がとてもすてきだなぁと思う。ところどころ、滑稽にも思える失敗があったりするのも現実。そこがまたいい。 -
Posted by ブクログ
美味しいお惣菜のお店「ここ家」の三人に再び会えました。前作から月日が流れて、別れや新しい出会いがありました。一見いい人に見えるけど···という男性の出現、そして若い女性が修行にきたりと、新たな登場人物が個性的でした。
三人それぞれ悩みがあり、それを自分の胸に納めるか、皆に話すかを逡巡する様子が、この小説を身近に感じられるひとつかもしれないです。
そんななかで毎日作るお総菜が本当に美味しそうで、「ここ家」の料理本を出して欲しいくらいです。
色々ありましたが、この先の「ここ家」が楽しみな終わりかたでした。読後感はスッキリでした。リターンズを読んだばかりなのに、またこの先が楽しみになりました。