井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大好きな作家の一人である井上荒野の23年ぶりの新作恋愛小説。
もの哀しくて美しくて一気に読むことが出来た。
物語は現在から少しずつ過去に戻っていく。
主人公の音村綾が、14歳年上の祥川涼と、どのような出会い方をしたのかに、向かって。
現在はサイン会を開くまでになった
漫画家の綾とアルコール依存症になってしまい幻覚の末、サイン会で綾をキャンバスバッグで殴ってしまう涼。
めちゃくちゃなのに涼は、とても魅力的だ。
こんな恋愛をしてしまうと現在、どんな生活をしていても絶対に相手のことを忘れずに生きていくことは不可能なんじゃないかと思ってしまう。
僕にかかわった者たちはみんな死んでしまう。女も男もー。
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Posted by ブクログ
ネタバレ*“食にまつわる道具”を通して揺れ動く老若男女を描いた短編集。「今年 のゼリーモールド」「ピザカッターは笑う」「コーヒーサーバーの冒険」「あのときの鉄鍋」「水餃子の机」「錆び釘探し」「ホッ トプレートと震度四」「さよなら、アクリルたわし」「焚いてるんだよ、薪ストーブ」の9篇を収録*
もっと続きが読みたい!と思わせる素敵な物語たち。
どのお話もどこかしら可愛らしさを含んだ短編集で、ふわりと心が温かくなる読後感が素晴らしい。
ひとつひとつの題名も秀逸です。
中でも特に良かったのは、
かつて青春を過ごした`俺`が息子の青春を目の当たりにする甘酸っぱさ満載の「ピザカッターは笑う」と、
チルちゃんの -
Posted by ブクログ
ほんとうにひさしぶりにノンフィクションやエッセイでないものを読んだ。アラフォーになって、急に物語を読むのが億劫になったのだ。
なんとなしに、ネットサーフィンしてたら見つけて、読みたくなり読んだ一冊。
料理描写、もうなんだろう、いちいち、洒落ていて、作りたい欲ふつふつ、もちろん食べたい欲も。
直接的な性描写なんてないのに、急にドキッとムラッとくる一文がある。あと2人の対照的な女性ですが、なんとなしに田舎もんじゃなくて、洗練されたシャレオツな女性なんだろうなぁとか....
普通に夫と、子供2人いる主婦ですが、なんかないかな?なんか男とオサベリしたい....と悶々させてくれますわ(笑)
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Posted by ブクログ
『なごみ』という月刊誌に「味を作る道具と人」というタイトルで連載されていたものが元ということ。
ここに登場する「道具」は、本来の仕事をこなしながらも、使い道以上にその存在が意味を持っている。
長く一緒に居ること。道具と人。人と人。
近くにいる人を大切にできることが一番幸せなのだと思う。
時としてそれは失わなくてはならないこともある。
そんな時、自分自身とどう向き合って生きていくのか。そこに道具は寄り添ってくれるのか。
みな短いお話だけど、一つ一つがきらり。
『今年のゼリーモールド』
娘が東京の大学に行き、夫婦二人になった八ヶ岳西麓の家と、母親の心のすき間
『ピザカッターは笑う』
妻と二人で