井上荒野のレビュー一覧

  • しずかなパレード

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    ネタバレ

    読み終えて、うわ、結局戻ってこないしやっぱり死んでいたんかい!と独りごちてしまった。
    だって、これだけ色んな人の心をざわめかせて時も経ってで…何となく彼女の「その後」の人生が書かれるんじゃないかって思ってしまっていたから。
    でも現実はあっけなく、彼女は事故に遭って帰らぬ人になっていた。
    彼女は実はどこか遠くの地で暮らしていて、もう別の生活を持っているんじゃないかと思っていたが、そういう話だったらよくあるし、かえって陳腐か。

    捨てられた娘が一番の被害者である。成長するにつれ、母親不在の理由を直接は告げられなくともどこかから聞いてしまったんだろう。
    彼女が自ら保護した犬の元飼い主の家へ乗り込み、

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    2025年03月20日
  • 生皮 あるセクシャルハラスメントの光景

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    ネタバレ

    テレビやsnsで著名人のセクハラに関する報道があとをたたないがきっと月島のような感覚なんだろうなと思った。

    被害を受けた側と被害を与えた側が存在するわけだが、後者はその行動に変な意味はなく相手を思うからこその行為だったと心の底から考えている。

    でも前者は間違いなくそんなものだとは思えない。
    だからこそハラスメントなのだろう。

    この本を読んでいて暗い気持ちになったし、私は今後かのような事件がなくなることはないようにも感じてしまった。

    それは月島のような人物だけではなく、被害者をSNSやリアルな場で言葉の暴力を浴びせる人が一定数必ずいて、それが月島を肯定するから。

    なんだかこの構造はどん

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    2025年03月17日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理にまつわる短編のアンソロジー。
    小洒落た創作寿司屋、土鍋ご飯、金平糖、蕗の薹(ふきのとう)、パン…。
    どれも美味しそうで、お腹がすいてくる本だ
    ★5が2本
    ★4が2本
    ★3が3本
    やはり大好き作家さんのは面白かった!

    男たちの下心が渦巻く隠れ家的な高級寿司屋。
    男たちが落としたい女性にお寿司のウンチクをスマートに披露している場面に、唐突にのしのしと現れたのは…。
    乳児を抱っこ紐で抱え、母乳で汚れたカットソーにスウェットを履いた体格良い中年女性。
    ドスンとマザーズバッグを置き、ツウなお料理を野太い声で次々と注文し始める。
    お母ちゃんに支配されていく店内の様子が痛快!
    このストーリーは柚木麻

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    2025年03月02日
  • 生皮 あるセクシャルハラスメントの光景

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    セクハラ行為の捉え方が当事者の環境や時間の経過によって、様々に変化する状況を多くの事例で解き明かした物語だが、女性の立場を主体に述べているのでおじさんの読者としてはあまり知ることができない若い人やおばさんたちの思いが垣間見れて面白かった.小説講座のカリスマ講師である月島光一と受講者 九重咲歩、小荒間洋子が主要な登場人物だが、それ以外にも多くの人が登場するので把握するのが大変だった.題名の「生皮」の正体がなかなか登場しないが、最後の場面で洋子の告白により判明するのが物語の展開として楽しめた.

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    2025年03月01日
  • 生皮 あるセクシャルハラスメントの光景

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    ある小説家教室の講師によるセクシャルハラスメントに遭った女性を中心としたそれに関わる人々の話。

    被害女性だけでなくて、加害者、その講師に心酔する人、被害者の家族、加害者の家族、以前被害に遭った人…など色んな視点があるので興味深かった。読み飽きない。
    この小説で加害者とされる男性の心情は理解できないが、ナチュラルにこの思考でセクハラをしているのだとしたら恐ろしいし、妙に納得してしまった。
    人間の思い込みと勘違い怖い…

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    2025年02月23日
  • だめになった僕

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    あー評価に迷う作品だなぁ。
    でも嫌いではなかったな。これくらいの長さなら読めるくらいのダーク加減でした。

    病んだ人が病む人を生むループからの脱却と、愛と執着の境目はどこにあるのか、それは結局相手が向いてくれるかどうかの違いなだけなのか?
    なんて答えのないことを考えさせられる作品。

    一つ一つの事象はセーフかアウトかは明確だけど、矢印が一つ違えば許されるか許されないかはまた違うんだろうな。

    全体通してうっすらと、夫はモラハラストーカー気質、不倫相手はメンタルやられてるけど愛のある人、が漂っているから、最後の結末は私には光に見えました。

    2025.2.18
    38

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    2025年02月18日
  • ホットプレートと震度四

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    この作者は「照子と瑠衣」という大好きな作品を書いた方だ。照子と瑠衣を薦めた人が、これも面白かったと教えてくれたので読んでみた。
    軽快な文章が読みやすい。でも、心の機微もちゃんと描かれている。

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    2025年02月16日
  • だめになった僕

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    時を遡って行くパターン
    現在ペンション経営の傍らまんがを描く綾は学生時代に妻のある涼に恋をした
    優しい夫と子どもがいながらその恋を引きずっている綾が悪いのか、妻とうまくいかず綾に惹かれた涼が悪いのか、妻の気持ちより自分の気持ちで生きる夫が悪いのか

    不穏な空気感と始まりを知りたくて読み進めたけどラストは読者の想像に任せられた

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    2025年02月15日
  • 猛獣ども

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    *「姦通」していた男女が熊に殺された—。 閑静な別荘地で起きた事件は、愛に傷ついた管理人の男女と、6組の夫婦に何をもたらしたのか。 愛の行方の複雑さを描く傑作長編!*

    このヒタヒタと静かに迫り来る不穏さ!さすがです。
    正しく幸せで美しく眩い幸福感だけで成り立っているわけではない、円熟した大人の愛。
    己の狡さや暗さも十分に自覚した上で、空虚さと歪さと仮面の笑顔を重ねる日常。
    その絶妙な描写が本当にお上手です。
    これは、若い方にはまだちょっとわからないかな…笑

    何か大きな展開があるわけではありませんが、じわじわくる独特の読後感がクセになりそうです。
    装丁も題名も秀逸です。

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    2025年02月13日
  • 照子と瑠衣

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    あー楽しかった!
    「そんなに上手くいくわけないやろ」とツッコミたくなる気持ちもあるが、同じ女性としてステキな二人を応援し、羨ましく思いながら読み終えました。
    破茶滅茶なんだけど、エレガントで品があるんだよなぁ。そしてお互いのことを自分以上に大切に思い合っていて、泣いたり笑ったりしてて。二人の人生はまだまだこれから。楽しい人生を!

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    2025年02月05日
  • 生皮 あるセクシャルハラスメントの光景

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    現実のニュースは真実がわからない。
    憶測が入りまくる、予断が多い。
    ちゃんと考えるのが難しい。
    なので、こういう形で触れる方がいい。
    何が問題なのかよくわかるし、何に注意すればいいのかも少しはわかるんじゃないだろうか。

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    2025年02月03日
  • ホットプレートと震度四

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    短編小説
    全部良かったけど、最後の物語が特に心温まる。
    人は生きている限り
    あたたかさが必要なんだなと
    それが生きるってことなのかもなと
    思った

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    2025年01月31日
  • ホットプレートと震度四

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    月刊誌『なごみ』の連載「味を作る道具と人」(2021年9月~2022年4月)をもとに加筆修正された9つの短編集です。

    考えてみれば、台所やリビングに当たり前のようにあるものにも、一つ一つ物語がありますね。今、私の目の前にあるマグカップにも思い出があります。

    ゼリー型をみつけて過去に想いを馳せ、前を向くことができた母親の気持ちがうまく表現された「今年のゼリーモールド」

    コーヒーサーバーを持って小さな冒険をしたチルが、なんとも愛らしく感じた「コーヒーサーバーの冒険」

    母が水餃子を作っていたテーブルが、ちゃんと受け継がれたことに、ほっとした「水餃子のテーブル」

    4人で囲んだホットプレートの

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    2025年01月30日
  • 照子と瑠衣

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    70歳女2人の逃避行話。たっっのしい!私もこんな友達と逃避行ができる人生にしたいって思える。読んだ後の爽快感が良い、いくつからでも何でも始められる、そう思いたい。静子さん素敵って思ってたら静子さんメインの話もあるん??そっちも読む!

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    2025年01月26日
  • ナナイロノコイ

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    角田光代と唯川恵の話がよかった。ミーヨンの話は、おしゃれな写真を鑑賞している気分、新感覚の読書だった

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    2025年01月20日
  • だめになった僕

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    書き方によってはドロドロになってしまいそうな関係だけどさすが井上荒野氏。
    今から始まって過去へ戻っていく時系列で書くことでスレ違いばかりの今から二人の思いが重なり合った出会いへとストーリーが進んでいく。
    チーズの名前を覚えられず、お互いを好ましく思い笑っていただけの16年前からなぜこんなところにたどり着いてしまったのだろうか。
    たぶん今後も結ばれない二人。

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    2024年12月31日
  • 注文の多い料理小説集

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    読後感が良く楽しかった!
    もっと前後を読みたくなるようなお話もあり、おいしいとこどりできるアンソロジーの良さだなと思いました。柚木麻子さんが好きで手に取ったけれど、読んだことのない作家さんのお話も良かったです。

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    2024年12月29日
  • だめになった僕

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    ドラマになりそう…
    現在から過去にさかのぼって話は進んでゆき、人間模様もイメージも読めば読むほど変わっていく
    読みやすく面白かった
    藍子が一番かわいそうだったかな

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    2024年12月18日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    こういうタイプの本は、ほぼ読んだ事がなかったのですが、列車の旅を題材にしていたのが、気になり手にとりました
    ななつ星に乗った気分で、それぞれの旅を経験させてもらいました

    お値段もそこそこで、この先乗れることもないであろう列車ですが、様々な主人公を体験でき、切ない気持ちになりました

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    2024年12月03日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    表紙の不穏なイメージとは違い、
    日常的な描写が細かく丁寧で分かりやすかった。

    主人公の老夫婦が日常感じている細かな心情描写など、ストーリーに大きな展開はないけれど、昨今頻発している闇バイトなどを考えると実際にもありそうな展開で続きが気になり読み進められた。

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    主人公は、ゆり子60代と昌平70代の老夫婦。
    昌平の誘いで始めたクロスバイク。
    ある日、その夫がクロスバイクで事故になってから日常が変わってくる。

    病院で出会った若者の一樹。
    定職についておらず、バイト先をクビになったばかり。老夫婦も手が足りず困っていたので、週に一度自宅に手伝いに来て貰うこ

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    2024年12月01日