井上荒野のレビュー一覧

  • あちらにいる鬼

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    父・井上光晴と瀬戸内寂聴をモデルに、父と母、そして寂聴の特別な関係性を描いた小説。

    「恋多き人」の真髄を見た気がする。
    強いなあ。自分に対する自信、というか。自信ではないけれど、揺らがない何か。
    恋は多いけれど、恋に執着はしていない。

    白木の妻、笙子さんがとても魅力的だ。
    ひとりの、どうしようもない男を愛してしまったふたりの女。
    どうしようもない男の正妻として生きた笙子さんの最後の言葉が全てを持っていった。

    「ただ篤郎のことだけを考えている。」

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    2024年10月28日
  • ママナラナイ

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    体も心もままならない瞬間がある。わたしも毎日のなんとなくの気分でタスクを考えている。それを顕著に、でも繊細に描き出したのが本作。井上荒野さんはこの苦しい気持ちを書き出すのが、極上にうまいのだ。

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    2024年10月14日
  • 猛獣ども

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    男も女も
    ふたりでいるのにどうしてこんなに
    欲張りでわがままで孤独なのだろう。
    結婚しながら不倫して
    笑い合いながらいがみ合い
    離れたいのに離れられず
    挙げ句の果てには
    森で密会中に熊に襲われたり…
    ひとりではなく
    ふたりだからこその寂しさやせつなさ
    男と女の気持ちのすれ違い
    そんな目に見えにくい些細なものを
    まざまざと見せつけられる。
    「猛獣ども」というタイトルが
    まさにそのものではっとさせられる。

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    2024年10月13日
  • 100万分の1回のねこ

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    唯野未歩子さんのあにいもうと
    なんかすごく不気味で怖くて不思議な話。
    全部の話にそれぞれの作家さん感がでてて
    すごく楽しめた一冊
    読めば読むほど、絵本をもう一回読みたくなる。
    大人になって読む絵本ってまた違う意味を持つよね。

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    2024年10月03日
  • 猛獣ども

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    別荘地で熊に襲われ男女が死亡した。その2人は姦通していた。小さな田舎で起きたその事件をもとに様々な人たちの人情がむき出しになるのだけど、それがいい感じに厭な感じで面白かった。

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    2024年09月25日
  • 猛獣ども

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    密会中に熊の襲撃で亡くなった隣町の住人の死で、俄かに浮き上がる別荘地の定住者達の日々の暮らし。特に何か特別な事もない、老夫婦から新婚の夫婦まで、それぞれに澱みを抱えている。そして、住人らにうまく使われる小心者の管理人と本社から来たデキる女子社員の2人の関係も少しずつ発展していく。各夫婦や管理人の機微をここまで描き分けられる荒野氏に感謝。できるならもっと読んでいたかった。

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    2024年09月19日
  • 猛獣ども

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    本のタイトルが腑に落ちた。

    別荘地の管理人や夫婦の人間模様というと簡単だけど、いろいろな事情と歴史の澱が蠢いていて興味深い。

    結末は管理人たちの近未来は明るそうだったが、数十年先は住人たちと似たり寄ったりなんだと。

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    2024年09月12日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    こんなお惣菜屋さんが近くに欲しいなー。
    お料理全部美味しそう。ちゃんと料理して、しっかり食べよう。
    年を重ねてた先輩の生活のお裾分け、元気でる!

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    2024年09月03日
  • 猛獣ども

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    面白かった。
    ダブル不倫中に死んでしまった男女を巡って、
    6組の夫婦のそれぞれの心情が見えてくる
    井上さんの、はっきりしないモヤモヤした雰囲気。
    ちょっと切なかった。
    歳を重ねたらまた読み味が変わりそう。

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    2024年08月24日
  • 注文の多い料理小説集

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    アンソロジーは「名前も作品も初めて知った」作家のほうが断然面白く感じる。この本では坂井希久子『色にいでにけり』がそれで、普段読まない時代ものだがとても面白かった。主人公の境遇と芯に持つ矜持、江戸の色名と和菓子の描写が実に生き生き、しみじみと描かれていて、このシリーズが読みたくなった。

    他は伊吹有喜『夏も近づく』、深緑野分『福神漬』も滋味があってよかった。井上荒野『好好軒の犬』はラストが上手い。柚木麻子『エルゴと不倫鮨』はトップバッターとして勢いがあり好印象。柴田よしき『どっしりふわふわ』はラストが安直な気がしたのと、中村航『味のわからない男』は好みが合わなかった。

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    2024年08月20日
  • 猛獣ども

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    生きることの生々しさとやるせなさ。
    迷子になったかのような心を持て余しながら、それでも生き続けるしかない。
    いつかは誰にでも訪れる最期の日まで、希望、疑惑、蔑み、愛着、いろんな混沌を抱えたままで。

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    2024年08月08日
  • よその島

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    ネタバレ

    どうすれば井上荒野の小説に出てくる妻たちのような境地に辿り着けるのだろうか、と結婚生活を送る仲でよく考える。認知症を患う夫の中で、彼の妻はすでに死んでいることになったとき、私は蕗子のような受け答えができるだろうか。

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    2024年07月30日
  • あちらにいる鬼

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    男と女、その一挙一動そのひと言に隠れた意味がある、深い洞察による緊張感のある不倫物語。出家の辺りからこれって瀬戸内寂聴物語?ちょっと褪めた。

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    2024年07月28日
  • ホットプレートと震度四

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    台所用品のまつわるちょっと良い話の短編集。大きな事件はなくとも、ゆるやかな悲喜こもごもが読み心地が良かった。お気に入りは『ピザカッターは笑う』→男性の下心をほのめかす描写が秀逸。『焚いてるんだよ、薪ストーブ』→近しい人を失った喪失と再生がよく伝わってきた。

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    2024年07月19日
  • 静子の日常

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    可愛らしいし、嫁姑としての距離感もほどほどで、
    でも息子や孫のことは心配でさりげなく(?)手が出るし、
    赤の他人のトラブルやらも上手くかわすなんて
    とっても素敵なおばあさん。
    こんなおばあさんになりたい。

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    2024年07月08日
  • ホットプレートと震度四

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    装丁に一目惚れ
    内容も好みでした

    料理やカフェに焦点を当てた小説は多いけど、料理道具にスポットを当てた小説は珍しい気がする

    表紙カバーや各章に使われている写真にまつわるエピソードを読んでいるかのよう。

    どの作品も、流れている空気感が読んでいて心地よい。

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    2024年07月05日
  • 錠剤F

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    ネタバレ

    久々の井上荒野さん。全編全部不穏。「何でそうなる?」と思いつつその裏にあるものを想像しながら各短編を最後まで読むと、シンと周りから体からその内側まで冷えてくる感じがします。乾いた冷たさ。いや怖い。
    人間って見た目じゃ何考えてるかわからないし、言ってることやってることがその人の全部を必ずしも現してはいないのだということを改めて突きつけられるような短編集でした。
    真夏に読んだらもっと良かったね。心底涼しくなれそうで。

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    2024年06月17日
  • 静子の日常

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    『照子と瑠衣』を読んで、その中に登場するおばあちゃんがお茶目でパワフルでかわいいと思ったのだけど、その静子さんのお話があると知り、この本を手に取った。
    『照子と瑠衣』で感じた印象通り、おっとりした雰囲気と、イタズラ好きな性格を併せ持っている。
    奔放さと堅実さ、相反するように思える二つの性格を同居させており、不思議な魅力を醸し出している。

    通っているフィットネスクラブに貼られている細かすぎる注意喚起の言葉に、「ばかみたい」と感じており、ある日その貼り紙に「ばか?」と書いた小さな付箋を貼り付けるエピソードは痛快で、笑ってしまう。

    そんな飄々としている静子さんも、かつては夫の浮気に悩んだり、家族

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    2024年06月08日
  • 静子の日常

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     書店で前からずっと気になっていた本で、やっと購入しました。

     静子、薫子、愛一郎、るかの視点でそれぞれ話が進んでいく。淡々としていて読みやすく、大きな事が起こるわけでもなく、でも、続きが気になる…という。

     静子のフィットネスクラブの出来事、行動が読んでいて面白かったです。

     こういう、家族の何でもない、ほのぼの系でも、どろどろ系でもなく、でも面白いお話しは、なかなかないので新鮮でした。

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    2024年06月06日
  • ホットプレートと震度四

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    短編集。どれを読んでもほっこりする。どこか身に覚えがありそうな話題だから? ゼリーやお好み焼きが食べたくなった。

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    2024年05月30日