井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこういう状況、実際あったら面白くないが、フィクションだからか面白く読めてしまう不思議。
アプローチを続けていた女性(綾)が自分と結婚して子どもまでできて、幸せだろう夫(音村)の立場からしたらやりきれないだろう。
綾の心は自分ではなく、誰か別の人に向いている。挙句、綾の仕事は社会的にも認められてきているとなれば、立場を無くしたように思うだろう。音村のことは全然好きになれない(むしろ嫌い)だが、何故か同情しながら読んでいた。
一方、綾にはあまり感情が湧かず。本当に好きだった人には奥さんがいて、自分は流されるように音村と結婚した。現実は思い通りにいかないし、本当に好きな人と結婚せず、別の人と結婚し -
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Posted by ブクログ
アンソロジーは「名前も作品も初めて知った」作家のほうが断然面白く感じる。この本では坂井希久子『色にいでにけり』がそれで、普段読まない時代ものだがとても面白かった。主人公の境遇と芯に持つ矜持、江戸の色名と和菓子の描写が実に生き生き、しみじみと描かれていて、このシリーズが読みたくなった。
他は伊吹有喜『夏も近づく』、深緑野分『福神漬』も滋味があってよかった。井上荒野『好好軒の犬』はラストが上手い。柚木麻子『エルゴと不倫鮨』はトップバッターとして勢いがあり好印象。柴田よしき『どっしりふわふわ』はラストが安直な気がしたのと、中村航『味のわからない男』は好みが合わなかった。