井上荒野のレビュー一覧

  • 錠剤F

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    見事に後味の悪い話しかない短編集。面白いのか面白くないのか、オチはなんなのとか、そんなことはどうでもよろしい。これぞ井上荒野、といった風情の日常の一コマ?が表現されている。お気に入りは比較的オチが落ちている以下4作。『墓』→死んだはずの猫に生き写しの猫が来てくれたけど...『ケータリング』→食に興味がなさそうなのにやたら料理人の俺にケータリングを頼んでくる夫婦。『フリップ猫』→フリップ猫、という存在そのものがなんか今時。昔でいえばなめ猫か。『錠剤F』→楽に死ねる薬をめぐる一悶着。これは深い話かも。切ない。

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    2024年04月03日
  • ホットプレートと震度四

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    お料理をテーマにした お話はよくあるけど これは調理道具がテーマ。
    雑誌の連載だったんですね。
    テーマではあるけど その道具達がお話の中にさりげなく出て来て どの短編も面白かったです。
    それぞれのタイトルもおしゃれ。

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    2024年03月31日
  • ホットプレートと震度四

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    短編集。

    大学時代の友人がホットプレートを譲ってくれるというので、夫と住む家に招いたところ、友人がパートナーを連れてきて、互いに気まずい空気が流れていく…(『表題作』)
    若い頃付き合っていたとかいろいろあったとか、大人になってしまえば何も気にせず顔を合わせることが出来るのかと思いきやそうでもない。
    やっぱり少しのわだかまりは残る。ただ、皆大人なので表面上は何事もなかったかのように仲良さげに振る舞うことができる。
    それが良いことなのか本音を隠して付き合うのが悪いことなのかは分からない。
    地震は恐ろしいものだが、それによって場の雰囲気が和らいだこの話に限っては、地震に感謝すべきなのかもしれない。

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    2024年03月30日
  • 錠剤F

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     短編というより掌編という感じのショートストーリー。だから言葉一つ一つに込められた意味が、まるで宝探しのようです。
     後味があまりよろしくないものが多かったので、☆5個は出せません。ほとんどホラーみたいなのもあったね。
     余韻がありすぎて、それはもう欲求不満にも似たものになってしまうので、やはり荒野さんには、長編を書いてほしいなあ。

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    2024年03月28日
  • ホットプレートと震度四

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    eテレで私の台所を紹介する番組に出ていた井上荒野さん。美味しいものが好きな夫婦で山小屋に住んでいる様子にここから生まれる物語を読んでみたくなった。
    作家さんから入って本を選んだのは初めてかもしれない。
    家の感じや本人の雰囲気が書かれる人たちに少しすつ反映されていて読むのが楽しかった。

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    2024年03月27日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    意外な結末だった。
    タイトルやジャケットも謎めいていて、怪しい雰囲気だったからだ。
    作品は登場人物のゆり子、昌平、一樹のそれぞれの視点から描かれており、描写が丁寧で気持ちやその変化が読み取りやすかった。

    老人=弱い立場=憐みのイメージが最後にはいい意味で払拭されて清々しい気持ちになった。

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    2024年03月08日
  • 錠剤F

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    『錠剤F』を初め、タイトルにそそられた。孤独の寂しさを埋めようと踠く人、鬱憤晴らしに因縁をつける人、執着心から抜け出せない人…常軌を逸した人がわんさと登場。陰湿な物語だが後を引かない。

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    2024年03月04日
  • 錠剤F

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    やっぱり、陽が当たる部分だけって事は無いですよね。

    そんな事を痛烈に伝えて来ます。心して読まなくては負けてしまいそうです。

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    2024年02月17日
  • 錠剤F

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    「乙事百合子の出身地」
    「ぴぴぴーズ」
    「あたらしい日よけ」
    「みみず」
    「刺繡の本棚」
    「墓」
    「スミエ」
    「ケータリング」
    「フリップ猫」
    「錠剤F」
    10篇収録の独立短編集。

    井上ワールド全開。

    物語全体から気怠さが漂い、孤独と闇を感じた。
    明るさは微塵もない。
    心地良さは皆無だが独特な世界観が癖になる。

    240頁の中に10篇の物語が収録。
    1篇が僅か20数頁の作品であるというのに、冒頭で読み手の心を捉え結末まで目を逸らす事が出来なくなる。

    どの短編も秀逸で甲乙付け難いが、衝撃的だったのは「フリップ猫」と「錠剤F」。

    闇の深さに慄く。

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    2024年02月04日
  • ママがやった

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    父親が母親に殺される。

    そこからスタートする家族の話。
    なんだかな、ブラックジョークのやりとりのような家族たちの生活がとっても魅了されます。笑

    え?そっち?

    え?なにそれ。

    え?そんなんあり?

    みたいなやりとりを、案外みんな淡々と受け入れて過ごしていく。
    特に、謎にモテるお父さんの浮気。笑

    すっごい憎くて殺されたわけでもない。
    そんなお父さん、案外幸せだったのかもしれないし、それはそれでお父さん恨まない気もするな。

    なんか書いてること以外の本の裏側の背景がしっとりと読者を包み込んでいって、なんとも言えない気持ちにされる一冊。

    すっごい心を動かされるわけでもないのに、ついつい止ま

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    2024年01月30日
  • 小説家の一日

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    どの短編もとても余韻が残り、不思議な感覚だった。
    どの作品も「え、これで終わり?」と思うラストなんだけれどなぜかどれも心に残る感じ。
    やっぱり上手いんだなぁと実感。

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    2024年01月29日
  • 錠剤F

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    10編収録されている短編集。日常の中に不穏な空気が広がっていく。自分の中に、他人との間にそれはあってそこでは孤独のように独りでその空気感が怖い。それが何気ない日常から不意に現れるからゾッとするしこの作品たちに惹かれていってしまう。ずっと不気味さや恐怖感のようなものが付き纏っている作品集。

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    2024年01月25日
  • あなたならどうする

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    昭和歌謡をモチーフに書かれた短編集。章の始めに抜き書きされている歌詞を眺めながら、「昭和歌謡って既に終わった、あるいは終わりが見えている恋愛を歌ったものが多いのかな……?」などとぼんやり考えていた。そんな自分は平成生まれである。
    少なくとも(かの有名な)『トリセツ』のような、「いろいろ手がかかるしワガママも言う私だけど、これからも君は私を愛してね!よろしく!」みたいなポップさは一切感じられない。物語に当てがわれているどの歌も、だいたい「昔はこういうことしたよね、あなたのこういうところが好きだったの、でも今はあなたはいない……」みたいなしっとり(ジメジメ?)感が漂っている。これは時代の変化による

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    2024年01月07日
  • あちらにいる鬼

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    長内みはると白木篤郎を中心にそれぞれが情事を積み重ねて行きながら、作家としての仕事はそれなりにこなしていく奇妙な物語だが、このような生き方もあるのだなと、ある意味で感心した.篤郎の妻 笙子が夫の浮気を感じながら、子育ても難なくこなす幅の広さは特筆ものだと思った.篤郎の行動は突飛な面はあるが、読者からするとやってみたいなと感じさせるものだ.みはるの行動も篤郎とつかず離れずの憎い動きで自分の生き方を守り抜く意思を感じた.得度する決断も面白く、篤郎がこまめに現れるのも楽しめた.解説にモデルとなる人物が紹介されていたが、それは別にしても、作家の行動形態が垣間見える内容だと思う.

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    2024年01月05日
  • ママナラナイ

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    身体の異変や不調などの思うようにいかないことを描いた作品集。思うように動かない身体に引っ張られるように心も沈んでいく。一編が30ページにも満たない短編なのだけれど、どの作品もとても濃密で読み応えはすごい。身体と心のお互いが及ぼす影響と、それを受け入れてからの見え方の違いも興味深い。解説の杉江松恋さんがラスト三行への言及をしていてそれを読んでから作品を読み返すのも面白い。

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    2023年12月21日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    がたんごとん。がたんごとん。
    夢をかける寝台列車がとおります。
    星が流れた夜の車窓から、素敵な夢の旅へご案内。

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    2023年12月10日
  • 静子の日常

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    颯爽としていて上品で活動的な静子さん、素敵でした。
    こんなおばあちゃんになりたい。
    過ごしてきた月日を感じさせる落ち着きと配慮、付かず離れずの距離感。
    息子さん夫婦も孫も静子さんを畏敬してるのわかるし、バーボン鷲田な山田暁と仲間たちも、フィットネスクラブのお姉さま方もコーチも、かわいい面白いおばあちゃんだと近付いてたとしても人柄の虜になってる。
    山田と仲間たちと、静子さんが孫の部屋からくすねてきたバーボンを外で酌み交わしてたの微笑ましかったです。
    宇陀川家やフィットネスクラブの人々のあれこれは荒野さんらしいドロドロハラハラを感じさせるところもありましたが、雨降って地固まるみたく良い方向で終わる

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    2023年11月29日
  • ママナラナイ

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    久々に読んだ井上荒野さんの本。
    身体の不調や変化にまつわる10の話。

    短編集ならではでサクサク飽きずに読めた。
    好きなのは「顔」と「静かな場所」

    また荒野さんの本読みたい。

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    2023年11月23日
  • 静子の日常

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    初読みの作家さん。
    好きな作家さんがこの作家さんの新刊をお勧めされる際に、こちらも話題に挙げられていたので、こちらから手に取ってみた。

    静子さんは、とても上品で気品のあり、機転も聞く方。家族やご近所、フィットネスクラブでのトラブルも目立たぬようにこそっと解決していく姿は読んでいて爽快であり、痛快でした。
    自分も年齢を重ねていくうちにこんな風になれたらと思う一方で、静子さんの夫婦生活ではなくなったご主人に、苦痛を虐げられており、夫亡き後の「自由を生きる」覚悟が、静子さんを凛とさせている要因の一つなんだろうなと思った。

    連作短編集で読みやすかった。

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    2023年11月15日
  • ベーコン

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    はっきりとした感情が書かれず、ゆらゆらしているのにしっかり胸に突き刺さる、寂しく苦しい恋愛の短編集。
    救いがあるような無いような、なんとも言えない切なさが残った。
    井上荒野さんの作品は何冊か読んでいるけれど、この読後感がたまらない。
    静かに燃えている感じ。

    料理のタイトルが並ぶ短編集。
    普通ではない歪な恋愛を描いているのに、知らない世界なのにどこか共感してしまう不思議。
    江國香織に似ている気がする。
    どれも面白かった。

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    2023年11月09日