あらすじ
いつだって、心も体もママナラナイ。
老いも若きも男も女も、心と体は刻々と変化してゆく――。
制御不能な心身を描いた、 極上の10の物語。
不動産会社に勤める斉藤尚弥は最近、何もかもうまくいかない。下半身も心も折れてしまい、おまけに仕事も絶不調――とある夫婦宅の立ち退き交渉が難航していたのだ。夫人によれば、立ち退きを拒否しているのは夫の方らしい。夫人の協力を得て交渉を続けるうち、思いもよらない事実が判明し――(『ママナラナイ』)。
表題作ほか、身体の変化を巡る十編を収録した珠玉の短編集。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
体も心もままならない瞬間がある。わたしも毎日のなんとなくの気分でタスクを考えている。それを顕著に、でも繊細に描き出したのが本作。井上荒野さんはこの苦しい気持ちを書き出すのが、極上にうまいのだ。
Posted by ブクログ
身体の異変や不調などの思うようにいかないことを描いた作品集。思うように動かない身体に引っ張られるように心も沈んでいく。一編が30ページにも満たない短編なのだけれど、どの作品もとても濃密で読み応えはすごい。身体と心のお互いが及ぼす影響と、それを受け入れてからの見え方の違いも興味深い。解説の杉江松恋さんがラスト三行への言及をしていてそれを読んでから作品を読み返すのも面白い。
Posted by ブクログ
久々に読んだ井上荒野さんの本。
身体の不調や変化にまつわる10の話。
短編集ならではでサクサク飽きずに読めた。
好きなのは「顔」と「静かな場所」
また荒野さんの本読みたい。