井上荒野のレビュー一覧

  • 私たちが轢かなかった鹿

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    ひとつの出来事を、異なる二人の視点から描く物語の短編集。
    【私たちが轢かなかった鹿】
    26歳の息子・晴(はる)が自分と同じ52歳の親友・井出真弓と付き合っている。親友も息子も失ったように思う、海堂杏子。
    一方、晴と一緒に杏子の家に来た真弓は、子供のような男と引き換えに親友を失ったように感じ始める。
    連作かと思ったら、一作ずつ別のお話でした。
    この続きがあったら、親友が自分の大切なものを次々と奪っていく〜!となるのでしょうか?
    夕食の料理がすごくおいしそうでした。
    【不幸の****】
    セレブ奥様、ヤケクソの「****!」
    【犬の名前】
    痔だと思ったら、まさかのがん疑惑。世界が自分を捨てようとしていると感じる圭介と、夫に捨てられたように感じる妻の萌子と。
    人間の感情って・・・走り出したら止まらないのかも。何か食べたいものがあって、食べられそうな時「すっかり○○の口になってる」と言うが、そういう感じかもしれない。
    【つまらない掛け時計】
    自分がイケオジだと自負している大学教授。著書が話題になり、ワイドショーのコメンテーターも務めている。
    妻を「凡庸」だと蔑んでいる。
    この大学教授のキャラクターが、におい(加齢臭!)まで感じられるほどリアルに想像できる。
    【小説みたいなことは起こらない】
    別荘地に住む、退屈しきった47歳ちがいの女と男。
    大雪で停電になった。そこへひとりの男が助けを求めて飛び込んでくる。
    佐々木の章があったら、どんな感じだろう。『注文の多い料理店』みたいな?
    佐々木さん、逃げて!逃げて!

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    2025年09月12日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    一度は乗ってみたい豪華列車。ますます乗ってみたくなった。
    各作家さんが描くそれぞれのドラマが、同じ列車内で繰り広げられているんだなぁと思うと、感慨深い。

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    2025年09月07日
  • 私たちが轢かなかった鹿

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    一つの出来事を別々の人物の視点から描いた短編集
    同じ出来事なのに当事者が変われば見方も変わる
    最後のお話『小説みたいなことは起こらない』は、雪で閉ざされた別荘が舞台
    静かな語り口で綴られる物語は、美しくも不気味だ
    井上荒野の世界観は癖になる

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    2025年09月05日
  • 私たちが轢かなかった鹿

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    短編集。容赦なく心をザワつかせてくる、荒野さんらしい短編だと私は思っている。

    『私たちが轢かなかった鹿』
    友達が息子の彼女ってどういう気持ちなんだろう。想像もつかない。でも決して良い気持ちではないと思う。友達の方だって、堂々と自分が彼女だと振る舞いながらもどこか後ろめたいのか、ずっと杏子の機嫌を伺っている感がある。この叫び出したくなりそうな関係性、私だったら逃げ出すだろうな。
    そして、息子の存在も気詰まりだった。まるで杏子も真弓も、息子がこの場にいなければいいのにと心の底では思っているかのようだった。うん、やっぱり私だったら誰の立場だったとしても、この場居たくない。

    『犬の名前』
    もういっそのこと圭介、病気だった方が良かったんじゃないかと思うほどの後味の悪さ。
    本当に人間って汚い部分を持っていると思う。パートナーが死ぬかもしれないのに、自分が寂しくなることの方が心配だったり、死ぬのは嫌だけど一人取り残されるはマシだと思ってみたり、なんか…結婚しても最後はこうなるのかな。実際、私の夫も「絶対先に死ぬ」と公言して酒も煙草もガンガンやっているし…。こういうところ、モヤッとする。来月から煙草はやめさせよう(笑)
    この夫婦、モヤモヤ感を抱えたままこの先生きていくんだろうな。キツそうだな。

    『小説みたいなことは起こらない』
    読んでいる間中、ずっとタイトルが頭を過ぎる。今はもう書いていない、老婆と言える年齢の小説家と若い男性のカップルという組み合わせだけでも、小説みたいな話だとは思うが…。とにかく、彼らが想像しているようなことは起こらないんだろうと思ってこちらは読んでいるので、話の落とし所が全く掴めない。
    小説のようなことが起こらなかったことが理由となり、劇的な事件が起きようとしているラストには結構驚かされた。

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    2025年08月31日
  • 照子と瑠衣

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    テレビドラマを観たので深く読みたくなった本です。
    歳を重ねた年輪も泣けて笑えるエピソードも全てパワーに変える2人旅。読み手が次の行き先が気になる楽しい本です

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    2025年08月27日
  • 私たちが轢かなかった鹿

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    すぐさま突飛な何かが起こるという訳ではない。
    けれど文字を追うことを止められない。
    荒野さんの文章にはそういうところがある。
    上っ面ではない言葉たち。目が離せない強かさ。

    出来事を、違った人物の視点から捉える。
    最後の章は少し怖かったかも。

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    2025年08月25日
  • 猛獣ども

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    何か起こりそうで起こらない、起こらなさそうで、起こる。荒野さんの小説は、この日常の描き方の塩梅が好き。

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    2025年08月20日
  • 悪い恋人

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    不倫小説かと思いきやそんな単純なものでなく、平々凡々な毎日のなかに主人公の"欲望"が浮き彫りにされる1 冊
    深層心理を反映するといわれる睡眠中の夢
    解説を読んで、なるほどなぁと思わず呻いてしまった

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    2025年08月03日
  • 照子と瑠衣

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    2025年6月からNHK BSプレミアムで連ドラ化されてて、始まったのが旅行中だったので見てないんだけど、地上波でやる機会があれば見てもいいなと思う話だった。照子さんがすごいわ。痛快!

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    2025年07月25日
  • 照子と瑠衣

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    音無照子(おとなし てるこ)と森田瑠衣(もりた るい)、二人とも70歳。
    どちらも住んでいたところを捨ててきた。いや、こちらから捨ててやった。不安もいっぱいだが、わーいわーい!である。
    コミックスみたいな表紙。ぶっ飛ばしてる感がカッコイイ!

    長野の別荘地を訪れ、持ち主が留守にしている別荘に勝手に住み着く。
    (元)夫の口座から退職金を分けてもらう。無断で。
    大したクライム・ババアたち(笑)
    瑠衣の方が勝手に生きてきた感じだが、今まで抑圧されてきた照子の「勝手」パワーが大胆に爆発したというところか。
    さすがにテレビドラマでは少々設定の変更があった。

    照子はリサーチ能力に長けていて、長野に来たのはある理由があったのだ。
    別荘地では、静子さんという謎の年配女性と出会う。ニホンカモシカの化身なんじゃないかとか、妖精なんじゃないかとか。

    照子と瑠衣は今も旅の空である。
    照子はトランプ占いで、瑠衣はシャンソンを歌って、いつの間にか土地の人たちの心の中に滑り込む。
    もう二人も妖精化している気がする。いつも大切な人を思いながら、自由に生きていく。

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    2025年07月14日
  • 猛獣ども

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    カップルが、自分の気持ちも相手の気持ちも一切疑わずに向き合っていられるのは、相思相愛をお互いに確信した瞬間だけなのかもしれないと思わされてしまう。
    長く関係を維持するには、自分の気持ちも相手の気持ちも信じたふりをし続けるしかないとしたら、そもそも何のためにその関係を維持する必要があるんだろう。
    そんなやるせない気持ちにさせられる一冊だった。

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    2025年07月09日
  • 照子と瑠衣

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    タイトルと登場人物の年齢が気に入って読み始めた。年齢が上がってもずっと付き合って助け合っていける友の存在は羨ましいと思う。照子の行動は謎な部分の多いが、60代で夫に三行半を突きつけて家を出る勇気は、読んでいて爽快だった。ただ、不安定な2人がこの先どう生きていくのかは心配だったが、行き着いた地で知り合った人との交流に、けっこうなんとかなるものなんだなと教えられた。老いを迎えた2人だからこそ大事にしなければならないものがあると実感した。

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    2025年07月08日
  • あちらにいる鬼

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    嘘つきで女好きで有名な白木という小説家をめぐり、妻と愛人の視点でそれぞれ語られる物語
    途中で出家し尼になった愛人が住職をつとめるお寺に納骨するなど、ほとんど実話ということが信じられなかった

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    2025年07月08日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    ネタバレ

    居場所と一緒に食べることって必要だと思った。
    郁子にとって「ここ家」はただの職場だったのが、江子や麻津子、進と接するうちに居場所になっていき、自分の過去に向かい合えるようになってきている。
    きっと江子や麻津子にとっても「ここ家」は職場を超えた存在だと思う。
    作中に出てくる料理(惣菜)がどれも美味しそうで、
    読みながら、ゴクリと唾が出てきた(笑)

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    2025年07月01日
  • ホットプレートと震度四

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    優しい雰囲気の表紙に誘われて手に取った本だった。食べ物にまつわる話は、決して暗くなり過ぎないから良い。日々の生活、人間関係を大切にしたいと思った。

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    2025年06月30日
  • 照子と瑠衣

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    ドラマ化されるとのことで、BSなので観れないのが残念。
    なかなかに面白かった。
    個性的な瑠衣とずっと旦那に耐えてきた照子という70代二人の逃避行でありつつ最後はいろんな伏線も回収されたり
    人生はまだ何が起こるかわからないなぁと思わせてくれた

    結局分からないままの部分もあったけど、それはまぁ想像してってことかな

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    2025年06月30日
  • その話は今日はやめておきましょう【毎日文庫】

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    高齢で金銭的にも子供達も独立した、庭付き一戸建ての老夫婦。そして、犯罪の認識感がない若者。

    すごく大きな事件は無いものの、価値観やちょっとした偶然が重なりいつも生活が少しずつ脅かされる感覚が、読み手を焦らせます。

    身近にありそうな話が親近感が湧き、ハラハラしながら読み進めました。

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    2026年01月03日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    一樹がブレスレットを盗ってしまったあたりからハラハラしながら読みました。
    晴子さんとこじれてしまったのが残念すぎて切ない。
    こうではない選択肢もあったはずなのに。

    骨折するまではロードバイクが趣味だった72歳の夫と69歳の妻でも“老夫婦”なのかなぁ。
    昨今72歳だとまだ仕事をしている人もいるくらいだからちょっと違和感あり。
    69歳のゆり子を“老婆”と表現した箇所にも。

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    2025年06月10日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理と絡んだ7つの話。
    最後のパンの話がジンときた。
    そして最後の最後、これは本でしか味わえない。
    気に入ったのは水出しのお茶、ぜひ真似してみたい。

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    2025年06月05日
  • 照子と瑠衣

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    何でパワフルなおばあちゃんズ

    これ読んだら、いつからでも再スタートできるんだ!ってすごく人生が明るく朗らかでかつ爽やかに感じられる!

    照子の一世一代の計画は大胆で、ハラハラさせられるし、けれども、ちょっとずる賢い瑠衣のおかげと、やっぱり長年の知恵や、周りの方との信頼関係だったりが、積み重なって、成功していくのにすごくホッとした。ダメだけど。

    照子の考えた計画めっちゃいいーー!!
    最初、ただ旦那が嫌で家を飛び出したのかと思ってたら、なんと三年越しの計画だったとは。
    瑠衣に代わって涙。

    最後のは、その場の未来っていうより、いまだに旅を続けてる照子と瑠衣ってことだよね(?)

    いいなぁ。こういうおばあちゃんになりたい!そしてこういう仲でずっといたい!!

    これ、なんか老人を鼓舞する的な何かで使えたらいいなぁ。

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    2025年06月03日