井上荒野のレビュー一覧

  • ホットプレートと震度四

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    食にまつわる道具を巡る短編集と本の帯に書いてあるが、その通りだった。
    どの物語も淡々と綴られていて、さらっと読めた。
    タイトルになっているホットプレートと震度四と焚いてるんだよ、薪ストーブがよかった。
    何となくでも先に希望が垣間見える話が私は好きなのだ。

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    2024年05月29日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    「ここ家」のお惣菜、どれも美味しそうで読むだけで気持ちが上がる。
    が、江子、麻津子、郁子 それぞれの事情はちくちく刺さる。
    それでも明るく楽しく?毎日を過ごす三人の醸し出す空気はたまらない。
    三人とも「いい女」だと思うんだけど、気が利きすぎたり考えすぎたり事情が重すぎたりして、必要以上に不器用になっているところが歯がゆい。
    にしてもどれも美味しそうなお惣菜、近所にあったらいいのに「ここ家」

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    2024年05月20日
  • 錠剤F

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    おどろおどろしい表紙のイラストが、「覚悟して読んでください」という感じ。
    特別な、あるいは凶悪な事件が起きるわけではないが、日常に潜む、じわじわ来る恐怖が描かれている。
    刑事事件と違って、「解決」される事がないのも、終わった感がなくて却って恐ろしい。
    人に話しても、へ〜え、とか、よくあるよね、みたいに人ごとにされてしまうかもしれないところが、当事者たちにとっては胸がモヤモヤするのでは?
    作品中、はっきり書かれていない事も多く、はっきり書かれていないけれど、読者が察するべき事項と、この先どうなるか本当にはっきりしない事項、そして、本当に起こったのかどうかも曖昧な事項・・・といろいろある。
    もしか

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    2024年05月17日
  • 静子の日常

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    75歳の静子さん、人生を謳歌しているように見えるけど、起こること起こることこんなにどんと構えられるようになるにはそれなりに辛い思いやしんどい思いを乗り越えて来たからなんだろうな。
    物事を良し悪しで判断せず、深刻なことでもどこか楽しんでいて、全てを受け止める姿勢、見習いたいな。
    それにしても十三も愛一郎も親子してなんで軽々と浮気するんだろう。まぁでも愛一郎はまだましか…誤魔化すようにお取り寄せばかりして家族サービスするのには笑えた笑
    静子さんに薫子さん、るかちゃんと女性陣はみんないい女なんだろうなぁ。

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    2024年05月07日
  • 百合中毒

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    ネタバレ

    書店で文庫の裏書を読んで、興味を惹かれて購入。園芸店を営む家族の、母、長女夫婦、次女(不倫中)、その不倫相手、母の恋人、25年前に出て行ってイタリア人と同棲している父、そのイタリア人女性の物語。夫婦って何?25年前に出て行って、恋人に捨てられたからって戻ってきた父親を、家族はどう受け入れるのか?(もしくは受け入れないのか?)やきもきしながら読み進める感じになります。私としては、次女の不倫相手の身勝手ぶりが印象に残りました笑。妻が癌かもしれない、となったら恋人と別れようと思い、癌じゃなかった~と安心してヨリを戻そうとしたり。不倫する男の都合ってだいたいそういう感じなんじゃないかな。
    不倫相手と別

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    2024年04月29日
  • その話は今日はやめておきましょう【毎日文庫】

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    読みやすくてあっという間に読んだ。
    老夫婦と出会った青年(一輝)がとあるきっかけで老夫婦の家事手伝いをする話。
    一輝がどんどん悪い方向に染まってしまいハラハラしたが、最後は希望をもてる終わり方で安心した。
    老夫婦の若者に対する思いや死についての考え方の描写が丁寧で、自分も将来はこんなふうに考える老人になるのかと考えさせられた。
    読後感が良かった。
    忘れた頃にもう一度読みたいかも。

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    2024年04月24日
  • ホットプレートと震度四

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    ネタバレ

    食にまつわる道具をめぐる短編集

    昔の人に戻ってしまいそうな心を、
    今の人に想いが戻ってくれるお話で良かった

    ほっとする、穏やかな気持ちになれた
    どのお話も良かった

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    2024年04月23日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    この本を読んで、抽選で当たる狭き門の「ななつ星」豪華列車に乗車して夢のような時間を過ごしてみたいと思いました。
    幾らなのか?庶民には手が届かない列車でしたが、YouTubeで雰囲気を味わうのもいいなぁと思いました。

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    2024年04月06日
  • 錠剤F

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    見事に後味の悪い話しかない短編集。面白いのか面白くないのか、オチはなんなのとか、そんなことはどうでもよろしい。これぞ井上荒野、といった風情の日常の一コマ?が表現されている。お気に入りは比較的オチが落ちている以下4作。『墓』→死んだはずの猫に生き写しの猫が来てくれたけど...『ケータリング』→食に興味がなさそうなのにやたら料理人の俺にケータリングを頼んでくる夫婦。『フリップ猫』→フリップ猫、という存在そのものがなんか今時。昔でいえばなめ猫か。『錠剤F』→楽に死ねる薬をめぐる一悶着。これは深い話かも。切ない。

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    2024年04月03日
  • ホットプレートと震度四

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    お料理をテーマにした お話はよくあるけど これは調理道具がテーマ。
    雑誌の連載だったんですね。
    テーマではあるけど その道具達がお話の中にさりげなく出て来て どの短編も面白かったです。
    それぞれのタイトルもおしゃれ。

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    2024年03月31日
  • ホットプレートと震度四

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    短編集。

    大学時代の友人がホットプレートを譲ってくれるというので、夫と住む家に招いたところ、友人がパートナーを連れてきて、互いに気まずい空気が流れていく…(『表題作』)
    若い頃付き合っていたとかいろいろあったとか、大人になってしまえば何も気にせず顔を合わせることが出来るのかと思いきやそうでもない。
    やっぱり少しのわだかまりは残る。ただ、皆大人なので表面上は何事もなかったかのように仲良さげに振る舞うことができる。
    それが良いことなのか本音を隠して付き合うのが悪いことなのかは分からない。
    地震は恐ろしいものだが、それによって場の雰囲気が和らいだこの話に限っては、地震に感謝すべきなのかもしれない。

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    2024年03月30日
  • 錠剤F

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     短編というより掌編という感じのショートストーリー。だから言葉一つ一つに込められた意味が、まるで宝探しのようです。
     後味があまりよろしくないものが多かったので、☆5個は出せません。ほとんどホラーみたいなのもあったね。
     余韻がありすぎて、それはもう欲求不満にも似たものになってしまうので、やはり荒野さんには、長編を書いてほしいなあ。

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    2024年03月28日
  • ホットプレートと震度四

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    eテレで私の台所を紹介する番組に出ていた井上荒野さん。美味しいものが好きな夫婦で山小屋に住んでいる様子にここから生まれる物語を読んでみたくなった。
    作家さんから入って本を選んだのは初めてかもしれない。
    家の感じや本人の雰囲気が書かれる人たちに少しすつ反映されていて読むのが楽しかった。

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    2024年03月27日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    意外な結末だった。
    タイトルやジャケットも謎めいていて、怪しい雰囲気だったからだ。
    作品は登場人物のゆり子、昌平、一樹のそれぞれの視点から描かれており、描写が丁寧で気持ちやその変化が読み取りやすかった。

    老人=弱い立場=憐みのイメージが最後にはいい意味で払拭されて清々しい気持ちになった。

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    2024年03月08日
  • 錠剤F

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    『錠剤F』を初め、タイトルにそそられた。孤独の寂しさを埋めようと踠く人、鬱憤晴らしに因縁をつける人、執着心から抜け出せない人…常軌を逸した人がわんさと登場。陰湿な物語だが後を引かない。

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    2024年03月04日
  • 錠剤F

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    やっぱり、陽が当たる部分だけって事は無いですよね。

    そんな事を痛烈に伝えて来ます。心して読まなくては負けてしまいそうです。

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    2024年02月17日
  • 錠剤F

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    「乙事百合子の出身地」
    「ぴぴぴーズ」
    「あたらしい日よけ」
    「みみず」
    「刺繡の本棚」
    「墓」
    「スミエ」
    「ケータリング」
    「フリップ猫」
    「錠剤F」
    10篇収録の独立短編集。

    井上ワールド全開。

    物語全体から気怠さが漂い、孤独と闇を感じた。
    明るさは微塵もない。
    心地良さは皆無だが独特な世界観が癖になる。

    240頁の中に10篇の物語が収録。
    1篇が僅か20数頁の作品であるというのに、冒頭で読み手の心を捉え結末まで目を逸らす事が出来なくなる。

    どの短編も秀逸で甲乙付け難いが、衝撃的だったのは「フリップ猫」と「錠剤F」。

    闇の深さに慄く。

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    2024年02月04日
  • ママがやった

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    父親が母親に殺される。

    そこからスタートする家族の話。
    なんだかな、ブラックジョークのやりとりのような家族たちの生活がとっても魅了されます。笑

    え?そっち?

    え?なにそれ。

    え?そんなんあり?

    みたいなやりとりを、案外みんな淡々と受け入れて過ごしていく。
    特に、謎にモテるお父さんの浮気。笑

    すっごい憎くて殺されたわけでもない。
    そんなお父さん、案外幸せだったのかもしれないし、それはそれでお父さん恨まない気もするな。

    なんか書いてること以外の本の裏側の背景がしっとりと読者を包み込んでいって、なんとも言えない気持ちにされる一冊。

    すっごい心を動かされるわけでもないのに、ついつい止ま

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    2024年01月30日
  • 小説家の一日

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    どの短編もとても余韻が残り、不思議な感覚だった。
    どの作品も「え、これで終わり?」と思うラストなんだけれどなぜかどれも心に残る感じ。
    やっぱり上手いんだなぁと実感。

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    2024年01月29日
  • 錠剤F

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    10編収録されている短編集。日常の中に不穏な空気が広がっていく。自分の中に、他人との間にそれはあってそこでは孤独のように独りでその空気感が怖い。それが何気ない日常から不意に現れるからゾッとするしこの作品たちに惹かれていってしまう。ずっと不気味さや恐怖感のようなものが付き纏っている作品集。

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    2024年01月25日