井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
有名な画家の父の突然の死から5年。60歳になっても不思議な魅力を持つ美しいママと大学生の娘は、亡き父の小さな個人美術館で暮らしていた。ある日、父の愛人であった女性が現れて…
ほいほい読み進められるし、読後感もさっぱり。
破天荒、でもにくめないママと、しっかり者の娘を中心に繰り広げられる、「ハートフル・コメディ」ってかんじ。
「大事な人を亡くした後、ある程度の年齢を重ねた女性はどう生きていくか、女の子はどう大人になり、大きな心の穴を埋めるのか、自分に返ってくる問題でもあり、読んだ後も考えました」
とある作家さんは述べたけれど…
私は年齢的なこともあるのか、あんまりいろんなことは考えさせられな -
Posted by ブクログ
ぎこちなく生きている印象のひとびとを描いた短編集。
不倫など道ならぬ恋のネタ多し。
どんなにいびつでもその中で生きている人にとって、それは日常であるよな、という全体の印象。
きちんと生きているのである、道理に反していても、普通と違っても。
毎週日曜日にやってくる不倫相手との心地よい時間が、不倫相手の妻が子供を産んだことで壊れていくまでを描いた巻頭の『ほうとう』。
二人の娘と住んでいた家を出だ不倫相手と同居を開始することになった主人公の『ゆで卵のキーマカレー』がよかった。
この2編は構造がわかりやすい分切なさや寂しさ、滑稽さがわかりやすい。収録された10編の中ではストーリーと -
Posted by ブクログ
この本好き。
「切羽へ」の影響で、井上荒野は全部読んだけど、これが一番好きだなー。
だりや荘はペンション。はかなげでおとなしい姉と、気の回る明るい妹、そして妹の優しい夫とで営んでいる。
当然、それだけじゃない。
不倫も性愛もなんでこの人はこんなに透明に書けるんでしょうか。「筋だけとったら昼ドラ」 と言った知人の意見に賛成です。
誰が繊細で誰が無神経か。何が善くて何が誤りか。
登場人物の内面を見つめる過程で、自分の美しいところ、汚いところを少し見つけた気がします。
救いがあるとか新しい道を見つけるとかではなく、そういう話。
2009年12月09日 13:46 -
Posted by ブクログ
作家の父を持つというのはどういうことかがよくわかる本だった。
荒野さんの小説はだいたい読んだことがあるが、光晴さんの本は
読んだことがなかった。今度読んでみようと思った。
娘の目から父がどのような人物であったか、娘に対してどのように
接していたのか、接し方に戸惑っていたのか、そういうものが
暖かな目線で書かれていて非常に面白かった。
父のいんちきな話を家族全員疑いもしない家風とか、そういう
家族という普通のようでいてどの家庭も普通でない感じが
とても上手に説明されていた。父であるけれど、時たま
父ではなく一個人の男という気配を無防備にさらけ出して
しまう父に対しての娘の戸