井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
70歳の照子と瑠衣、お互いを一番よく知る親友同士。
瑠衣は入居していた老人マンションをトラブルから追い出され、それを助けるためという理由を付けて輝子はモラハラ夫に別れを告げてふたりで逃避行を始める。
そして別荘地の一軒を不法占拠して住み始める。
この時点で私は読んでいてハラハラしてしまった。
見つからないの?大丈夫?と。
しかし不便な生活もふたりは楽しんでいるようでもある。
照子はカフェでトランプ占い、瑠衣はスナックのような店で歌を歌うバイトを始める。
その別荘地の町に馴染んでいくふたり。
しかし本当の目的はふたりの会いたかった人に会うための計画だったのだ。
周到に計画を練った照子、それに付い -
Posted by ブクログ
東京から佐世保の和菓子店に嫁ぎ、娘を育てながら若女将として生きる、晶。誕生祝いの夜、夫から贈られたエルメスのバングルを手首に巻きながら、好きな人がいる、その人のところへ行くと告げ、いなくなった。残された夫・伸吾の怒りと嘆き、愛人・武藤の不審と自嘲、捨てられたと感じながら成長する娘・結生‥‥。
最近若手作家さんを読み続けていたからか、不穏な空気が漂っていたのに終止落ち着いた雰囲気で読み終えた。舞台が当地・長崎だったのもあるだろう。冒頭でパレードを引退したカンフーマンが登場し、単なる失踪事件ではないだろうと想像していたので、結末はとても意外だった。果たして晶はどうしているのかと、ミステリー仕立て -
Posted by ブクログ
ネタバレなんとなく瀬戸内寂聴が関わっていることが仄めかされてるのだけ知って読み始める。
白木という小説家の男と妻の笙子、愛人の長内みはるを軸に広がっていく物語。
女性二人の視点から展開されていくストーリーはおよそ50年というとても長期にわたる時間軸をまとめていながら、その実ですごくゆったりとした時間が流れているように感じた。人生の大半はただの時間に過ぎないってきっとこういう事なのだろうな。
長内みはるも笙子も、白木を介した複雑な関係性がゆえに繋がってるような繋がってないような絶妙な距離感。
果たしてタイトルの鬼とはなんのことだったのか。