井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人間関係に何かしらしこりを抱える登場人物達が、食事や句会を通して何かしらの決意をして一歩踏み出す短編もの。各章では決意するところまでが語られ、後々の章で助演や背景として登場し後日譚が汲み取れる構成になっている。
食事一つでここまでも決意が固まるものか?という違和感はありつつも、料理を作る、選ぶ、食べるという行為に詰まっているいろんな想いを感じられて、心温かくリラックスした気持ちになれた。
また、後日譚として登場する人物たちは助演や背景として登場するので、顔は知っているが深くは知らないという緩やかな繋がりも作品の雰囲気とマッチしていて良かった。 -
Posted by ブクログ
息つく間もない展開があるわけではなく、熟年世代の女性たちの日常を描いた静かな物語なのに一気読みだった。
仲良しごっこは十分経験した女3人が、自然に助け合い、ままならない現実を受け入れようとする話。
誰だって空回りしたくて空回ってるわけじゃない。
痛々しい振る舞いをしながらも、その自分をどこか冷静に見ている。全部わかった上で、それでもその行動で今をやり過ごそうともがく姿が生々しくて、上手に生きることの難しさを改めて感じた。
でも、わざとらしい助け合いはなくても、何気ない会話や美味しいごはんで少しずつ風向きが良くなっていく。
上手くいかないことがあっても、人生捨てたもんじゃないと思える読後感だった。