井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ふぅ。重たい(笑)
すっきりしないし、気分が悪いし、
雪の中に閉じ込められた気分になる。
というのも、いちいちシンクロしてしまうからだ。
椿も杏も迅人も翼もなんなら新渡戸さんの心情が、
読んでいるうちにすっと浸透してくる。
文章となって書かれていない、自分の想像の中だけの
気持ちであるにも関わらず、確信を持って流れ込んでくる。
人間の身勝手さ、そのことを十分理解できるほど
無駄に神経が細やかで、無駄に頭がよくて。
それゆえに、罪悪感は倍増する。
しかしそれでも手放せない何かのために、
知らないふりをし続ける奇妙な人間関係。
すっかりじとっとした世界に引きずられた作品。
いちばん好きな作品にな -
Posted by ブクログ
一気読みするほど、夢中で読んだ。
フィットネスクラブに出入りするスタッフや会員がそれぞれ主人公となる、連作短編集。
金原氏の解説の中で、“物騒”だとか“脂っこい”だとかのキーワードが並べられているが、
ほんとにそう。
どの話も、後味が悪くて、切ない。
でも読みたくなるのは、そこに尽くされている言葉の力が次へ次へと引きずっていくからだ。
「サモワールの薔薇とオニオングラタン」の1行目。
“朝起きると体がみっしりと重かった。”の表現。
「クラプトンと骨壺」の結末。
何回か、焼き肉屋が出てくるけど、なんかほんとに焼き肉食べてるみたいな気分。
でも最後のストーリーで、あら、さわやか -
Posted by ブクログ
ベーコン、ほうとう、煮こごり、水餃子などの食べ物をモチーフに、10歳の少女から60過ぎの老人までそれぞれの、多くは不倫関係にある男女の、人生の断片を描いた短編集。
日曜にだけやってくる男を待つ女(ほうとう)、会社で倒れた後、体調は戻ったのに出社できなくなった男(クリスマスのミートパイ)、謎の老人の死を巡り右往左往する女たち(煮こごり)…。
「煮こごり」の中に『針の先ほどの空白のようなもの。それが何なのかは謎だった。自分がこうまで焦がれるのはそのせいとも思えたし、あるいは焦がれるということは、相手の中にそのような空白を図らずも見つけてしまうということなのかもしれない』という件りがあるけれど、不倫 -
Posted by ブクログ
誰もが一度は妄想したことのある
「人生の最後に何を食べたいか」という問い…
一線で活躍する7人の作家たちが紡ぎ出す答えは
決して豪華絢爛なご馳走ばかりではなく
日常の片隅にあるささやかな味や
記憶の底に眠る思い出の味が
それぞれの登場人物の人生の愛おしさと共に
鮮やかに描き出されます
江國さんの淡い情緒
金原さんのひりつくような熱量
寺地さんの静かな優しさ…
一話一話の味わいが全く異なり
まるで極上のフルコースを少しずつ
味わっているかのような贅沢な読書時間でした♡
漆黒の背景に浮かび上がる
このミステリアスで耽美な表紙に一目惚れ!!
「食べる」という営みは、私たちが生きる -
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Posted by ブクログ
よく読む作家の名前がずらりと並んでいるので期待していたけど、正直それほどだった。
最後の晩餐、よく話題にのぼるテーマではあると思うけれど、実際にその状況になったら何を選ぶだろう。
結局最後は塩おにぎりでいいとか、母親のつくった家庭料理とか、そういう素朴な路線もあるけれど、私はまだまだ寿司とかウニ丼とか食べたいけどな。
金原ひとみ「ラストサパーフォーエバー」に出てきた、
〈私はまだ、最後の晩餐の最適解を見出せていない。それは私がまだ自分の人生を見通せていないってことなんだろうか。〉
という文章にその通りだと頷きながら読んでいたけれど、作中にでてきた、あん肝白子牡蠣雲丹海老がぎっしり詰め込まれた